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魚へんに雪と書いて鱈です。寒くなると美味しくなってきます。ほぐれるような独特の身の食感が好きですね。これは、一塩した鱈を皮をカリッと焼いて、身をしっとり仕上げ、自家製ベーコンとバターを香ばしく焦がしたものがソース。少し煮詰めたバルサミコがアクセント。 もう少し寒くなると、鱈のオスの腹の中から美味しい白子がたっぷり取れます。最盛期には実に全体重の1/3くらい入ってますね!ものすごくお腹が膨れているので、この様子から「タラフク食べる」の鱈腹という言葉ができたらしい。 白子は、鍋にしたり煮つけにするのが一般的ですが、新鮮なものは塩焼きにすると美味しいし、温まる程度に湯通ししてポン酢で食べるのも乙なもの。フレンチにするなら、ムニエールも良いし、クリーム系ソースやトマトソースでグラタンにしても楽しい。 フランスの家庭料理で、スープと言えば代表的なのがこのスープ・オ・シューsoupe aux choux キャベツのスープです。自家製ベーコンを軽くバターで炒めたところにやや粗めの繊切りにしたキャベツを加えて、少し塩をして蓋をして、弱火でキャベツがしんなりするまでスエ(汗をかかせる)する。ゆっくり気長にやるのが、甘みを引き出すコツ。ごっそりカサが減るのでキャベツはたっぷり使ったほうがよい。たとえばこのスープとパンだけで簡単な食事にするなら、二人で1個くらい食べられるだろう。キャベツに火が通ったら、ひたひたくらいに薄めのチキンブイヨンを加えて、塩コショウとバター少々で味を調える。私の場合はコーンスターチで軽くとろみをつけるのが好み。仕上げにクミンシードをほんの少しのせる。アルザス風のアクセント。 キャベツと一緒に美味しいハムの塊やソーセージなどを放り込んでおけば、立派なメインディッシュになる。また、フォアグラのソテーを浮かべても美味しい。この場合、アルザスのワインゲヴェルツトラミネールの出番。 シンプルなスープだけど、家の畑のキャベツのような良い素材だとびっくりするほど美味しい。もちろん、自家製のベーコンもポイントですね。パッと見つまらなそうなものが、びっくりするほど美味しいというのがとても格好いい料理だと思います。 フランスからキジの良いのが入荷しています。詳しくはホームページを御覧ください。
Nov 29, 2010

「うぶすな」は、さつきが丘の住宅街の一角にある蕎麦の名店。ご主人の秋山さんは、うちの常連さんであるK氏の紹介でサンク・オ・ピエにたびたびご夫婦でご来店になるようになってから、今ではすっかり懇意にさせていただいている。 昨日はランチの予約がなかったので、お店をさぼって「うぶすな」さんへ初めて伺いました。実は、「うぶすな」さんとうちは定休日が月曜日で一緒なので、なかなか伺えないんですね。ところが、月曜祝日の日は「うぶすな」さんは営業で火曜日が代休になり、サンク・オ・ピエは月曜祝日でも定休日なので、「うぶすな」さんのご夫妻は、祝日明けの代休というとほぼ必ずうちに来てくれます。で、私は祝日の月曜日を狙っていけばいいのですが、「うぶすな」さんはたいてい祝日は予約でいっぱいかそれに近い状態なので、なかなか行けなかったわけです。 それが、先日お土産に新蕎麦をいただいて、そのあまりの美味しさにびっくりして、「これは店を休んでも行かなきゃ!」と、思っていたんです。 いやー、美味かったです!鴨せいろと天せいろを頼んだのですが、蕎麦はもちろん天ぷらが美味しかった!イチジクや柿、エシャレットや胡麻豆腐といった変わり種の天ぷらも楽しかったけれど、その揚がり具合のいいこと!久しぶりにプロの天ぷらを食べました。 デザートと抹茶まで御馳走になって楽しい時間でした。 所謂、三たての蕎麦です。つまり挽き立て打ち立て茹で立てですね。香りがあって風味があります。交通の便は悪いし(最寄りといえる駅はありません)時間もかかりますから、必ず予約をして、時間に余裕をもって出かけてくださいね。まあ、サンク・オ・ピエのお客様ならちゃんとした美味しい料理はある程度時間がかかるのは御存じでしょうから問題ないでしょうけど、、、。
Nov 26, 2010

アミューズの一口フォアグラ。カマルグ産のフルール・ド・セルが、旨味を際立てる。 前菜盛り合わせ!画像上やや左から時計回りに、、、パルマ産コッパとフラン産セミドライイチジク、ハンガリーの国宝マンガリッツァ豚のシェフ手作り生ベーコンと自家製ドライトマト、広島産牡蠣のガーリックオイル漬け、ゴルゴンゾーラ風味のレーズンバター、マドリード風オリーヴ、自家製ピクルス、ときめき鶏の砂肝のコンフィ、イタリア産ウサギのリエット。 ラングドックの新酒、ドメーヌ・ラ・グラーヴの白(シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン)と赤(メルロー、シラー)とドメーヌ・ペール・ギヨのボジョレー・ヌーボーのグラスを3つ並べて合わせてみてください!最高に楽しい! 続く料理は、温前菜の仔牛レバーのソテー木イチゴヴィネガー風味。カナダ産の乳飲み子の仔牛のレバーをミディアム程度に焼き上げて、木イチゴ風味の赤ワインヴィネガーと木イチゴのコンポートにジュ・ド・ヴィアンド(肉の出汁)を合わせて煮詰めたソースとグリーンサラダを添える。これは、もうヌーボーにバッチリ合います!しかも、仔牛のレバーは癖がなくて、レバーのイメージをくつがえすといってもいいくらいで、軽くてとても美味しいですよ! そしてメインディッシュは、牛ほほ肉の赤ワイン煮込み。反芻動物である牛の一日中モグモグやっているほっぺたの筋肉をたっぷりの赤ワインで煮込んだもの。ワインの聖地ブルゴーニュ的煮込み料理ですね!これはもう赤ワインの友です。言うことなしの愛称。畑で採れた珍しいフェンネルのクリーム煮も添えてあります。 そして、デザート。手前が、木イチゴ風味のガトー・ショコラ、ココットが、自家菜園のブルーベリーのフラン、となりが、木イチゴのアイスクリーム。これには、残ったボジョレーヌーボーを合わせても美味しいのですが、なんといってもさかもとこーひーのスペシャルブレンドが楽しい! この「ボジョレーヌーボーと南仏の新酒を楽しむコース」は、いったん予約を締め切りましたが、もう少しワインに余裕がありそうなので、予約受付を再開します。後、10名分程度は行けそうです。いずれにしても早い者勝ち!今週いっぱいくらいですね! それから、フランスから雉のいいのが入荷してます。テキサス産のイノシシも入ってきてます。ラベルルージュのマグレ鴨も少し入りました。あー、あと鹿もありますよ!この時期は、美味しいものだらけです!食欲の秋。 雉とイノシシは予約限定メニューです。詳しくは、こちらをご覧ください。
Nov 22, 2010

「ボジョレーヌーボーと南仏の新酒を楽しむコース」のデザート用に作っていただいたさかもとこーひのスペシャルブレンドをデザートに合わせてみました! テーマは、赤い果実味たっぷりのヌーボーの余韻を引き継いで、フランボワーズ風味のガトー・ショコラ、ブルーベリーのフラン、フランボワーズ風味のアイスクリームへの流れに合うこーひーをお願いします。ガトーショコラは、ほぼいつものやつにフランボワーズのコンポートを混ぜ込んで焼きます。ブルーベリーのコンポートを下に敷いたカスタード生地のフラン。軽めのバニラアイスにフランボワーズのコンポートを混ぜ込んだアイスクリーム。 もう挽く前の豆の香りからして、ベリー系なんですね。こーひーだけ飲んでみると、やはりまず綺麗な酸味。と言っても、酸っぱいーと言うのでなしに繊細な酸味です。これはたぶんエチオピアモカから来るのでしょうか?渋みはかなり抑えられていて、紅茶に通じるような、、、いやむしろ濃い紅茶よりよほど渋みが少ない位。 ベリー系、たとえばイチゴのムースやイチゴのショートケーキなどとくれば、普通は紅茶を選ぶのが常道だろうと思う。だからベリー系デザートに合うこーひーというのはある意味無茶振りなはずなんです。でも、さかもとこーひーならむしろ得意な分野のはず、というわけでお願いしたんですね。、、、特にフランボワーズ風味のガトーショコラと合わせると、まあ、その良く合うこと!!もちろんアイスクリームやブルーベリーのフランにもばっちりで、思わず笑ってしまいます。さかもとさんも一瞬でイメージできて、材料もちょうどあったのですぐにブレンドが決まったということでした。素晴らしい出来でした!さかもとさん、今回もいい仕事ありがとうございます。 そういうわけで、ボジョレーヌーボーと南仏の新酒を楽しむコースの食後のこーひーは楽しいものになりました。この期間中は、普通のコースのお客様のデザートにもヌーボーメニューのデザートの一部とこのこーひーをお出ししようと思います。
Nov 19, 2010

煮上がった牛ホホ肉。昨日煮込んで一晩煮汁に漬けておいたもの。軽く握りつぶせそうなほど柔らかくなっている。煮汁は漉して、煮詰め、アクと脂をきれいに取り除いてソースに仕上げる。他にも、、、 これはウサギのリエット。久しぶりに作ったが、やはり奥深い味わいで美味いですね!ラードを流して空気を遮断して保存します。 さらに、、、 これはときめき鶏の砂肝。筋をきれいに掃除するのがとても大変です。不器用な人がやったら食べるところがなくなります。4キロ掃除するのに1時間半かかりました。筋は、柔らかく煮て、家の猫たちの餌に、、、。砂肝は、80度のラードで煮込んでコンフィにします。 砂肝コンフィと言えば、フランス親父の定番のおつまみです。サッと炒めてサラダにのせて食べたりしますね。それから、、、 これは、ゴルゴンゾーラチーズ風味のレーズンバター。ゴルゴンゾーラ・ピカンテ350gと無塩バター700gを室温に戻してよく練り上げて、レーズン350gを加えて塩コショウで味を調えたもの。アルミホイルで巻いて、円筒形に成型して冷蔵庫で固める。ブルーチーズは苦手という方でも、倍量のバターで緩和してあるので、食べやすいしレーズンのほのかな甘みがワインともよくマッチする。他にもヌーボーメニューの仕込みは順調に終了! おかげ様で、予約もたくさん入ったので、いったん「ボジョレーヌーボーと南仏の新酒を楽しむコース」の予約は締め切らせていただきます!ありがとうございます。ワインも予約分しかないので、本日解禁日ですが、予約のお客様以外にはお出しできません。申し訳ありません。 さて、午前零時を待って、ボジョレーヌーボーを抜栓。 今年もドメーヌ・ペール・ギヨです。この作り手は、ボジョレー地区の中で最も骨太で男性的なワインができることで知られるモルゴン村にあります。コミック「神の雫」にも紹介された作り手で、モルゴン村でもトップクラスの骨太ワインとして知られています。 さて、今年の味わいは、、、トップに赤いフルーツの果実味が来るのではなく、まず乳酸系のヨーグルト香とこのドメーヌ特有の土系の香りがあり、その奥から少しずつ新酒らしい果実味が上がってきます。酸味はきれいでしっかりとあり、不愉快さは全く感じません。かなりタンニンが豊富でしっかりしたボディーがあります。色調の濃さからも、しっかりとエキス分が出ていることがわかります。「軽くてさっぱり」というボジョレーヌーボーが多い中、このワインは今年もどっしり骨太ヌーボーという感じです。牛ホホ肉の赤ワイン煮込みにとてもよく合いそう! さて、あとはデザートとさかもとこーひーのテイスティングをして、さかもとさんに報告しなければ、、、先週、こんなメールのやり取りがありました。 サンク・オ・ピエ:もうお知らせが言っていると思いますが、恒例のボジョレーコースを18日からやります。赤い果実味たっぷりのヌーボーの余韻を引き継いで、フランボワーズ風味のガトー・ショコラ、ブルーベリーのフラン、フランボワーズ風味のアイスクリームへの流れに合うこーひーをお願いします。ガトーショコラは、ほぼいつものやつにフランボワーズのコンポートを混ぜ込んで焼きます。ブルーベリーのコンポートを下に敷いたカスタード生地のフラン。軽めのバニラアイスにフランボワーズのコンポートを混ぜ込んだアイスクリーム。こういう感じです。 さかもとこーひー:こんにちは、坂本です。今回は一瞬でイメージできますね。何故か、ちょうど良い素材もあります。週末のお届けで宜しいでしょうか。 サンク・オ・ピエ:ありがとうございます。楽しみです!よろしくお願いします。 さかもとこーひー:*今回のブレンドは、-エルサルバドル・エルレクエルド-ニカラグア・ラ・コパ-エチオピアモカの3種類です。なかなか、楽しい出来になりました。 と、たったこれだけのやり取りなんですが、、、さかもとさんはいつも笑ってしまうほどデザートにぴったりなこーひーを作ってくれます。しかも使っている豆がまた豪華!さかもとこーひーのシングルオリジンのトップクラスの豆ばかり!デザートに合わせて、今日味見する予定です。楽しみ~~、、。
Nov 18, 2010

ヌーボーのワインは昨日の午後、店に届きました。すぐに開けて味を見たいところですが、、、、、。私の場合、フランスの食文化に敬意を表する意味で18日の午前零時までは開けないことにしています。昨日と今日は、そのヌーボーに合わせるコース料理の仕込みです。 メインは牛ホホ肉の赤ワイン煮込み。これが牛ホホ肉。 穀物肥育されたオーストラリア産の牛ホホ肉です。軽くサシが入っていて、いい感じの肉質。反芻動物である牛ですから、一日中モグモグやっているので、よく使う筋肉ですから硬い肉です。固い肉イコールコラーゲンが豊富なわけで、煮込み向きということになります。タコ糸で筒状に縛って、、、 軽く焼きます。 これをミルポワ(香味野菜)とともに赤ワインで煮込みます。今回は、肉が7キロ余りで、ワインは約7リットル弱使用してます。仕上げのソースにもう1.5リットルくらい使う予定です。赤ワイン煮込みの場合、赤ワインをケチっては美味しくできません。下手をすると肉代よりワイン代のほうが高くつきます(笑) 続きは次回。
Nov 17, 2010

これは、サツマイモのポタージュ。食材としてはありふれてますが、意外にフレンチでは使いませんね。うちの畑のサツマイモが美味しいので、ポタージュにしました。ほんのり甘くて美味いですよ。明日あたりからは、カリフラワーのポタージュになりそうです。 カリフラワーは、ルイ15世(フランスの王、最愛王と呼ばれポンパドゥール夫人やデュバリー夫人など数々の愛人をかこったことで有名)の好物でした。その愛人だったデュバリー夫人は、自身の屋敷の庭にカリフラワーを植えて王をもてなしたそうだ。そういうことから、カリフラワーのポタージュはpuree DuBarryピュレ・デュバリーということになっている。 さて、ホームページの料理画像集を更新しました。ぜひご覧になってください。
Nov 16, 2010

これは、オーストラリア産の赤鹿。セープ茸(ポルチーニ)、ジロール茸、フォアグラソテーにトリュフのソースの豪華版です。これは特別メニューですが、、、。 これから春先まで、レギュラーメニューでやっていきます。お昼でもディナーでもメニューにのっています。レギュラーメニューの時は、木苺やブルーベリーなどのベリー系ソースで仕上げることが多いです。マッシュルームなどキノコを使ってシャスール風のソースにすることもあります。
Nov 14, 2010

11月から3月までは、生ハムの代わりにスモークサーモンです。私が手作りにこだわるのは、美味しいものが売っていないから、、、。市販のスモークサーモンの多くは、燻製ではなく燻液というスモーク臭のついたマリネ液で漬けただけのものだ。本当の燻製というのは、もちろん煙でいぶしたものなのだから、いぶしてないのにスモークサーモンと名乗るのはおかしいのだが、日本の法律では規制がないらしい。詳しくは知らないが、フランスなどではいぶしてないのに燻製を名乗ることはできないのではないかと思う。 まず材料は、ノルウェー産のサーモンもちろんお刺身用です。 1本で、5~6キロあると脂が乗っていて美味しい。これを卸して、、、 塩漬けにします。最近イタリアのシチリア産の美味しい荒塩を見つけたのでそれをたっぷり使います。一匹漬けるのに2キロくらいは塩が必要で、それに2割くらい三温糖と荒挽きの黒コショウ少しとハーブ(バジル、タイム、オレガノ、エストラゴン、ローズマリー)も混ぜて、サーモンに布団をかぶせるくらいの感じで、たっぷりと塩をかぶせます。これは直塩という方法。たくさん作るときには、ソミュールといってハーブの香りなどをつけた濃い塩水で漬けこみます。市販のサーモンはこのソミュールにスモーク臭をつけてあって、漬けこんで終わりというわけですね。 漬けこむ時間は、30から48時間くらい。水分の出方や身のしまり具合、脂ののり方などで時間が変わります。これは長年の勘です。程よく漬かったら水洗いします。このときの塩の落とし具合も微妙です。水分をよく取って、ラップをせずに冷蔵庫に一晩置いて表面を軽く乾燥させる。水気があるといぶした時に煙がつかないのだ。 翌日、桜のチップで5~6時間いぶします。冷燻です。燻製には温度帯が3種類ありまして、、、冷燻(30度以下)、温燻(60度前後)、熱燻(100度以上)となります。冷燻は、材料に全く火を通さないように冷たい煙でいぶすので、水分が保持されしっとり仕上がります。サーモンはこの温度帯です。温燻は、ハムやソーセージなどたんぱく質凝固温度付近での燻製。つまりしっとり火を通しながらいぶすやり方で、一番一般的なやり方。熱燻は、ローストしながらいぶすというやり方でかなり特殊です。代表的なのが北京ダック。 そういうわけで、燻製はちゃんと作ると手間と時間がかかります。サンク・オ・ピエのサーモンも最低4日はかかるわけです。だから安いスモークサーモンは、半日でできる燻液タイプになってしまうわけですね。コストの問題。市販のもので、美味しいなぁと思える手作り製のサーモンだと、キロ¥6000とか¥8000とかします。フォアグラ並みの単価。これじゃぁ、お客さまに安く出せません。だから作ることになるんですね。 同じような理由で、手作りでスモークハムや生ベーコンもやってます。これは添加物や着色料を使ってない美味しいハムはないものかといろいろ探した末に、結局見つからず、じゃあ作るしかないということでやっているんですね。だからうちのハムとベーコンは豚肉と塩だけでできてます。ハーブやスパイスすら使ってません。スモークサーモンや手作りハムは、いまやサンク・オ・ピエの人気メニューです。 サーモンは寒い時期だけの限定メニュー!11月から3月ごろまでです。
Nov 12, 2010

ボジョレーヌーボーや南仏の新酒の最終情報が、酒屋さんから届きました。それによると、今年もなかなかよさそうな感じですよ! ペール・ギヨ ボージョレ・ヌーヴォー ボージョレ・モルゴンと言えば、ボージョレの中でも高級ワインの代名詞。1本3000円は下らない高品質なワインが作られる村。力強いワインがこの村の特徴で、ヴォリューム感と味わいの強さが絶妙です!今年は春の長雨と、夏場の低気温で生産者によっては最悪のヴィンテージとなる事が予想されていましたが、丁寧に手入れをされた畑は逆に2003年、2009年に並ぶ最高の年を迎える事が出来ました。ペール・ギヨももちろん収穫時の葡萄が素晴らしく、実際現地で飲んできたスタッフの感想は「果実味がぎっしりと詰まっていて、華やか。それでいて優しさもある素晴らしい味わいだった」との事。これから数週間の熟成を経て、更に味わいに深みが増す事でしょう!ドメーヌ・ラ・グラーブ ラングドック・ヌーヴォー フランス ラングドック地方の絶好のロケーションから作られる葡萄は、果実味が凝縮し、健全な果実が収穫されます。今年のフランスは夏が涼しかった影響もあり、ゆっくりと時間を掛けて成熟した葡萄は、果実味と酸のバランスが絶妙!大きな病気も無く、最高の葡萄が収穫されました。出来あがったワインも昨年以上の美味しさで、日本への移動の期間でじっくりと熟成されて更に美味しさを増しています。 ということで、今年のボジョレーヌーボーと南仏の新酒を楽しむコースは、、、Menu pour Beaujolais Nouveau et Vin primour de Provence 2010ボジョレー・ヌーボーと南仏の新酒を楽しむコース11月18日よりワインの在庫が無くなるまで¥5800Amuse ,canape de foie grasアミューズ、フォアグラのカナッペ7 entrees pour vin primour 20102010年の新酒を楽しむ7種前菜盛り合わせCoppa di PARMA et figue demi secheパルマ産コッパとフランス産セミドライイチジクLard fume de MANGALICA du chefハンガリーの国宝!マンガリッツァ豚のシェフ手作り生ベーコンRillette de lapin d'Italieイタリア産ウサギのリエットBeurre de GORGONNZOLA aux raisinsゴルゴンゾーラチーズ風味のレーズンバターHuitre de HIROSHIMA a l'huile a l'ail広島産牡蠣のガーリックオイル漬けConfit de gesier de TOKIMEKIときめき鶏砂肝のコンフィOlives et PicklesオリーヴとピクルスFoie de veau cuite au vinaigre au framboises仔牛のレバーの小さなステーキ、フランボワーズヴィネガー風味Joue de boeuf braisee au vin rouge牛ほほ肉の赤ワイン煮込みGateau au chocolat au framboises , Flan de myrtille ,Glace au Framboisesフランボワーズ風味のガトー・ショコラ、ブルーベリーのフラン、フランボワーズ風味のアイスクリームCafe de SAKAMOTO ou the et 2painsさかもとこーひー又は紅茶、2種類のパン といった内容です。恒例の7種前菜盛り合わせは、今年も美味しいものばかり! パルマ産コッパとフランス産セミドライイチジク、これは、コッパという豚肩ロースで作った生ハムで、生ハムとサラミを合わせたような深い味わいにフランス産のセミドライイチジクを合わせると美味いんです。 ハンガリーの国宝!マンガリッツァ豚のシェフ手作り生ベーコンは、もうお馴染みですね!マンガリッツァ豚の美味しい脂とさくらチップの香ばしさを楽しんでください。 イタリア産ウサギのリエット、豚や鴨などリエットはいろんな肉で作りますが、私に言わせればウサギが最高!上品な旨味は他に比べるものもありませんと言っておきましょう。 ゴルゴンゾーラチーズ風味のレーズンバター、レーズンバターってありますよね。あれにゴルゴンゾーラチーズを練りこむわけです。ちょっと前に思いついた私のオリジナル的メニューです。これも美味い! 広島産牡蠣のガーリックオイル漬け、コクのある広島産の牡蠣をたっぷりのガーリックオリーヴオイルで煮込んで漬けこみます。隠し味にちょっとオイスターソース。こうすることで、赤ワインでも白ワインでも美味しいつまみになりますね。 ときめき鶏砂肝のコンフィ、砂肝はフランス語でジェジェといいます。なんかざらざらした砂が入っていそうな感じがよく出てますよね。その砂肝を80度くらいのラードで柔らかく煮込み、仕上げに強火でカリッと焼いたのがコンフィ。フランス親父の定番おつまみです。あちらでは、レトルトパックや缶詰でどこでも売っているくらい。 オリーヴとピクルス、ワインの国のお新香ですね!オリーヴは、パプリカとオレガノでマリネしてスペイン風に、ピクルスはもちろん自家製です。 仔牛のレバーの小さなステーキ、フランボワーズヴィネガー風味、カナダ産の新鮮な仔牛のレバーのステーキが2皿目の温前菜。ボジョレーをイメージして、木イチゴのヴィネガーを使ったソースにしました。仔牛のレバーは癖もなく柔らかくて美味しいですよ!どうしてもレバーは苦手という方は、別メニューに差し替えもできますから予約の時に相談してくださいね。 牛ほほ肉の赤ワイン煮込み、メインは、牛ホホ肉の赤ワイン煮込みです。牛は反芻動物ですから、一日中モグモグやってますね。だからホホ肉が発達してます。よく動かす筋肉ですから、固く締まってコラーゲンがたっぷり!だから煮込みに向いているんですね。たっぷりの赤ワインでじっくり煮込んで仕上げます。最後はトロトロに!もう、「赤ワインお代わり!」と言いたくなる料理です。 デザートは、フランボワーズ風味のガトー・ショコラ、ブルーベリーのフラン、フランボワーズ風味のアイスクリームの3種類。すべてべりー系の香りをまとわせたデザートなので、最後に残ったヌーボーを合わせてもよし、また、さかもとこーひースペシャルブレンドに合わせれば、至福の食後が楽しめるでしょう! 以上、ボジョレーヌーボーと南仏の新酒を楽しむコースでした。 さて、今週から本格秋冬メニューに突入です!まずは、パルマ産の生ハムが終売になりかわりにシェフの手作りスモークサーモンが始まりました。 多くの市販のスモークサーモンは、燻液といってスモーク臭をつけたマリネ液に漬けただけの偽物です。だからあまり美味しくない。サンク・オ・ピエのスモークサーモンは、新鮮なノルウェーサーモンをじっくり塩づけしてから、半日ほど冷燻にかけたものでこれぞ本物と言う味わいです!冷燻というのは30度以下の冷たい煙でいぶすことで、素材には全く火を通さずに仕上げることができます。だからサーモンがねっとりしっとりと美味しく出来上がります。寒い時期しかできないので3月ごろまでの冬メニューです。 それから、、、ジビエも始まりますよ! まずは鹿肉。上の画像、左が牛ヒレ右が鹿の背肉です。赤身が強いのがわかりますね。北海道のエゾ鹿やオーストラリア産の赤鹿を使います。鹿肉はレギュラーメニューに載せますので、春先までは食べられます。 他にも、、、、アメリカテキサス産のイノシシや フランス産のキジなど予約限定メニューでやります。詳しくは、ホームページをご覧ください。 さらに、シェフスペシャルコースにも新メニューが登場です。これも詳しくはホームページをご覧ください。あわびのリゾットが特にお勧めです! ふぅー、今日はお知らせ盛りだくさんでした。
Nov 9, 2010

いつものK氏のワイン会。ただしワインをセレクトしたのは、私の一番長いおつきあいのお客様であるもう一人のK氏。まずは、ドンペリの2000年。料理は、三陸産生牡蠣にシャンパーニュヴィネガー入りのポン酢とエシャロットのソース。 ここで、2本目のバロン・ド・エルも開けて、空気を入れるためにドボドボとデキャントする。 フランスロワール河の最上流のプイィ・フュメの化け物ワイン。プイィ・フュメと言えば、パキンとすっきりした軽めの辛口白ワインというのが普通だが、このワインは、重厚なボディーを持ち、ブルゴーニュのグランクリュも凌駕するものすごいワイン。なんと当たり年なら20年から40年も熟成するというからびっくりだ。したがって、この2006年のワインは全く固く閉じていて、あまり楽しめないのだ。したがって、白ワインなのにデキャントするわけだ。しかもわざと激しく落とすことで、空気に当てて香りを開かせるというわけ。料理は、サーモンのリエットとツブ貝のココット焼き。 次が今回の主役的ワイン。ニコラ・ジョリー作のクロ・ド・ラ・クーレ・ド・セランわずか7ヘクタールの単独アペラシオン。ブドウは、シュナン・ブラン。この品種はごく甘口からごく辛口やスパークリングワインまで出来てしまうという変わったブドウだ。このワインは基本的に辛口。だが2005年は貴腐果が混じったということで、独特のニュアンスが付いている。この作り手のニコラ・ジョリー氏は、ビオディナミの伝道師と言われる人で、徹底した古代的な有機農法の実践者なのだ。農薬や化学肥料を使わないのはもちろんだが、農作業のスケジュールを月の満ち欠けに合わせたり、そのため夜中に農作業をやる日もあるというし、害虫がつくと手でたくさん捕まえてきて、燃やした灰を煎じて自然の殺虫剤を作ったりと、今の農業からすると、ちょっと呪いめいたことをやっているという変わった人物。 このワイン、ニコラ・ジョリー氏は3~4日前に開けておくくらいでちょうどよいとのこと。ワインが届いたのが、前日だったのですかさず抜栓しておき、飲む前にジャブジャブと激しくデキャントし、さらにデキャンターをぐるぐるまわして空気を入れた。このくらい痛めつけてやっと味が和らぐ。まあ、普通のワインにこんなことしたら香りが飛んで酸っぱくなってしまうだろう。合わせた料理は、久しぶりにひねりまくった難解な料理。と言っても、食べれば少しも難解じゃないんですけどね、、、。 フォアグラーのソテーにアプリコットジャムとレモンのソースに広島産牡蠣のソテーを添えて白ワインとリンゴ酢のブールブランソースにサルタナレーズンを入れたものを合わせ、これにローストした洋梨を添えた。ロワールのこの地域は、石灰質土壌。石灰岩というのは何億年か前のサンゴや牡蠣の殻などが元になっている。このミネラル分が、ワインのミネラル分の元になっている。それで、牡蠣が登場する。数億年を隔てて古代の牡蠣の成分と現代の牡蠣のソテーが出会うというわけ。ワインは貴腐果を含んでいるし、もともとシュナン・ブランはフォアグラと相性が良いので、フォアグラ。ワインの中の果実味として、アプリコットや柑橘の要素、洋梨やリンゴの要素、貴腐果のニュアンスとして、サルタナレーズン。つまり、この強い個性的なワインのために普通ならありえないような組み合わせなのだが、ワインの味の要素を実際の食材をバランスよく組み合わせて強調して再現した皿だ。 みなさん、相性の良さに唸ってましたね。どうやってこんな料理を思いつくのかという話になって、、、私の場合、長年こんなことばかりやっているので、絶対音感ならぬ絶対味覚みたいなものがあって、頭の中で作曲するように頭の中で味を重ねたり引いたりして作ってしまうから、めったに試作はしないんです。このワイン会に参加している、さかもとこーひーのさかもとさんもその話に納得。さかもとさんもこーひーのブレンドを作るときにイメージさえできてしまえば、頭の中で豆の組み合わせが決まると言ってますね。 去年から始まった、さかもとこーひーとサンク・オ・ピエのデザートのコラボ、季節のコースの特別デザートに合わせて、そのデザート専用のコーヒーを作ってもらうというものだが、私がやっているのは、さかもとさんにメールで簡単にデザートの説明をするだけなんです。すると数日で、豆が届きさっそくデザートと合わせてみるわけです。これがまた、笑っちゃうぐらいよく合うんですね。世界広しといえどもレストランとコーヒー屋さんがこんなことやっているなんて聞いたことがありませんよね!それからほどなくさかもとさんが食事に来られて、デザートと自分のこーひーで試すわけです。「やっぱり俺のこーひーはサンクで飲むのが一番美味いなぁ!」と、(笑)ジャズミュージシャンが、ちょっとしたコード進行のメモ書きでいくらでもジャムセッションができるように、味のプロ同士の楽しいやり取りです。
Nov 5, 2010
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