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これは、筍のイタリア風グラタン。塩とオリーヴオイルにほんの少しニンニクの風味で炒めた筍にパセリとパルミジャーノ入りのパン粉をかけて焼いたもの。ランチの小さな温前菜で出してます。 それからこちらは、和牛赤身肉のカルパッチョ。和牛といっても交雑牛といって、黒毛和種と外来種とのミックス。まず、皿にオリーヴオイルを少したらし、にんにくのみじん切りを数粒落として、スプーンの背でつぶすようにこすりつける。その上に薄く切った牛肉を並べ、塩胡椒してオリーヴオイルを回しかけ、オリーヴオイルで作った自家製のマヨネーズ風のソースをかけ、、、 最後に中央にパルミジャーノいりのサラダを飾って出来上がり。カルパッチョというと、すっかり洋風お刺身料理の代名詞となってしまったが、本来は、ルネッサンス期に活躍したイタリアの画家の名前。赤い色の使い方が、独特というのが画風で、その赤をイメージして絵画的に盛り付けた牛刺しがオリジナル。ミラノのハリーズバーが元祖だ。だから白身魚を使ったらカルパッチョとは言えないはず。魚ならマグロの赤身しかないだろう。ちなみに魚介のカルパッチョの元祖は、あの予約が取れないので有名なイタリアン“ラベットラ”の落合シェフだ。(NHKで本人がそう言っていたから間違いないだろう) それから、これはタコのスモークとホタルイカのマリネのサラダ仕立て。噛みしめると美味しいタコ。そのタコにスモークをかけると、噛みしめるごとにほんのりスモーク香が心地よい。市販のものもあるが、これはもちろん自家製。ホタルイカもそろそろ終わりかな? 最後は、イチゴのムース。ムースというのは泡のこと。だから、口に含むとスーッと消えて、あっという間に無くならなければいけない。もちろんこれは、そういう仕上がりです。原料のイチゴはフランス産のイチゴのピュレ。空気を入れて立てた生クリームとしっかり立てたメレンゲをさっくり混ぜ込むのがコツ。珍しいお菓子ではないですが、ケーキ屋さんのものとは違って、持ち帰りを前提としてないので、ゼラチンも最小限。だから口解けがいいんですね。
Apr 29, 2010

筍は、、、義父が、毎回20キロから30キロくらい掘ってきてくれます。今年はこれで4回目。だから毎年軽く100キロ以上は使うんですね。100キロといっても実際に使えるところは、半分くらいですが、、、。それにしても一月くらいの間に筍を100キロも使うなんて、筍尽くしの料亭みたいでしょ? 毎年使っているので、保存法や調理法などがだいぶ確立してきました。マリネは冷凍がききますし、筍の根元に近いこりこりのところは、小さめにカットして軽く塩をしてオリーヴオイルで炒めて冷凍しておけば、他の春野菜と合わせてスープに使えます。他にも茹でた筍を少し酢を入れた水に漬けて冷蔵庫に入れておけば、2~3週間持ちます。ただし、水を濁らせないようにこまめに変えること。この保存法が一番美味しく食感も変わらないです。冷凍するときは、炒めたり味をつけておくほうが、スが入りにくいようです。何もせずに冷凍するとちょっとスが入りますが、そのまま料理に使ってしまうとちょっと食感が柔らかくなりますが、使えないこともないです。まあ、いずれにせよ冷凍せずに早く使うのに越したことはありません。 昨日は、以前ブログに書いたベルリン在住の方が、お客様で来てくれました。私のブログをよく読んでいるそうで、いつかは行ってみたいサンク・オ・ピエだったそうで、、、最近日本に出張で来ていたところ、例のアイスランドの火山噴火でフライトが遅れ思わぬ時間ができたということでのご来店でした。実は、このお客様は、サンク・オ・ピエに来る前から何人か別のお客様を紹介してもらっています。つまり、ベルリンで私のブログを読み、千葉に住む友人に「きっと美味しい店に違いないからいったほうがいい」と、勧めてくれたそうです。食後少しお話をして、ベルリンの食事情などを伺え、いろいろ参考になりました。 さて、筍。この感じで行きますと、連休明けくらいまでは使えそうです。マリネやスープはだいぶストックできたので、その後ももう少しいけるかもしれません。もうしばらく、サンク・オ・ピエは、筍三昧の日々です。
Apr 25, 2010

これは、筍のチリメンジャコ炒め。自分用のお惣菜です。作り方は、ジャコをサラダオイルか胡麻油で炒めます。(ジャコが跳ねるので中華鍋型の深いフライパンがよいです)チリチリパチパチはぜるくらいまで、焦がさないけどちょっと香ばしくなるくらいまで、、。筍は適当に切ってジャコの鍋に入れて炒めてゆきます。味付けはめんつゆ もしくは出汁醤油。好みで一味か七味唐辛子を振ります。私の場合、出汁醤油は広島の牡蠣醤油というのを使ってます。長持ちさせたいなら、味を濃いめにしますが、薄めの味付けでたくさん食べるほうが好みです。酒のつまみはもちろん、ご飯にも合うし、炊きたてのご飯に混ぜ込めば、即席の筍ご飯にもなります。 筍は大した栄養はなく、95%くらいが水分。でも、3%くらいの食物繊維(ごぼうと同じくらいだから結構多い)とビタミンAとBが少しあり、カリウムも結構含まれているので、便秘や肥満、高血圧には良い食べ物。それに何と言っても春の一時しか美味しい生の筍は手に入らないですから、大いに食べましょう。 ついでに、サンク・オ・ピエの筍のマリネの作り方。ニンニクのみじん切りとオリーヴオイルでフライドガーリックオイルを作ります。ニンニクは焦げやすいから、失敗してしまうことが多いのですが、まず失敗しない方法を教えましょう。例えば、ニンニク1株分のみじん切りに1.5カップ位のオイルを小鍋に入れて中火にかけます。別にカップ一杯くらいのオイルを冷蔵庫で冷やしておきます。ニンニクはどんどん中火のまま色づけていってください。ちょうど良く、食パンの耳より少し濃いくらいの色になったら、火を止めそこに冷やしたオイルを入れて温度を下げます。これで火が入りすぎるのを防ぐわけ。このやり方ならまず失敗しないはず。それで、筍のマリネは、、、切った筍を塩と少しのフライドガーリックオイルとシェリーヴィネガーで和えるだけ。出来たては少し酸味が強くてしょっぱい位でちょうどよい。半日ほどすると味が落ち着きます。もちろん薄い目の味付けで、サラダとして食べきるならそれも良しです。オイルは少なめで、酸味と塩はしっかり利かせるのがコツ。シェリーヴィネガーは、スペインのシェリー酒から作ったワインヴィネガーです。ちょっと手に入りにくいですが、楽天などの通販でも売ってます。なければ白ワインヴィネガーでも良いけど、ちょっと感じが出ないんですよね、、、。酢が入っているので結構日持ちしますし、フリーザーバッグに入れて冷凍しても大丈夫です。(解凍してそのまま食べられます)フライドガーリックオイルは、冷ご飯を炒めるときに使えば、簡単ガーリックライスに使えますし。トマトの水煮缶詰めとフライドガーリックオイルを合わせて加熱し、塩で味を整えればほんの数分で美味しいトマトソースができるので、使い勝手が良いです。作って置いて損はないです。蓋つきの器で室温保存で2週間くらいもつはずです。 この時期私は筍ばかり食べてます(笑) 筍というと、煮物に若竹吸い物、筍ご飯など、当然和食で美味しいのですが、このマリネなんかは我ながらなかなか美味しい料理だと思ってます。ここ数年必ず作ってますね。 そのほかにも,最近ランチの小さな温前菜で出しているイタリア風のグラタン。これもお手軽メニューです。ドライパン粉とパルミジャーノチーズの粉とちぎったパセリの葉(イタリアンパセリなら申し分ないが、普通のパセリでも良いです)と少しのニンニクのみじん切りとオリーヴオイル少々をフードプロセッサーにかけておきます(これをペルシヤードといいます)。筍は、適当に切ってオリーヴオイルと塩で炒めて下味をつけておきます。そのまま食べて少し物足らない位でよいです。グラタン皿にオイルを薄く塗って、筍を並べ、先のペルシヤードを全体が隠れるくらい均一に振りかけてオーブンで香ばしく焼きます。クリームソースを使わない軽いグラタンです。好みでところどころにトマトソースをポチポチ落してみたりしてもいいです。ベーコンやソーセージなどを一緒に入れて焼いてもいいですよ。 このペルシヤードは、そのほかにもプチトマトの半切りに塩を振って、ペルシヤードを乗せて焼くとか白身魚や鶏の料理などにも応用できますよ。
Apr 22, 2010

サンク・オ・ピエの春の名物の筍は、成田の自家菜園のそばの竹林から義父が掘ってきて掘りたてを1時間くらいで届けてくれる新鮮なもの。筍は鮮度が命で、掘り出して根から切り離した瞬間にある種の酵素が働いて、木質化が進む。つまり固くなり、エグミが出始めるわけだ。これは、アスパラガスなども同じで、筍やアスパラは実は取って半日もすれば、味は落ちてしまう。まあ、ほとんどの方がそのダメになった筍やアスパラの味しか知らないわけだ。筍掘りに行ったとしても、取ってきて次の日に茹でるようでは何の意味もないのだ。うちの場合は、すぐに茹でてしまうので、柔らかくてあくがなくて美味しい。それをマリネにしたのが、下の画像。これは前菜のサラダに添える。 ブイヨンで味をつけて煮た後、このように焼いて付け合わせにするし、、、 このように自家菜園の春野菜と一緒にスープにも使う。これは、ポタージュ・キュルティバトゥール(菜園家風スープ)、筍(もちろんフランスでは使わない)、春キャベツ、新人参、新玉ねぎをオリーヴオイルでスエ(汗をかかせるように弱火で炒めて甘みを出す)して、旨味に自家製のイベリコ豚のベーコンを入れてある。少しおとしたトマトフォンデュがアクセント。 フレンチの高級春野菜というと空輸もののフランス産ホワイトアスパラが有名だが、最短でも出荷して3日はかかるのだから、もうすっかり味が落ちているのだ。しかも、飛行機代がかかっているから、太いのが一本¥500もするのだ!となると、アスパラ一本食べるのに、お客様は¥1000から¥2000も払うことになる。バカバカしいですよね!国産のホワイトアスパラにしても同じこと。収穫後24時間から48時間は経ってしまうから、話にならない。 だから、毎年サンク・オ・ピエの春は筍!ということになってます。ゴールデンウイーク明けくらいまでは、ほとんどのメニューにいろいろな形で筍がついてくる予定です。フレンチなのに筍フルコースですよ!(天候と義父の都合により入荷が終了します)筍メニューの予約は受け付けませんのでよろしくお願いします。
Apr 20, 2010

4月5月のシェフお勧めコースの食後にと、さかもとこーひーのさかもとさんが選んでくれたのがこのこーひー。さかもとさんの解説によると、、、 春向けに...花やフルーツの魅力いっぱいなコスタリカのカップオブエクセレンス「コスタリカCOEサンティアゴ」を用意しました。 コスタリカCOEは、その切れの良い明るい魅力を生かして少し深煎りに仕上げ、いつも夏頃にご紹介していましたが...今回は、フローラルからハニーライクにフルーツの甘い香りのキャラクターが魅力的になるよう少し抑えた焙きにしました。まず明るい甘さと円やかで柔らかな口当たりが心地よいと思います。香りはフローラルからベリー系へと移り、ハニーライクから甘いシトラス系の余韻がご機嫌です。きれいで明るい味わい...柔らかな甘さを伴った円やかさ...素晴らしいです。寒さに飽きてきましたね、温かな春の日射しを感じながらお楽しみください。お菓子も春っぽいものが増えてきました、フルーツたっぷりのお菓子にお勧めします。 今回のお勧めコースのデザートは、イチゴの12年熟成バルサミコ和えと南仏産イチゴのソルベ。そのイチゴと熟成したバルサミコの深い余韻を残しながら、コスタリカ・サンティアゴを飲んでみると、なんとスムーズにつながることか!普通コーヒーは、甘酸っぱいフルーツにはあまり合わない。イチゴ系のデザートには紅茶を合わせるというのがかつての常識だったはず。 紅茶や日本茶のような要素を持つ、さかもとこーひーの真骨頂といったところ。サンク・オ・ピエでさかもとこーひーを飲んで、最近自宅や職場でもさかもとこーひーにしているというお客様のAさんは、「さかもとこーひーの最大の欠点は、他のコーヒーが飲めなくなること」といって、笑ってました。レストランの食後にこれほど高いレベルのこーひーを出す店は、三ツ星クラスでもまだあまりないのではないかと思う。サンク・オ・ピエの食後は、さかもとこーひーでゆっくりお楽しみください。
Apr 17, 2010

これは、タリアータという料理。tagliataは、切るという意味のイタリア語で、牛肉(ランプなどの赤身肉やヒレ肉やサーロインなど)をレアにローストしてよく休ませ、薄く切って皿にカルパッチョのように盛り付けて、塩胡椒、バルサミコソース(バルサミコを1/2に煮詰めて冷ましたものに少しレモン汁を合わせたもの)オリーヴオイルで調味して、パルミジャーノチーズの薄切りやハーブを散らし、野菜を付け合わせる。肉のメインディッシュだが、薄切り肉で食べやすく味わいも軽いので、とてもさっぱりしているから、量を少なめにして付け合わせの野菜をサラダにすれば、前菜として出してもおかしくはない。 シンプルな味付けなので、肉自体が美味しくないと料理にならないのだが、赤身の美味しい肉であって、極上の霜降り和牛はこの料理には向かない。この肉は、オーストラリア産で日本向けに穀物飼育されたもの。 かつては、オーストラリアの肉といえば、ちょっと臭みがあるというのが普通だったが、それは牛を草だけで育てていたから。牛が草を食うのは当たり前の話なのだが、草だけだとどうしても肉のくせが強くなるのだ。それに草だけだとあまり脂ものらないので、肉がパサパサした感じになる。そこで出荷前に3~4か月くらいの間、トウモロコシや麦を食わせて肥育すると、日本人好みのマイルドで少し脂ものった肉になるというわけ。現地の人は穀物飼育の肉はあまり好まない。コストがかかっているので高いし、「風味がない」というのだ。長年草だけの牛肉を食べてきた舌には穀物牛はマイルドすぎて物足りないのだろう、、、。 肥育飼料に悪名高い“肉骨粉”を混ぜたのがBSEの原因といわれている。オーストラリアでは、草食動物である牛や羊に動物性の飼料を与えるのは禁止されていて、BSEは全く出ていない。安全性という点では一番安心な肉といえるだろう。 ちなみに手元の資料によると国民一人当たりの年間牛肉消費量は、日本が12キロ、焼き肉の国というイメージの韓国は、意外に11.5キロ(韓国の人は豚や鶏もよく食べるし、野菜の料理もすごく多いですね)。ヨーロッパで一位はやはりフランスで25.6キロ、少ないのがドイツで14.3キロ(ハムとソーセージ、つまり豚肉の国ですからね)。オーストラリアとニュージーランドはやはり多くて35~36キロ!で、アメリカ合衆国は、さらに45キロ!(ハンバーガーやビーフパストラミ、ステーキの国ですね!)。そして、ダントツに多いのがアルゼンチンの70キロ!!ついで、やはり南米のウルグアイが60キロ余り。 アルゼンチンといえば、ガウチョ(南米式カウボーイ)は、特大のローストビーフを腰に仕込んだ鋭利なナイフで切り取って食べるというような、まさに肉食系の国。シェラスコなんていう、ひと切れが子供の頭ほどもある肉をサーベルにさして焼く、特大バーベキューも有名ですね。しかし70キロとは、、、凄いですね! こういう大量消費の国ほど、草牛が多く赤身でさっぱり系でやや風味が強い肉が好まれるようです。つまり、日本人にはあまり好まれない肉なんですね。日本の牛肉は特殊なんです。とくに霜降り和牛などは、フランス人シェフに言わせると値段の高さといい、脂肪分の多さといいむしろフォアグラの仲間だ。という意見さえある。(笑) 高級和牛ステーキギャグというのがあって、「和牛ステーキは2度心臓に悪い」というもの。つまり、コレステロールが高いから、心臓によくないのと、お会計を見て心臓が止まりそうになるほどびっくり!というもの。ステーキ一枚で10万円以上なんて店が、本当にありますからね。
Apr 16, 2010

今年も筍の季節。前菜のサラダに筍、メインの付け合わせや、フォアグラにも筍、時にはスープにも筍、そして賄いには筍ご飯、と筍尽くしに日々が続きます。 4月5月のシェフお勧めコースの画像がそろったのでご覧ください。 まずは、バイヨンヌの生ハムエスペレット唐辛子風味。 ハンガリーの国宝!マンガリッツァ豚のテリーヌ。 バスク風イカ墨のリゾット、サルディニア島産ボッタルガ(カラスミ)風味。これが美味い!! ハンガリーの国宝!マンガリッツァ豚の背肉の低温長時間ロースト。しっとりと美味しいですよ!! デザートは、12年熟成のバルサミコ風味のイチゴと南仏産の完熟イチゴのソルベ。 詳しくは、ホームページをご覧ください。 マンガリッツァ豚です。
Apr 14, 2010

まず、春キャベツ。これはもちろんうちの畑のもので、柔らかくて甘くておいしい。初物は必ず、パスタで食べます。アンチョビと春キャベツのパスタです。作り方はとてもシンプル!ただし、このパスタはわたしたちの食事用なので、お店では出してませんからご注意を、、、 では、2人前のレシピ。スパゲティーニ1.6ミリくらいのやや細いもの、例えばディチェコならNo.11を200グラム、オリーヴオイル適宜、仕上げ用の極上オリーヴオイル(なくてもよいがあれば一味違う)適宜、ニンニクのみじん切り又はスライスを一片か二片分、鷹の爪1本(丸のまま、辛くしたい場合は種を取って細かく輪切りにする。ハサミでやると楽ちん)、春キャベツ半分くらい(手で一口大にちぎる。かたい筋のところはナイフで薄切りにしておく。アンチョビフィレ5~6枚。あら塩、胡椒。 (1)3リットルのお湯を沸かし、あら塩25グラムを入れる。塩味はこれで決まるのでお湯と塩の量は正確に量ること。タイマーを3分かけてパスタをゆで始める。 (2)フライパンにオリーヴオイルを入れ、ニンニクと鷹の爪を入れて中火にかける。オイルが熱くなってきたら火を弱める。ニンニクが香ばしく色づいたら一度火からおろし、アンチョビを入れてフォークなどでよくつぶす。アンチョビは細かくほぐれるはず。ほぐれなければもう少し火にかけながらつぶす。ここでしっかりアンチョビを焼いておかないと生臭みが残る。火を止め、ゆで湯を大匙2杯ほど取ってフライパンに入れる。これで余熱でニンニクが焦げるのを防ぐわけです。 (3)タイマーが鳴ったら、キャベツをパスタの鍋に入れてしまう。タイマーをもう2分かける。 (4)もう一度タイマーが鳴ったら、パスタとキャベツをざるにあけるが、ゆで湯はボールなどに受けて取っておく。キャベツとパスタをフライパンに入れ、ゆで湯をお玉で2杯くらい加えたらフライパンを強火にかけて、パスタ全体を円を描くように回したり、フライパンをあおったりして1~2分かけてオイルと水分を乳化させる。この乳化がしっかりできるかがオイル系パスタの出来不出来にかかってくる。水分が足りなければ随時ゆで湯を補う。しっかり乳化した時点で味見をしてアルデンテになるようにする。 (5)皿に盛り付け、胡椒を引きかけ、あれば極上オリーヴオイルを少しかける。 キャベツは、多いと思うかもしれないが火が通るとかさが減るのでたっぷり使ってほしい。菜の花やブロッコリーなどでも出来るし、アンチョビをシラスや小女子とか桜海老などに変えてもよい。その時はアンチョビほど塩分がないのでゆで湯の塩を最大30グラムまでをめどに少し増やすとよい。 パスタは製法上、大きく分けて2種類のタイプがあります。デュラム小麦のセモリナというあら挽き粉を水でこねてダイスという穴から押し出して作るんですが、、、表面がツルツルのものは、セラミックダイスで作ったもので、ツルツルだから水分がしみ込みにくくのびにくいという長所がありますが、その分味は絡みにくいわけです。表面がザラザラなのは、昔ながらの真鍮ダイスで作ったもので、ザラザラだから水分がしみ込みやすくのびやすいのですが、味の絡みが格段にいいわけです。だからオイル系のパスタには、ザラザラ系が向いてます。乳化もしやすいんですね。 こだわっているイタリアンのシェフは、ツルツルとザラザラをランチとディナーとかパスタの味付け別に使い分けるのが常識です。また同じトマトソースやラグーソースなどもどのメーカーのパスタを使うかによってレシピが変わってきます。 ザラザラパスタは、ディチェコが一番手に入りやすいですが、タンマとかヴォイエロなどもおいしいです。とくにヴォイエロは、わざわざ荒くした銅ダイスでものすごくザラザラにしてあるのでオイル系のパスタには最高です。ちょっと高いし入手困難ですけどね。ただし、すごくザラザラなだけにアルデンテが本当にピンポイントなので、使いこなすのは難しいです。ヴォイエロを使いこなせたら、一流と言われるほどですからね。たまに賄で食べます。 くどいようですが、これは賄メニューですから、お店では出してませんからね!(笑)
Apr 7, 2010

桜もすっかり満開なのに、寒いですねぇ。夕方買い物帰りに近所の鈴木金属という大きな工場の桜の名所で、この寒い雨の中、夜桜見物の準備をしてました。奇特なことです。 桜はやはり青い空をバックに見たいもんですね。明日はかなり暖かくなるらしいですが、、、。 桜とは何ら関係ありませんが、これはズワイガニとほうれん草のオムレツ。オムレツは要は卵焼きですから、いろんな形があります。丸くて分厚いスペイン風オムレツ“トルティーア”は有名ですね。本場の専門店では、一度に卵を50個か60個くらい使うようです。 上の画像のオムレツは、フランス風の木の葉型オムレツですね。Omelette forme de feuille、オムレット・フォルム・ド・フィーユといいます。フィーユは木の葉のこと。ミルフィーユというお菓子がありますね。あれは、薄いパイがほろほろ崩れて千枚(ミル)の木の葉のよう、ということでつけられた名前です。 春という季節、うちは別に新入社員が来るわけでもないのですが、なんだか料理を始めたころのまだ何もできなかった頃のことを思い出したりします。「初心忘れるべからず」なんていいますからね。 それで、たまにオムレツなんか焼きたくなります。私は25年くらい使っているオムレツ専用のフライパンを持ってまして、、、最近はフライパンといえばテフロンがすっかり主流で鉄のフライパンは我々プロでもあまり使わなくなってきましたが、やはりオムレツは、ちょいと厚手の鉄のフライパンで焼くと美味しくきれいにできるような気がします。 料理人は、普通包丁は自分持ちですが、鍋類は店にあるものを使います。でもオムレツ用のフライパンだけは自前というのが、昔の料理人には多かったようです。私も昭和の料理人ですから、オムレツ用のフライパンは持っているんですね。 たまーにこうやって、オムレツを焼くとなんだか懐かしい気分になります。なんというか。いつも車に乗ってばかりの人が、たまに自転車に乗るようなもんですかね。「あー、やっぱりちゃんと焼けるなぁ」とか思ってすぐに飽きちゃうんですけどね。(笑)
Apr 5, 2010

これはハンガリー産マンガリッツァ豚のテリーヌ。ハンガリー風の味付けで、パプリカパウダーを振ってあります。これは4月5月の間はしばらく作る予定です。 これは、フランスはバスク地方のバイヨンヌの生ハム。バイヨンヌはフレンチバスクの中心地で港町だから、実は生ハムの産地ではない。実際にハムが作られているのは、もっとピレネー山脈の山間の地域。バイヨンヌの町に集められて船で各地に出荷されたから、バイヨンヌから来たハムということになる。 みなさんが自宅でちょっとしたワインパーティーでもやろうかというと、たいてい用意するのが生ハムやサラミやソーセージなどの豚肉加工品(フランスではシャルキュトリーといいます)とチーズ類だと思います。 ところが、これが意外にワインに合わせるのが難しいって知ってましたか?とくにシャルキュトリーとチーズの多くがほとんどの赤ワインと相性が良くないです。 とくに生ハム!本物の生ハムは、文字通りまったく加熱処理されてませんから、乾燥熟成しているとはいえ、もとは生肉です。赤ワインを合わせると、ワインのタンニンの作用で、生臭みが助長されてしまいます。ちっとも美味くない。コクのある濃いワインほど駄目ですね!反対に、あまりしぶくない軽いワイン、例えばボジョレーみたいなワインなら、まあ邪魔はしないでしょう。もっと口当たりが柔らかくて、少し甘みがあるイタリアのランブルスコはとてもよく合います。もちろんランブルスコならすぐ近くでできるパルマの生ハムに合いますね!それにやはり同じ産地のパルミジャーノ・レジャーノ・チーズがあれば、もう止まらないくらいです。 他に生ハムと相性がよいのは、シェリーの辛口フィノとかマンサリーニャそれもマンサリーニャ・パサダ・デ・サンルカールならさらに言うことなしでしょう! それから、シェリーはちょっとアルコールが強いからというなら、カリホルニアのジンファンデルのブラッシュ・ロゼなんかもいいですね。ブラッシュとは、恥じらいに頬を染めるといった意味で、淡い桜色の少し甘いワインです。桜咲くこの時期にもぴったりですね。ほんのり甘いという点で、たいていのドイツの白ワインも生ハムには良いですね。まあ、ドイツはハムとソーセージが日常食ですから当然と言えば当然です。 バイヨンヌの生ハムは、「フランスで作られたものだから、フランスワインなら赤でも白でも何でも合う」と、輸入元や生産者は主張するのですが、私が試したところ、やはり濃い赤ワインでは、ちっとも美味しくなかったですね。ピレネー辺りでできる赤ワインはほとんどが重厚タイプなので、厳しいと思います。口当たりの柔らかい少し甘みがあるロゼや白ワインでないとどうも美味しくない。個人的には何度もバイヨンヌの生ハムを食べましたが、お店で使うのは今回が初めてなので、いろいろなワインと合わせて試してみた結果です。お客さんに責任持ってお勧めするワインを決めておかねばなりませんからね、、、。 大体、どんなワインにも合う食べ物なんてあまりないですよね。パンぐらいですか。でもパンは合うというより邪魔しないと言ったほうが正解でしょう?人間だって誰とでもうまくやれる人というのがいますが、意外と親友と呼べるほどの友がいなかったりするじゃないですか?よくシャンパーニュはどんな料理にも合うといいますが、あれもどうかなともいます、、、。シャンパーニュにもさまざまなタイプがありますからね、、、。あれはむしろ話が逆で、どんな料理が出てきても、それに合うシャンパーニュが必ずあるという事だと思いますね。シャンパーニュというひとくくりでワインのほぼ全ジャンルに匹敵すくらいの味の幅があります。甘口も辛口もあるし、シャンパーニュの泡なしの赤ワインすらありますから、、、。前菜からデザートまで全て色々なシャンパーニュで合わせるというのは可能です。(毎年そんなワイン会もやってます) ワインとチーズということになると、このブログを100回か200回ぐらい書かないと話が終らないかもしれないくらい、奥の深い世界なのであまり書きたくありません。疲れるから(笑) まず間違いないのでは、、、と思える組み合わせは、、、 ロックフォールチーズとボルドーのソーテルヌの貴腐ワイン。世界一味の強い青かびチーズと極甘口の貴腐ワインという強烈な個性同士の組み合わせ。極端ですが信じられないほど美味いです。非常に気分が高揚します。 よく熟成したスペインのリオハの赤ワインと羊の乳で作るパルメザンチーズに似た感じのケソ・マンチャゴというチーズ。これはしみじみと人生を振り返りたくなるような深い味わい。秋冬の一人酒には最高です。 サンク・オ・ピエでは、今バイヨンヌの生ハムがレギュラーメニューにのっています。ランチでもディナーでもお出ししてます。ワインを合わせてみたい方は、お気軽に声をおかけください。
Apr 4, 2010

Cinq au pied Menu Avril et Mai 2010サンク・オ・ピエ、4月5月のシェフお勧めコース3月30日より5月末ころまで¥5800(お一人様)2名様より承りますMenuJambon de Bayonne au piment d'espeletteフランス、バスク産バイヨンヌ生ハム、エスペレット唐辛子風味Terrine de cochon de Hongorie "MANGALICA"ハンガリーの食べられる国宝!"マンガリッツァ豚"のテリーヌRisotte noir aux boutargueバスク風イカスミリゾット、ボッタルガ風味Cote de cochon de Hongrie "MANGALICA" rotiet petit foie gras chaud ハンガリーの食べられる国宝!"マンガリッツァ豚"の背肉の低温長時間ロースト、一口フォアグラ添えSalade dessert aux fraise fraiche a la vieux Balsamico 12anset sorbet aux fraise mure de provenceフレッシュ苺のデザートサラダ、12年熟成バルサミコ風味南仏プロヴァンス産完熟苺のソルベ添え2 pains2種類のパンCafe de SAKAMOTO ou theさかもとこーひー 又は 紅茶 フランスのバスク地方産バイヨンヌの生ハム、14ヶ月熟成物。 薄切りにして極上のオリーヴオイルをかけ、バスク産のエスペレット唐辛子を少し振りかける。 AOC(食品に関するフランスの最高の法律)で指定された唯一の唐辛子。バスクの胡椒ともいわれ、バスク料理には欠かせない。冷たい料理に使っても皿からふんわり香るほど良い風味の唐辛子で、あまり辛味は強くない。 これがイカ墨のリゾットに使うサルディニア島のボッタルガ。ボラの卵巣の塩漬け、つまりカラスミのパウダー。たいへん高価な珍味ですね。 これがハンガリーの食べられる国宝、マンガリッツァ豚。豚鼻の羊みたいですね(笑) これがテリーヌとメインになります。 私得意の低温長時間ローストです。しっとりロゼに仕上げます。 デザートのイチゴのサラダに使う12年熟成バルサミコ。 詳しくはホームページもご覧ください。
Apr 1, 2010
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