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ピエール・オテイザという方が作っているバスク産キントア豚で作った自家製スモークハムと西南フランスランド産のマグレ鴨の自家製スモーク生ハムです。これは、ご予約限定のサンク・オ・ピエ12周年記念コースの前菜。 いやー、美味いです!さしずめ豚のロマネコンティとでも言いたくらいです。ひじょうに綺麗な味わいですね! バスク豚は、もっとも古い豚の原種に近い品種で、ピレネー地域で古来から飼われていたんですが、スペイン側に降りて固定されたのがイベリコ豚で、フランス側で飼われたのがバスク黒豚になり、その中でも純血種として固定された品種がキントア豚なんです。イベリコ豚でも最高で純血率が80%程度ですから、ちょっと格が違うんですね。資料によると、、、 フランスの地種のひとつであるバスク豚は、フランスとスペインの国境ピレネー地方で飼育され、生まれて2ヶ月程母乳を飲んで過ごし、その後 14ヶ月くらいまで、野山や田園を駆け回り、栗やドングリ、ブナの実など、自然の恵みを食べて育ちます。そうして出来上がるバスク豚は、脂身も適度で、肉質、風味豊かな味わいに仕上がります。 一時は絶滅の危機に瀕したバスク豚、ピエール・オテイザ氏の尽力により、序々に頭数を回復し、1997年には血統登録書に登録されました。現在でも年間3000頭程しか飼育されていない大変希少な豚です。*上記はバスク種純血100%の黒豚であり、バスク産マネッシュの白豚とは、全く異なるものでございます。 純血黒豚バスク豚がバスク語のキントア豚となりました。ピレネー山脈一帯は昔 バスク語でKINTOAと呼ばれていました。その地域名を取り今後はキントア豚として出荷されます。 年間たったの3000頭しか飼育されていないんですから、本当に希少な豚ですね。こんなもんが手に入るんですから、日本ってすごい国だと思います。フランス人でもほとんどは食べたことないでしょうからね、、、。まあ、値段もすごいんです。骨付き豚肩ロース1本で¥20000近いんですから、高級和牛並みです。キロ単価がフォアグラと同じくらいですからね!高級品です。本当にちょっと一線を越えたという感じの味わいで、これを知ってしまうと最高級のイベリコ豚ベジョータがちょっと強すぎて品がないように思えてしまうくらいです。 最高級のブルゴーニュのピノ・ノワールと最高級のカリホルニアのピノ・ノワールの違いといったらわかる人にはわかるでしょう?真のエレガンスはやはりブルゴーニュなんじゃないかと、、、。そんな感じのハムです。 もちろん脇役のマグレ鴨のスモーク生ハムも笑っちゃいそうなくらい美味いです!
Feb 28, 2013

サンク・オ・ピエは、2月21日が開店記念日で、12周年を迎えました。さかもとこーひーの坂本さんとクリークの黒川シェフからお花をいただきました。ありがとうございます。お花の後ろからちらりと顔をのぞかせているのは、インドネシアの猫のオブジェ。これは昨日来てくれた我友商社マンのAがプレゼントしてくれたものです。 Marquise de chocolat de VALROHNA « CARAMÉRIA »Mousse de chcolat blanc de VALROHNA « IVOIRE » avec confiture d'orange sanguineLang de chat du chefFraise à la Balsamico blancヴァローナ社カラメリアのマルキーズ・ショコラヴァローナ社イヴォワールのホワイトチョコレートのムース、ブラッド・オレンジのソースシェフ風ラング・ド・シャイチゴのホワイト・バルサミコ風味 12周年記念コースのデザートとそれに合わせて作っていただいたさかもとこーひーの12周年記念ブレンドです。我友Aは絶賛してました!マルキーズショコラは、生チョコと生キャラメルの最高級品の良い所取りをさらに滑らかにした感じです。作った私自身も自分で食べてみて、「ちょっとこんな物食ったことが無いな、、、。」と思ったくらいです。次々とこのデザートの発展系を思いつきましたが、まあキリが無いので今回はこの辺で勘弁しておこうという事にしました。ホワイトチョコのムースも、普通のホワイトチョコというとただ甘ったるいというイメージだったんですが、ヴァローナのイヴォワールさすがに違います。ムースは全体的に甘さを抑えめに仕上げて、ブラッドオレンジのソースがきりっと酸味とほろ苦味を加えてとてもいい感じです。イチゴのホワイトバルサミコ風味が、ちょうど良いリセット役を演じてます。これにこーひーがまた、、、なんと言うマリアージュなんでしょうか!息子が、「このデザートもすごいけど、このこーひー作る坂本さんやっぱり凄いなぁー」とつぶやいてました。もちろん商社マン夫妻もシビレまくってましたね! 我友Aは、仕事柄世界中で食べ歩いているし、もともと若いころから美味しいものが大好きで都内の一流店はもちろん、フランス、イタリア、スペイン、ロシアなど一流レストランを知り尽くしているんですが、デザートとこーひーでこんなマリアージュやっているところは世界中探してもサンク・オ・ピエだけだろうね!と言っています。まあ、坂本さんのおかげなんですね。私はデザート作ってそれを説明して、ブレンドの無茶振りするだけなんで、いつも快く応えていただいて感謝感謝です!
Feb 25, 2013

エゾ鹿のコンソメ完成しました。下地のブイヨンに鶏ガラを5キロ牛すね肉を1本(約4キロ余り)今日は朝からそのブイヨンに鹿の赤身肉をミンチにしたものを5キロ余り使ってコンソメをひきました。 2011年のクリスマスにも作ったんですが、野生動物である鹿でコンソメを作るというのはかなり難易度が高い仕事です。肉の癖など出てしまったらおしまいですからね、、。 コンソメというのは、逆算の料理です。仕上がりをイメージし、材料の配分を考え、最終的な仕上がりの量を決めてその量に煮詰まったときにちょうど味も仕上がっているという風にゴールを考えてスタートとペース配分を決めます。 血の気の多いシカのひき肉に玉ねぎニンジンセロリなどの香味野菜を合わせて、酸味の調整にトマトなども入れます。そこにアク取りのために卵白を入れてよく混ぜ、昨日作っておいたブイヨンを入れます。それをかき回すと、トマトジュース入りのにごった豚汁?みたいな感じで、これが最後に琥珀色に透き通ったスープになるとは何回作っても信じられないくらいのドロドロ状態なんですね。ある程度温度が上がって、鍋の中の対流ができるまではしばらくかき回しながら火にかけてゆきます。火が通ってくると肉が変色してきて、グレーに変わってきます。見た目はますます凶悪な感じになってきます。ある程度温度が上がり、鍋の中で対流が起きてきたらかき回すの止めます。卵白が肉や野菜とアクを固めて分厚い蓋のように固まってきます。そうなってきたらその蓋の真ん中あたりに穴をあけて、そこからスープが泉のように湧き上がるように火加減を調整してゆきます。うまく泉状態になったころには、スープはすっかり澄んでいるんですから不思議なもんです。 沸騰が安定してきたら、黒焼きにした玉ねぎとニンニクを入れます。これはスープを琥珀色に染め、また香ばしい香りをつけるためです。カラメルを入れる人もいますが、私の好みではありません。玉ねぎとニンニクの黒焼きのほうが断然良いです。 今回もきれいな味わいに仕上がりました。臭みなど全くなく、鶏や牛や鹿や野菜の味わいが混然一体となった整然とした味ですが、よく味わうと野生動物である鹿の生命力の精髄といったものを感じますね。小分けして冷凍して保存しますので、出来立ての味が保存できると思います。
Feb 21, 2013

スペインの内陸部ポルトガルに接するカセレス県のハライス・デ・ラ・ヴェラ産のピメントン(パプリカの仲間)は、スモークをかけて乾燥させてから粉に挽く独特の方法で作られるので、ちょっと他にはない風味があります。特に魚介系のものに相性がいいし、パエリアなどや私のイカスミ料理などには欠かせません。それから、サンク・オ・ピエの人気の前菜のタコのガリシア風は、このピメントンがないと味が出ないんです。今までは、上の画像の甘口しか輸入されてなかったんですが、最近やっと前からほしかった辛口も手に入るようになりました。それが、、、 ピメントン・ピカンテです。カエンペッパーほど辛くはないですが、ピリッと来ます。甘口と辛口のダブル使いで、味が締まってなお美味しくなりますね!たくさん出すぎないように小さめの瓶に入れて使ってます。 タコのガリシア風です。本来のスペイン料理のものとはかなり違うんですけど、まあ日本人向けにアレンジしてやっているので、いつもこれを頼むくらい好きな方も多いです。甘口をたっぷりかけて、辛口を少しかけて仕上げてあります。タコ見えないですかね?見えませんね、、、。
Feb 20, 2013

ピエール・オテイザ氏の飼育したバスク産キントア豚の骨付き肩ロースが来ました。 背骨の一部とアバラ骨の一部が付いている肩ロース肉ですね。12周年記念コースの前菜になる自家製スモークハムを作ります。しかし、これ高いんです!豚肩ロースなのに1本で¥20,000近いです。これはもう上等な和牛並みの値段です。国産の一番高い黒豚のさらに倍以上ですからね、、、。 骨つきだと塩漬けに時間がかかるので、骨は外します。これは豚骨だしをとって、ラーメンでも食べますか!あと、アバラ骨は肉を多めに付けてスペアリブにこれも我が家の食卓ですね、、、。はい、だれにもあげません!役得ですから、、、。(笑) まあ、みなさんは一番おいしいハムを召し上がってください。 さっき骨を外したんですが、しっかり運動している豚なので、肉も骨もしっかりしていて外すのに大変でした。イタリアのチンタセネーゼ豚と並んで、もっとも希少で最も高価な豚肉です。ハムがどう仕上がるか?楽しみです。 エゾシカのコンソメ用に今ブイヨンもとっています。鶏ガラ5キロと牛すねを1本で約4キロで、約¥7000これにあさって鹿の赤身肉をひき肉にして5キロ入れるんですから、まったくすごい原価の仕事してます。毎年周年コースは、執念コース?になりつつあって年々すごいことになってきてますな。
Feb 19, 2013

これは、イノシシの自家製ハムとパルマの生ハムと豚足のコラーゲンテリーヌ、シャンパーニュヴィネガー風味。イノシシハムのスネ肉の部分とパルマハムのスネ肉の部分、どちらも固くて筋っぽいけど、旨味とコラーゲンが多いところです。それにコラーゲンの塊である豚足。肉のコラーゲンでしっかり固めたテリーヌです。 まずは、豚足を2時間ほどかけて柔らかくなるまで煮ます。冷まして豚足から骨をはずして肉だけにしておきます。その煮汁に塩抜きしたイノシシハムとパルマハムを入れて3~4時間煮込んで柔らかくします。柔らかくなったら、ある程度細かく肉をほぐし、細かく切った豚足の肉も加えて煮汁にゼラチンを加えて、シャンパーニュヴィネガー(シャンパーニュで作ったお酢)とエストラゴンヴィネガー(白ワインヴィネガーに西洋ヨモギを漬けこんだもの)を加えて、酸味と風味をつけます。 ゼリー寄せの料理は、ユルユルに作って口解けの良さを楽しむタイプと、このテリーヌのようにしっかり固めて、噛みしめるとじんわり味が出てくるタイプがあると思います。2種類のハムの旨味と豚足のコラーゲンに2種類のヴィネガーの酸味が加わって爽やかな後味があります。ヴィネガーを加えることで、若干日持ちも良くなりますね。大きなハムのスネ肉が出た時にしか作れない料理です。美肌に良いし、しかも美味いですよ! こちらはマダム作あみ猫の四の字固めです。料理とは関係ないですけど、、、。
Feb 18, 2013

ジビエ尽くしのコースの受け付けは終了させていただきます。材料がそろわなくなってきましたので、、、。 ジビエメニューはまだしばらくスペシャル前菜やスペシャルメインディッシュにのせておきますので、今月いっぱいくらいはジビエメニュー続きます。気になる方はお問い合わせください。(裏メニュー的なものも少しあります) こちらは、対馬産イノシシのモモ肉の赤ワイン煮込みです。 Cuisse de sanglier au vin rouge対馬産イノシシのもも肉の赤ワイン煮込みスペシャルメインでやっています。力強い味わいですね!野生のパワーを感じますよ! この他にも、珍しい幅広のパスタ“マファルデ”を添えたエゾ鹿の煮込み、 Ragout de Chvreuil avec MAFARDEエゾシカの煮込み、幅広パスタ"マファルデ"添え とか、、、 Cuissot de chevreuil d'EZO rôti Grqnd Veneurエゾ鹿のロースト、グランヴヌール風 などがメニューにのっています。 これらは、お昼でも夜でもレギュラーコースで自由に選択できます。売り切れ御免で、早い者勝ちですけどね!
Feb 17, 2013

これは、さかもとこーひーの坂本さんが遊び心で作ってくれたレモンムース専用ブレンド。 これが合わせるレモンムース。自宅の庭にあるレモンの木からとったレモンで作ってあります。レモン汁200ccと八分立ての生クリームを200cc、卵白2個分のメレンゲ、砂糖は120gで板ゼラチンが10gというレシピで、18cmのセルクル型2台分です。レモンの酸味が生クリームやメレンゲを固めて分離させてしまう恐れがあるので、うまく合わせるのはかなり難しい。というか、ふつうはちょっと無理なくらいの難しいデザートです。 それでこれに合うこーひーって、坂本さんに何かできますか?と、振ったところちょっと前のワイン会に合わせて作ってきてくれました。このもすごく酸っぱいムースには、ふつうのコーヒーは絶対合いませんし、紅茶だってせっかくのムースの後味をすっぱり切り落してしまうので、たいしてマリアージュしません。それがこの専用ブレンドときたら、もうすっかりおなじみのような顔をして、レモンムースをさりげなく引き立ててくれます。不思議なこーひーです。常連のお客様や友人に出したら、みなさん改めて坂本さんのブレンド技術の高さに感動してました。うちの息子も「坂本さんすげー!」って驚いていました。 マッシュルームのトゥルネです。左下が私が切ったお手本。あとの2個は息子がやりました。今日はじめてやって300gくらい練習しましたかね、、、。まあ、初めてにしては上出来のほうですか?若いと覚えることがいっぱいあって、楽しそうですね。
Feb 12, 2013

これは、マグレ鴨のスモーク生ハム。マグレ鴨とういのは、フォアグラを作るために肥育した鴨の胸肉のことで、当然ふつうの鴨よりは脂がのっています。たしか、北京ダックの雄とバルバリー鴨の雌の掛け合わせのミュラールという品種の鴨です。 シンプルに塩漬けにして、桜のチップで6時間ほど冷燻にかけて、氷温熟成してあります。これがまた実に美味いんです。肉の生臭みなどみじんも感じませんし、よく乗った脂が口どけが良くてスモークの香りの余韻も最高です! しばらくシェフスペシャル前菜でやっています。(さっき売り切れちゃいましたけど、また仕込んでいます)
Feb 10, 2013

ジビエ尽くしのコースが大好評です! これはジビエ尽くしコースのメイン、Filet de Sanglier roti et foie gras chaud sauce Grand Venour対馬産イノシシのヒレ肉のロースト、フォアグラのソテー添えグランヴヌール・ソースです。ジビエは今のところまだ入荷がありますが、去年は2月15日頃で入荷が止まりました。3月頃まで入荷がある年もありますが、そろそろ入荷があやしくなってくるかもしれませんので、ご予約はお早めにどうぞ! このコースとは別に、イノシシのもも肉の赤ワイン煮込みとか、エゾ鹿肉の煮込みの幅広パスタマファルデ添えなど、レギュラーコースでも選べるジビエメニューを来週からやります。今週末は金曜日と土曜日のディナーと日曜日は昼夜とも予約で満席です。よろしくお願いします。 少し前のさかもとこーひーのブログで、私のブログのことが紹介されていたので、続きの話を少し書きたいと思います。経験10年くらいでは、まだ入り口に立ったに過ぎないということなんですが、、野球少年が甲子園で活躍して、ドラフトで球団入りしたくらいが、まあ経験10年くらいでしょう。プロとしてはやっと始まったばかりでしょ?そういうことを言いたかったんです。包丁使ったり、ある程度のレベルで味付けしたり物を焼いたりできるようになって何とか銭のとれる仕事ができるようになったにすぎないと思うんです。この段階ではまだ誰々の料理というほどのものではないんです。つまりそのくらいの人ならたくさんいるわけです。今の時代、食材などはネットなどを通じて何でも手に入りますし、家庭用の調理器具なども進歩していますから、家庭の主婦でもかなりのハイレベルでパンやケーキや料理などを作る人がいて、凡庸なプロではとてもかなわないくらいです。 ですから、プロの職人の側もより一層の努力と進歩がなければ生きていけない時代だと思います。特にレストランなどである程度高級志向でやる場合、むかしはインテリアや什器備品類などに金をかけたグランメゾンなどの威圧感でお金を取れた時代もありましたが、食文化もお客さまも成熟してきたので、そういう虚実でいえば、虚の部分で勝負できる時代ではなく、実の部分つまり料理そのもののクオリティーや人間味のあるカジュアルなサービスなどを売り物にしないと生きていけないでしょう。いわば原点的というか、、、本当に美味しいものをリラックスして気楽にに楽しむのが本来の楽しい外食の在り方だと思いますし、現にフランスのレストランの動向などを見ていても、確実にそういう方向に向かっています。要するに実力の時代なんです。 だから職人は、日々精進しないとだめです。技術だけではなく知識も必要ですし、新しい食材や調理法などにも敏感でないといけません。そのうえ専門バカになっても駄目です。たかだか10年やったくらいで安心していたら、その先のあなたの10年20年はありませんよと言いたいわけです。これは、私が30年近くやっていていつも感じている危機感です。 最近、息子が弟子入りしてきていろいろ料理を教えているんですが、教育というのは大変ですね。真剣勝負だと思います。 長年やってこその職人ですから、長年やっても体を壊さないように、立ち方、姿勢、包丁の持ち方、怪我をしないような添え手のしかた、火の取り扱いの注意、手を切らないようなグラスの拭き方などなど、まずは安全に関することはうるさく言っています。それから衛生面ですね。 後の仕事は、少しずつ遊ぶ感覚で覚えていけばいいと思っています。まずは仕事を好きなることが大事ですからね。教育に暴力だの体罰などは論外ですね。暴力では何も解決しませんし、指導者は嫌われるだけです。信頼関係や互いに尊重する気持ちがなければ指導も身に付かないでしょうね。親の背中を見て子は育つといいますが、ある意味それは真実だと思います。きちんとした仕事を見せ、きちんと生きているところを見せる。それがすべてじゃないでしょうか? 仕事の技術、上手に包丁を使ったり、肉や魚を美味しく焼き上げたりというようなことは、日々努力していればいつかは身につきます。料理人の場合、難しいのは味を覚えることだと思います。ポール・ボキューズ(フランス料理の伝説的シェフ)も、「料理人の腕の確かさは味の記憶の確かさにある」と言っています。その点、うちの息子の場合小さな時から私の料理を食べて育ってきたので、ちょっとは有利かもしれません。 あるとき、サンク・オ・ピエのガトー・ショコラが柔らかすぎてあまりに切りづらいので、レシピを少し変えて、ケーキ3台につき10グラムだけ小麦粉を増やしたことがありました。それを家族に食べさせると、皆が「これいつもと違って美味しくない!レシピ変えたの?」と言われました。ケーキ1台につき3.3グラムで10カットに切りますから、一切れ当たり0.33グラムです。普通は分からないと思うんですが、、、。まあ、うちはそんな家族ですから、私にとっては最も手ごわいお客でもあります。ちょっと手抜きすると食べてくれませんからね!
Feb 7, 2013

さっき、近所のスーパーに行ったらスタンプカードがたまってバナナをもらっちゃいました。そういうわけで、チーズケーキを仕込む予定を変更して、これを作りました。バナナのキャトル・カ-ルQuatre-quart aux Bananeキャトル・カール・オ・バナヌです。 キャトル・カールとは、1/4が4つという意味で、小麦粉、粉糖、バター、卵が全部同量というケーキ生地ですね。フランス菓子の基礎の基礎的な生地です。室温に戻したバター100gに粉糖100gを加えてよくかき混ぜ、軽く解いた卵100gを少しずつ分離しないように混ぜます。分離させないことが肝心!水分とバターですから本来は簡単には混ざりません。砂糖が入っているので、その砂糖に水分を吸収させながら分離しないように混ぜるわけです。8割がた卵を混ぜ込んだら、小麦粉を100g入れます。あと、ベーキングパウダーも4gほど入れてよく混ぜたら最後の卵を加えます。それで、硬い感じに合わさっていれば上出来。ゆるゆるな感じだと多分分離しています。分離してしまっても焼けば食えますが、うまくはないです。ケーキを切ると下のほうに黄色にバターが沈んでしまう感じの焼きあがりだと分離ですね。上手にできたキャトル・カールはバターたっぷりなのにさほど重くはないんです。 バナナは、たっぷりのダークラムと砂糖少しで漬け込んでおいて、ケーキにバナナを乗せて漬け込んだ液も全部かけてしまいます。それで180度くらいのオーブンで40分くらい焼きます。ラム酒のアルコールは飛びますが、風味がしっかり残るので、大人の味わいです。 昨夜は、おゆみ野のケーキ屋さんパティスリー・メグンの川本シェフがお店のスタッフを連れてご来店。デザート談議に花が咲きました。 今週末は、金曜日と土曜日のディナーと日曜日は終日、予約で満席です。来週の16日土曜日も終日満席です。ありがとうございます。
Feb 6, 2013

これは、尾長鯛とイカとホタテのスモークの盛り合わせ。尾長鯛とスルメイカと帆立貝柱は一塩してから冷燻にかけます。香りのよいサルディニア島産のオリ-ヴオイルをかければあとは何も要りません。昨日のワイン会にも尾長鯛とイカのスモークをアミューズにしました。 ワイン会はいつものK氏の主宰でさかもとこーひーの坂本さんも参加している会です。前菜は対馬産イノシシの自家製スモークハムのトリュフオイル風味。合わせたのは、2000 "Special Club" Brut (Fresnet Juillet)シャンパーニュです。 前菜その2は、自家製スモークサーモンとフォアグラの冷製とイチゴとパイナップルのサラダ仕立て。ワインは、2006 Condrieu (Tardieu-Laurent)ヴィオニエというユニークな品種のワインで、独特の味わいにはちょいとひねり技で果物とサーモンとフォアグラという組み合わせ。これはばっちりワインに合いました! 次は赤ワイン、2003 Chateauneuf-du-Pape (Domaine du Banneret)ローヌのグランヴァンですね!これには王道鹿肉のローストグランヴヌールソース。まあ、合わないはずがありませんという組み合わせです。 赤ワインがもう1本、2001 Cote-Rotie "Les Embruns" (Michel & Stephane Ogier)これもローヌのグランヴァンですね!いちばん上流の地域のワインです。これには、対馬産イノシシの赤ワイン煮込みにフォアグラのソテーのニンジンピュレ添えを合わせました。息子に煮込みを少しとワインを一口与えたら、「美味い!久しぶりに親父の料理で鳥肌立った。」と言ってました。これも大好評でした! デザートは、ヴァローナのカライブのタルトショコラと自宅の木からとったレモンの酸っぱいムース。ショコラには、珍しい甘口仕立てのシェリーのヴィンテージ・アモンチリャード。これがまたショコラと合います!レモンムースには、さかもとこーひー特製のレモンムース専用ブレンド!これがまた、、、コーヒーがギョッとするほど酸っぱいレモンムースに合うんです!ふつうはありえないんですが、坂本さんの素晴らしいブレンドの技術で見事にレモンとマリアージュしてました。いつも楽しくて勉強になるワイン会です。 平スズキのポワレです。手前の緑色のソースは海藻バター。奥のトマト系はイカのラグーソースです。息子にイカのさばき方を教えてやろうと、新鮮なスルメイカを5ハイ買いました。イカは胴体をスモークにして、ワタは塩辛用に塩漬けし、下足とタコの頭などでこのラグーソースを作りました。パスタやリゾットのソースにしてもおいしいのですが、こうして魚に添えても美味いです。イカは煮込むとよいだしが出ますからね。
Feb 3, 2013

本日のランチは空席ありますが、夜は予約で満席となっております。 左から、岩川君(31歳)、私(52歳)、うちの息子(19歳)です。岩川君は、うちのワインの仕入れ先である“いまでや”が近く都内に飲食店をオープンするのですが、その店の料理長になる人です。彼は今まで和食の料理人としてやってきました。新しいお店は、ワインを出すお店なのでフランス料理や料理とワインのマリアージュなどについての研修をいまでやに依頼されたので1週間余りお預かりしていました。 まあ、わずか1週間では大したことは教えられませんが、、、学習するきっかけを作ってあげたとは思います。料理人は経験10年くらいになると、一応一通りのことはできますし、職場でも部下を持つ立場になったりする時期ですから、つい「自分はもう一人前なんだ。」と思い込んでしまうんですね。それで、勉強するのをやめてしまえば、凡庸な職人として終わってしまいますね。本当は、経験10年なんてやっと入り口に立ったに過ぎないんですから、、、。そういう意味では、それなりにカルチャーショックは受けていたようなので、きっと向上心持ってやってくれると期待しています。 先日も食事に来てくれたクリヤマコトに「僕は君の歳のときのぶちゃん(私のこと)と出会ったんだよ!」と言われて、息子は感慨深げな顔してました。
Feb 1, 2013
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