野村ノート
著者: 野村 克也
平成18年春先華々しい活躍をした日本野球も秋、MLBを相手に全敗の結果である。その監督をしたのがNPB太平洋野球連盟最下位東北楽天ゴールデンイーグルスの監督齢70を超えた野村克也である。
秋は、更にアジアシリーズがあり、本日(平成18年11月10日)現在、日本チャンピオンの北海道日本ハムファイターズがまずは当面の敵韓国チャンピオンサムスンライオンズを倒して面目を保ちつつあるが・・・・・。
野村監督では、無理だったというのが結論だろう。その野村が書いた野村ノートであるが、現東京ヤクルトスワローズ時代の写真をふんだんに載せて自分の野球理論を正当化しようとしている。しかし、残念ながら、野球は結果が全て。阪神タイガースでの失敗、東北楽天ゴールデンイーグルスでの失敗、そして、今回の失敗を考えれば、野村理論倒れたり、ということになるのか?
それはともかく、野村は、まずはバッターのカテゴリー化を図った。
A型は、速球にタイミングを合わせて変化球にも合わせる型。
B型は、外角か内角か振るコースを予め決めておく型。
C型は、レフト方向かライト方向か打つ方向を予め決めておく型。
D型は、ヤマカン型。
この分析をしただけでも大したものだ。野球に勝つか負けるかということを度外視して、野球学校というものを始めるのなら、まずは、この野村理論は、十分に価値ありと見た。
ピッチャーにしても、速球、スライダー、フォーク・チェンジアップ、その他の特殊球に分けて、それが、ストライクを取るためのもの、打者の壁を崩すためのもの、振らせるためのもの、見逃しのストライクを取るためのものと目的を持たせることによって様々な意味合いを持つ。
ここのところが分かれば、野球の楽しさ倍増ではないのか。
一球たりとも無駄な球はない。従って、野球は、知的スポーツとなるのである。
この辺は、今は、放送のアナウンサーでも話したりしていて、解説者よりも詳しかったりするのだが、しかし、野村理論というものが普及したら、もっと分かり易いのではなかろうか。
ともかく、野村氏は、現場で苦労している場合ではない。野球学校を起こして、そのノウハウをきちんと伝えるべき時期だと思う。
その考えの中に、仕事に対する心構えというものもあって、プロとして当然のことをしていないことに対する批判も含まれている。つまり、プロの癖して野球のルールを知らないということはどういう事だということだ。そのようなことは、普通の社会でもあることだ。社会人教育としても際だった考えをもっている人だと思う。
その社会人として、野村から見た3奇人が、江夏、江本、門田らしい。そう言えば、この3人は、野球界では、指導者としての道がないものな。
まこと選手と指導者では、質が違うということだ。
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