それから5ヵ月後の3/22(木)欧州債務不安が和らぎユーロが110円台に回復したのを幸いとMMFを全額売却した。MMFは指値で売却出来ないので為替レートは109.54円で精算されてしまい年複利3%で11年間運用した結果となった。
私がユーロMMFを購入したのは2000年6月下旬で為替レートは100円と換算し易い金額だったと記憶している。実際調べてみるとその月は97.9円から102.7円の間で変動していた。米ドルに次ぐ第2の基軸通貨になるとの評判だったので将来的には絶対ユーロ高/円安になると信じており、少しユーロ安になっているのでラッキーと思い購入した
一時160円台までユーロ高になり「しめしめ」と思ったのがいつの事かと調べてみたら2008/07/21には169.5円まで円安になっていたと知り今更ながら当時のユーロバブルに驚いた。この時売っていれば年利6.9%の成果が出せてニコニコ顔になっただろう。
何故売らなかったのかと言うと下記の理由があった。
1)数年前から米国の住宅価格はバブルと言われており弾けた場合ユーロの重要性が高まり一段とユーロ高になると思っていた。
2)複利効果があるので再投資して元本金額を大きくしておきたかった。
3)2008年8月のユーロ短期金利が4.25%だったので多少円高に振れてもカバー出来ると考えた。
http://www.meitan-tradition.jp/?page_id=216
4)利益確定して円に戻しても次の投資先が無かった。
もちろん「ポートフォリオ(資産構成)の見直し」を定期的に実施して、元の資産配分比率に戻す「リバランス」の為減少資産の追加購入や増加資産の一部売却を行う必要があると知っている。だが運用が上手く行っている時には比率が偏っても上記の様な理由を付けてそのままにしておきたくなるものだ。
MMFは毎月分配金が再投資されるためユーロ高により購入平均額がいつの間にか107円台になっていた。2008/08/28にはまだ160.9円だったものが2008/09/15にリーマン・ブラザーズ投資銀行が破綻、その6週間後の2008/10/24には119.3円まで暴落している。実に25%以上も円高が進んだ訳だ。
欧州債務危機の根本的な解決は難しいと分かったので為替損が出ないタイミングで売却を考えていたのが冒頭の話となる。その機会は11/10/31(月)日銀による円売り市場介入で訪れた。ユーロは久々に110円台に値上がりしたのだが月末月頭はMMFの売却購入が出来ないと言うオチが付き絶好のタイミングを活かせなかった。
その後12/01/16(月)には97.3円と安値を付けている。正直言って為替損で精神的に辛い塩漬け状態だ。
ところが2012/02/14に「日銀が中長期的な物価安定の目途を当面1%とし、資産買い入れ基金の10兆円増額を発表した」ことで円安が進み3/19(月)には110円台に戻った。いい加減ユーロ危機に一喜一憂するのに疲れたのでこれを機会に手じまいすることにした。
12/03/26(月)放送のWBSではECBドラギ総裁が「欧州債務危機収束」に言及したことを取り上げていたが、大和総研チーフエコノミスト熊谷亮丸氏がユーロ圏3つの課題として 1)財政規律の回復 2)「ユーロ共同債」の発行 3)安全網の拡充 を指摘して、この3点を成し遂げないと今後スペイン、ポルトガル危機が起こる可能性があると言っていた。
そして4月の今、何度目かの欧州不安が取り上げられ投資家心理はリスクオフとなりユーロは106.5円と安くなっている。今回は運良く売り抜けられたようだがやはり「ポートフォリオのリバランス」は必要で利益確定は確実に行うべきと実感した。
今は円MRFのみの運用となってしまい逆にそれがインフレ対策にもならず不安材料ではあるが金融市場が落ち着くまでは今しばらく様子見するしかないと考えている。
※文章中の為替レートは http://fx.sauder.ubc.ca/data.html を参考にした。
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