トレチャコフ美術館ではイワンが一応説明するけれど、
皆様自由に見学してもいいということだった。
初めの絵は全員揃って説明を聞いた。
一人残らず。
2点目の時に2-3人輪からはずれ、3点目の時には10人くらいいなくなった。
そりゃ、そうでしょう。
説明がおもしろくないし、聞き取りづらいもの。
それにあなた、2時間しかない中でトレチャコフ美術館の見るべきポイントおさえてるの?
大丈夫なの?
私は思うのです。
ある程度のことならガイドブックやインターネットで知ることができる。
ガイドたるもの、本に載っていない、ロシア人のあなたにしかわからないことを、それも私たちが興味を持って聞けるような話をしなければならない。
あなたはたまにメモを見ながらまるで棒読み。
何年に描かれたか年号だけを強調するけれど、私が聞きたいのは、その絵が描かれた背景や画家のエピソードなんですよ。
皆様どんどん輪からはずれていき、とうとう私、母、花島sistersの4人になってしまった。
ああ、これではもう逃れられまい・・・・
それに4人だからたまに相槌をうたないとあなたは話をやめますね、でもおもしろくない、相槌うつのも疲れてきた・・・
この人のせいなのか、私に芸術的情熱がないのか、ここで覚えているのは神々しいイコンたちだけ。
やっぱり聖なる物として人々の心の支えになったものはどこか違う。
★ウラジミールの生神女★
(本当はウラジミールと言う都市の物だったのに、モスクワがとっちゃった)
東方教会(正教会)に於いてのイコンは正教徒以外の者が描いてはいけない。
時を経ても平面的な構図なのは遺された物をそのまま踏襲していかなければならないルールの為。
これを描くにあたっては食事制限があったり、必ず司祭の成聖がいる。
配置の仕方にも決まりがあるそうだ。
正教会では「聖母マリア」とは言わず、生神女(しょうしんじょ)と呼ぶ。
すごくない?
同じキリスト教でもいろいろと違うんだな。
★テッサロニキのデミトリオス★
(ローマ皇帝に知事に任命されたが隠れキリシタンだった。槍で殺されたが、病を治す聖人、守護聖人として崇拝されている)
もう時間です。集合時間。
でもイワンはまだ説明したいらしくて、時間をオーバーしてるのに「もう一つ」「もう一つだけ」と言ってどこまでも話続けるのであった。
あなたのお話、わかりません。
帰国してからネットで調べます。
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