玄関を出るとピカピカの大型バスと運転手さんが私たちを待っていた。
昨夜の小さいバンじゃなくてよかったなー。
あれじゃ、心もとないし。
ここで、今回のガイドさん、ワイロさん登場。
口髭のある、浅黒いアラブの顔だ。
カイロ市内の渋滞を避ける為、三大ピラミッド→メンフィス→サッカラ→ダハシュールの予定を逆回りにすると言う。
ま、そもそも三大ピラミッドはギザにあるわけで、ギザの宿泊予定がカイロから出発するんだから、効率的に回らないとね。
朝まだ早いと言うのに、車でびっしり。
どうも信号がないのではないかと思う。
ラムセスヒルトンの周りは近代的なビルが建ち並んでいるが、ちょっと行くともう住宅しか見えない。
窓にガラスがはいってない・・・・?
カーテンのかわりか、壁に空いた四角の窓に布が垂れ下がっていて、ひらひらしてるけれど、窓わくがない。
エアコンの室外機もないところを見ると、窓はあの四角い穴で風を通してしのいでいるのかもしれない。
もう少し行くと田園地帯に入る。
眠くて、寝た方がいいのだと思いつつ、窓の外があまりに刺激的で見逃せない。
もう舗装道路はとっくに終わっている。
バスの窓の下を水牛みたいな牛が通ったり、羊が大群で歩いてきたり、ロバが荷物を苦しそうに運んでいる。
こんな近くで牛見るの初めてだ。
羊は泥だらけであまり可愛くないな。
ロバが運んでいる荷物は半端な量じゃないし、何度もロバが通り過ぎて行くけれど、どのロバも痩せこけていて、汚れていて、もうヘトヘト、ボロボロって感じがする。
スペインのミハスで見るロバは、ぬいぐるみのようなグレーの毛なみにクリクリっとした愛らしい瞳、そして背中には綺麗な花を桶で運んでいて、適度にふっくらしている。
エジプトの御者は小学校低学年くらいの子供たちだ。
動物愛護団体やユニセフが見たら黙っちゃいないぞって光景だった。
アラブ世界で「おまえはロバだ」って言うと、殺されちゃうくらいの侮辱にあたるらしい。
のろまで頭が良くないと言うイメージだそうだが、こんなに働いてるのに。
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