そろそろピラミッドに着こうかと言う時、バスが止まった。
白い建物の中からスーツ姿の男性がティーカップ片手にバスに乗り込んできた。
ちょっとぉ、お友達をどこまでか乗せてあげるとか?
車内が一瞬ざわめいた時、すかさずワイロさんが
「警備の人です。ピラミッドを見ている間、皆さんを守ってくれます」
通路をはさんで、私の横に座ったので、不躾ながら観察させて頂く。
横顔はアンディ.ガルシアっぽい。
お腹は出てないので、多分まだ若い人なのだろう。
ふうふうしながら紅茶を飲んでいる。
ホテル内で見たエジプト人と違うのはこの人のスーツ、ワイシャツ、ネクタイがパリっと皺ひとつないことだった。
このあたりは舗装されていないのに、靴もまだピカピカしている。
バスが止まった地点はピラミッド以外、何も、なーんにもなく、私たちしかいない場所だった。
★エジプト版アンディ.ガルシア★
*サングラスをとった顔はやっぱりエジプトの壁画っぽい顔だった*
まだ9時前なので全然暑くないし、風も心地よい。
元々は白の化粧石が使われていたものが、どんどん持ち去られて裸の状態に。
他のピラミッドより赤茶っぽい色をしている。
(言われなければ、同じにしか見えないけど)
ワイロさんがポイント、ポイントで写真を撮ってくれるので助かった。
★屈折ピラミッド★
赤のピラミッド同様、クフ王の父、スネフェル王が建てたとされているが、どちらのピラミッドにもスネフェル王は眠っていない。
屈折になったのは、そのまま作り続けたら、とんでもない高さになる為建設中に予定変更したからだとか。
こっちはグレーがかった茶色。
ここに来るのは日本人しかいないらしい。
日本人は「せっかく来たんだから」とたくさんの物を見たがる。
欧米人はここまで来ないそうだ。
次は赤のピラミッドの反対側にまわる。
白い建物の前でアンディは降りて行った。
降りる時にジャケットがピラーっとめくれて見えたのはごつい銃。
イマドキの007ではあんなごついの見たことない。
「ロシアより愛をこめて」(ショーン.コネリー時代)のソ連の軍人が持ってたようなのだった。
あんなの隠してたのかー。
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