夕食のレストランに入ると花島sisters妹がいない。
添乗員が慌てて、「妹さんはどうされましたか?」
「疲れて食べたくないと言ってバスにいます」
「バスにですか? ? ? 運転手もここで食べますから、バスはエアコンが切れて・・
大変です。お連れします」
彼女はたったかと走って運転手とともに駐車場へ向かった。
迎えに行ったものの、妹さんは爆睡状態に入っており、声をかけても起きられなかったそうだ。
もう30度ではないかもしれないけど、閉め切った車内ってやっぱり危険かもしれない。
泥棒か強盗に狙われるかもしれないし。
今晩は私がロシア料理で一番好きな、クリーム系の壺焼である。
必ず舌を火傷するけれど、やめられない。
昔、husの誕生日に作ってみたがパイの蓋部分が膨らまず、太鼓みたいにパンパンになり、スプーンでは破れず、結局包丁でギコギコ切ってようやく食べた。
素人が作るもんじゃないですな。
日本人にとってはロシア料理の代表の一つなのに、ボルシチとかペリメニのように決まった名前がないんだそうだ。
日本のレストランでは「壺焼」で通ってるけど。
いや、またこれがおいしいのなんのって。
何故かとてもクリーミーなのに濃厚で野菜にもしっかり味がしみ込んでいるし、パイもくどくなくてちょうどいい加減だ。
花島sisters姉が「あの子はいつも一番おいしいものを逃すのよね」と言いつつ完食した。(70歳をゆうにこえているのにお元気)
「さっきの美術館、疲れたわね。私たちだけになっちゃって、あれなら逃げられないものね。おもしろくなかったけど、我慢しちゃったわ」
(ほんとに。とても疲れました)
「あなた、偉いわよー、ちゃんと聞いてあげて。私は最後の方、全然聞いてなかったわ。それにしてもあの人の日本語わからないわねー」
疲れたし、おなかも満足したし、もう帰りたいな。
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