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佐賀県小城市で有明海沿岸道路の盛土が崩落した問題で、佐賀県が設けた学識者や行政職員などから成る軟弱地盤対策工法技術検討委員会は「4月の熊本地震と6月の崩落直前の豪雨が重なったことが主な原因」とする見方を示したそうなのだ。有明海沿岸道路が崩落したのは有明海沿岸道路の一部である佐賀福富道路下り線で、芦刈IC―芦刈南IC間は今年3月に開通したばかりだったという。大雨となった今年の6月に下り線出口のランプ道路と本線の一部で盛土が延長約50mにわたって崩壊したのだが、現場は高さ7.5mの盛土が最大3.8m 沈下し端部の補強土壁が水平方向に4m押し出されており、下り線の一部と出口ランプで盛り土が50mにわたって崩壊したというのだ。 佐賀県は崩落直前に路面のひび割れが進行しているのを確認した時点で付近を通行止めにしており、人や走行する車両への被害はなかったというが、被災現場周辺は水田地帯で地盤が緩いので盛土造成時には深層混合処理工法で地盤改良していたという。地盤補強工事を大別すると軟弱な地盤そのものを固めてしまう地盤改良と、既製の杭を打設する工法とに分けることができるのだが、土が固まらないような地盤の場合で支持層が確認できる場合は、既製の杭を支持層まで打設して建物を支持させる工法を採用でき、地盤改良は硬質地盤でなくとも構造物を安全に支持することが可能なので基礎補強では広く採用されていることから被災のあった現場でも深層混合処理工法を使用していたというのだ。 深層混合処理工法ではかくはん翼を付けた機械の先端から地中にセメントミルクを注入し、周りの土と混ぜて円柱状の「改良杭」と呼ばれる改良体を造るのだが、この現場では深さ13mで直径1.2mの改良杭を1.9m間隔で設けていたという。地元の弁財地区の平野千一区長は「もとは田んぼだった土地。工期に間に合わせるように工事を急いだのではないか」といぶかっていたのだが、佐賀県道路課は「早く進める必要はあったが、そこで何かやるべきことを省略したわけではない」と話している。この佐賀福富道路は全長約10キロで総事業費は約80億円ということで約3・5キロの工事を残して供用されているが、土の強度が低い状態が地質調査で判明しており、昨年の県議会でも工事の内容について質問されているという。 今回の事故で学識者や行政職員などから成る軟弱地盤対策工法技術検討委員会を設置し原因を調査してきたが、軟弱地盤対策工法技術検討委員会は工事書類の見直しや現場付近のボーリング調査を実施して原因を調査しており、盛土崩落後の調査で一部の改良杭が破壊されていることを確認しているという。現場は水田地帯で地盤は緩く補強工事としてセメントを注入して地中で柱状にして固めていたというのだ。佐賀県道路課は「こういう事態を起こしているので、どこかまずいところはある。それが工法なのか何なのか、しっかり調査をして原因を追究していかないといけない」と話しているが、ボーリング調査の結果では盛り土の真下に旧水路の跡があって崩壊部に隣接していることも分かったそうなのだ。 軟弱地盤対策工法技術検討委員会では現場付近で震度5弱を観測した4月の地震で盛り土の補強土壁が押し出されて地盤が緩み、地中の改良杭が変形したとみている。佐賀県でも5月時点で舗装面や法面に幅1cm程度の亀裂などを確認していたが改良杭が損傷するほどの事態とは捉えていなかったという。 その後に1日当たりの雨量が264mmの大雨が降ったことから路面の亀裂から雨水が浸透してしまったという。盛土の重量が増えるとともに強度が低下し、補強土壁と改良杭では盛り土を支え切れなくなり崩壊に至ったという。工事記録を検証した結果、事前の調査からは被害の想定が難しく、地震によって改良杭が変形したことも推定の範囲にとどまるので、設計や施工には問題がなかったと結論づけている。
2016年09月30日
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福岡市の名物「屋台」の担い手を募る初の公募手続きが行われており、路上営業を厳しくした福岡市の規制で営業が続けられなくなる28軒分が対象で選考されると来春に開店することができるという。大学教授や市議らでつくる選定委員会が書類審査と面接で年内に決めるそうなのだが、メニュー内容や外国人観光客らへのおもてなし街の魅力向上への工夫などを100点満点で採点するという。営業場所は中洲・長浜・天神3地区の計28カ所で、採点上位者から好きな場所を選ぶことができ最長10年間営業できるというのだ。福岡市は今後も公募を続け屋台を集約する方針だが、周辺住民からの苦情が多かったことなどから市道上での屋台営業は「原則一代限り」とし、例外として継承できるのは配偶者と子供に限っていたのだ。 これにより最盛期に400軒以上あった屋台がぐっと減っていた福岡市の屋台だったのだが、10年に就任した高島宗一郎市長は「屋台は観光資源」と位置づけ存続を探り、屋台基本条例で住民への配慮の徹底など営業ルールを厳格に定め公募の導入も決めたという。福岡市によると屋台の営業権の公募は初めてだというが、斬新な発想やデザイン性のある屋台を導入し市の観光資源である屋台の魅力を高める狙いがあるという。公募枠は30軒ほどになる見込みというが、学識経験者らでつくる「屋台選定委員会」が審査し、年内に営業候補者を決め来年4月から営業を始めてもらうという。福岡市によると市内には現在119軒の屋台があり、111軒は市が管理する道路や公園で営業している。 現在営業している屋台のうち28軒は屋台の営業許可を受けた人以外が営む「名義貸し」をしていたため、福岡市は屋台を実際に営業している人に3年の期限付きで新たな許可を与えて営業させていたというのだ。福岡市は屋台を観光資源と位置付けているが歩道の確保が不十分だったり、名義貸し屋台が横行したりしていたため2013年に屋台基本条例を制定し適正化を推進してきたというのだ。名義貸しを改善できない場合は猶予期間の3年が経過する来年3月に廃業となる。ただ当時125軒あった屋台のうちすぐに名義貸しを改善できない屋台が4分の1程度に上ったため、「適正数」とする110〜120軒程度を維持するには不足分を公募でまかなう必要があるとしていたというのだ。 屋台で楽しむとなると心配なのは飲酒運転なのだが、福岡市は2006年の事故後に懲戒処分指針を改訂し酒気帯び運転は原則「懲戒免職」としている。飲酒絡みの不祥事が相次いだときには1カ月間の「自宅外禁酒令」も出しているのだ。「飲酒運転はしない、させない」という職場の宴会の冒頭で呼び掛けるなど意識改革が進む中で、昨年12月の福岡高裁判決によると同僚らと飲酒した後にバイクを運転して帰宅する途中に酒気帯び運転容疑で検挙され、罰金30万円の略式命令を受けた市職員に対して行われていた「懲戒免職」に関して、「男性の行為は飲酒運転の中でも比較的軽い。公務員の地位を奪う処分には特に慎重な検討が必要で免職処分は重すぎて違法だ」と判断したというのだ。 福岡高裁の佐藤明裁判長は「飲酒運転撲滅に取り組んでいる市が厳しい処分をする方針は理解できるが、免職には慎重な検討が必要」と指摘し、人的にも物的にも被害がなく反省していることなどを考慮し「免職は裁量権を逸脱し、違法」と判断した。処分を取り消した一審・福岡地裁判決を支持したそうなのだ。それに対して福岡市水道局は「主張が認められず残念だ。市は飲酒運転撲滅運動の先頭に立ち、職員に飲酒運転は免職と徹底してきた。最高裁の判断を仰ぐ方向で協議する」とのコメントを出していた。その酒気帯び運転を理由に懲戒免職となったのは「処分が重すぎて違法だ」として、福岡市を相手に処分の取り消しを求めた訴訟の上告審で、最高裁第一小法廷福岡市の上告を退け敗訴が確定したそうなのだ。
2016年09月29日
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私が所属している建設業は事故が多い業種なのだが、東京都八王子市暁町にある緑地でのり面の補強工事現場で、のり面の補強工事を行っていた男性作業員4人が感電する事故があったそうなのだ。作業員らは病院に運ばれたが50歳代の男性が死亡し、30歳代の男性が意識不明の重体のほか2人が手足のしびれの軽傷を負ったという。警視庁八王子署の発表によると緑地でのり面を補強する工事をしていた関係者から「作業員が感電して意識がない」という通報があり、のり面に開けた穴に約6メートルの鉄の棒を挿入する作業を5人で行っていたところ、この鉄の棒が頭上の電線に触れて感電したというのだ。事故は「鉄筋挿入工」と呼ばれる工事を行っていた時に起こったようなのだ。 のり面の補強工事中に作業に使う6メートルの長さの鉄製の棒が誤って電線に接触して、作業員4人が感電し1人が死亡して1人が意識不明の重体になったというのだ。警視庁八王子署によると作業員らはのり面に組んだ足場から長さ約6メートルの1本の鉄の棒を一緒に持ち、地面に対して水平に開けた穴に差し込む作業を行っていたそうで、作業員らが棒を差し込む際に棒の端が近くの電線に触れ感電したとみられる。作業員らは電線と同じ高さに組まれた足場の上に立っており、作業員の男性4人が病院に運ばれましたが、このうち50代の男性がおよそ2時間後に死亡が確認され、30代の男性が意識不明の重体となっています。ほかの2人のけがの程度は軽いということです。 現場は鉄パイプで組んだ足場に載っていた作業員の左側には、地上から9m上に1万ボルトの高圧線が配線されていたそうで、それに触れ煙が上がるともに全員が倒れ、3分くらいから倒れている人の体に火がつくとビクビク と痙攣しだしたという。脚に火花とともに火がつくと一番左側で倒れている2人のうちの一人が立ち上がり逃げようとしたが、鉄パイプに触れてしまい再び感電して地面に斃れしばらくもがいていたというのだ。これはダメかもと思っていたが再び立ち上がり逃げていったこの人は助かったそうなのだ。その他の3人はピクリとも動かなかったが体に火が付くと必死に立ち上がろうと上半身をもぞもぞ動かしていたが、段々動きがなくなってきてそのまま 結局この3人は亡くなったそうなのだ。 警視庁八王子署によると今回の感電事故はのり面に組んだ足場から作業員が長さ6メートルの鉄製の棒を地面に掘った穴に入れる作業をしていたところ、棒の上の部分が空中の電線に接触したということなのだが、法面工は斜面にロープでぶらさがりながら行う特殊な作業が多いので、転落事故の可能性が高く一般作業よりも安全への意識向上が求められているのだ。私の事務所でも法面工事を下請けに発注することも数多くあるのだが、普段から地山の状況を観ながら危険と判断する場合は作業を中段したり、作業員が体調不良の場合は作業を休んだりするだけでなく、雨天・雪等の悪天候時は作業を中止する等、無理の無い作業を心掛けて施工を行うとしているのだ。 法面工事の転落事故では私の住んでいる愛媛県でも宇和島労働基準監督署が、法面補修工事で転落事故があったとして、請負業者とその現場代理人を労働安全衛生法違反で松山地裁に書類送検したというのだ。この工事でも高所作業時に安全帯を使用しなかったことが原因で起こったというのだが、法面工の施工は基本的に親綱を設置しこれに安全ロリップを着けてぶら下がりながらの施工方法を主流としている。今回の事故を起こした会社は私も下請で何度も使っていたのだが、高所作業を行うというのに安全帯などの使用を確認しておらず、安全帯を親綱に取り付けていなかった疑いがあるというのだ。このため作業員が4mくらい下の地面に転宅して死亡したそうなのだ。
2016年09月28日
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自転車を運転中に信号無視など「危険行為」を繰り返した人に、安全講習を課す改正道交法が施行されているが、一国の与党を預かる重要人物が自転車の事故でリタイヤするのが我が国の実情なのだ。自転車は車道のどこを走れば良いのかということでは、クルマを避けるため斜めに傾いたアスファルトではない部分であるいわゆる「路肩」を走っている人、またそこを走るものと考えている人は少なくないかもしれないというのだ。しかし「自転車は路肩を走るように」とは法律的にはどこにも書かれておらず、「そもそも道路交通法に『路肩』という言葉はなく、“路肩を通らなければならない”ということ自体が法律上ありません」というのは、公益社団法人自転車道路交通法研究会の瀬川代表なのだ。 自転車はまず自動車と同じく左側通行が原則なのだが、そして例えば片側1車線の道路の場合は車道の左側端へ寄って通行するよう定められており、そもそも「路肩」という単語自体が道路交通法に無いというのだ。ただ逆にいえば自転車の路肩走行が禁止されているわけでもないことになるということなのだ。法律用語の「左側端に寄る」というと左端ギリギリという認識をしている人が多いと思われるのだが、しかし交通安全委員会等の見解ではそうではなく、道路状況によって変わるため一概には言えないが、端から1mぐらいのところを走れば十分「左側端に寄っている」といえるそうなのだ。逆に「路肩を通るのは左側端に寄りすぎですね」と自転車道路交通法研究会の瀬川代表は答えている。 むしろ路肩は傾斜や段差がある排水口があるなど走行に適さない状態のため、そこを走るのはかえって危ないと自転車道路交通法研究会の瀬川代表は語っている。自転車は路肩を通らねばならないとしたら高度な運転技術が要求され、「運転する人を選ぶ道路」になってしまうというのだ。そのせいかわたしの住む愛媛県では統一した案内を行うことを目的に、ブルーのラインでルートを示したサイクリング案内標示を整備しているのだが、そのブルーラインの路肩側を走るとなるとそうとうな運転技術が必要だと思われるのだ。しかし、その心配は不要で愛媛県では「『水色の部分を通ってください』というわけではありません。『路肩を走行してください』という意味合いで引いたものです」としているそうなのだ。 一般的にはその手軽さゆえに「『歩行者』に近い意識」が強いが、「車道の弱者、歩道の暴君」と呼ばれている自転車なのだという。道路交通法によると自転車は「軽車両」であるため車道と歩道の区別がある場所では原則として、車道の進行方向左側を走らねばならないのだ。これを守らないと「通行区分違反」の危険行為として摘発される可能性があるし、「自転車専用通行帯(自転車レーン)」がある場合には自転車は原則としてそこを走らねばならないのだ。つまり愛媛県等が布設しているブルーラインは自転車が路肩を通るようにという意味で色分けされ案内することが主目的であることから、「自転車レーン」としての規定を満たしていないため「自転車レーン」ではないそうなのだ。 国土交通省や警察のガイドラインでは「自転車レーン」は1.5m以上の幅員を確保することが望ましく、やむ得ない場合は1.0m以上1.5m未満とするとされているそうなのだ。道路管理者による自転車レーンなどハード面は準備したのに自転車事故等に変化がないのであれば、今度は交通法をもって「先をいくヨーロッパに倣う」という論理の前提条件が整いつつあるのが、現在における日本の状況だといわれている。行政側から改善しようとした場合にはさらなる法規制や違反時の罰則強化ということになるのだという。まだしばらく現在の緩衝時期は続くのかもしれないが、自転車における即時罰則金の流れは知らないうちにもう目の前まで来ているのかもしれないというのだ。
2016年09月27日
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わたしも自分の居場所がなくなっていく寂しさを感じていく年代になってきているが、50代ともなると会社や仕事場での役割は一歩引いたものになり、子育てがひと段落ついた家庭でもその存在感は少しずつ薄れていくものだという。そのような人間がゆっくりとくつろげる店選びと店の使い方のコツがITで紹介されていた。それは「年下の店主」・「時間とカネの上限設定」・「家族にオープン」だというのだが、まずは「店主が自分より若いこと」ということでは、いままで通っていた店がなくなっていく理由は店主が自分より年上だったからということなのだが、確かに昔通っていた飲み屋へ行かなくなった理由は使える金が少なくなったのと、代替わりをしているか廃業してしまっている店が多くなってきているからだと納得したのだ。 そして「時間とカネの上限設定」を決めることでは、時間と使うお金をあらかじめ決めておくとその方がかえって店での居心地もいいというのだ。たしかに長い時間居座って深酒すればするほど気分転換につながるというものではなく、実際近頃仕事場で飲みに行く店は全体的に回転が速くダラダラ飲む客は少ないのだ。飲み会絵お段取りしている若い衆も「さすがに毎回定時・定額じゃないですが」というが時間と金額に制約のある店が多くなっているのだ。さらに幾つかの店は家族とも行くことも自分だけの店を持つのには良いみたいで、ITの記事でも「隠れ家じゃなくてオープンにしておくとよい。『あの店に行った』と言えば、かえって嫁さんから納得されやすいし」と書かれてあったのだ。 50代のなかには子供がまだ10代と言う人もいるが、ソフトドリンクで食事ができるような店もあって同じような家族連れの客も週末には多いそうだ。おでん屋とか焼鳥屋は「子供が成人してからの楽しみに取っておこうか」と書かれてあった。そして「会社に近すぎない」のももちろんだということなのだが、それもたしかに納得できるのだ。会社と自宅の間にこうした空間があることは本当に大事なことなのだと改めて思ったしだいなのだが、会社にいる時間は相当長くて平日の家は「寝るだけ」という人も多いし、私のように子どもが大きくなると一緒に外食することも減っていくものなのだ。毎日が職場と家庭の往復でたまの飲食はつき合いばかりで、行きつけの店まで減っていくと日々の生活の中で「一息つける」場のようなものがなくなってしまうのだ。 これはちょっともったいないように思われており、40代から50代の「大人の時間」の魅力や必要性はメディアではよく語られるものの、実際には失われ続けているのかもしれないというのだ。サードプレイスという言葉があってスターバックスのコンセプトとしても知られ、職場と家庭以外の「3つ目の場所」ということのようなのだ。こうした居場所を見つけておくことはミドル世代にとって結構重要になってきているといわれているが、日本人の知恵ではそういった居場所を昔からちゃんと持っていたというのだ。私の趣味の一つである落語の世界でも床屋の喧騒を描いた「浮世床」という噺があって江戸時代の作なのだがサードプレイスといった新しい言葉を耳にするずっと以前からこのようない場所にたむろしていたというのだ。 私ももうすぐ定年退職なのだが仮に再就職をして65歳まで働くとしても、多くの人は少しずつ第一線を退くようになり仕事に費やす時間は減っていくことになっていくだろう。自宅の近くで過ごす時間がコンビニと図書館だけというのではちょっと寂しいし、「帰りに一杯」というのはいかにも昭和の風習のようにみられてちょっと旗色が悪い。しかし寄り道先であって一息つくことができる「第三の場所」は今も昔もとても貴重な空間だとおもっている。私には江戸時代の庭園を管理しているNPOに参加しているのだが、たった17坪の庭で煎茶を飲むことだけでも歴史と風情を感じているのだ。これからは会社中心の生活を段々と変えていくための準備はそろそろ始めてもいいはずだと思っているのだ。
2016年09月26日
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内閣府が発表した「道路に関する世論調査」によると、災害発生時に道路の安全性に不安があると答えた人は53・8%で、前回2012年の調査より3・2ポイント増加したという。東京23区では不安を感じる人が67・0%になっているが、「道路に関する世論調査」は今年7月に全国の18歳以上の男女3000人を対象に実施し1815人が回答したという。今年4月の熊本地震でも道路が寸断され多くの集落が孤立したが、今後の道路整備で重視する点については「大地震や津波・大雨・大雪などの災害対策」が54・3%で最多だったそうで、災害に備えるために必要な道路整備のあり方については「安全に避難できる避難路の整備」が44・0%で最も多く防災関係に関心が付加合ったというのだ。 国土交通省は「国民の災害に対する意識は高い状況が続いている」と分析しており、調査結果の分析に当たった国土交通省の担当者は「東日本大震災以降も、ことし4月の熊本地震など大きな災害が相次いでいることから、対策の強化への高い要望が読み取れる。災害に強い道路整備を進めていきたい」と話している。いつも通る道路での渋滞の有無ということでは、いつも通る一般道路で車が渋滞しているところがあるか聞いたところ、「ある」と答えた者の割合が49.9%で「ない」と答えた者の割合が46.8%となっている。前回の平成18年7月調査結果と比較して見ると「ない」と答えた者の割合が上昇しているが、都市規模別に見ると「ある」と答えた者の割合は大都市・中都市で上昇しているという。 性別に見ると混雑が「ある」と答えた者の割合は男性で、「ない」と答えた者の割合は女性でそれぞれ高くなっているという。年齢別に見ると「ある」と答えた者の割合は30歳代と40歳代で高くなっており、「ない」と答えた者の割合は60歳代や70歳以上でそれぞれ高くなっているというのだ。渋滞解決のための道路施策では、いつも通る一般道路で車が渋滞しているところが「ある」と答えた者にその交通渋滞を解決するためにはどうしたらよいと思うか聞いたところ「交差点や踏切の立体交差化や車線数の増加・右折レーンの設置など道路構造を改良する」を挙げた者の割合が38.7%で、「信号のサイクルを適切に調整する」を挙げた者の割合が高く市街地の交通量を少なくする案が大半をしてていたそうなのだ。 道路の安全性向上のための道路施策では、道路の安全性向上のためには道路整備の面からどのような対策が必要だと思うか聞いたところ、「歩道の設置や幅を拡げるとか、車両と歩行者を分離するためのガードレールの設置などを行う」を挙げた者の割合が46.8%と最も高かったというのだ。以下は「自転車道など自転車の通行空間や駐輪場を整備する」や「交差点での右折車線の設置や幹線道路での中央帯の設置などを行う」に、「バイパスや環状道路を建設し市街地の自動車交通量を減らす」・「立体交差化するなど踏切を改良する」などの順となっていたそうなのだが、「特に必要ない」と答えた者の割合が11.0%となっていることから、道路の安全性向上は渋滞緩和より要求度が低いという結果となっている。 その中でも「歩道の設置や幅を拡げる,車両と歩行者を分離するためのガードレールの設置などを行う」や、「自転車道など自転車の通行空間や駐輪場を整備する」を挙げた者の割合は女性で多く、「交差点での右折車線の設置や幹線道路での中央帯の設置などを行う」とか、「バイパスや環状道路を建設し,市街地の自動車交通量を減らす」や、「立体交差化するなど踏切を改良する」を挙げた者の割合は男性でそれぞれ高くなっているという。年齢別に見ると「歩道の設置や幅を拡げる、車両と歩行者を分離するためのガードレールの設置などを行う」を挙げた者の割合は30歳代から50歳代で、「自転車道など自転車の通行空間や駐輪場を整備する」を挙げた者の割合は20歳代で多くなっているという。、
2016年09月25日
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適度な運動は体にいいことは医学的にも確認されているのだが、毎日15分くらいウォーキングなど中程度の運動をする人の死亡率は、まったく運動しない人より14%低く平均寿命が約3年長いという。さらに1日90分までは1日の運動時間が15分増えるごとに死亡率が4%ずつ下がっていくそうなのだ。ただし注意してほしいのは適度な運動ということで、運動はやればやるほど体にいいわけではないというのだ。運動する時間が1日90分を超えた場合には死亡率は変わらなくなり、それどころか運動のやりすぎは健康を損ねることさえある。よく知られているのは筋力トレーニングのオーバーワークで、筋肉に負荷をかけるといったん筋肉の細胞が壊れ回復するときに以前より細胞が増えることで筋肉が太くなっていくのだ。 ところが毎日激しい筋トレを続けると細胞の回復が破壊に追いつかなくなり、その結果逆に筋肉が細くなってしまうというのだ。また「女性を対象にした大規模な調査からも運動のやりすぎはマイナスになることが分かっているというのだ」そう話すのは事故にそなえて選手と一緒に走る医師として多くの市民マラソン大会やトライアスロン大会に出場している、「よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニック」院長の奥井識仁医師で、ある機関の調査によると約110万人の女性について日々の運動量と健康状況を9年間調べたところ、4万9113人が心臓病を1万7822人が脳血管疾患を発症したというのだが、これらの病気と運動量の関係を調べたところおもしろい結果がわかったというのだ。 あるレベルまでは運動量が多くなるほど発症のリスクが低くなっていったが、ウォーキングやサイクリングなどの運動を「毎日欠かさず行う人」は、逆に心臓病や脳血管疾患のリスクが高くなってしまったというのだ。そこで「適度な運動量」ということになるのだが、市民マラソンの世界では「1ヵ月に走る距離は200km以内に」と言われているそうで、統計上1ヵ月に200km以上走るとケガの発生率がグッと高まるそうなのだ。市民ランナーを診察することが多かった奥井医師は熱心に練習するランナーに「LOH症候群」とよく似た症状が見られることに気付いたそうなのだ。日本語では「加齢男性性腺機能低下症候群」よばれる「LOH症候群」は、精神面にも大きく影響しており意欲が衰え気持ちが沈みがちになってしまうといわれている。 主に睾丸で分泌される主要な男性ホルモンの「テストステロン」が低下することで、頭痛や不眠・筋肉の減少・骨がもろくなるなど様々な不調が表れる病気である日本語で「加齢男性性腺機能低下症候群」よばれる「LOH症候群」は、脳血管疾患・心筋梗塞・がんなど命にかかわる病気のリスクも高くなるというから決してバカにできないとされている。テストステロンは適度な運動をすると分泌量が増えるのだが、フルマラソンのような激しい運動をした直後にはガクンと減ることが確認されている。「もしかして、ハードな練習によってテストステロンの分泌が低下するのではないか」と考えた奥井医師は、45~55歳の男性市民ランナー43人について1ヵ月間の走行距離と血中で遊離しているテストステロンの濃度を調べてみたというのだ。 その結果「走る距離が100kmくらいまではテストステロンの分泌が増えますが、120km辺りから減り始め、200kmを超えると大きく減っていたんです」というのだ。月200kmということは毎日約7km走っている計算になるそうで、一般にはリアリティのない数字だと思うがまめに大会に出ている市民ランナーにとってはそうでもないらしいのだ。なぜ適度に走るとテストステロン値が増え走り過ぎると逆に減ってしまうのかということは、まだはっきりと証明されたわけではないが奥井医師は「運動で筋肉が刺激されると大量のテストステロンが分泌され、筋肉細胞の男性ホルモン受容体にテストステロンがくっつくと、細胞分裂を促進して筋肉を増やす。この体の働きによって筋肉で使われたテストステロンは消えてなくなるではないか」と推測している。 適度な運動によってテストステロンの分泌が高まるが、消費が多すぎると供給が追いつかなくなって減ってしまうのであれば、筋トレのオーバーワークの現象にも通じるものがあり分かりやすい仮説とされている。筋肉が増えるとテストステロンの分泌量も高くなることから、トータルの筋肉量を増やすには大きな筋肉が多い下半身を鍛える方が効率的で、つまりジョギングやウォーキングはテストステロンを増やす効果も大きい運動なのだという。運動によってテストステロンが増えていくのは月120km程度までだったことを根拠として、「ジョギングや早歩きをする場合は1ヵ月120km程度の運動量がベスト」と「よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニック」院長の奥井識仁医師はアドバイスしている。
2016年09月24日
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検索データを振り返ると人々のニーズをたどることができるという事で研究がなされているが、熊本地震発生直後の被災地での検索ワード分析したところ、そこからは「地震直後に被災者がとろうとした行動」も見えてくる。ネット検索結果というビッグデータは今後の災害への備えにも活用できそうだという。被災地での検索ワード分析はインターネット検索大手ヤフーが行ったそうなのだが、「ガス」という項目では熊本大地震が起こった4月16日の本震直後から検索数が上昇を続け4月25日にピークを迎えており、特に4月23日からの急上昇が目立ったという。 熊本大地震当時熊本県等の総務部長で、被災者支援に当たっていた木村敬総務省公営企業課理事官は「これは、ガス開栓をめぐる混乱が見事に出ています」と驚いたという。 熊本大地震のインフラ被害のうち「電気」・「ガス」・「水道」で一番復旧が遅かったのがガスだったそうなのだが、「みんな遅いのは分かっていたのですけど、いざ各家庭の復旧作業が始まると『うちは一体いつなのか知りたい』というニーズが出てきた。復旧戸数がどっと増えてきたのが4月23日ごろで、『お隣はもうきたのに。うちはいつなの』という情報の混乱が起きていたのがまさに25日あたりでした」と被災した当時を振り返っていたそうなのだ。ガス開栓をめぐる混乱には西部ガスの情報提供も影響していたと木村敬総務省公営企業課理事官は指摘し、 「当初、熊本市内でガスを供給する西部ガスは、ホームページにあまり詳細な情報を出していませんでした」と情報の少なさが問題だったと指摘する。 ガスの開栓には居住者が立ち会う必要があるそうなのだが、被災した住民は「我が家はいつなの」とか「私はいつ家にいればいいのか」というのが分からなかったという。住民の不満を受けてだんだんと西部ガスは情報提供態勢を整えていき、それで4月25日以降に検索数が落ち着いたのだと分析している。「水道」と言う項目では4月17~19日に多く検索されていたそうで、木村敬総務省公営企業課理事官も「熊本の人たちが一番困ったのは水でした。地震直後は『出ない』、その後は『給水車はどこだ』というニーズで検索されたのだと思います。行政側の情報提供態勢も当初は弱かったのですが、住民の『わからない』ことへの不安が最大になった時に検索数も最大になると思うのです」と語っている。 その中でも努力していた自治体もあって「熊本市はウェブサイトの情報を見やすくするなど、改善があったと記憶しています。それをうけて検索数も下がっていますよね。つまり、この検索数の推移は行政の情報が整理されていった過程と見ることもできます」と木村敬総務省公営企業課理事官がかたるとおり、住民の「分からない」という不安が検索データに表れているとしたら行政側の情報発信を見直すヒントになるということがわかったそうなのだ。地震直後は自治体の災害対策本部もバタバタしているなかどうやって検索データを扱うかというのは難しいところなのだが、例えば自治体のホームページで何が多く検索されているかといったことを把握するシステムがあれば、何が必要な情報なのかをリアルタイムで知ることができというのだ。 災害時の行政は「何が検索されているか」なんてことはまったく意識せずに発信しており、それを変えるきっかけとして例えば災害対策本部の中に情報統括責任者みたいな、住民の情報ニーズを把握する人を置くことも必要だというのだ。木村敬総務省公営企業課理事官は地震当時「どうしてみんな、こんなに避難所の情報を知っているのだろう」と不思議に思ったという。被災者らは行政からの情報を待つだけでなく自ら積極的に情報を調べていた。検索データは情報を求めて動いていた被災者らの足跡でもあるというのだ。行政から「給水所はここですよ、避難所はここですよ」という情報を住民側が受け取ると、「そこはどういう状態なのか」・「並んでいるのか、他の場所はどうなのか」自分たちでさらに調べているというのだ。 行政の情報をもとに情報の精度を上げて見極めてから行動に移しているようで、典型的な事例が避難所のひとつだった熊本県立大学なのだが、避難地でなかった熊本県立大学は行政があらかじめ指定した避難所に指定されていなかったそうなのだが、敷地内に井戸をもっていて水が出たことから、「県立大は水が出る」・「トイレが流れる」・「学生が炊き出しをしている」という情報が人々の間で広まり、熊本県庁が一切そんな情報は発信していなくても、被災者たちは自分で情報をつかんで知っていたというのだ。検索データの生かし方について木村敬総務省公営企業課理事官は「今まで行政が拾いきれていなかったニーズにも十分気付けるかもしれないし、マイノリティーの人たちの方が検索サイトを利用する率は高い」と指摘している。
2016年09月23日
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女性の就労を阻む壁は「配偶者控除」や「配偶者手当」のほかにもいくつもあるとされ、働きたい女性が働き続けるには男性の育児・家事参加はもちろん、待機児童をなくすなど仕事と子育てを両立させる環境整備が欠かせないのだ。ところが自民党税制調査会の宮沢洋一会長は大手新聞社のインタビューに応じ、専業主婦や年収103万円以下のパート主婦のいる世帯の所得税を軽くする「配偶者控除」だけを見直す方針を明らかにしたというのだ。年末にまとめる来年度の「与党税制改正大綱」に配偶者控除の改革方針を盛り込むことを目指すそうで、自民党と歩調を合わせ政府税制調査会も9月から配偶者控除の見直しに向けた議論を本格化させる見通しだという。 自民党税制調査会の宮沢洋一会長は「少子高齢化が予想以上に進展している。日本経済のため、女性の社会進出を増やすことが喫緊の課題だ。配偶者控除については問題点が指摘されており、秋から冬にかけて検討しないといけない」と述べたそうなのだ。自民党の二階俊博幹事長も記者会見で、平成29年度税制改正で専業主婦世帯を優遇する所得税の配偶者控除の見直しを検討する考えを示したというのだ。「専業主婦の所帯よりも夫婦共働きの所帯が多くなっている。時代の変化や周囲の状況を考え、税制面で支援していく現れだと思うが、党としても支持したい」と述べたそうなのだが、その一方で「見直しによって専業主婦所帯に大きな負担にならないよう考慮すべきだ」とも語ったという。 安倍首相が関係閣僚に指示した所得税の配偶者控除の見直しに象徴される「働き方の選択に中立な税制の在り方」についての結論は昨年の税制改正大綱では見送られ、議論が継続されることになっているのだが、配偶者控除が創設から50年余り経過しているなど、現在の税制は社会構造の変化に対応しきれていない部分が見られ大きな見直しが迫られており、今年の政府税制調査会は新たな所得税制度の在り方について報告書をまとめる予定だという。これらの議論を踏まえて政府は、配偶者控除の見直しなど具体的な改革の方向性について議論を深めたい意向なのだ。配偶者手当は配偶者のいる社員や職員に一定の基準を設け支給するものでこちらも女性の就労を阻む要因との指摘が強い。 先ごろ人事院が国家公務員の配偶者手当の半減を勧告したのは、女性の働く意欲を失わせているとの批判を受けてのことなのだが、指摘されるのは制度の恩恵を受けるためあえて年収を抑えようとする働き方のほうなのだ。配偶者控除は専業主婦やパートで働く人の年収が103万円以下の場合には世帯主の課税所得を一律で38万円減らす制度で、制度の恩恵を受けるため103万円を超えないよう働く時間を調整するパートの主婦も多く、少子高齢化による働き手不足に拍車をかけていると問題視されている。配偶者控除が導入されたのは高度経済成長期の1961年で、サラリーマンの夫と専業主婦の妻に子どもという当時の標準的な家族をモデルに、夫を支え無償の家事労働に従事する妻に配慮した制度だったという。 しかし1990年代後半には共働き世帯が専業主婦世帯を上回っており、近年はひとり親世帯が急増し生涯未婚率の上昇など結婚しない人生を選択する人も少なくないのだ。専業主婦を優遇する不公平な制度との批判は「男性は仕事、女性は家庭」という古い価値観にも向けられており、多様化する働き方や生き方を見つめ今という時代に合った中立的な税制を探る時が来ているというのだ。そこで政府・与党は2017年度税制改正に向け、9月から所得税改革などの議論を再開する模様で、政府税制調査会は専業主婦世帯などの税負担を軽減する配偶者控除を廃止する代わりに、夫婦を対象に一定額を控除する「夫婦控除」の導入を軸に、妻の年収にかかわらず幅広く受けられる「夫婦控除」の導入などの案を検討するそうなのだ。
2016年09月22日
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建設投資が底を打って反転して以降は建設会社各社の好業績が続いているというが、私の愛読している業界紙では毎年9月に建設会社の決算ランキングを特集しており、ここ数年は増収や増益といった言葉が見出しに踊っているというのだ。日本の建設投資はピークだった1992年度の84兆円から減少傾向が続き2010年度には42兆円と半減したのだが、その後は震災復興や安倍政権の経済政策によって反転し最近では50兆円弱まで盛り返している。建設会社の決算も当然のことながら建設投資に連動しここ3年で急速に回復しており、昨年度3月に迎えた決算期の建設大手各社の決算は好調ぶりが際立っているが、好業績のなかにあって各社が浮かれているように見えないのもここ数年の印象だというのだ。 そのうえ多くの建設会社が次期の業績予想を少なめに見積もっていて、増収増益だからといって大風呂敷を広げるような話も聞こえてこないという。最近の好業績を支えてきた震災復興関連事業でも震災から5年目を迎えやや陰りが見えてきており、今回の業界紙の調査でも回答者の9割以上が次期決算期において、復旧・復興に関する受注高は「増加しない」と考えているというのだ。とはいえ建設業界には好材料もまだまだ多くあるようで、首都圏では東京五輪に向けた首都圏のインフラ整備をはじめ大型工事の発注ラッシュが続き、首都圏3環状道路やリニア中央新幹線に高速道路の大規模更新など、ゼネコンと呼ばれる大手建設会社が注目する工事が目白押しだというのだ。 一方で大規模な事業に伴う周辺工事や高速道路の修繕などは、小規模な会社にも手掛けるチャンスが大いにありそうで、業界紙の調査に対して回答があった会社の決算を眺めると前期と比べて単体の土木売上高は56%が増加し、土木の完成工事総利益率も62%が上昇と好調ぶりがうかがえるというのだ。それに対して次期の見通しとなると土木売上高や土木の完成工事総利益率ともに、半数以上の建設会社が横ばいとみているというのだ。明るい見通しの中でその先を見据えた手を打ち始めている建設会社も多く、そうした将来に向けた投資についてもさらなる受注を目指して新組織や新会社を立ち上げる企業もあれば、人材を確保するための待遇改善に力を入れているところもあるというのだ。 しかも処遇の改善が自社の社員だけでなく協力会社の優秀な社員を優遇する動きがこのところ目立ち、やっと業績が良くなって「ほっと一息」というのが本音だと言われているのだ。しかし先の民主党政権時代がそうだったように建設投資が一気に減る可能性はゼロとは言えず、業績のいい今のうちにどれだけ将来に向けた投資ができるのかなどは、景気が悪くなった時に大きな差になって表れてくるというのだ。かつてバブル時代に高収益を上げた建設会社の中には過剰な不動産投資などで大きな痛手を被ったところもあり、それ以来の好業績とも言われている昨今だが各社の取り組みは地に足の付いたものとなっており、新卒採用・中途採用ともに増やすなど企業の「体幹強化」を目指しているというのだ。 建設業界の好調を支えている公共事業の増加基調が長続きしないことは明らかで、業界紙の特集記事でも業績好調のいまこそかつて描いていたように、成長分野への足がかりを築いておくことが求められるとしていたのだが、その一つの表れが人材の採用や育成についてだというのだ。女性や外国人の採用を増やす会社も多く土木系以外の学部・学科から土木職の人材を採用する方針の会社も出てきているそうなのだ。多様な人材を採用し戦力としてじっくり育てていこうという姿勢が多くの会社から感じられるようになってきており、即効性は小さいかもしれないが人への投資は会社の体力強化に欠かせないことから、利益率が高い今こそ人材育成に力を入れるべきだというのだ。
2016年09月21日
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低気圧の影響による豪雨で根室管内羅臼町の国道で土砂崩れが起き、車1台が海に転落して1人が死亡した事故で、亡くなった建設会社社員が釧路開建から委託されて現場で道路監視をしていたというのだ。8月以降に北海道内を襲った大雨による死者4人のうち2人は、大雨対策に関わる業務中に事故に巻き込まれたそうで、2人はそれぞれ国や道庁などの委託を受け、土砂崩れの警戒作業や氾濫した河川の水量調査にあたっていたというのだ。地域住民の安全を守る観点から危険な現場に赴く作業員がいる一方、その安全管理は委託先の業者任せとなっている官庁の実態も垣間見えるというのだ。地方の建設業者は地域密着型の会社が多いから官庁の担当者より、業者の作業員達の方が危険エリアを熟知しているのだが、 今回の作業員が死亡した事故で北海道開発局釧路開発建設部は「現場周辺は8月に土砂の崩落があり、注視が必要な場所だった」と説明しており、北海道警察中標津署によると土砂崩れは根室管内羅臼町礼文町の国道335号で発生し、軽ワゴン車が土砂に押し流されて海に転落し消防などが作業員を救助したが死亡が確認されたそうで死因は溺死だという。北海道開発局釧路開発建設部などによると崩れた土砂は幅約40メートルにわたり道路をふさぎ、高さは約2メートルに達していたというのだ。事故にあった作業員の勤務先は北海道開発局釧路開発建設部から国道の維持管理業務を受託しており、業務の一環で現場付近に車を止めて道路の監視を始めたという。 周辺では3カ所で土砂崩れがあったというが「事故は決してひとごとではない」と釧路管内の60代の土木業者幹部は言うのだが、維持管理や除雪を請け負っている建設会社では「このところ異常気象が増え、現場に行くのが怖いと思うことはある。仕事とはいえ作業員を出すのが心配になってくる」とこぼしている。業務発注者の北海道開発局釧路開発建設部などによるとこの地元の建設会社は国道335号の一部約19キロの維持管理業務を請け負っており、亡くなった作業員は現場付近に車を止め土砂崩れなどの監視にあたったという。現場付近は小規模な土砂崩れが相次いでいたというのだが、現場に行く作業員の安全管理については「危険な場所で監視を続けることもある」と語っている。 業務を発注している官庁側は「どこでどう巡回するかなど、基準やルールは委託先に判断を任せている」と話しているが、地方の建設会社社長は「実際は役所や発注者の指示に従うしかない」と言うのだ。大雨などの緊急時は国や道に市町村からできるだけ現場に近い建設業者が道路や河川のパトロールを頼まれるといい、「私たちはあくまで受け身で、独自の出動基準はない。今回のような事故を防ぐ方法は思い浮かばない」というのが実情のようなのだ。私も経験があるのだが地元の建設会社に勤務していると「役所から電話があって、様子を見てくれ」と言われたら行かないわけにはいかず、まして以前その場所の工事を担当したとかだったら余計にそう思ってしまうというのだ。 ノウハウ無いからあるところに一任するのがいいと思うが、手と資材が足りてないのが問題なわけで官庁から地元建設業者に委託するのは当然となってしまっているのだ。災害時などは平時じゃないんだから人が足りるわけがないのだが、委託受けた会社幹部が「危険だから行けません」と判断して役所とやり合わないとこのような事故はなくならないのだ。通常の天候なら現業の業者に委託もよいのだが異常時となると話は別で、天候が経験則を逸脱する可能性がある場合はそこの施設等を管理している立場の者が率先して行くべきだと思ってしまうのだ。現場の作業員という弱い立場の者が、自分の命で全責任を取るなどということは、美談でもなんでもなくひたすら痛ましい悲劇だと思ってしまうのだ。
2016年09月20日
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「年金」・「医療」・「介護」・「子育て」・「労働問題」など日本におけるコアの問題のほぼ全てを抱える巨大官庁が厚生労働省なのだが、悪化する日本の財政問題を考える際には厚生労働省が抱える社会保障問題を解決しなければならないという。アベノミクスで描く改革がなかなか実現できない背景には、既得権層を背後に持つ霞が関の官僚の抵抗が大きい。中でも改革に最も抵抗している「岩盤」が厚生労働省だという。医療制度改革や健康保険改革の背後には、日本医師会などの政治力の強い団体がある。年金も、日本年金機構(旧社会保険庁)などの巨大な“官僚機構”を抱え、役所の権力基盤になっている。労働規制の背後にはもちろん労働組合などの権益が存在する。 そこで厚生労働省は安倍晋三首相が第3次再改造内閣での「最大のチャレンジ」と位置付ける「働き方改革」に対応するため、関係部局の大幅な組織改編に着手する方針を決めたそうなのだが、働き方改革に特化した「雇用環境・均等局」の新設が柱で、来年度の機構・定員要求に保健医療政策の司令塔となる事務次官級の医系技官ポスト「医務総監」の創設とともに盛り込む方向だという。組織改編案では労働条件を担当する労働基準局だけでなく、雇用対策を推進する職業安定局や働く人のスキルアップを支援する職業能力開発局に、子育てや女性問題を担う雇用均等・児童家庭局-の4局の所掌を組み直し、雇用環境・均等局など新たに3局を設置して5局に再編するというのだ。 厚生労働省の局が1つ増えることになるため働き方改革と関係のない局の廃止も検討しているそうなのだが、雇用環境・均等局は働き方改革を強力に推進するため、同一労働同一賃金の実現など非正規労働者の処遇改善や、女性活躍や均等処遇の推進だけでなく、長時間労働削減などワークライフバランスの実現のため、短時間・在宅労働の雇用環境改善を主な業務とし、現在の労働基準局や職業安定局などから担当課を移行させるという。生産性向上を推進する「人材開発局」も新設する予定で、若者の就労支援・人材育成・福利厚生の3本柱に沿って職業能力開発局を事実上衣替えして、企業の人材部門に対する支援体制を強化する狙いがあるとされている。 さらに雇用均等・児童家庭局の子育て部門を分離し「子ども家庭局」を創設するというが、画期的なようにも見える厚生労働省の組織改革は問題含みであるという。最大の問題は法規制の中心のはずの労働基準局を避けていることでこれでは実効性に乏しいというのだ。そもそも同一労働同一賃金の実現や長時間労働削減は「労働条件」に関わることから、すでに労基法に関連する規制があって労働時間の上限や男...もっと見る女の賃金差別禁止は、現在も労基法で罰則付きで規定されているのだ。だが実際には抜け穴となる条文(36条の協定など)が存在することで空文化されてきたのだ。これに対し民事裁判例は長時間労働による過労死の責任や、賃金差別に対して厳しい判決を下してきたのだ。 つまり労基法の厳しい実行が求められているのだが政府の姿勢は「補助金」による改革で、労働時間改革を行った企業に補助金を出すことをすでに打ち出しているのだ。これまでの補助金による政策は空振りばかりなのが実情だという。そのうえ安倍内閣はいろいろと改革をやろうとしている。それにことごとく抵抗していたのが厚生労働省の役人です。会議に大臣が分厚い資料を持ってきて、改革論議が出るたびに、それはこういう理由で難しいと、役人が作ったペーパーを大臣が読み上げる。最大の問題官庁や」厚生労働行政に詳しい関係者によると、厚労省の幹部の中には、「安倍内閣発足以降、わが省は全戦全勝だ」と公言しており、それぞれの専門分野に浸った官僚が牛耳る改革志向とは縁遠い組織だというのだ。
2016年09月19日
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生活困窮者の半分は高齢者でそのうち現役時代の年収が800万~1000万円だった人も含まれているというのだが、今の40代前半に当たる団塊ジュニアは4割程度が非正規社員・従業員で、平均年収は200万~400万円が中心帯となっている。この水準だと定年後の年金受給額は月額8万~10万円しかなく生活保護を受給すべき最低ラインに掛かるという。社会構造が変わる中で年金依存度は飛躍的に高まっており、そうであるのにも関わらず定年後もずっと中流意識を持っている人は多いことが分かったというのだ。意識と実態のギャップから貧困化に陥るケースが増えており、以前は正規の仕事に就く子供がいて手元には貯金や持ち家があるし地域コミュニティーも支えてくれていたというのだ。 つまり年金はあくまでプラスアルファの収入で依存度はそれほど高くなかったが、老後には病気や介護・認知症・子供が独立せずに家に居つくなど、現役時代には想像できないような落とし穴があるというのだ。家庭と雇用形態の変化に制度が対応し切れていない点が問題で、家庭内で支えてくれる人がいない以上国が社会保障として支援の枠組みを考えないといけません。それが抜け落ちています。なかなか実感として受け止めにくいので、危機意識が低いのではないといわれている。持ち家は資産価値の希薄化問題だけでなく老朽化による修繕費や固定資産税などの税金も重荷になり、老朽化した持ち家であっても資産と見なされるため、貧困に陥ったとしても生活保護の申請が認められない事例が増え問題になっていつという。 高齢者の貧困対策では住居の制度改革が必要で家賃補助を入れるべきだという。多くの人が何にお金をかけているかというと住まいで、35年ローンを組み定年までに払い終わらない人が多いというのだ。仮にローンを払い終わっても老後の資金をすべて住宅につぎ込み、貯蓄額などが少なく持ち家に資産価値があれば良いのだが、35年経つと目減りした不動産価値しか残らないし、マンションも二束三文の価値になってしまうという。賃貸の場合では現役時代と異なり定年後の年金支給額15万前後では、8万~10万円の家賃は到底払えないことから、家賃補助が難しい場合フランスのように、公営住宅の絶対量を増やすべきなのだが、日本では全住宅のうち公営住宅はわずか4%程度だというのだ。 一方でフランスは40年前からインフラ整備を進めていることから今は全住宅のうち公営住宅が約20%に増えているという。フランスの場合も老後の年金は月額10万~12万円程度で日本と変わらないのだが、家賃は月額5000~1万円で手元に1カ月で9万~10万円が残る計算になるというのだ。日本人には昔から自分の資産を子供や孫に残さないといけないというマインドがあり、その固定観念が自らの首を絞めている面もあるというのだ。子供や孫の行く末が心配だというのだが非正規社員・従業員が増えているから余計に心配とすべてがつながっているというのだ。そこでせめて家だけでも残しておきたいというのが日本の持ち家信奉のベースなのだが、これからは子や孫に資産を残すには無理という時代になっているというのだ。。 年収200万円の若者の8割が実家に住んでいるというのだが、実家から出られず結婚ができないし子供も作れないというのだ。年収200万円でも独り立ちできるような政策を打たないと彼らが老後に貧困に苛まれるだけでなく、彼らの両親の老後の生活すら苦しめることにもなっていくというのだ。マクロ経済スライドで年金はこれからどんどん減っていくし、月額8万~10万円は当たり前でその範囲内で暮らせるビジョンを描き「総下流化」時代に備えるべきだという。「個人の努力で資産を形成してください」というのはどだい無理な話になっており、「下流老人」という本も2カ月で8万部売れる時代となっているのだ。自分もこうなるという危機感があるのでそれは1700兆円もの個人資産のストックにも表れているというのだ。
2016年09月18日
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加藤勝信働き方改革担当相は大手新聞社などのインタビューに応じ、長時間労働の是正に関し「国際比較したうえで是正されるべきだ。その立場で議論していかなければならない」と語り、国際的な労働時間の水準を参考にして是正目標を設定すべきだとの考えを示した。 また、長時間労働の是正は「働き手にとってプラスなだけではない。生産性の向上により企業側の収益拡大にもつながる」と述べ、企業側に協力を求めた。今月下旬にも初会合が開かれる安倍晋三首相が議長の「働き方改革実現会議」の位置づけについては、「首相が問題解決の先頭に立ち、取り組む場だ。ここで一元的に議論して政府全体としての答えを出す」と説明。厚生労働省などで似たテーマを扱ってきた既存の組織とは性格が異なると強調した。 この「働き方改革実現会議」のメンバーや運営方針なのだが、16人のメンバーのうち労働者側は1人だけで使用者側は2人だけで、残りは安倍晋三首相ら閣僚が8人と学者ら5人で構成されており、公労使3者が同数の労政審と比べると労働者側は4~5人少ない計算となります。労働政策を公労使3者の合意を得て進める「3者構成原則」を骨抜きにして、政府主導で決定する狙いが鮮明です。「働き方改革実現会議」は安倍首相が議長となり、加藤勝信働き方改革担当相と塩崎恭久厚生労働相の2人が議長代理を務め、世耕弘成経済産業相、松野博一文部科学相らも参加。有識者メンバーとして、元おニャン子クラブで女優の生稲晃子さんを起用することで話題となっている。 その他のメンバーとしては連合の神津里季生会長や経団連の榊原定征会長に全国中小企業団体中央会の大村功作会長の労使代表のほか、政府の同一労働同一賃金検討会で座長を務める水町勇一郎東大社会科学研究所教授らも加わっている。有識者の代表となる生稲さんは乳がん治療と仕事を両立させていることなどから、がん患者の社会参画などの面での発言を求める狙いとみられるという。生稲さんは2011年に乳がんが発見され腫瘍を部分切除する手術を受けたが、2012年夏と2013年に2度の再発が確認され2013年の暮れには乳房を全摘出し、後に再建の手術を受けたことも明かしているのだ。そしてガンの治療を続けながら女優・タレントとして活躍を続けていることが選考の理由だという。 第3次安倍晋三再改造内閣で安倍首相が「最大のチャレンジ」と位置付ける「働き方改革」だというのだが、政府が新設する「働き方改革実現会議」の概要が判明し、関係閣僚や学識経験者のほか「長時間労働の是正」といったテーマについて迅速な合意形成が図れるよう、経団連や連合など労使の代表をメンバーに加えている。今月に初会合を開いた後月1回程度のペースで開催し来年3月までに具体的な「実行計画」を策定する方針だという。経済政策「アベノミクス」の柱となる「同一労働同一賃金」に関しては、年内に指針をまとめ関連法案の早期国会提出を目指すというが、加藤勝信働き方改革担当相は「同一労働同一賃金」に関して「日本の雇用環境を踏まえながら議論を進めていきたい」と語っている。 安倍政権のやり方はいつもこうなのだが厚労行政を新設大臣の下でやることによって、労働者の権利がないがしろにされる危険性が高まることが問題とされ、政治学者の五十嵐仁氏は「労働政策に関する重要事項は、本来なら厚労相の諮問機関である労働政策審議会で議論して決めることになっています。労働者と使用者の利害が対立することが多いため公益・労働者・使用者の各代表10人ずつで組織される労政審が答申を出すことは、国際労働機関が示す国際労働基準になっているが、働き方改革の会議を置くとなると、政権と財界のやりたいように物事を進めることが可能になって労働者側の意見は無視され、使用者側の論理で決めたことを、3者構成の労政審に押し付けることになりかねません」と危惧している。
2016年09月17日
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厚生労働省としても「過労死等の防止のための対策に関する大綱」に即して、過労死等がなく健康で充実して働き続けることのできる社会の実現に向けて、各対策に取り組んでいるという事をアピールしているそうなのだ。その中でも「過労死等防止対策推進法」は、我が国において過労死等が多発し大きな社会問題となっていること及び、過労死等が本人はもとよりその遺族又は家族のみならず社会にとっても大きな損失であることに鑑み、過労死等に関する調査研究等について定めることにより、過労死等の防止のための対策を推進し過労死等がなく仕事と生活を調和させ、健康で充実して働き続けることのできる社会の実現に寄与することを目的として制定されているというのだ。 私の所属する建設業では「低賃金・重労働」という事が有名となっているのだが、東京都渋谷区の建設コンサルタント会社に勤務していた男性が、昨年7月にくも膜下出血のため死亡した件で遺族代理人は、長時間労働が原因だとして渋谷労働基準監督署から労災認定されたことを明らかにしたというのだ。被害者の代理人である川人博弁護士によると、男性は昨年6月以前の1年間に100時間以上残業した月が6カ月あり、なかでも一昨年の8月は250時間近くに達していたというのだ。男性は主に下水道設計を担当する中堅社員で、当時の肩書は「課長代理」だったというが、川人弁護士によると建設コンサルタント会社は地方に支社や支店を置く社員300人程度の中堅の建設コンサルタント会社だというのだ。 男性は本社設計部門で10人程度の規模の課に所属していたそうで、発注者である自治体や公的機関と協議するため自ら地方に出張することも多かったという。老朽水道管の補修等の補正予算対応で、昨年の2月以降に担当した設計業務は18件あったそうなのだ。直近の社内健康診断では重大な疾病は認められなかったというが、昨年の7月勤務中に床に倒れて病院に搬送され5日後に死亡したというのだ。遺族は12月に労災を申請し今年の7月に過労死の認定を受けたという。これらが起こった一番の原因は「納期絶対主義」によるものだとされ、人が病気になろうが過労で死のうが納期をずらす事を絶対にしないというのが、今の日本では当たり前のように起こっていると警告している。 過労死弁護団全国連絡会議幹事長として過労死問題に取り組んでいる川人弁護士は今回の問題について、「過労死等防止対策推進法」が施行された後にもかかわらず発生したことや、男性が設計実務者にもかかわらず社内で経営者と一体的な立場の「管理監督者」に位置付けられ適正な時間外労働賃金を支給されていなかったことの二つを問題点として挙げており、特に「みなし管理職」に関しては建設コンサルタント会社の労働基準法違反の疑いがあるとして告訴も考えているそうなのだ。川人弁護士はさらに第3の問題点として公共事業の発注者である国や自治体の責任を指摘しており、国や自治体が受注側の労働実態を考慮せず無理な納期設定を行っていることを非難している。 国は過労死防止法に基づいて閣議決定した過労死防止大綱に「発注条件・発注内容の適正化」を盛り込んでいるにもかかわらず、国や自治体が受注側の労働実態を考慮せず無理な納期設定を行っていることが今回の件の背景にあるとしているのだ。厚生労働省が定めた過労死ラインを越して働いていても何の歯止めもなく死ぬまで放置されたのがこの事案で、過労死ラインを超えて働かせている事が判明した地点で、強制的に残業を止める必要があったにもかかわらず納期を理由としてそれがなされなかったというのだ。男性が勤務していたとみられる建設コンサルタント会社は「管理監督者に位置付ける社員を絞り込む方向で見直した。ノー残業デーの設定や休暇取得の推進などにも取り組んでいる」とコメントしたという。
2016年09月16日
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安倍晋三首相は皇室制度の見直しに関しては天皇陛下の生前退位の問題に絞り、女性天皇や女系天皇だけでなく女性宮家創設の検討についても否定的な見解を明らかにしている。安倍首相は今生陛下が生前退位をにじますお気持ちを表明されたことについて、「陛下のご心労に思いを致し、どのようなことができるか考えたい」と表明しているが、女性天皇などに関しては「今回は天皇陛下のご発言があったわけで、それに対する国民の反応がある」と指摘し、検討対象からは外れるとの認識をにじませたという。安倍政権は高円宮家の次女典子さまのご結婚を機に休眠状態だった皇室典範改正準備室が活動を再開し、参院選の終了を待って女性皇族減少への対策を本格検討する予定だったというのだ。 安倍首相と意見が異なる自民党の二階俊博幹事長は、女性天皇に関し「女性尊重の時代に天皇陛下だけそうはならないというのはおかしい。時代遅れだ」として容認する見解を示しているのだが、二階俊博幹事長は記者団に「諸外国でもトップが女性である国もいくつかある。何の問題も生じてない。日本にもそういうことがあってもいいのではないか」と語っている。二階俊博幹事長も天皇陛下がお気持ち表明で強くにじませた生前退位については、「首相の責任でこの問題を処理するのがいいのではないか」と述べ、野党を含めた政党間で議論することに否定的な考えを示しており、女性天皇や女性宮家実現に向けた検討をするかどうかに関して「一緒にやれればいいが、やれなければ切り離して考えればいい」と語っている。 これまでも皇室活動を安定的に維持するため政府は、過去にも皇室典範改正を含む制度の見直しを検討してきたそうで、2005年には小泉内閣が男性皇族の減少に危機感を持った小泉純一郎首相が私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」を設置し、男系男子に限られている皇位継承の在り方の再検討に着手している。そして「女性天皇」や母方が天皇の血筋を引く「女系天皇」を認める最終報告書をまとめ、自民党の保守派や皇室関係者等多くの反対派が避難する中で、皇室典範改正準備室を設置し改正案の策定に取り掛かっていたのだ。ところが翌年の9月に秋篠宮家の長男悠仁さまが誕生されたことで、女性天皇や女系天皇を設置できる皇室典範の改正に向けた動きは頓挫したのだ。 旧民主党政権下では野田佳彦首相が皇族減少問題を喫緊の課題と位置付け、議論を再開して女性皇族が結婚後も皇族の身分にとどまる「女性宮家」の創設に関して有識者の意見を聴取したのだ。この時も「女系天皇につながる」との慎重論も多く、論点整理は結婚した女性皇族が国家公務員として皇室活動を継続する案も併記する形となったそうなのだ。これに対する意見公募を行った結果寄せられた26万件超の大多数が反対意見だったそうなのだが、明治以前の歴史を振り返ると推古天皇をはじめとする女性天皇は8人おり、別に女性天皇が即位してもおかしいことは何もないということだったのだが、その後政権交代に伴い検討作業は中断し保守派の反発や政権交代などでいずれも立ち消えとなっている。 これまでも女性天皇はあったがあくまでもそれは一時的な存在で、間違っても女系天皇は認められないというのが大勢を占め、日本は神武天皇以来、2000年も男系の伝統が続いているが女系天皇を誕生させると、その伝統を変更することになり皇統(天皇の血統)の正当性が失われるというのだ。昔は皇室で側室が後継者を生むことが認められていたが、今の婚姻制度は一夫一婦制なので天皇に例外を作らない限りそれは難しいとされている。そうなると男系男子の天皇を続けることは極めて難しく、男系にこだわると伝統を守ることなどできなくなるといわれている。今生陛下の「2年後には、平成30年を迎えます」というお言葉には、あと2年という十分な時間をもって議論を尽くしてほしいというお気持ちが表れているというのだ。
2016年09月15日
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自転車を運転中に信号無視など「危険行為」を繰り返した人に、安全講習を課す改正道交法が施行されているが、これによって運転者の事故死が全国で517人となり、施行前の1年間より89人減ったことが警察庁の集計で分かったという。しかも私の住んでいる愛媛県や首都圏においては大通りを中心に車道の左端へ自転車レーンが整備され、左側通行を喚起する矢印のペイントなども見受けられるようになってきたというのだ。ところが肝心の自転車利用者にとっていまだこれらの法律は浸透していないというのが実情のようで、ある自転車団体が行ったアンケートでも改正道交法内に記載された「自転車運転の危険行為14項目」について、「内容を理解し遵守している」という回答は全体の4割未満という結果が出ているそうなのだ。 この状況を行政側から改善しようとさらなる法規制や違反時の罰則強化を考えており、具体的には「自転車のナンバープレート装着化」や「法規違反者の即時罰則金徴収」に「自転車運転免許制の導入」ということを法律化しようとしているというのだ。現在でもいくつかの自治体や警察署で法的拘束力はないものの、学生をはじめ一部の利用者を対象に「免許証」を交付するところも出てきているそうで、これらの事例から行政は自転車もほかの車両と同等の環境にすることを目指しているということのようなのだ。自転車は厳密には「軽車両」に区分され「車両」とは異なるのだが、その手軽さゆえに「『歩行者』に近い意識」が強いのが現状で、これを行政が「『車両』に近い意識」にシフトさせようとしているようなのだ。 交通安全の観点から考えれば行政のこのような対応は自然な流れなのかもしれないのだが、例えば自転車は「軽車両」であるため車道と歩道の区別がある場所では原則として、車道の進行方向左側を走らねばならないのだ。これを守らないと「通行区分違反」の危険行為として摘発される可能性があるし、「自転車専用通行帯(自転車レーン)」がある場合には自転車は原則としてそこを走らねばならないのだ。また自転車を「車両」とする意識を高めるためさらに効果的かつ確実であろうものが、クルマなどではすでに行われている「罰則金の即時徴収」だというのだ。自転車での道交法違反における罰則は重大かつ悪質な違反でない限り、3年間で2回の注意を受けた場合に有料の講習を受けるというものとなっている。 しかし自転車利用者の現状を鑑みるにつけこの罰則では弱いと感じる人も多く、それは行政側だけでなく警察関係者にしても同様だともいわれている。つまりこの先自転車対策の切り札として「罰則金の即時徴収」が出てきたとしてもなんら不思議はないということなのだ。「身銭を切ることがないよう、法規そのものを理解する」というのは後ろ向きの考え方ではあるが、かつてクルマにおいて「運転中の携帯電話の使用禁止」や「シートベルト着用の義務化」などが罰則化することで徹底されるようになったという事実もあり、これはより現実的な路線だといえるようなのだ。実際に海外の事例を見てみると国ごとに細かい差異はあれけれど、「自転車先進国」と呼ばれるヨーロッパの国々においては「罰則金の即時徴収」はなされているそうなのだ。 車道の逆走や歩道の走行などは「即時罰則の対象」になるそうで、ドイツでは罰則金の種類も細かくたとえば「ブレーキやチャイムの未装着、あるいは整備不良」は15ユーロだし、「自転車で走行中に携帯電話を使用」は25ユーロの罰金だというのだ。さらに「赤信号無視」は60ユーロ以上で「閉じた踏切への侵入」は350ユーロなどとなっているそうなのだ。ヨーロッパと日本は道路事情や自転車の利用事情が違いすぎるという意見もあるが、しかし先の道交法改正以降は日本の状況はヨーロッパに一歩近づいてきているというのだ。これらも自転車の危険な状況を憂慮した動きのひとつだとされており、これはクルマのように事故を起こしたら最悪実刑判決を受け「交通刑務所」に服役することになるかもしれないというのだ。
2016年09月14日
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6回目となる今年は1418体がエントリーしている「ゆるキャラグランプリ」なのだが、今年も10月24日までネット投票が実施され上位100体による決選投票が11月5・6日にわたしの住んでいる松山市で行われるのだ。全国のご当地キャラクターが人気を競う「ゆるキャラグランプリ2016」の中間順位が名古屋市のイベントで発表され、埼玉県本庄市のマスコットキャラクター「はにぽん」が暫定1位に輝いたそうなのだ。昨年までに2年間は愛媛県の「みきゃん」が出場して愛媛県庁を中心に応援していた関係で「ゆるキャラグランプリ」にも興味があったのだが、今年は地元開催と言うのに少しも盛り上がっていないのだ。私の住む愛媛県での「ゆるキャラグランプリ」の歴史は今治市の「バリィさん」から始まっているといっても過言ではないのだ。 2012年の「ゆるキャラグランプリ」で前年2位だった今治市の「バリィさん」側から、愛媛県の中村時広知事へ応援要請がされ愛媛県を挙げてバリィさんを支援することになったため愛媛県のイメージキャラクターの「みきゃん」はエントリーをしたものの、参加865キャラ中847位に終わっている。ところが「バリィさん」が殿堂入りでエントリーしなくなった2013年以降の「ゆるキャラグランプリ」は愛媛県庁職員が本腰を入れて選挙活動をするようになったため、2013年に11位、2014年には3位と着実に順位を上げてきていたのだ。昨年の「ゆるキャラグランプリ」ではインターネット投票では1位だったものの、静岡県浜松市で開催された最終投票イベントで地元の「出世大名家康くん」に逆転されてしまい2位に終わったのだ。 今年の「ゆるキャラグランプリ」では「みきゃん」の地元である愛媛県松山市の堀之内公園で開催されるが、県内外から訪れる客に楽しんでもらうためにエントリーは辞退しておもてなしに回る予定となっているというのだ。愛媛県の公式イメージアップキャラクターである「みきゃん」という名前は、デザインが決定されたのちに一般公募によって決定されたそうなのだが、ミカンと子犬の鳴き声の「キャン」や前向きな姿勢を表す英語の「can」の意味を含んでいるというのだ。モチーフは愛媛県の特産物であるミカンと犬なのだが、犬は愛媛県の方言「~やけん」を犬とかけていること、また愛媛県の形は走った犬に似ていることがモチーフとなった理由であるということなのだが、「みきゃん」の耳はミカンの葉で尻尾はミカンの花になっているのだ。 現在「ゆるキャラグランプリ」の暫定1位である「はにぽん」は、本庄市のホームページによると市内にある古墳から発掘された全国でも珍しい笑う埴輪である「盾持人物埴輪」がモチーフだというのだ。大きな耳と盾形のいかり肩が特徴で、市民一丸となっての「はにぽん」推しが実り、前年の「ゆるキャラグランプリ」の7位から着実に順位を上げている。ただ最終投票まで波乱含みだそうで昨年の上位3体の「出世大名家康くん」・「みきゃん」・「ふっかちゃん」が抜けており、自治体関係者の間では「今年は近年にないほどの戦国時代。中間発表の上位勢はうかうかしていられない」との見方が強いそうなのだ。栃木県の「とち介」や島根県の「しまねっこ」がエントリーした中では地力に勝る」と本命候補に挙げる声もあるというのだ。 また熊本城をモチーフにした熊本市のPRキャラクター「ひごまる」が、11月に愛媛県松山市で開催される「ゆるキャラグランプリ2016in愛顔のえひめ」に初参戦するそうで、熊本城は4月の地震で被災した関係で多くの支援金が寄せられており、イベントで感謝の気持ちを伝える予定だという。熊本城築城400年に当たる2007年に誕生しているが、熊本県PRキャラクター「くまモン」の陰に隠れて城近くの観光施設などで踊りを披露するなどPRに努めてきたという。大西一史市長は復興のシンボルにと「ひごまる」を「熊本城復興本部長」に任命し、「ゆるキャラグランプリ」での天下取りを命じたというのだ。今年の「ゆるキャラグランプリ」は10月24日までネット投票が実施され上位100体による決選投票が11月5~6日に松山市で行われるという。いは
2016年09月13日
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政府は天皇陛下が「生前退位」の意向を示唆されたことを踏まえ設置を検討している有識者会議について、生前退位と公務の負担軽減策にテーマを絞る方向で調整に入ったという。憲法には天皇陛下のお立場は「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」とあり、その地位は「主権の存する日本国民の総意に基づく」となっている。今生陛下はご自分のご希望を語られたのではなく、国民にお立場を委ねられているご自分が、年齢と健康のためにその役割を十分に果たせなくなられたとき、天皇の地位をどう考えるかを「国民の総意」に問われたと有識者は語っているが、「生前退位」は「ご譲位」と表現すべきだが、ご自分が譲位すべきかを含めて国民の総意に委ねられたのだということのようなのだ。 今回設置を検討している有識者会議は、女性・女系天皇の容認や女性宮家創設など安定的な皇位継承や皇族減少への対応策については検討を先送りし、退位問題の決着を優先させる方針であることを複数の政府関係者が明らかにしているそうなのだ。女性天皇を巡っては小泉純一郎首相の私的諮問機関が2005年に安定的な皇位継承を図るため「女性・女系天皇」を容認する報告書をまとめているが、保守層が反発したうえに秋篠宮ご夫妻に長男悠仁さまが誕生すると議論は立ち消えになっている。自民党の二階俊博幹事長はTVの番組収録で皇位継承問題に言及し、「女性尊重の時代に女性は天皇陛下にならないというのはおかしい」として、女性天皇を容認すべきだとの認識を示している。 天皇陛下がお気持ちを表明された生前退位の問題については「女性天皇の問題と一緒に検討をやればいいが、切り離して考えてもいい」と語っている。自民党の二階俊博幹事長は過去にも新聞社の記者団に「各界で女性が活躍しているのに、女性天皇が適当でないというのは通らない」と指摘しており、過去の経緯に関しては「ここで国民の意見に耳を傾け、結論を得ればいい」と述べている。また有識者会議の設置時期については9月中を想定していたが、「世論が落ち着いてから議論を始めた方がいい」として、10月以降とする案が浮上しているそうなのだが、有識者会議では生前退位を前提とせず天皇が各種行事への出席などを続けられる公務のあり方等についても意見を求める方向だという。 天皇陛下の「生前退位」について特別措置法制定で可能にする検討に入ったというが、憲法は皇位継承について「皇室典範の定めるところによる」と規定していることから、皇室典範の付則に「特別の場合」に限定して特措法で対応できる旨を追加するという方法で、天皇陛下の「生前退位」の御心に沿うようにすることを複数の政府関係者が明らかにしたという。皇室に関する問題は慎重な上にも慎重な協議を必要とすることから、政府は内閣官房の皇室典範改正準備室を中心に識者などから幅広い意見を聴取し特措法案の内容を詰めるという。提出は年明け以降になる見通しなのだが、今回の特別措置法を制定するのは陛下のご意向について国内の各種世論が高い割合で理解を示していることを示しているからだという。 皇位継承のあり方への影響を最低限に抑える狙いもあるとみられるそうなのだが、憲法は「皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」と定めていることから、単独では憲法違反になると判断しため皇室典範の付則を追加する方法での調整を進めているというのだ。政府は安定的な皇室制度のあり方に関しても今後対応する必要があるとみており、安倍晋三首相や菅義偉官房長官は皇位が例外なく父方の系統に天皇を持つ男系で引き継がれてきた歴史的な重みを指摘しており、それを踏まえた上で女性皇族の身分や「女性宮家」などについて引き続き検討していくというのだ。この点では渠系天皇を認めている二階俊博幹事長とは意見が違っているのだ。
2016年09月12日
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疲れの正体やその解消法を研究している関西福祉科学大学教授・倉恒弘彦教授によると、まとめ休みについては「専門家の中にはまとめ休みに反対の立場をとる人もいますが、現実を考えると、休めないよりは、まとめ休みでもいいと思います」との意見を述べてはいるが、ただし「毎日、適切な睡眠時間を確保する方が、より効率よく回復することは知っておいてください」と毎日の休息の重要性を強調している。日中の仕事などでも「1時間同じ作業をしたら5分ほど休息をとるとよい」そうで、仕事をスタートしてから55分後にアラームが鳴るようにタイマーをセットしておいて、アラームが鳴ったらトイレに立ったりお茶を入れたり、席を立って少しでも動くようにすると、末梢循環が良くなり疲労の蓄積度が違ってくるという。 そもそも疲労のもとになるストレスをどの程度うまく処理できるかによって、その影響は大きく違ってくそうなのだが、何事も嫌々やるとストレスのもとで長くストレスを引きずると神経・免疫・内分泌系の悪循環につながるというのだ。嫌なことをやらされたときは「成長するために与えられた試練」だと都合よく解釈し、嫌なことはすぐ忘れるなどポジティブにとらえたほうが断然良いそうなのだ。また笑うとか泣くなど感情を表に出すことで、ナチュラルキラー細胞の免疫活性が高まり免疫力が上がることがわかっているそうなのだ。ストレスの原因を分析しても現実には解決できなくストレスから離れることもできないことも多く、ストレスと感じることから離れるほうが得策の場合も少なくないことから、自分の中で物事のとらえ方を変えるほうがよいそうなのだ。 ストレスを解消し心身をリフレッシュする意味では適度な運動をして心地よい疲労を感じるのも効果があるそうで、運動をするならどんなものがいいかということでは、ウォーキングなどに代表される有酸素運動で末梢循環が良くなり、細胞の修復を早め疲労回復効果があることが明らかになっている。また乗馬にもこうした運動の効果とともにアニマルセラピー的な癒しの相乗効果が期待できるという。乗馬を取り上げた研究では馬と触れ合うことで気分の落ち込みやイライラ・不安感に差が出ることなどがわかっているというのだ。ただし重い疲労のときに無理して運動をすると疲れてしまうので、日頃の軽い疲労のリセットやそもそも疲れにくい体をつくるために運動習慣を持つと考えると効果が高いそうなのだ。 最も多くの人が日常生活の中で疲労回復効果を実感しているのは入浴で、入浴はマッサージ効果と温熱効果が得られるので、通常の疲労の場合は高い疲労回復効果が期待できるが、入浴事態もエネルギーが必要なので重度の疲労の場合はかえって疲れてしまうこともあることから自分の疲労の状態を見極めることが大切だという。また疲労回復効果が高いと思われたものは「笑い」・「アニマルセラピー」・「アロマセラピー(香り)」などで、香りについてはネズミに負荷を加えて疲れさせるとネズミの活動性が落ちてくるが、その疲れたネズミに緑の香りをかがせると活動量が増加するという研究報告や、サルに緑の香りをかがせて単純作業をさせると作業能率が落ちにくいという研究報告もあるそうなのだ。 これまでは疲労のメカニズムはあまりわかっていなかったため、疲労回復方法の効果は経験に基づいて判断するしかなかったそうなのだが、研究が進み客観的に疲労を測る生物学的指標も徐々に開発されてきたというのだ。研究によると「疲労の回復には、動物との触れ合いでも、香りでも、自分が好きなものでなければ効果はありません。色々な疲労解消法を試して、自分に合ったものを取り入れることが大切です」ということなのだが、疲労に伴い活動が下がってくる脳の前帯状回という部分が活性化して活動が下がりにくくなるというのだ。これからは酸化ストレスや自律神経などの状態を計測して、本当に疲労が回復しているのか効果を見ながら自分に合った疲労回復法を見つけられる時代がやってくるというのだ。
2016年09月11日
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医療の行き過ぎが財政負担の増大を招くばかりか、かえって市民の健康にマイナスになっている可能性があるという。日本では1951年には8割以上の人が自宅で人生の最期を迎えていたそうなのだが、現在は75.6%の人が病院で亡くなるようになったという。多くの人が自宅など終の棲家で最期を迎えたいと考えているが、実際は家族が最後まで面倒を見ることは難しいのが実情となっている。しかし北海道の夕張市では医療崩壊によって終末医療を病院に任せられなくなった結果、在宅で療養する患者を隣近所が協力して面倒を見るようになり、地域の繋がりが強まる効果も生んだという。医療が高度化すると過剰な医療サービスが提供されるようになり、不必要に医療費が膨れ上がる傾向があると指摘されている。 開業医でつくる全国保険医団体連合会の会員約1万人の調査では、約4割の医療機関で経済的理由によって治療を中断・中止する患者がいたことが明らかになっており、人口10万人に対する病床数が日本で最も少ない神奈川県の一人当たりの入院医療費が8万6千円であるのに対し、病床数が2479床と日本で最多の高知県では一人当たりの入院医療費が19万円にものぼっているという。下手に医療体制が充実すると市民の医療への依存意識が強くなり、個々の健康に対する意識はかえって希薄になるというのだ。とりあえず病院に行けばいいだろうと考える住民が増えるため医療費がいたずらに膨れ上がるが、北海道の夕張市のように簡単に病院に行けなくなると、市民が健康を意識し予防医療を実践せざるを得なくなるという。 毎月266万の薬剤費でも患者の支払いは毎月1万2千円で済むという日本の医療費の仕組みなのだが、この高額療養制度はすべての医療に適応されているというのだ。ところが病院自体がなくなると宝の持ち腐れとなり、医療崩壊に直面した夕張市は逆に市民の福祉を向上させることに成功しており、医療を失った結果夕張市民がかえって健康になったというのだ。財政が破綻した夕張市では各種の公共サービスの大幅縮小を強いられてきたが医療も決して例外ではなく、171床あった夕張市立病院は廃止され、19床の診療所と40床の介護老人保健施設に再編されたそうなのだ。救急車の応答時間も破綻前の2倍近くかかるようになったとされ結果的に自宅で死を迎えられる人が増えたとというのだ。 当初これは医療崩壊が避けられないもの考えられていたそうなのだが、財政破綻後の夕張市立診療所の所長を務め地域医療を担ってきた内科医の森田洋之氏は、医療サービスを縮小せざるを得なくなった夕張市では、かえって医療や健康に対する市民の意識が変わり結果的に心疾患や肺炎で亡くなる人の割合が減ったと指摘する。逆に言うとこの高額療養制度があるのだから入院保険なんかは要らないという意見もあり、日本の医療制度保険制度に対してもうすこし評価してもいいのではないといわれている。それでもヨーロッパ諸国やカナダなどと比べ、本人負担原則3割という日本の窓口払いは高すぎ、窓口負担引き下げなどでお金の心配なく安心して受診できるようにすべきだという意見も根強いのだ。 たしかに年寄りが山ほど薬をもらっても健康になるわけがないのだが、薬を売って儲ける病院と製薬会社が問題だという意見はこれまでも行われてきた。病院が減ったために医師が患者宅を往診する在宅医療に比重が移ったことで、高齢者一人当たりの診察費が抑制され病院ではなく自宅で亡くなる人の割合が大幅に増えたという夕張市でも、急ピッチで高齢化が進むことから医療費も年々増加の一途を辿り財政を逼迫させているという。夕張市の経験は医療費を増やせば自動的に市民の福祉や健康が増すとは限らないことを物語っているのだが、高齢化釈迦で医療費が逼迫し、医療サービスを縮小せざるを得ないという宿命を抱える日本は、夕張市の実例に何を学ぶべきだろう。
2016年09月10日
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たばこ会社である「フィリップモリス」が販売している加熱式タバコ「アイコス」が想定を上回って人気化しているそうで、キットの累計販売台数は100万台を突破し、アナリストからは従来型たばこの販売に影響を及ぼし始めたとの指摘も出ているそうなのだ。フィリップモリス・ジャパンによると、「アイコアウ・キット」の販売台数は4月に100万台を突破しており、専用葉たばこである「ヒートスティック」の6月最終週の全国47都道府県でのシェアは推定で2.7%となり、4月から6月期では2.2%にまで拡大しているというのだ。こうした動きを受けて6月の日本の紙巻きたばこ総市場は5.2%減とすう勢を上回る減少となっており、加熱式タバコ「アイコス」が紙巻きたばこ市場からシェアの一部を奪っているとの指摘も出始めている。 加熱式タバコ「アイコス」はスイスで設計された精密機械で、世界中の様々なサプライヤーから供給される多数の部品で構成されており、マレーシアにある業務提携先の工場で組み立てられているが、予想外の人気を受け、現在は品薄な状況が続いているそうなのだ。現在日本を含めて世界7カ国で発売しているが、全国規模で販売しているのは日本だけだそうで、スイスも6都市での3月最終週でのヒートスティックの市場シェアは推定0.8%で日本が先進地だというのだ。全国規模で展開している日本での普及が世界展開のための重要なステップとなっていることは確かだというが、この加熱式タバコ部門で出遅れた「JT」も数百億円の投資を計画するなど巻き返しを図っているそうなのだ。 JTの宮崎秀樹副社長は「2019年にかけて数百億円投資しながら、この分野でも数年内にナンバーワンになりたい」と強い口調で話しているが、「JT」は今年の12月期の国内の販売数量見通しを1080億本から1070億本に引き下げており、喫煙人口の減少による漸減傾向に加え4月に主力商品「メビウス」を値上げした影響もあるというのだ。宮崎副社長は加熱式タバコ「アイコス」が広がっていることも「織り込んだ」と話しており、加熱式タバコが急激な広がりを認めざるを得ない状況だという。そこで「JT」も異なる技術を用いた加熱式たばこ「プルーム・テック」を発売したところ、品薄でいったん販売を休止して6月下旬に販売を再開しているのだが、半月間で10万件の注文が殺到したというのだ。 熱式タバコの生産整備などを整え早期に全国販売や海外展開に踏み切りたいとするが、「まず始めた福岡とオンラインに出来るだけ早く届けられるように進めたい」と述べるにとどめており、全国展開のタイムスケジュールを示せずにいるというのだ。喫煙の健康への影響に関する厚生労働省の有識者検討会は15年ぶりとなる報告書である「たばこ白書(案)」を取りまとめたそうなのだが、受動喫煙で肺がんの死亡リスクが約3割上昇するとした研究結果を示し、心臓病や脳卒中なども含めた受動喫煙による死者は年1万5千人を超えるとの推計値も提示したというのだ。東京オリンピックに向け課題とされる公共の場での受動喫煙対策については、日本の対策が世界保健機関に最低レベルと判定されていると紹介している。 東京都の小池百合子知事は年東京オリンピック・パラリンピックに向けたたばこの受動喫煙防止について「何らかの制度を主催都市の責任でやるべきだ」と述べ、前向きに取り組む姿勢を示している。また飲食店の屋内全面禁煙で懸念されている売り上げ減少は、海外の文献調査の結果をもとに認められないとしている。このほかたばこのパッケージへの画像付き警告表示の導入や、テレビCMなどのメディアキャンペーンやたばこ税の大幅引き上げが必要だと提言している。 「たばこ白書(案)」のなかでJTが行った喫煙者率の調査では男性の喫煙率が29.7%となり、初めて30%を割り込んだとしている。日本の喫煙人口は年々減少しており来年にも2000万人を割り込みそうな水準だというのだ。
2016年09月09日
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疲れの正体やその解消法を研究している関西福祉科学大学教授・倉恒弘彦教授によると、まとめ休みについては「専門家の中にはまとめ休みに反対の立場をとる人もいますが、現実を考えると、休めないよりは、まとめ休みでもいいと思います」との意見を述べてはいるが、ただし「毎日、適切な睡眠時間を確保する方が、より効率よく回復することは知っておいてください」と毎日の休息の重要性を強調している。日中の仕事などでも「1時間同じ作業をしたら5分ほど休息をとるとよい」そうで、仕事をスタートしてから55分後にアラームが鳴るようにタイマーをセットしておいて、アラームが鳴ったらトイレに立ったりお茶を入れたり、席を立って少しでも動くようにすると、末梢循環が良くなり疲労の蓄積度が違ってくるという。 そもそも疲労のもとになるストレスをどの程度うまく処理できるかによって、その影響は大きく違ってくそうなのだが、何事も嫌々やるとストレスのもとで長くストレスを引きずると神経・免疫・内分泌系の悪循環につながるというのだ。嫌なことをやらされたときは「成長するために与えられた試練」だと都合よく解釈し、嫌なことはすぐ忘れるなどポジティブにとらえたほうが断然良いそうなのだ。また笑うとか泣くなど感情を表に出すことで、ナチュラルキラー細胞の免疫活性が高まり免疫力が上がることがわかっているそうなのだ。ストレスの原因を分析しても現実には解決できなくストレスから離れることもできないことも多く、ストレスと感じることから離れるほうが得策の場合も少なくないことから、自分の中で物事のとらえ方を変えるほうがよいそうなのだ。 ストレスを解消し心身をリフレッシュする意味では適度な運動をして心地よい疲労を感じるのも効果があるそうで、運動をするならどんなものがいいかということでは、ウォーキングなどに代表される有酸素運動で末梢循環が良くなり、細胞の修復を早め疲労回復効果があることが明らかになっている。また乗馬にもこうした運動の効果とともにアニマルセラピー的な癒しの相乗効果が期待できるという。乗馬を取り上げた研究では馬と触れ合うことで気分の落ち込みやイライラ・不安感に差が出ることなどがわかっているというのだ。ただし重い疲労のときに無理して運動をすると疲れてしまうので、日頃の軽い疲労のリセットやそもそも疲れにくい体をつくるために運動習慣を持つと考えると効果が高いそうなのだ。 最も多くの人が日常生活の中で疲労回復効果を実感しているのは入浴で、入浴はマッサージ効果と温熱効果が得られるので、通常の疲労の場合は高い疲労回復効果が期待できるが、入浴事態もエネルギーが必要なので重度の疲労の場合はかえって疲れてしまうこともあることから自分の疲労の状態を見極めることが大切だという。また疲労回復効果が高いと思われたものは「笑い」・「アニマルセラピー」・「アロマセラピー(香り)」などで、香りについてはネズミに負荷を加えて疲れさせるとネズミの活動性が落ちてくるが、その疲れたネズミに緑の香りをかがせると活動量が増加するという研究報告や、サルに緑の香りをかがせて単純作業をさせると作業能率が落ちにくいという研究報告もあるそうなのだ。 これまでは疲労のメカニズムはあまりわかっていなかったため、疲労回復方法の効果は経験に基づいて判断するしかなかったそうなのだが、研究が進み客観的に疲労を測る生物学的指標も徐々に開発されてきたというのだ。研究によると「疲労の回復には、動物との触れ合いでも、香りでも、自分が好きなものでなければ効果はありません。色々な疲労解消法を試して、自分に合ったものを取り入れることが大切です」ということなのだが、疲労に伴い活動が下がってくる脳の前帯状回という部分が活性化して活動が下がりにくくなるというのだ。これからは酸化ストレスや自律神経などの状態を計測して、本当に疲労が回復しているのか効果を見ながら自分に合った疲労回復法を見つけられる時代がやってくるというのだ。
2016年09月08日
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原子力発電所は燃料となるウランの核分裂によって発生する熱を利用し、水を沸騰させて発生させた蒸気でタービンを回すしくみです。水は1気圧では100℃で沸騰するが、圧力鍋の原理と同じで圧力を上げると高い温度まで沸騰しなくなるのだ。このように「原子炉圧力容器」では高温で勢いのある蒸気をつくり、タービン発電機を回すしくみになっているという。ところが電力6社はフランスの原発で強度不足の疑いがある原子炉圧力容器などの重要設備を製造したメーカーが、鹿児島県にある稼働中の九州電力川内原発1・2号機を含む国内8原発13基の圧力容器を製造していたと原子力規制委員会に報告したそうなのだが、この問題を巡ってはフランスの規制当局が6月に公表しているというのだ。 電力各社によると「日本鋳鍛鋼」とフランスの「クルゾ・フォルジュ」というメーカーが製造していたそうなのだが、福島県にある東京電力福島第2原発2・4号機や福井県の関西電力高浜原発2号機だけでなく、私が住んでいる愛媛県の四国電力伊方2号機の再稼働されている原発の原子炉圧力容器だというのだ。電力6社は10月末までに強度に問題がないかなどをそれぞれ調査し原子力規制委員会に報告するというが、 原子力規制委員会の田中俊一委員長は定例記者会見で鹿児島県の三反園訓知事が九州電力に即時一時停止を要請した川内原発について、重要設備に強度不足の疑いがあっても「安全上の問題は何もない」と述べ、調査を進めていることから一時停止の必要はないとの認識を改めて示したというのだ。 問題となったフランス国内では運転中の原発18基の重要設備に強度不足の疑いがあり、調査を進めていると発表しているそうなのだが、日本の6社8原発の圧力容器はいずれも「日本鋳鍛鋼」が製造している。この「日本鋳鍛鋼」という会社は1970年に新日本製鉄グループと三菱グループの共同出資で設立された大型鋳鋼品の製造・販売会社で、本社・工場は北九州市にあって電力用の発電機軸やバルブ・船舶用のプロペラシャフトなども手掛けているそうなのだが、国内の複数の原発で原子炉圧力容器の強度不足の可能性が浮上した問題で、製造元の「日本鋳鍛鋼」は新聞社の取材に対して「原子力規制委員会から要請があればいつでも調査を受ける」と答えたそうなのだ。 部品の強度不足が問題となっている設備の製造元である「日本鋳鍛鋼」の担当者は、「製造過程で各種の検査を実施しており、発注から出荷までの製造記録も取っている」と強調し、現時点で製品に問題は確認されていないと説明しているし、原子力規制委員会の田中委員長も「安全確認はしており、私どもとして特に問題がないことは確認している」と語っている。強度不足が問題となっている「原子炉格納容器」とは燃料が収められた原子炉などの重要な機器をすっぽりと覆っている容器のことをいい、原子力発電の導入を始めた初期に建設された東京電力の福島第一原子力発電所では、アメリカからの技術導入による鋼製のMARK‐Ⅰ型の原子炉格納容器が採用されているというのだ。 その後の原子力発電所にはMARK‐Ⅱ型や日本独自の改良を加えた改良型だけでなく、さらに鋼製の板を内張りした鉄筋コンクリート製の原子炉格納容器などが使われているという。世界には原子炉格納容器のない原子炉もあるそうだが、日本の原子炉にはすべて原子炉格納容器が設置されているそうなのだ。原子炉格納容器は気密性が高くつくられ燃料の損傷などによって放射性物質が放出された場合に周辺への拡散を抑える役目をもっており、今回の福島の事故では全電源の喪失などにより原子炉が高温高圧状態となり、原子炉格納容器から水素とともに放射性物質を外部へ放出する事態に陥り、さらに2号機については原子炉格納容器に損傷が生じ、放射性物質が外部に放出されたとされている。
2016年09月07日
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自転車を運転中に信号無視など「危険行為」を繰り返した人に、安全講習を課す改正道交法が施行された昨年6月から今年5月までの1年間で、運転者の事故死が全国で517人となり施行前の1年間より89人減ったことが警察庁の集計で分かったという。減少幅は過去5年間で最も大きいことから警察庁の担当者は、「改正法の施行で安全意識の向上に一定の効果が出ている」と分析し、改めて「自転車は車両の仲間。交通ルールを守ってほしい」と呼び掛けているそうなのだ。警察庁によると改正道交法が施行後1年間に起きた自転車関連の事故は13.1%減の9万3484件で、このうちミニバイクや車との事故が13.3%減の8万3860件で歩行者との事故は5.4%減の2417件だったそうなのだ。 昨年の6月に自転車に関連する道路交通法が改正され、この改正によって道路環境も少しずつではあるが確実に変化を見せているそうなのだ。首都圏においては大通りを中心に車道の左端へ自転車レーンが整備され、左側通行を喚起する矢印のペイントなども見受けられるようになってきたという。しかし肝心の自転車利用者にとっていまだこれらの法律は浸透していないというのが実情のようで、自転車に関する啓蒙活動やイベント運営を手掛けるチームキープレフト・サイクルモード実行委員会が実施したアンケート調査によると、改正道交法内に記載された「自転車運転の危険行為14項目」について、「内容を理解し遵守している」という回答は全体の4割未満という結果が出ているそうなのだ。 アンケートの回答者の6割以上が改正道路交通法を遵守できていないと意識しており、このアンケートが自転車イベントの来場者を対象に行われたことを考えると、実情はさらに悪いものといえるようなのだ。これは買い物には日常的に自転車を利用している私の感覚ともかなり一致しているみたいで、右側通行をはじめ歩道を通常速度で走行するだけでなく、信号無視にイヤホンやスマホの「ながら運転」といった自転車はよく目にするし、そうした自転車と不意に衝突しそうになったことも何度もあるのだ。自転車は「法は整えたが、それが浸透しているとはいえない」と言う野毛現況のようで、法改正以前から自転車利用者の意識に大きな変化はなく、依然として危険な運転が横行しているというのが現実のようなのだ。 この状況を行政側から改善しようとした場合にはさらなる法規制や違反時の罰則強化ということになるのだが、具体的には「自転車のナンバープレート装着化」や「法規違反者の即時罰則金徴収」に「自転車運転免許制の導入」というところまで行くそうなのだ。自転車の「ナンバープレート」や「免許制」というと極端だと思うのだが、実際に地方自治体が条例レベルで動いた例もあるそうなのだ。東京都が自転車にナンバープレート導入を検討という報道があって、現在は道交法の改正によって議論も収束しているようなのだが、これも自転車の危険な状況を憂慮した動きのひとつだとされている。これはクルマのようにひと目で個体識別ができることは違反の抑止効果があると考えられるからだといわれているのだ。 自転車の「全車登録」など非現実的に感じられるが、昭和29年までは自転車の「全車登録」と同様のものが存在していたそうなのだ。これは「鑑札」と呼ばれる自転車税を徴収するためのシステムだったそうなのだが、目的こそ違うのだが「全車登録」と「認識票の設置」は過去に実績があるというのだ。また現在動いているものとして兵庫県で自転車の損害賠償保険加入が義務化され、続いて今年には大阪府でも同様の条例が施行されているというのだ。こちらの目的は事故の抑止ではなく起きてしまった事故への対処になるのだが、ここにも「自転車は現状では危険」という意識があるからだとされており、これらの事例から行政は自転車もほかの車両と同等の環境にすることを目指しているようなのだ。
2016年09月06日
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検索データを振り返ると人々のニーズをたどることができるという事で研究がなされているが、熊本地震発生直後の被災地での検索ワード分析したところ、そこからは「地震直後に被災者がとろうとした行動」も見えてくる。ネット検索結果というビッグデータは今後の災害への備えにも活用できそうだという。被災地での検索ワード分析はインターネット検索大手ヤフーが行ったそうなのだが、今年4月14日夜の最初の震度7の地震発生から、おもに3時間の間に熊本県内からヤフーで検索された語句が対象としてそうなのだ。また2011年3月の東日本大震災で注目されたのはツイッターだったそうで、救助の求めや支援物資の呼びかけなど膨大な情報が投稿されその情報が利用されていたという。 同時に誤った内容や古い情報がリツイートを通じて拡散するなど、情報処理に関して多くの課題も残ったそうなのだ、さらにツイッターの情報は「発信したいこと」であるのに対し、検索は「知りたいこと」ということから、検索結果のほうが被災者のとりたいと考えている「行動」に近いと言えることもわかったというのだ。実際に発生直後の検索データを分析すると「地震の時は車が安全」とか、「地震 瓦が落ちる 他人の車」など避難時の具体的な注意点を探す動きが見えたというのだ。基本的な情報であっても実際に被災してはじめて確認する人が多かった様子が伝わっており、「JR西日本運行状況」・「地震 コンビニ被害状況」・「災害 公報」などの語句も増えていたことから、地震の影響について正確な情報を得ようとしていたというのだ。 自宅の被害とその後の対応について調べる人も多かったそうで、「地震後 濁り水」・「災害 減免 住民税」・「災害に対する補助」などが発生直後から検索されており、早い段階から「再建に動きたい」と考える人が多かったようだと分析されている。ペットに関する情報を求める人もけっこうの数いたそうで、「地震 犬 震え」・「地震後 犬の興奮おさまらない」など普段とは違う愛犬の行動を心配する人が多かったという。検索データから見えるのは被災地で人々が最初にしようとしたこととその際に足りなかった情報だと言え、現地の自治体が重視したことと実際に人々が求めた情報のギャップを埋めることで、これから起こるかもしれない災害時の支援体制の改善につなげることができるとされている。 熊本地震では東日本大震災に比べて停電した世帯が少なく、検索によって知らない語句を調べることができたというが、大規模停電が起きればネットはつながらなくなる。今回得られた情報を事前に整理し適切な形で周知できれば、「いざ、災害」が起きたときに生かせる場面は少なくないという。熊本地震の直後に生活インフラに関する言葉がどう検索されていたのか、熊本県庁で被災者支援に当たっていた木村敬前総務部長に、当時を思い出しながらデータを見てもらったというが、人々のニーズの変化に行政は応えられていなかったという。熊本県庁の木村敬前総務部長は4月14日のいわゆる「前震」から4月末まで、災害対策本部の中枢にいたが、現在は総務省公営企業課理事官を務めているそうなのだ。 木村総務省公営企業課理事官に被災地でのヤフーの検索データを見てもらったところ、抽出した語句は地震直後の住民にとって極めて重要だった「コンビニ」だったそうなのだ。最初はコンビニのデータで地震前の4月8日から4月30日まで、コンビニの中で最も多く検索された「セブンイレブン」の検索数の推移をみたところ、検索数のピークは本震翌日の17日で本震当日の16日よりも多かったという。木村総務省公営企業課理事官は「きれいに行政の動きとリンクしています」と驚いたそうなのだが、「17日は政府が『70万食を被災地のコンビニに届ける』と発表した日なのですそしてこの日の夜には熊本県内に届き始めました」つまり物資の情報が一番だったという事が声からもわかったというのだ。 木村総務省公営企業課理事官は「みなさん『コンビニに食料が届く』という情報を聞いて、どの店舗に物資が届くのか情報をかき集めたのでしょう。コンビニとは別に、政府の手配で、おにぎりとかの食料を避難所に届けようともしていたのですが、熊本県内への輸送の調整がうまくいかず佐賀県鳥栖市で止まってしまっていた。そんななか、コンビニの方が先に熊本に届いたのです。18日に検索数がストンと落ちたのは食料が届いて、落ち着いたから。あまり目立たなくなったのではないでしょうか」と分析して、今回の地震はコンビニがうまく機能して食料をはじめ日用品をめぐるパニックが起きていないというのだ。確かに検索数は17日が突出し翌18日には地震前の検索数とほぼ変わらない数値まで落ちている。
2016年09月05日
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先日事務所のパトロールカーがパンクしたのだが車のタイヤのパンクが増えているという。日本自動車連盟のパンク救援は昨年度で36万件余りと過去最多を記録しており、日本自動車連盟はセルフ式ガソリンスタンドの増加で空気圧点検がおろそかになっているとみて注意を呼びかけているという。群馬県昭和村の関越自動車道で昨年9月にパンクで止まっていた乗用車に大型トラックが追突し、乗用車の会社員男性と無職女性が死亡し同乗の2人も負傷する事故が起こったそうなのだ。群馬県警によると4人は東京ディズニーリゾートから帰る途中で、ハザードランプを点滅させて日本自動車連盟の助けを待っていたという。群馬県警高速隊の登坂幸永副隊長は「パンクでも死亡事故につながり高速道路上は特に危険だ」という。 日本自動車連盟によると昨年度のパンクによる救援は36万1942件で、活動を始めた1963年度以来最も多く10年前と比べ5万3506件増えているというた。車の性能向上で救援総数は10年間で2割減っていることから全体に占めるパンクの割合は10・3%から15・5%に上昇しているそうなのだ。発生場所別では一般道が92・3%で高速道路は7・7%となっており、月別では夏休みで遠出する機会が増える8月が最も多く3万6494件と全体の約1割を占めているそうなのだ。日本自動車連盟はパンクの増加要因としてセルフ式ガソリンスタンドの増加をあげているが、全国のガソリンスタンドは全体数が減少しているのに、セルフ式ガソリンスタンドは今年3月末時点で9728店と全ガソリンスタンドの3割を占め年々増えているというのだ。 日本自動車連盟の広報担当者は「身近な車の点検所であるガソリンスタンドで専門的な知識を持った店員との接触が減り、タイヤの点検回数も減る。その結果、空気圧不足の車が増え、パンクが増える」と話しているが、タイヤトラブルの代表格はパンクで一口にパンクと言っても、ゆっくりと空気が抜けていくスローパンクチャーやタイヤが破裂するバーストなどがあるという。特に高速道路では夏と冬を問わず全トラブルの実に30%を占めており、これらタイヤ自体のトラブルのなかにはクリップボルトナットの緩みによりタイヤが外れてしまったというケースも見られるというのだ。タイヤが外れると大事故となる恐れがあり、タイヤが外れてしまうとブレーキローターなどが路面と接地してクルマのダメージも大きくなつよいうのだ。 タイヤが外れなくてもガタつきによりホイールのボルト穴が変形してしまうことがあるが、一般道路におけるタイヤのトラブルが全体の10%なのに対し高速道路は30%と3倍になっている。高速道路のタイヤトラブルはバーストなど修理不能であることが多いのが特徴で、高速道路におけるタイヤトラブルではバーストが多く見られるが、高速道路での高速連続走行はタイヤへの負荷が大きく、空気圧が低下しているとタイヤのたわみが大きくなるという。連続したタイヤのたわみによりタイヤが発熱し最後にはバーストしてしまうというのだ。もっともタイヤ自体の性能向上と道路整備が進みタイヤのパンクは昔と比べて少なくなったとされているが、パンクがなくなったわけではないことから注意だけは行ってはいけないという。 私の場合パンクしたパトロールカーは通常タイヤより幅のないテンパータイヤに履き替えて帰ってきたのだが、ほとんどのクルマには応急用としてテンパータイヤが搭載されているという。テンパータイヤはあくまでもパンクしたタイヤの補修が完了するまでの間に応急用として使用するものなので、パンクしたタイヤは速やかに修理をして元通りにしておくべきだという。日常的にタイヤを点検していても勢いよく段差を乗り越えたときや、釘を踏むなどの不可抗力によってパンクする可能性は誰にでもあるというのだ。万が一を考えタイヤ交換の手順は覚えておく必要があるというのだが、最近ではパンクしても所定のスピードで一定の距離を走行することができるランフラットタイヤも市販されているというのだ。
2016年09月04日
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リンゴに矢が当たると同時に細かな果汁と果肉が飛び散り、矢が突き刺さり貫通していくという映像が公開されているが、1秒間に960フレームという速度で撮影したリンゴを矢で打ち抜くスローモーション映像だという。肉眼だと矢の動きさえ見えにくくリンゴを突き抜く様子も見えないのだが、最新のイメージセンサーを搭載したカメラだとこのような画像が撮れるという。イメージセンサーは既に人間の目の能力を超えているそうで、ソニーの大場重生IS事業戦略部統括部長は説明しながらこう胸を張っていた。イメージセンサーとはカメラのレンズに集めた光を電気信号に変換し画像データを作る機能を持つ半導体のことで、デジタルカメラの「目」の役割を果たしているとされている。 デジタルビデオカメラやスマートフォンの内蔵カメラだけでなく、医療機器の内視鏡や車載用など様々な用途で活用されており、ソニーは世界シェア42%を占め首位を独走している。 ソニーの大場統括部長はイメージセンサーが3つの点で人間の目を超えたと強調するが、1つ目は「速度」で人間の目で認識できる速度の限界は240フレーム/秒(fps)程度とされる。一般のテレビ放送は30fpsでゲームなど動きの速い動画でも60fps程度だ。一方ソニーが発売した高級デジカメ「DSC-RX10M2」と「DSC-RX100M4」に搭載した最新のイメージセンサーでは、960fpsでの撮影が可能だという。2つ目が「感度」でISOという値が大きくなるほど感度が高くなり光が少ない場所でも撮影が可能になるというのだ。 蛍光灯の下で撮影する場合ISO1000程度が目安となるそうだが、ソニーが発売した「アルファ7S Ⅱ」の搭載センサーは最大ISO「40万9600」という高感度での撮影に対応しており、肉眼ではほぼ真っ暗闇にしか見えない状況でも明け方くらいの明るさの画像が撮れるという。3つ目が「明暗差(ダイナミックレンジ)」というのだが、車の運転をしていると暗いトンネルを走り出口に近づくと出口の向こう側の景色が見えなくなることがある。肉眼では明暗の急変動に対応しづらいからなのだが、ソニーが今年度中に車載用に量産予定のイメージセンサーでは、こうした現象を克服し、「トンネル内の白線や壁だけでなく、出口の先もくっきり映せる」ことで、機能強化と生産効率の両面で競合を圧倒するというのだ。 次の課題はイメージセンサーに「認識技術」を搭載することで、画像を記録する「目」の機能に加え撮影したモノの状態を把握できる「頭脳」への進化させるというのだ。ソニーはベルギーのベンチャー「ソフトキネティックシステムズ」の買収し、イメージセンサーを使い撮影した対象物までの距離を測定できる「測距技術」が強みとしているそうなのだ。従来のイメージセンサーに測距技術を組み合わせることで、クルマの自動運転やドローンによる空撮に3D地図作製などでの利用に大きな進化をもたらす見込みだというが、近い将来には自動運転車がイメージセンサーの主要な用途として急浮上することから、事故を防ぐには多数のイメージセンサーで周囲の状況や障害物までの距離を的確に把握することが不可欠だという。 単眼カメラだけでその機能を実現するシステムにするそうなのだが、単眼カメラだけで構成しているというのは厳密にいうと正確ではなく、単眼カメラとミリ波レーダーの組み合わせで実現すると予想されているそうなのだ。単眼カメラにミリ波レーダーを組み合わせたシステムや、2つのカメラで構成するステレオカメラを使ったシステムであるが、いずれも複数のセンサーを組み合わせているそうなのだ。ソニーは既に型化しても効率よく光を取り込める「裏面照射型」と呼ぶ新構造を開発し、車載カメラ分野への参入を発表して自動車メーカーなどとの議論を始めており、耐熱性や感度などを強化した車載用イメージセンサーの評価や改良を進めているそうなのだ。
2016年09月03日
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原発の耐震設計の根幹となる想定する最大の揺れである「基準地震動」について、政府の地震調査委員会が「地震の規模や揺れを小さく見積もる恐れがある」として使用を避けた計算方式を、原子力規制委員会や電力会社などが未だに使い続けていることが分かったという。府の地震調査委員会は2009年に改良した新方式を採用しているが、原子力規制委員会は「現行の方式を見直す必要はない」と主張するが、地震調査委員会の専門家は「原子力規制委員会の判断は誤りだ」と批判し疑問符を突き付けた格好となっている。「基準地震動」を巡っては原子力規制委員会の前委員長代理の島崎邦彦氏が、関西電力大飯原発などで過小評価を指摘したが、原子力規制委員会は現行の計算方式の維持を決めているのだ。 現行方式は大飯原発以外でも使われており、この方式への疑問は他原発の安全審査や再稼働にも影響しそうだというのだ。地震調査委員会は地震の研究などを担う政府機関で、断層の幅と長さから地震の揺れを計算する方法を公表しており、原子力規制委員会や原発を有する各電力会社が基準地震動の計算に採用していた。ところがこの方式には断層の規模や地震の規模であるマグニチュードを小さめに算定し、揺れを過小評価する場合があるとの指摘が出たため、断層の長さなどから揺れを計算する新方式を7年前に公表し各地の地震の揺れを計算してきたというのだ。地震調査委員会作成の計算マニュアルでは両方式が併記されているが地震調査委員会は、計算マニュアルを新基準に改定する検討を始めているというのだ。 これに対し原子力規制委員会の事務局である原子力規制庁は「前の計算マニュアル方式は断層の詳細な調査を前提に使う方法。電力会社が詳細に調査しており、原発の審査では適切だ」と言っているし、原子力規制委員会も定例会で関西電力大飯原発での想定される地震の揺れである「基準地震動」について、見直す必要はないとする見解をまとめている。そして高浜原発の危険性が「社会通念上無視し得る程度にまで管理されている」と認定し、それを理由に再稼働を認めているというのだ。原子力規制委員会の現在いる5委員の中には地質学者はいるが地震動の専門家は不在で、田中俊一委員長も会見で専門性の不足について「反省点としてはある」と認めているというのだ。 地震調査委員会の「強震動評価部会」の纐纈一起部会長は「活断層が起こす揺れの予測計算に、地震調査委員会は最新の方式を使う。原子力規制委員会が採用する方式の計算に必要な『断層の幅』は詳細調査でも分からないからだ。これはどの学者に聞いても同じで原子力規制委員会の判断は誤りだ」と指摘している。原子力規制委員会が原発の「基準地震動」で採用する計算方式に、その「開発元」である政府の地震調査委員会メンバーが疑問符をつけたわけなのだが、「基準地震動」は原発が想定し耐えるべき最大の揺れで耐震設計の根幹で、原子力規制委員会はその指摘を機に計算方法を見直すべきだというのだが、原子力規制委員会は現行の計算方式を使い続ける方針だというのだ。 地震動の専門家がいない原子力規制委員会が専門家ぞろいの地震調査委員会側の意見を一切聞かず、改良された方式を却下するのは無理があるし、しかも基準地震動にはそれ以前の問題もあって、原発の建物は「起こり得る最強の揺れ」に備えるのが望ましいが、実際の基準地震動は揺れの「平均」に若干の上乗せをした値に過ぎないといわれている。悪条件が重なれば平均を大きく上回る揺れもあり得るというのだ。藤原広行防災科学技術研究所社会防災システム研究領域長らによると、地震の1~2割は平均の1.6~2倍強い揺れを起こし、3~4倍の揺れもあるということがわかっており、どの程度「上乗せ」するかについて今の基準には規定がないことから原子力規制委員会と電力会社が調整して決めているというのだ。 政府の地震調査委の専門家「原子力規制委員会の判断は誤りだ」と批判しているため、昨春に関西電力高浜原発の運転停止を命じた福井地裁は「基準地震動は理論的にも信頼性を失っている」と断じているのだ。藤原広行防災科学技術研究所社会防災システム研究領域長は「原子力規制委員会の5委員の中には地質学者はいるが、地震動の専門家は不在だ。地震の1~2割は平均の1.6~2倍強い揺れを起こしており、上乗せをどれだけ取るか、リスクをどの程度許容するかについての社会的議論が必要だ」と指摘しているのだ。これからも原発再稼働の運転中止裁判が行われるが、根拠のない安全神話だけで原発の再稼働などは許してはいけないという判例がこれからも示されるだろう。
2016年09月02日
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政府が発表した今年の4~6月期の実質国内総生産の1次速報値は、前期比0・048%増で年率換算は0・2%増だったそうなのだ。金融緩和や公共事業など政策効果に支えられて、かろうじて2四半期連続のプラス成長となったが、自律的回復のかぎを握る民間需要は力強さを欠いた状況のままだという。「貯蓄から投資へ」を標榜するアベノミクスの中で、「消費や投資をしない者が不景気を招いている」という「貯蓄悪玉論」が広がっている。ところがそうした空気に断固として抗う「老後貯金族」がけっこういるそうで、総務省の最新の全国消費実態調査によると個人預金の5割超を占める60歳以上の高齢者世帯の平均預金額は1351万円となっており、前回調査時の5年前に比べると約7万円増えているというのだ。 貯蓄と言えば銀行なのだが、三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行・三井住友信託銀行は9月契約分の住宅ローン金利について、低金利政策の中で当初10年固定の最優遇金利を5カ月ぶりに引き上げるというのだ。このところの長期金利上昇を受けた動きだというのだが、10年固定の最優遇金利は三菱東京UFJ銀が0・10%幅上げて年0・60%とし、みずほ銀は0・05%幅上げて年0・70%で三井住友信託銀は0・10%幅上げて年0・45%にするそうなのだ。各行は15年以上の固定金利も、10年固定と同程度引き上げるそうなのだ。住宅ローンの固定金利は長期金利をもとに決まるわけなのだが、長期金利の指標となる満期10年の新発国債の流通利回りは7月に過去最低をつけたが、その後マイナス幅が縮んでいるという。 短期プライムレートを参考に決める変動金利は各行とも変えない方針だというが、住宅ローンの金利といえば将来的な変動リスクがある「変動型」と金利が変動しない「固定型」の2タイプあって、変動型の金利が低く固定型の金利が高いというのが従来の常識だったのだ。それが今年2月に日本銀行がマイナス金利を導入したことで覆されつつあると言われ始めている。主要行の住宅ローン金利を見ると「変動型」では三菱東京UFJ・みずほ・三井住友の3メガバンクが「0.625%」で、りそなが「0.625%」になっており、三井住友信託が「0.6%」となっているが、「10年固定型」では三菱東京UFJが「0.5%」で、三井住友信託が「0.35%」などと固定が変動を下回る逆転が起こっているというのだ。 固定型は長期金利にほぼ連動しその指標となる10年もの国債の利回りはマイナスとなっており、それが反映されて引き下げられた格好なのだが、変動型は銀行の企業向け融資の際に業績好調などの理由から適用される最優遇貸出金利のうち、1年以内の短期間のものを基準にして半年ごとに利率が見直されるが、その水準は銀行側の事情によるところが大きいからだというのだ。すでに短プラは空前の超低金利下にあってそれを収益源とする銀行側としては「これ以上は下げたくない」のが本音であるため、変動型よりも固定型の方が低くなっているというのだ。そのような事態を受けて銀行の窓口も一変しており、昨年までは住宅ローンを組む際変動型を選ぶ顧客が7割を占めていたというが今やそれも逆転しているそうなのだ。 新規では固定型が過半を占め借り換えに至っては7割強が固定型を選ぶようになっているといわれており、「少しでも低い金利を求めて変動型を選ぶ」という住宅ローン選びの常識も変わりつつあるようなのだ。ただし、「今の金利が低いから」というだけで固定型を選択するのには注意も必要で、ファイナンシャルプランナーの藤川太氏は「現在、銀行が前面に打ち出している10年固定というのは、ベースが変動型で当初10年間は固定にする期間優遇タイプにすぎません。そのままローン返済を続けていた場合当初10年間では有利になったとしても、その後は不利になる」というのだ。マイナス金利で「借り換えの絶好のチャンス」と安易に飛びつくのは避け慎重に考えるべきだとアドバイスしている。
2016年09月01日
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