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いろいろある予防接種知っておきたい基礎知識

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一口に予防接種と言いますが、例えばインフルエンザ、三種混合、ポリオ、BCG、水疱瘡、日本脳炎……と挙げていったらきりがありません。

一方で接種を受ける側の赤ちゃんは体調がいつも万全なわけではありませんし、病院の予約などの関係もあるため思い立ってすぐに受けることもできません。どんなものを優先して受けるようにすべきかを見てみましょう。

優先的に受けておきたい予防接種

「予防接種で赤ちゃんの調子が悪く、一度機会を逃すとなかなか次の機会がなくて……」というお母さんもいるのでは?また、予防接種には定期的に接種を受けなければならないもの、任意で接種を受けるか決めるものなど、本当にたくさんの種類があって困ってしまいます。

このため、小児科医の作る学会が発表している指針を見ながら、どの予防接種から受けるようにしていくかを決めるようにするといいでしょう。

0歳児が受けるものは?

予防接種のうち優先的に受けたいものは、赤ちゃんの成長段階によって変わってきます。例えば0歳児の場合、あまり頻度は高くないのですが細菌性髄膜炎という危険な病気に感染することがあります。この病気は感染すると重い症状がでるだけでなく悪化も早く、今でも赤ちゃんが死んでしまったり、後遺症が残ったりすることがあります。

この病気については小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンで防ぐことができますので、不安があるようであれば接種を受けるべきでしょう。

それから、三種混合ワクチンというものがあります。こちらはジフテリア、百日せき、破傷風混合ワクチンとも呼ばれ、その頭文字を取ってDTPと略されることもあります。このワクチンは生後3ヶ月から1歳まで3〜8週空けて3回の接種を行い、その後、初回接種後1年から1年6ヵ月後に1回、追加の接種を受けなければいけないものです。

この3つの病気のうち百日せきは罹患すると症状が重くなりがちで危険ですので、早めに受けるようにした方がいいでしょう。ただ、3回の接種と追加接種がありますので、これが全部終わるまで他のワクチンを打たないとすると時間的な問題が発生します。そういった場合には間に他の予防接種を受けるようにしてもいいと思います。

次に、結核に対するBCGワクチンというものがあります。日本はまだ結核にかかる人がいるほか、赤ちゃんは抵抗力が弱いために結核菌に感染すると結核性の髄膜炎などを起こして重症化しがちであるということもありますので、こちらも早急に接種を受けるようにしたいワクチンだと言えます。

他にポリオワクチンがありますが、日本ではポリオはあまりかかる人が居ないので、BCGなどと接種期間がかぶってしまった場合には後回しにしてもいいと思われます。

1歳になったら受けるものは?

次に、赤ちゃんが1歳になったら、早期にはしかと風疹を予防するMRワクチンの接種を受けるようにしてください。重要性から言うと、このワクチンは他の予防接種よりも優先して受けるようにすべきものです。

1歳になってから受けるというのは、その頃までは赤ちゃんはお母さんからもらった免疫力で感染のリスクが低いからです。さらに、はしかは麻疹ともいいますが、かなり感染力の強い病気で、やはりかかってしまうと重症になりやすいという理由もあります。

そして、やはりかかってしまうと重くなってしまうという点で怖い病気として、日本脳炎という病気があります。この病気は人間同士では感染しないのですが、ブタの体内にあるウイルスを蚊が媒介することで人間に感染します。

日本脳炎にかかる人は減ってきていますが、日本にいるブタの中にはこの病気のウイルスを持ったものがいます(西日本に多いです)。また近場の外国である中国や東南アジアではまだ発症する人が居ますので、完全に安心できるものではありません。日本は温暖湿潤で蚊に刺されることも多いということ、そしてかかってしまうと重症化するということから、可能なら接種を受けておくべき病気だと言えます。

ポリオワクチンの接種はどうするべき?

最近話題になっているワクチンに、経口ポリオワクチンがあります。お母さん方の中には、このワクチンを赤ちゃんに接種すべきかどうかで迷っている人も多くいます。というのも、このワクチンは生ワクチンで、ワクチンの接種を受けたことによってポリオで見られるような麻痺の副作用を起こす可能性があると危惧されているからです。

ポリオという病気は日本では発生がありません。しかし近場の東南アジアでは発生が確認されていますし、経口ポリオ接種を受けた子どもから感染するリスクはゼロではありません。そして一度かかってしまうと麻痺が残るなど重症化するということもあり、お医者さんの中には予防接種を受けるように勧める人もいます。

このポリオという病気に関しては不活化ワクチンが存在しており、こちらは麻痺を引き起こす危険性がないと言われています。しかし経口ポリオは公費の助成がありますが、不活化ワクチンのほうは全額自費で接種を受けなければいけない状態です。

なお、不活化ワクチンの接種を受けたい場合、まずはそれを個人で輸入して予防接種を行っている医療機関を探すところから始める必要があります。

任意接種のワクチンというのは受けなくても良い?

定期的に接種を受けなければならない予防接種の他に、任意で接種を受けるか決めることになるものもあります。たとえばおたふくかぜや水疱瘡といった病気のワクチンなどです。

おたふくかぜや水疱瘡はワクチンの接種を受ければかからなくなるという性質の病気ではありませんが、予防接種をあらかじめ受けておけば症状が軽く済むようになるとされています。

任意で接種を受けるかどうか決めると言われると、別に受けなくても大丈夫ではないかと思いがちですが、あながちそうとも言い切れません。たとえばいまご紹介したおたふくかぜや水疱瘡は、保育園や幼稚園、小学校などで集団で生活を始めるとたいていかかってしまう病気だからです。

おたふくかぜは悪化すると無菌性髄膜炎や難聴を起こすことがあります。一方で水疱瘡はかなり感染力が強いので、まずほとんどの子どもがうつされて罹患してしまう病気です。このように、任意接種にはなっていたとしても予防接種になっているだけの意味がある病気なのです。

これらの病気もそうですが、予防接種をするかしないかは赤ちゃんがおかれた状況や環境によるところが大きくなります。自分の住んでいる地域ではどんな病気がいつも流行るのか、保育園や幼稚園には行くのか、獲得している免疫はどんな状態か、といったようなことを総合的に判断して、予防接種を受けることで大きな利点を得られるものから優先的に受けさせるようにしてあげましょう。


予防接種に関しては、「こういう病気があり、このワクチンをいつ受ける」というリスト的な情報が、よく出回っています。しかし、予防接種の種類が多いだけに、「なぜ受ける必要があるのか?」といった部分を理解していないと計画が立てられないと思います。




タグ: 健康

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