2015年11月28日
カビないパン、コンビニ弁当・おにぎりは本当に体に悪いのか?
「そもそも、惣菜パンが常温で置かれていること自体がおかしい!」「コンビニ弁当やおにぎりの保存料は大丈夫?」など、ママたちの不安をあおるネット記事が拡散中。だが、はたして本当にそうなのか?「NPO法人食の安全と安心を科学する会」理事長・山崎毅氏に聞いた。
●雑菌だらけの手でにぎるよりも衛生的!
「食品添加物と聞くと、“危険”と思い込みがちですが、日本で死に至る食中毒の発生件数が少ないのは、これら添加物が細菌の発生を未然に防いでいるから。手作りやオーガニック=安全という固定観念がありますが、手作りのお弁当と加工食品会社が作ったお弁当では、どちらが安全でしょうか?
多くの肉の表面には、食中毒を起こす菌がついています。生の肉を切った包丁でサラダの野菜を切れば、その菌は野菜へと移り、食中毒を引き起こすことになる。もちろん、手作りが悪いということではありませんが、手作りで料理する際は、その点を厳重に踏まえてする必要があります。
食中毒にかかれば死ぬこともありますが、アレルギーをのぞけば、食品から添加物を摂取して健康被害にあうことはない。世界の科学者が添加物の安全性を保証しています。そう考えると、食中毒を防ぐためにも、添加物はプラスの方が大きいと言えます」(山崎氏 以下同)
コンビニのおにぎりやお弁当、惣菜パンなども、保存料が入ってるからこそ、おいしく食べることができると語る山崎氏。
「コンビニのお弁当は、衛生面で厳重なチェックがなされ、ほぼ無菌状態のなかで作られます。特におにぎりに関して言えば、雑菌だらけの手でにぎられたものよりはるかに衛生的で、食中毒にもなりにくい。
コンビニのお弁当で食中毒が発生したという話は、まず聞いたことがありませんよね。使用されている添加物の量もごくわずかなので、健康被害を及ぼすことはありえません。惣菜パンも同様です」
上の表からもわかるように、微生物やカビ…見えない食中毒から人命を守るのが、添加物の役目でもあると語る山崎氏。
「まずは“自然=安心”“添加物=がんになる”という誤った概念を捨てて頂くこと。確実なエビデンスがないのに“添加物は危ない!”と打ちだし、何十年も前の添加物問題が、今も続いているかのような話をする評論家や科学者の意見にまどわされないことが大切です。
主食・主菜・副菜・乳製品・果物などが、ちゃんとバランスよく摂れているか? “昨日の夜はピザだったから、今日はコンビニのバランス弁当と野菜サラダにしよう”“毎日コンビニのおにぎりが朝食。でもお昼だけは、肉、魚、野菜…具だくさんのランチを食べて栄養をしっかり摂っています”という感じでも、まったく問題ありません。“1日3食コンビニのおにぎり”というのは、栄養バランスがとれないのでもちろんダメ。大切なのは、添加物を摂るか摂らないか…ではなく、栄養バランスなのです」
疲れたときは、コンビニのお弁当やおにぎりで代用してもいいのでは? 手作りにこだわりすぎて食中毒を起こしたのでは本末転倒! 子どもと過ごす大切な時間を削ってまで、手作りにこだわる必要はないのかもしれない。
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