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「卵は一日一個まで」はウソ?

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コレステロールと聞くと、“体に悪いもの”というイメージを持っている人が多いと思います。これまで「コレステロールをとりすぎると脂質異常症になり、動脈硬化や心筋梗塞のリスクを高める」と言われてきました。中でも卵はコレステロールが多いため、「一日一個までにしましょう」という話は聞いたことがあるのではないでしょうか。

しかし、そんな常識がもう変わってしまったことはご存知でしょうか。今回は食事中のコレステロールについての知識をお伝えします。



■コレステロールの摂取基準がなくなっていた
厚生労働省が策定している“食事摂取基準”では、各栄養素についてどれぐらいとったらいいのか、逆にとりすぎてはいけないものに関しては、どのぐらいに抑えるべきなのかが規定されています。

しかし、これまで定められていたコレステロールの上限量が、今年4月に改定された食事摂取基準では撤廃されていたのです。
理由は、体内のコレステロール値というのは、肝臓で合成されるコレステロールが70〜80%を占めており、食事で摂取したコレステロールはそれほど影響を与えないことがわかったからです。
肝臓は摂取したコレステロール量に応じて合成を調整しており、多く摂取すると合成が控えられ、逆に少なく摂取すると合成を亢進させているのです。
これを受けて、動脈硬化学会も「食事で体内のコレステロール値は変わらない」という声明を発表しています。



■コレステロールは重要な栄養素
コレステロールは体内で栄養素としての働きがちゃんとあり、すべての細胞の細胞膜やホルモンの材料となっています。体に悪いからとコレステロールを控えると、同時にコレステロールを含む食品に含まれるたんぱく質や脂溶性ビタミンの摂取不足にもつながるおそれがあるので、特に高齢者では問題です。


卵も一日一個に制限する必要はありませんし、医師から制限の指導を受けていない限り、特にコレステロール量にこだわったり、コレステロールゼロのものを選ぶ必要はないと言えます。ただし、過剰に食べていいというわけではなく、コレステロール以外の脂質やカロリーのとりすぎにはならないように注意する必要はあります。


食事や栄養に関する情報は日々の研究データの積み重ねでアップデートされていきます。常識だと思っていた知識がある日間違いだとなることも珍しくないのです。
古い知識で間違った食生活を送ることのないよう、常に新しい情報を仕入れることを心がけたいものです。



タグ: 健康

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