2016年05月17日
もしも愛猫が【椎間板ヘルニア】になったら…その症状と治療法とは?
人でもよく聞く「椎間板ヘルニア」ですが、猫も同様にこの病気にかかることがあります。特にメインクーンなど大型の猫や、マンチカンなどの骨格が改良された品種に比較的多く見られます。
今回は猫の椎間板ヘルニアについて、その原因や治療法を獣医師に聞いてみました。
■ まずはヘルニアの原因をチェック
「椎間板ヘルニア」とは、背骨と背骨の間にある、クッションの役割をしている椎間板が正常な位置から飛び出ている状態のことをいいます。
主に以下のような原因が考えられます。
【加齢】
クッション材のコラーゲンが減ることで、椎間板が飛び出しやすくなります。
【肥満】
大型の猫同様に、背骨への負担がかかりやすくなります。
【外傷】
交通事故や落下などの衝撃により、椎間板が飛び出ることがあります。
■ 発症部位による症状の違いは?
首から腰にかけて、飛び出した部位によって症状の出る位置が変わります。また、片方または左右両方で以下のような症状が出ます。
・歩行異常
・歩行不全、麻痺
・痛み、触られることを嫌がる
・痛みから元気消失、食欲減退
・排尿や排便が困難、または不能
首に近い部位では前足と後足両方、胸の付近では胸や後足、そして腰に近い部位では後足に症状が出やすいといわれています。
■ 症状に合わせた7つの治療法
椎間板ヘルニアは、触診(マヒがあるかを診る)やレントゲン、脊髄造影、MRI(CT) によって診断します。また治療は、椎間板の状態と症状に合わせて以下のように行います。
【内科治療】
鎮痛剤、消炎剤の注射や内服薬によって痛みを軽減させます。ただし、痛みがとれると動いてしまうため、できるだけ安静にできるようケージに入れる、猫タワーを除去するなどが必要です。
【外科治療】
飛び出ている椎間板の切除、または骨を削って神経の圧迫を軽減します。
【リハビリ】
手術後にマヒした部分のマッサージや屈伸運動などでリハビリをします。マヒが治らない場合もあります。
【針治療】
痛みの軽減、マヒの改善、リハビリ効果があります。
【車椅子】
後足にマヒがある場合に、足を乗せて固定する車椅子があります。
【排泄の介助】
後足のマヒで排尿や排便ができなくなる場合には、お腹を押して排泄を促してあげる必要があります。
【ダイエット】
肥満であれば、減量の必要があります。特にヘルニアで運動量が減ることによる体重増加にも注意が必要です。
いかがでしたか? 猫の椎間板ヘルニアにもさまざまな症状があります。万が一発症してしまった場合には獣医師としっかり相談しながら、治療に当たってくださいね。
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