2016年10月12日
その一口ちょっと待って!たった1日の暴飲暴食で睡眠の質が劇的悪化
健康的な食事を続けているし、今日ぐらい好きなものを思いっきり食べたい! そんなちょっとした油断が、せっかく続けてきた健康的な習慣を台無しにする悪影響を与えてしまうかもしれない。
米コロンビア大学で行われたある研究によると、それまで健康的な食事をとっていたとしても、たった1日、脂肪分や糖分たっぷりの食事をしただけで、寝つきと睡眠の質が悪くなることが判明した。
□食事内容の変化はたった1日でも睡眠に影響する?
コロンビア大学の研究チームは、バランスの取れた制限食と栄養が偏った食事が、その後の睡眠にそれぞれどう影響するかを調査した。
調査では、30〜45歳の成人26人が定められた食事をとりながら、睡眠実験室で5日間過ごした。期間中は、夜10時〜翌朝7時の9時間ベッドの上で過ごしてもらい、最初の4日間は栄養士によって決められた制限食(飽和脂肪酸が少なく、高タンパク)、最終日は参加者の好きなものを食べてもらった。そのメニューは大抵の場合、制限食と比べて飽和脂肪酸と糖分が高く、繊維質が少ない内容だった。
□不健康な食事が寝つきを悪くし、睡眠の質を阻害
実験の結果、制限食を食べていた始めの4日間は、眠りにつくまでの時間は平均約17分だったが、好きなものを食べた最終日は寝付きが遅くなり、平均約29分かかった。
また、深い睡眠を意味する徐波(じょは)睡眠は、好きなものを好きなだけ食べた最終日のみ短くなった。この徐波睡眠は、繊維質を含む食事が増えるにつれて時間量が増えた。
一方、糖分や炭水化物などによるエネルギー摂取量が増加するほど、夜中に途中で目覚める回数が多くなった。被験者の睡眠時間は、食事の変化に関係なく平均7時間半。睡眠時間の量に、食事内容による影響はなかったとされている。
□健康や収入にも影響する睡眠の質
多くの方が気にしているのは、睡眠の「質」ではなく「量」だろう。睡眠時間の過不足で健康に影響が出ることはすでに立証されている。しかし、健康だけではなく、人生での重要な側面とも関わる「睡眠の質」への影響も見過ごすべきではない。
過去にアメリカ人を対象に行った調査では、睡眠の質が「まあまあ」「悪い」と答えた人の67%が同程度の健康状態だったにもかかわらず、健康以外の状況には差が示された。睡眠の質が「悪い」と答えたグループは、年間の収入が2万ドル(約239万円)以下であり、さらには、高校かそれ以下の教育レベルだったというのだ。
健康的な食事を続けていたとしても、たった1日偏った食事をするだけで睡眠の質に影響が出てしまうとは、何とも恐ろしい話だ。
逆に、毎日不健康な食生活をしているとすれば、日々の睡眠の質や将来的な経済能力にまで及ぶというその影響の大きさは計り知れない。「バランスの取れた食事を」などと口を酸っぱくして言う両親の言葉には、もっと耳を傾けるべきかもしれない。
タグ: 健康
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