2016年12月19日
3〜4時間のサイクルに注意! 午後の眠気は「食事」のせいじゃないってほんと?
昼食のあとに襲ってくる「眠気」。眠さと格闘しながら授業を受けているひとも多いでしょう。
昼過ぎに眠くなるのはナゼでしょうか? 食後は胃や腸に血液が集まり貧血気味になるからなんて話をよく聞きますが、眠気は「ウルトラディアン・リズム」と呼ばれる数時間サイクルで起きるため、昼間でも眠くなるのは当然なのです。ただし、「退屈」「つまらない」な感情があると、眠り関連のホルモン・オレキシンの生産量が減り眠いモードに突入… 昼食に楽しみ/達成感を持つことが眠気対策になるのです。
■昼に眠くなるのは当たり前!
明るくなれば活動的になり、日が沈めば穏やかになる、人間には「体内時計」と呼ばれる生物リズムがあるのはご存じでしょう。ただし生物リズムは複数あり、周期と名称をあげると、
・約30日 … 概月(がいげつ)リズム
・約1日 … 概日(がいじつ)リズム
・約半日 … 概潮汐(がいちょうせき)リズム
などもあり、1日サイクルの概日リズムは「サーカディアン・リズム」とも呼ばれます。これらはおもに時間や季節など「環境」由来なのに対し、生まれ持ったリズムもあります。代表例は女性の「生理」で、ほぼ1ヶ月サイクルなのはからだの都合。なかでもサイクルが24時間未満のものは「ウルトラディアン・リズム」と呼ばれ、呼吸や心拍、体温などが代表例ですが、意外なことに「睡眠」もウルトラディアン・リズムの一員だったのです。
睡眠のリズムは、朝起きたときから始まり、昼でも夕方でも眠気が発生しています。代表例は赤ちゃんで、1日に眠る/目覚めるを何度も繰り返す「多層性睡眠」をおこないます。成長すると夜+昼寝の二層性、おとなは夜だけの単層性が一般的ですが、決して眠気がなくなったわけではなく、海外では「シエスタ」と呼ばれる昼寝タイムがあるほどです。この眠気サイクルは個人差があるものの、昼間は60分から3〜4時間なことがわかりました。学生なら7時起床が一般的でしょうか、3時間サイクルのひとは10/13時、4時間サイクルでも11/15時に眠気が襲ってくるので、午後の授業が眠いのは、ある意味で「当たり前」だったのです。
■楽しい食事が眠気を防ぐ
眠気と食事は関係あるのでしょうか? 食後は胃や腸に血液が集まるから的な話をよく耳にしますが、これはかなりビミョウ……。それよりもオレキシンというホルモンが関係しているのです。
満腹になると「これ以上食べたらあかん」の合図として、満腹ホルモンとも呼ばれる「レプチン」が分泌され、食欲を抑えます。逆に食欲を促進させるのがオレキシンで、体内の糖分をエネルギーに変えるなど、「目覚めた」状態を作り出します。ところが食後に血糖値が上がるとオレキシンが低下、少なからず眠くなるのは事実です。
最近の研究によると、オレキシンの影響よりも、睡眠不足がおもな原因と考えられています。昼間に眠気を感じても、6〜7時間睡眠のひとは「我慢できる」が多数なのに対し、5〜6時間に減ると「耐えられない」と答えたひとが多数、7〜8時間睡眠になると眠気を訴えるひとは半減するデータもあり、食事は「ほぼ無関係」と考えられているのです。
オレキシンは、ごほうびがあると盛んに分泌される報酬(ほうしゅう)系物質ですので、昼食に「達成感」を感じるかどうかが分かれ道。昼間に耐えられないほどの眠気を感じるひとは、楽しい! やっと食べられた! と思いながら昼食をとってみてはいかがでしょう。
・人間の「体内時計」には、1ヶ月のものや数時間サイクルなど「複数」ある
・睡眠にもサイクルがあり、昼間は3〜4時間周期で「眠気」でやってくる
・食事やオレキシンはまったく無関係ではないが、夜の睡眠不足がおもな原因
・楽しさ/達成感を感じながら食事すると、オレキシンが増え活動的になる
タグ: 健康
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