2017年02月10日
アフリカ部族の睡眠時間は日本人と同じ でも全然違うその質…なぜ?
人類の歴史では、野生の動植物を食べる石器時代が260万年ほど続いた。その後、約1万年前から農耕が始まり、現代に至る。夜が電気で明るく照らされ、快適な家に住み、TVやスマホを使う生活を始めたのは、ごくごく最近のことだ。
□石器時代の人類の眠り方
現代の日本人は夜も仕事や遊びに忙しく、なかなか眠れずに睡眠障害に苦しむ人が増えている。それもこれも文明や電子機器のせいで、大昔の石器時代の人類は日没とともに眠り、日の出とともに目覚める自然な生活をしていた、とよく言われる。
だが、最新の研究によると、狩猟採集時代のご先祖さまは、現代日本人の睡眠時間と同じくらいしか眠っていなかったかもしれないことが分かってきた。しかし、「ならば夜更かしをして、短時間睡眠でも問題ないのか」と考えるのはちょっと違うので、最後までお付き合いいただきたい。
□石器時代と似た生活をする3つの民族に時計型デバイス
米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で精神医学を教えるジェローム・シーゲル教授は、石器時代の狩猟採集生活によく似た生活をしている3つの民族、アフリカ、タンザニアのハッツァ族、ナミビアのサン族、南米ボリビアのツィマネ族の睡眠を調査した。
野生の獲物をさばく伝統的な狩猟や、ベリーなどの果実類を生活の恵みとして暮らしており、夜の明かりはたき火の明かりだ。
そんな彼らに合計で約94人に時計型デバイスを着けてもらい、就寝、起床時間の睡眠データと体温、周囲の気温や明るさについて1165日のデータを収集した。
□自然な睡眠時間は6時間25分?!
その結果、驚くことに3つの民族は同じようなタイミングで眠り、同じような睡眠時間で生活していた。
彼らは、日没後にすぐには眠らず平均3時間20分ほど起きていた。その後一度寝てしまうと、平均6時間25分の間ほとんど起きず眠り続けた(※1)。そして多くは日の出の1時間前に起床する。
季節により睡眠時間は変わり、冬は夏よりも1時間長く眠る。見張りのために夜中に交代で起きているということもなかった。
「数千キロも離れた別々の大陸の3つの集団で同様のパターンが見られたことから、これが自然な睡眠パターンだとはっきり分かる」とシーゲル教授は話している(※2)。
□睡眠時間は短くてもゴールデンタイムはしっかり睡眠
季節や場所により異なるが、例えばボリビアの4月の日没は18時30分頃なので3時間20分後の就寝時間は22時頃になる。日の出は6時30分頃なので、起床時間は5時30分頃だろう。
ということは、睡眠時間は日本人よりも短い6時間25分だが、睡眠のゴールデンタイムである22時~2時の間は眠っていることになる。
□眠れなくて困ることもない
彼らは眠れなくて困るということがほとんどない。睡眠時間は短くても睡眠の質が良いのか、昼間にうとうとする様子もなく、昼寝もあまりしない。どうやら彼らは短い睡眠時間なのに、十分に満ち足りた眠りを得ているようだ。
そして就寝までの夜の時間は、家族や恋人、友人とゆっくりくつろぐコミュニケーションの時間になっている。
□寒いから眠れる? 気温が睡眠時間と起床のタイミングを決めている
また研究では、気温が彼らの睡眠時間と起床のタイミングを決めていることが分かった。
夜の気温が下がる冬は、夏よりも1時間も睡眠時間が長くなる。そして、夜の気温が下がり続ける間は眠り続け、気温が1日で最も低くなった時に目を覚ました。
このことから、季節や1日の中での寒暖の変化が、睡眠に大きな影響を与えていることが分かる。外気温の変化で眠りのスイッチが入り、寝ている間も睡眠が朝に向けて調整されるようだ。
都市部に住む人は特に、暑さ寒さから隔離されすぎている。気温が眠りと関連しているのなら、外気から隔離された現代人が、眠りで悩むのは当然なのかもしれない。
人類は長い間自然を肌で感じながら生きてきたので、睡眠も自然と共にあるのだろう。
今から狩猟採集民の生活には戻れなくても、気温の変化を取り入れることにより睡眠を最適化して、短い睡眠時間でも満ち足りた眠りになる方法を見付けられるかもしれない。
タグ: 健康
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