2017年05月27日
寝室温度で寝汗を止める!それでもたくさん寝汗をかくなら病気も疑え
パジャマやシーツがぐっしょり濡れてしまうほどの寝汗をかく人がいる。
寝汗の原因は暑さからだけではなく、深刻な病気の前兆であることもある。そして、ホルモンのバランスを整えるなどの治療が必要なケースもある。
□汗の役割 体内の冷却システム
汗は私たちの体に備わった冷却システムだ。
体温調節中枢は脳の視床下部(ししょうかぶ)にあり、外の気温が高いときや運動をしたときなど、私たちが暑いと感じると視床下部からホルモンが分泌される。それが刺激となって全身の汗腺(かんせん)から汗が分泌され、体温が下がるのだ。汗は私たちの体から熱を逃がす働きを担っている。
体から熱が逃がされるとき、カロリーが消費される。
□サウナや寝汗ではカロリー消費されていない!
従って、運動で汗をかいたときにはカロリーも消費される。
しかし、ここで誤解してはいけないのが、汗をかけばそれだけでカロリーが消費されるわけではないことだ。カロリーが消費されるのは運動などで燃え上がった体の熱を逃がすときで、夏の暑い日やサウナなどで汗をかいただけではカロリーはあまり消費されないのである。
□寝汗は疲労を蓄積させる 室温など寝室環境を見直してみて
夜寝ている間に汗をたくさんかくという人は、寝室環境が合っていないかもしれない。
私たちの体温は、眠りに落ちるときに徐々に低下し、夜中から明け方にかけて最も体温が低くなる。良質で深い眠りを得るためには、この体温の波がカギを握っている。
汗をたくさんかくような室温の高い寝室環境は睡眠を浅くし、睡眠の疲労快復効果を薄れさせてしまう。
夏の寝苦しい夜はクーラーを使うのも一つの手段である。寝室の最適温度は26度ほど。部屋や家具の温度を下げるために、クーラーは就寝の2〜3時間前からつけ、就寝後は1〜2時間で切れるようにタイマーを設定すると、スムーズで深い眠りへと誘導してくれる。
□大量の寝汗は危険な病気の兆候である場合も!?
寝汗の原因は寝室環境が合っていないことだけではない。以前「「沈黙の臓器」肝臓の異常は寝汗で分かる? 毎日よく寝て病気予防」でも紹介しているが、病気の兆候であることもある。
結核などの感染症、更年期障害、糖尿病、甲状腺疾患、思春期や妊娠などによるホルモンバランスの乱れ、肥満、睡眠時無呼吸症候群、不安障害、心臓血管系疾患、胃食道逆流、薬物乱用、パーキンソン病や各種薬の副作用と、さまざまな原因も考えられる。
このように、ただの寝汗と軽く見ないほうがよいこともあるので、寝室環境を整えても寝汗が治まらないという人は注意が必要だ。
まずは、規則正しい生活習慣、栄養バランスの取れた食事、運動の習慣などで心身ともに健康な状態をつくり上げることだ。それによりホルモンバランスの不調などが改善され、寝汗も減ってくることがある。それでも原因不明の寝汗がある場合は病院を受診し、原因を探る必要があるだろう。
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