2018年05月30日
音がないと落ち着かない!?「無音恐怖症」を克服する3つの方法
音がないと落ち着かない、モヤモヤする、静寂が苦手。だからいつでもどこでもスマホが手放せず、好きな音楽や動画をついつい見てしまう…。
もし、症状が当てはまるとしたら「無音恐怖症」かもしれません。
今回はさまざまな恐怖症の中の一つ、無音恐怖症の克服法について、医師に詳しく解説していただきました。
無音恐怖症とは
正式な病名ではありませんが、音のない静かな環境が苦手という方は多くいるようです。
症状
■ 静寂が怖く、雑音や人の声が欲しい
■ 用もないのに出かけて雑踏の中に身を置きたくなる
■ 静かだと眠れないために、繁華街の中にある住宅にわざわざ引っ越した
■ 音楽や動画を見ながらでないと、自分の部屋にいられない
無音恐怖症の原因
静かな自分の部屋より、適度に音があったり人の気配がある図書館や喫茶店のほうが集中して勉強・仕事できるというタイプの方は昔からいました。
しかし、勉強しながら動画を見たり、音楽を聴きながら眠りにつく習慣がつくと、今度は音がないと過ごせない、眠れない、落ち着かないということになり、自分は無音恐怖症だと考えるに至るようです。
静寂は孤独であり、死を連想させるという面もあります。スマホや音楽デバイスが発達し、無料で手軽に音楽や動画を見られるという、現代の環境が生み出した症状なのかもしれません。
無音恐怖症の克服法
不安を探り、掘り下げる
他の恐怖症や強迫観念と同様、どうしてその恐怖が生じたのかを医師やカウンセラーと考えます。恐怖症は、他に何か大きな不安があって精神が不安定になっているときに起こることもあるので、他に不安に思っていることがないかを掘り下げて考えます。
例えば、不安の原因は受験や仕事に対するプレッシャーや対人関係であり、無音恐怖症はそれに伴って起こっている場合があります。
そう認識したからといって、不安が解消するわけではありませんが、なんとなくモヤモヤ思っているだけよりも、意識に上らせることですっきりする場合もあります。
また、不安に正面から対処することで、付随して生じている恐怖症が改善することもあります。
少しずつ慣れていく
恐怖症や強迫障害の治療法として、少しずつ苦手な状況・物事に触れていき、慣れていくというものがあります。
いきなり無音で何時間も過ごすのは無理でも、「今日は10分だけ無音で勉強してみよう」と予定を立てて実行し、それを1週間続けられたら、次は20分、次は30分...と少しずつ伸ばしていくのです。
そうすることで自信がつき、いつの間にか恐怖感が薄れていきます。
趣味や楽しみを見つける
音が気にならなくなるぐらい熱中できる趣味や楽しみを見つけるのも効果的です。
また、不安が強く日常生活に差し支える場合は、不安を和らげる薬や睡眠薬の助けを借りることもできます。
その他にある「音」に関連する症状・病気
発達障害
自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群、注意欠如多動性障害などでは、聴覚を含め五感の過敏や偏った好みやこだわりが見られます。
音が非常にうるさく聞こえたり、不快な音が体に突き刺さるように聞こえて非常に不快で、パニックを引き起こしてしまうこともあります。聴覚過敏と呼ばれます。
ヘッドホンのような形をしたノイズキャンセリング用のイヤーマフを着用することで、雑音や不快な音をシャットアウトでき、集中できることもあります。
共感覚
音を聞くと頭の中に色を感じるといったように、一つの感覚刺激で複数の異なる感覚が呼び起こされる状態を共感覚と呼びます。
文字を見ると色がついているように見える、特定の形を見ると味を感じる、というようなこともあります。
精神疾患や神経の病気であるかどうかは議論がありますが、共感覚のある人は生まれた時からそのような感覚があるため、それに慣れており、特に不都合は感じていないことも多いようです。
様々なものに恐怖を感じる場合がありますが、生活に支障が生じるようであれば心療内科でご相談頂ければと思います。
タグ: 健康
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