2014年03月11日
ほうれん草のエキスが腸の消化を遅らせ満腹感を持続させる との調査結果
スウェーデンのルンド大学Charlotte Erlanson-Albertsson女史の調べで、ほうれん草から抽出したエキスには、食欲を抑える働きがあることがわかったという。ほうれん草のエキスに含まれる化合物には、食物の消化速度を遅らせる働きがあり、腸内で満腹ホルモンの分泌を促すためである。なるほど食べ過ぎ防止になる!と喜んだのも束の間、ほうれん草をいくら食べても痩せることはないそうだ。その恩恵に浴するには、ほうれん草を圧縮しエキスを絞りだして濾過し、遠心分離機にかけてチラコイド(葉緑体のチラコイド膜にある組織)を抽出しなければならない。
チラコイドが食べ物の消化速度を遅らせ、腸全体の動きを活発化させることは過去の研究でも明らかになっている。満腹ホルモンは食べ物が末端小腸に入った時点で分泌され、体全体に満腹であることを知らせるべく脳に伝わる。一方加工食品の場合、腸上部だけを活発化させるにとどまり、満腹ホルモンの分泌には至らない。同女史の言葉を借りれば「私たちの腸はいわば失業状態」。つまり消化速度を遅らせる方法がわかれば、腸を再びフル回転させることができるわけだ。
そこで同女史らのチームでは被験者に対し、前述の方法で抽出したほうれん草のエキスを投与したところ、人々はあまり空腹を感じなくなり、1日のうち食べたいと思う回数が減ったという。チラコイドを投与されていない対照群の人々に比べ、チラコイドを投与された被験者の方が1日3回のみの食事を容易に守ることができたそうだ。チラコイドはガラクトリピドやタンパク質、ビタミンA、E、K、抗酸化物質、βカロテン、ルテインなど何百もの物質から成っており、なかなか手軽に摂取できるものではないようだが、今後注目を集めるであろうことは間違いなさそうだ。
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