2014年12月19日
クモは自分の網にどうしてかからないの?
クモは私たちもよく目にするほど、ごく身近な昆虫のひとつ。クモの網は構造上多くの獲物を捕らえることができますが、クモ自体はスムーズに網を移動できるだけに、人間にとっては少々厄介ですよね。そこで今回は、クモがクモの網にひっかからずに動ける理由に迫ってみましょう。
■人間も納得の巧妙さ
外を歩いていてうっかりクモの網に引っかかってしまったことがある人も多いはず。実際にクモの網の原理を利用して魚捕り用の網が作られるなど、その巧妙なつくりは人間の身近なところにも応用されています。
この網はクモが自分から出し、縦糸と横糸を使ってらせん状に張られます。横糸だけは粘り気を帯びていて、よく見ると光ってみえるはず。これが獲物を網に引っ掛ける役割を担っているのです。ちなみに網の中心部分は縦糸だけが交わってつくられており、クモは通常この位置に陣取っています。
クモの種類によっては夜間だけ網を張ってそれ以外の時間はキレイに片付けるもの、不規則な網を張るものなどもいますが、一般的な網であれば完成まで1時間ほどになります。
■クモの足には油がある?
クモの生態系に関してはまだまだ研究不足なところがありますが、一説にはクモの足から油が出ており、粘り気のある糸が絡まらない構造になっていると考えられています。実際に揮発油でクモの足をふき取って網にもどすという実験が行われた結果、クモは上手に移動できなかったのだとか。
しかし、クモの足を拭き取らずに麻酔だけをした実験結果でもクモは上手に移動できなかったために、油の有無だけが原因ではないとも考えられます。横糸をうまく避けることも網の上を上手に移動するカギになることでしょう。
■クモの巣とクモの網の違い
現代では一般的に「クモの巣」という呼び方が普及していますが、厳密にはすべてが「巣」ではなく、獲物を捕るための「網」としてだけ機能しているものもあります。「巣」と「網」がつながっていることも少なくないため、なかなか人間には判断がつかないことも。
基本的にはどちらで呼んでも意味としては伝わります。
厄介なクモの網もその研究がさらに進むことで、われわれ人間の生活にもさらに活かされる機会がでてくるかもしれません。もし近所でクモの網を見かけたら、ぜひ一度ゆっくり観察してみるのも良いかもしれませんね。
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