2015年12月23日
一生使える照明器具LED照明の真実
照明器具の定番となった「LED」。一般的なLED照明は「5年で寿命」と言われていますが、「暗くなるだけ」なのはご存じでしょうか?
LED照明の寿命は、明るさが新品の7割になったとき、と決めているだけで、白熱球や蛍光灯のように点灯しなくなるわけではありません。買ってすぐ切れた!なんて話は「故障」がほとんどで、LEDは熱に弱く、熱がこもる場所に取り付けるとあっという間に壊れてしまいます。取り付け場所にあった製品を正しく使い、多少暗くても気にしないひとなら「一生もの」の照明器具なのです。
■身を削りながら輝く白熱球
LEDが発明されたのは1907年、実用化は1961年と、意外と長い歴史を持っています。最初は赤しかありませんでしたが、時間が経つにつれて黄色やオレンジ、緑や青も作れるようになりました。テレビのリモコンも赤外線LEDを利用したものが主流で、LEDは現代の生活に欠かせない存在といえるでしょう。
LED照明が普及したきっかけは何でしょうか? 答えは青色LEDが発明されたから。白い光なのに?と思うでしょうが、照明器具のほとんどは青色LEDに黄色い蛍光体を取り付け、青+黄によって「白」を作り出しているのです。もし本当の白を作るなら、光の三原色である赤・緑・青の3つのLEDが必要になり、コストが跳ね上がってしまいます。そのため青+黄が主流になっているのです。
LEDはなぜ「低消費電力」なのに「長寿命」なのでしょうか? じつはこの2つは「同じ」話題で、効率良く光を発する構造が、消費電力と寿命のカギとなっているのです。
もっともシンプルな構造である豆電球や白熱球(はくねつきゅう)は、ある意味でドライヤーや電気ストーブと同じで、電気が流れ、発熱し、その結果として「光」を放つ構造なので、光源としては極めて効率の悪い仕組みです。また、自分の発する熱でフィラメントは少しずつ蒸発しているので、比較的短時間で寿命を迎えます。
蛍光灯は白熱球よりも効率的な構造ですが、標準的な製品の寿命の目安は、
・白熱球 … 3,000時間
・蛍光灯 … 12,000時間
といわれているので、このまえ交換したばかりなのに!も当たり前の話。とくに蛍光灯はOn/Offを繰り返すと寿命が縮まるので、省エネとは矛盾した器具ともいえるのです。
■人生3割で寿命を迎える?
対するLED照明はまだ安いとは呼べないものの、同じ明るさなら消費電力は1/3〜1/2ほど、寿命は40,000時間と、圧倒的に「お得」なスペックを持っています。しかも40,000時間経っても「切れる」わけではないので、一生使えてもフシギではありません。
なかば強引に発光している白熱球に対し、LED照明はムリなく「光」を作り出すため、ほとんど劣化しませんし、蛍光灯のように黒ずんで使えなくなることもありません。ただし少しずつ暗くなってゆくので、「明るさが70%に減ったとき」が寿命と定められているだけなのです。
劣化のペースが一定で、1日8時間点灯した場合、明るさがゼロになるのは13万3千時間後、45.6年先まで使える計算となります。LED以外の部品が寿命を迎えるなど、実際それほど長くは保たないでしょうが、短時間しか点灯しないトイレ、多少暗くても気にならない寝室なら、一生使える照明器具と表現できるでしょう。
せっかくLED化したのにもう切れた!的な話は、ほとんどが熱による故障。LEDは熱に弱いので、充分に放熱できない場所では故障率は圧倒的に高くなります。とくにダウンライトは火災につながる可能性もありますので、交換する前に専門家に相談すると良いでしょう。
・LEDが発明されたのは、100年以上も昔
・ほとんどのLED照明には、青色LEDが使われている
・寿命は「明るさが70%に減る」までの時間
・充分に放熱できないと、あっという間に故障する
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