2015年12月29日
ゾウは人間よりガンにかかりにくい? ガンを抑制するタンパク質を作る遺伝子が多いことが判明
国民の2人に1人がかかる病気といわれるようになった「ガン」。
いうまでもなく、適切な治療を行わなければ、命にかかわる病気です。ガンが発生する原因については、喫煙、化学物質の暴露、ホルモンななどの変化といった、実に様々な原因があります。そのため、治療が難しいケースがまだまだ多いのが実状です。
ガンについて、面白い研究が行われています。同じほ乳類で、体が人間よりもはるかに大きいゾウは、なぜかガンにかかりにくいことがわかっています。その理由を探れば、ガンを防ぐことができるのではないかというものです。
ゾウの一生は、50年から70年。人間とさほど変わらないのですが、体が桁違いに大きいですから、細胞の多さも比べものにならないくらい多いです。それにもかかわらず、人間は11〜25パーセントがガンで亡くなっているにもかかわらず、ガンで死亡するゾウは全体の5パーセント程度だといわれています。
JAMA(米国医師会雑誌)に寄稿された論文の共同執筆者ユタ大学医学部 ハンツマンがん研究所のジョシュア・シフマン博士の論文によると、ゾウは人間よりも細胞の数が圧倒的に多く、人間と同じ免疫システムを持っているなら、ガンで全ての個体が死滅して、ゾウという種はなくなっているはずだと指摘。
その上で、腫瘍の発生を抑制するP53というタンパク質を生成する遺伝子が、人間は2つしかないにもかかわらず、ゾウはP53を生成する遺伝子を38持っていることを触れ、これがゾウがガンで死亡しにくい原因ではないかと指摘しています。
シフマン博士の主張は、これからの実験がまたれますが、ひょっとするとゾウが作り出すがん細胞を撃退するタンパク質を人工的に開発して、注射だけでガンを押さえられる治療法が開発されるかもしれませんね。今後の動向に注目したいです。
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