2016年12月29日
睡眠不足は食欲を増加させる しかもスナック類に手が伸びがち...
米イリノイ州シカゴ大学とウィスコンシン州ウィスコンシン医科大学、ベルギー、ブリュッセル自由大学の研究者らは、睡眠不足になると食欲調節や報酬系の制御に関わる「2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)」という物質の血中濃度が上昇し、食べることへの欲求が高まっているとする研究結果を発表した。
2-アラキドノイルグリセロールは神経伝達物質のひとつ。脳に多く存在し、記憶や認知、運動、報酬系の制御のほか、食欲調節に関係し、大麻に含まれる化学成分「カンナビノイド」の受容体(受け皿)としても知られている。
研究では、健康な成人14人を睡眠不足(4.5時間)状態と、十分な睡眠(8.5時間)をとった状態で4日間観察。ぞれぞれの状態での2-AGの血中濃度と空腹感、食欲、食事内容を調査している。
その結果、睡眠不足の状態では夕方ごろまで2-AGの血中濃度が高い状態となっており、15〜18時ごろには強い空腹感や食欲を覚え、クッキーやポテトチップスなどの間食を摂りたがる傾向にあった。
食事内容も、十分な睡眠をとった状態に比べると、脂肪の多い食品を2倍以上摂取しており、1日の摂取カロリー量を満たす食事をした後でも、間食への欲求が抑えられなくなっていたという。
研究者らは因果関係までは不明としつつも、「十分な睡眠をとれば自然に不健康な食事や過度な食欲を抑制できる可能性を示唆している」とし、今後も検証を続けていくという。発表は2016年3月1日、米国睡眠医学会誌「Sleep」オンライン版に掲載された。
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