2018年01月31日
「高齢だし寝られなくて当然」はNG! 目指せ7時間睡眠
睡眠には健康の維持やアンチエイジングの働きがあるが、それらに最適な睡眠時間はどれくらいだろうか? また、人は年を取るほど睡眠時間が減る傾向にあるが、高齢者は短時間睡眠でよいのだろうか?
最近の研究では、睡眠時間は短すぎても長すぎても適切でないということが明らかになりつつある。
□長生きのために一番良い睡眠時間は?
健康、長寿、アンチエイジングに最適な睡眠時間は7時間程度だという知見が数多く得られている。
寿命と睡眠時間の関係を調べたアメリカでの大規模調査では、睡眠時間が7時間の人が最も死亡率が低く長寿であり、睡眠時間がそれよりも短くても長くても、寿命が短くなるということが分かった(※1)。心臓病の発生率と睡眠時間の関係を調べた研究では、7〜8時間睡眠の人が最も発生率が低く心臓病になりにくいという結果も出ている。
□アンチエイジング 目指すならやっぱり7時間睡眠
7時間睡眠を支持する根拠は他にもある。成長ホルモンは、アンチエイジング系ホルモンの中心ともいえる重要なホルモンで、1日の分泌量の約7割が睡眠中に分泌され、そのうち約7割が眠り始めの2〜3時間の間に分泌される。
その後全身に行きわたり6時間ほどかけて働く。このように、成長ホルモンは7時間の睡眠時間で十分に機能を発揮することが分かっているので、アンチエイジングのためには7時間の睡眠を確保することが重要といえるだろう。
□「年だから寝られなくても当然」はダメ! 6〜9時間は寝たいところ
人は年を取るほど睡眠時間が少なくなる傾向にある。思春期の睡眠時間は平均8時間程度だが、特に高齢になると睡眠が浅くなったり、特別早寝でなくても極端に早起きするようになったりする。しかし、高齢者だからといっても決して睡眠時間が短くていいわけではないのだ。
国立長寿医療研究センター(NCGG)などの研究によると、高齢者でも6〜9時間の睡眠が適していることが分かっている。そして、睡眠時間が短すぎても長すぎても、身体能力などに影響が出るという。
□高齢者の睡眠時間と身体能力の関係
NCGGが65歳以上の1万297人を対象に行った調査では、睡眠時間が短い(6時間以下)場合、体重減少、活力低下、歩行速度低下が見られた。また、睡眠時間が長い(9時間以上)場合にも、同様に体重減少、活力低下、歩行速度低下が見られたうえに握力低下もあったという。
これらの要素が悪化すると要介護状態に発展するため、高齢者の睡眠状況の把握と改善は、高齢者の健康・長寿にとって大切な役割を果たす可能性が示されたといえる。
このように、健康には長過ぎず短すぎない7時間程度の睡眠が最も適していると考えられている。しかし、実際の睡眠サイクルは人それぞれで、「必要睡眠量」には「個人差」がある。この必要睡眠量は睡眠の質、生活、季節などによっても変わるので、翌日に眠気を感じることなく快適に生活できるような睡眠時間が最適であるといえるだろう。
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