2018年06月29日
意外と知られていないリンパ節の働き! 効果的なマッサージ法とは
リンパマッサージがダイエットやむくみ解消に効果的という話はよく聞くかと思います。ですが、そのマッサージにはリンパ節が大きくかかわっているということをご存知でしたか?
今回はリンパ節の働きや、効果的なマッサージ方法を紹介します。
要チェック項目
□リンパ節はリンパ管が集中する部分
□リンパ節にはリンパを濾過したり、病原体をせき止める働きも
□リンパの流れを良くするためには、リンパ節をマッサージするのが効果的
リンパ節とは
リンパ節とは、リンパ管が集中している部分のことです。身体には血液と同じく、リンパ液という液体が流れているというのはご存知でしょうか?
血液中の血漿という成分の一部が血管の外に染み出し、リンパ管に吸収されると、リンパ液として体中をめぐっていくようになります。
リンパ液は血液が血管を流れるのと同じように、体中のリンパ管の中を流れていくのですが、その経路の中でも特にリンパ管が集中しているとこを「リンパ節」といいます。体の中にはリンパ節が約数百個ほど存在しております。
特に重要なリンパ節としては、鎖骨・頚部(けいぶ:首周辺)・腋窩部(えきこうぶ:脇周辺)・腹部・骨盤部・鼠蹊部(そけいぶ:足のつけ根付近)・膝窩部(しっか:膝の裏)などがあります。
リンパ節はリンパ液のろ過施設
リンパ節にはリンパ液をろ過するという働きがあります。もともとリンパ液には不要になった老廃物や蛋白成分などを回収しながら心臓へと送るという役割を持っているのですが、
リンパ節ではその老廃物などをいったん回収し、そしてリンパ液をろ過してから再び別のリンパ節へと送り出していくのです。つまりリンパ節は、老廃物などを回収しする預り所のようなものですね。
リンパ節を出発したリンパ液は、また別のリンパ節を目指し、最終的には鎖骨リンパ節→鎖骨下静脈→心臓とめぐり、再び血液に取り込まれ、リンパとしての役割は終了します。
リンパ節には病原体をせき止める働きも
またリンパには体の防御機能にも大きな役割を担っています。リンパ液には白血球も多く含まれており、血液中に侵入してきた細菌などの病原体から体を守ってくるのですが、リンパ節にはこの病原体をせき止める役割もあるのです。
また白血球にもいろいろな種類があるのですが、中でもリンパ液の中に多く含まれているのは「リンパ球」と「単球」ですね。それぞれの特徴は以下の通り。
リンパ球
リンパ球は免疫機能を担っている白血球です。体内に入ってきた病原体に対して、有効な武器(抗体)を作りながら戦ってくれます。
そしてその次にその病原体が入ってきたときに備えて、作った抗体の因子を記憶し、免疫を作り出すという働きもあります。
単球
一方の単球は体内に侵入してきた細菌などの病原体を攻撃する白血球です。リンパ液の中に入るとマクロファージと呼ばれる成分に変性し、細菌たちを捕食しながら排除していきます。
このように病原体に対して有効に働いてくれるリンパ球と単球なのですが、その働きをサポートしているのがリンパ節というわけですね。
先ほどもリンパ液が運んできた老廃物などを回収すると説明しましたが、基本的にはこのように不要なものを処理する場所と思っていただいて構いません。
リンパの流れが悪くなるとどうなるの?
リンパ液は主に、末梢の組織中にある毛細リンパ管に、血液がしみ出した成分である組織液が移動することによって生成されます。そこから体中をめぐっていきます。
しかもリンパは常に心臓から送られ続ける血液と違って、筋肉の収縮や弛緩によって流れ始めます。つまり筋肉が動いていない時はリンパはほとんど流れていかないのです。
極端にいえば、全く動かない状態であれば、リンパの流れが0になることだってあります。そしてリンパの流れが悪くなると、最初に体のむくみや肌荒れ、便秘などが引き起こされてしまうことに。
そうならないためにも、普段からマッサージなどを行っておきたいところです。
さらに体のどこのリンパ節で流れが滞っているかによっても発生するトラブルは変わってくるので、自分の体と相談しながら、どこをマッサージすれば効果的かを考えて行っていきましょう。
各リンパ節で起こり得るトラブルは以下の通りです。
頸部リンパ節
首にあるリンパ腺だけあって肩こりや頭痛など、肩と頭の両方に影響します。また自律神経が乱れたり、顔がむくんで二重顎などになってしまうことも。
ここをマッサージする場合は両手を首に当て、片方の手は耳側へ、もう片方の手は肩側へ、さするようにマッサージしてください。
鎖骨上・鎖骨下リンパ節
より肩に近い部分なので、ここでリンパが滞ってしまうと慢性的な肩こりが発生してしまいます。またリンパが最後に合流するところでもあるので、もっとも流れが滞りやすい場所。
それ故に肩こりや疲れが慢性的になってしまいがちなのです。またそこから肌トラブルにつながったり、しこりのようなものができてしまうこともあります。
ここをマッサージする場合は、鎖骨を人差し指と中指でつまみ、外から中にゆっくりと押し出してあげるように指を動かしてください。
腋窩リンパ節
手からスタートしたリンパが最初に通る大きなリンパ節です。ここが滞ってしまうと、二の腕のたるみや肩こりなどが起きてしまいます。
ここをマッサージする場合は4本の指を使って、手首から脇の方へ向かってゆっくりとさすりあげてください。
腹部リンパ節
その名の通りお腹周りにあるリンパ節です。内臓や性器周辺の健康にかかわっており、ここが滞ると便秘や生理不順、子宮・卵巣の病気などを引き起こしてしまいます。
ここをマッサージするには、手のひらをおなかにあてて、おへそを中心に時計回りにさすっていくと良いでしょう。
鼠蹊リンパ節
両足のつけ根にあるリンパ節で、ここが滞ってしまうと下半身のむくみや生理痛などを引き起こしてしまいます。
ここをマッサージするには、膝の上から足のつけ根に向かって、手のひらでさするように行ってください。外もも側と内もも側を両方やるとさらに効果的です。
膝窩リンパ節
膝の裏にあるリンパ節です。最もむくみやすい箇所でもあります。それもそのはずで、下半身のリンパはここに集中しており、別名「第2の心臓」とも呼ばれる重要なリンパ節だからです。
足がむくみやすくなるのはそのせいだからですね。また冷え性やひざ痛もここのリンパが滞っていることが原因となります。
ここをマッサージするには両方の手を使って、手のひらでふくらはぎから膝の裏にかけてさすっていくようにマッサージをしてください。
などなど。少し注意してほしいのは、マッサージをする際は力を入れてはいけないということです。
力を入れすぎてしまうと、毛細血管や筋肉にダメージを与えてしまい、内出血してしまう恐れがあるからです。むしろほとんど力を入れず、さするくらいで構いません。
またどの箇所をマッサージするにしても、リンパの流れに沿ってさすってあげるのがポイントです。リンパの流れが良くなると、お通じが良くなったり、代謝が上がってダイエット効果なんかも期待できます。
マッサージ以外でもリンパの流れをよくできる
もちろんリンパが筋肉の収縮によって動くということは、マッサージだけでなく運動をすることも効果的です。特に事務仕事をしているという方は、長時間同じ姿勢での作業になりがちかと思います。
そうなるとリンパの流れは悪くなりやすくなるので、こまめに体を動かしておきたいですね。
リンパの流れを良くするためには、ラジオ体操程度の軽い運動(ストレッチ)が良いと言われています。手や腰をしっかりと伸ばす、ひざを曲げる、股関節を軽くほぐすなどなど。
仕事中にあまり体を大きく動かすのは難しいですが、これらをするだけでもむくみに対してはかなり有効です。
とにかく長時間身体を動かさないという状況が、リンパの流れを悪くしてしまう原因となります。体が少し疲れてきたな…と思う前に、こういったストレッチを取り入れていきましょう。
もちろん家でリンパマッサージを行っておくと、さらに効果的です。
リンパ節は大切に扱おう
いかがだったでしょうか。リンパ節の働きを知ると、より一層マッサージにも余念がなくなってくるかと思います。ですが力を入れてはだめですよ。
リンパ節はやさしく、大切に扱ってください。
タグ: 健康
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