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「犬は人間のパートナー」に納得!ヒトと犬で共通する遺伝子があった

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「犬は人間のパートナー」というが、犬にもそれぞれ性格がある。怖がりの子、フレンドリーな子、やんちゃな子・・・・・・。狼から現代の犬への進化の過程でヒトとの距離を縮めてきた犬だが、その進化の過程で何が起きているのだろうか? その
一つの可能性として、ヒトとの距離感を決める遺伝子が発見された。

□ヒトとの距離感を決める遺伝子
今回分かったその遺伝子は、26番目の染色体に存在するSEZ6Lという遺伝子。この遺伝子の中に、ヒトとの距離が近く、身体的な接触をする時間を長くとりたがるような犬に共通する遺伝子情報が含まれているということが分かった。言ってみれば、ヒトとの社会性を高める遺伝子が発見されたのである。


□ヒトと犬に社会性を決める共通の遺伝子
この発見をしたのがスウェーデンのリンショービング大学の研究チーム。彼らは190頭のビーグルの遺伝子を、SNPタイピングという方法を使い解析した。その結果、上で紹介したような、ヒトとの社会性が高い犬に共通の遺伝子を発見したのである。

さらに驚くべきことに、同じ染色体領域にある遺伝情報に、ヒトの社会性を決めるものと同じ遺伝子があった。つまりヒトと犬で社会性を決める遺伝子が共通していたのである。

□ヒトの社会性障害の解明につながる可能性
そしてこの遺伝子の中には、ヒトの自閉症や青年期のADHD(注意欠如・多動性障害)に影響する遺伝子も含まれていた。この研究を行ったイエンセン博士は「もし、この遺伝子が他の種の犬でも確かめられたら、ヒトの自閉症などの社会性障害について解明することにつながる可能性がある」と語っている。


□腸内細菌が犬の性格に影響
では犬の性格は遺伝子が決めてしまうのだろうか? 実は犬の性格に関しては他にも面白い研究がある。こちらは同じ北欧のフィンランドにあるヘルシンキ大学の研究。


この研究チームは、同じ食事を食べさせているジャーマンシェパードで、異常に活発な性格の子とそうでない子の血液成分を比較した。すると、異常に活発な子では、血中のトリプトファン代謝物の濃度が低いことが分かった。この代謝物は、腸内細菌がトリプトファンを分解しないと作られないことが分かっている。つまり、腸内細菌の違いにより、異常な活動性がもたらされたと考えられる。

□犬の性格とヒトのADHDに共通するもう一つの要因
さらに、その異常な活動性のある犬では、ヒトのADHD患者と同じく血中の脂質レベルが低いことも分かった。やはりヒトのADHDとある種の性格を示す犬には共通した要因がいろいろあるのかもしれない。


犬はヒトのパートナーとして数千年の歴史を持つ。昔は狩猟犬や牧羊犬として、今は警察犬や盲導犬、災害救助犬などとして、さまざまな分野でヒトのために働く犬も少なくない。もちろん、犬を飼うことは我々に癒やしを与えてくれ、セラピードッグとして活躍する犬もいる。それだけではなく、今回の実験のようにヒトの病気の解明にも、犬は貢献してくれるのかもしれない。共通の遺伝子を持った犬との関係が、ヒトにもたらすメリットは非常に大きい。





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