2018年10月22日
日本の子どもの肥満事情「太ってる」この言葉がより子どもを太らせる
□2種類の肥満と特徴 「皮下脂肪型肥満」「内臓脂肪型肥満」
糖尿病や高血圧、心筋梗塞など、肥満が原因で起こりうる病気はさまざまだ。
肥満と一言でいっても、二つのタイプがあるという。皮膚のすぐ内側に脂肪が蓄積される「皮下脂肪型肥満」と、内臓の周辺に脂肪が蓄積される「内臓脂肪型肥満」だ。
最近特に問題視されているのは内臓脂肪型肥満であり、皮下脂肪型肥満とは違い外見から肥満であることがわかりにくいので注意が必要とされる。
□見た目の問題だけじゃない「メタボ」は内臓脂肪型肥満
また「メタボ」と略される「メタボリックシンドローム」は、内臓脂肪型肥満の状態で高血圧症や脂質異常症といった複数の病気や異常を併発していることを指す。それぞれの病気や異常が軽度のものであっても、それらが重なることによって、さらなる病気のリスクが増すことになる。
□肥満、太る原因は一体何? 日本でも肥満は増加傾向
肥満を招く原因としては、過食はもちろん、欠食や間食、夜食といった偏った食事摂取をはじめ、遺伝、エネルギー生産障害などがある。さらに欧米化による食生活の変化や、交通機関の発達による運動不足などといった生活環境の変化によって、日本においても肥満の人が増加している傾向にあるという。
□子どもの肥満と傾向 日本の男子高校生の10人に1人が肥満!
日本の肥満をめぐる問題は子どもたちにも及んでいる。文部科学省が行った調査によると、男子高校生のおよそ10人に1人は肥満であるという結果が出ている。
これは、子どもが大人の生活リズムに同調することによって引き起こされる生活習慣の夜型化や、食事摂取の時間帯の変化など、子どもたちの生活の乱れによるものではないかと考えられている。
□子どもの肥満 「太っている」といわれることでますます太る?
そんな子どもの肥満に関する興味深い研究結果がオーストラリアで発表された。
4歳から5歳の小児約3500人を対象に、親から過体重であると認識されている子どもと、親から適正体重であると認識されている子どもを比較したところ、13歳に至るまでの体重の増加幅について、前者の方が明らかに大きくなるということが分かった。
自分の子どもが太っていると普段から気にしている親は、子どもに対して「太り過ぎ」などといった肥満について警告的な表現をしがちだ。子どもに対する「太っている」という言葉こそが子どもを過食へと駆り立てる原因となってしまい、逆効果になりかねないという。
□求められる小児肥満の予防と健康対策
本来、成人が発症する病気とされていた生活習慣病が子どもにも増加していることから命名された「小児生活習慣病」も、肥満が原因であるとされている。
これらの病気を避けるためにも、肥満につながる要因と関係する周囲の環境についてより詳しく考察し、健康対策として取り組んでいく必要がある。
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