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LED光で栽培すると野菜収穫量がアップ?植物の体内時計調整がカギ

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工場で作るのは機械の部品や加工食品だけではない。今や野菜までも工場で作る時代になった。ビジネスにするとなると、いかに効率よく収穫量を上げるかという課題が出てくる。

そのカギを握っているのは、人と同じく植物も持っている体内時計だという。植物工場では、野菜がどのように栽培されているのだろうか。

□ハイテク植物工場 LED照明で野菜を栽培 
工場内は赤色の照明で照らされている。照明の下には、ずらりとレタスの苗が並んでいる。この植物工場では、山口大学農学部とある化学メーカーの共同研究チームが開発した、LED照明を使った特殊な栽培法が採用されている。

一般的な水耕栽培では照明に蛍光灯かLEDを用いる。この植物工場はLEDを採用しているが、他の植物工場と違うのは、赤色と青色の2種類のLEDを使って、野菜ごとに違う最適な赤色と青色の光の割合を見つけ出し、交互に照射して栽培するという点だ。




□2色LED栽培で出荷サイクル短縮 収穫量は2倍に
研究チームによると、蛍光灯を照らして栽培したリーフレタスは収穫までに42日かかる。ところが、赤青2色のLEDで栽培した場合は、なんと32日で収穫でき、出荷サイクルの短縮に成功した。

 また、同じ日数、栽培した場合では、赤青2色のLEDで栽培したリーフレタスは蛍光灯栽培のものより2倍もの大きさになっていた。

つまり、出荷サイクルを短縮した上で収穫量が2倍になるという画期的な栽培方法なのだ(※2)。おまけに、ご存じのようにLEDは電気代の節約にもつながる。

□野菜の成長を光でコントロール
赤と青を交互に照射すると成長が早くなるのは、どのような仕組みなのだろうか。まず、植物の成長は光の波長によって促される部分が違う。

植物の種類によっても違うが、例えば、青色の光では茎が伸びる、花が咲く。赤色の光では幅広い葉になる…といった具合である。赤でも青でも、さまざまな波長を表現できるLEDは、植物工場にうってつけの照明というわけだ。

本来は、こうした成長は、毎日の太陽の光の変化や、季節の変化とともに、行われていることなのだが、これを人工的に操作しているのだ。

□植物の体内時計が狂うと収穫量が増える?
アサガオが朝咲くのは植物も体内時計を持っているから、という話はご存じの方も多いかもしれない。このように開花や光合成のタイミングは体内時計の制御を受けている。

しかし、LEDを使って人工的に光の刺激のタイミングを変えてしまえば、当然、体内時計は狂う。これを利用しているのが植物工場の栽培だ。

実は、体内時計に関係する3つの遺伝子があるのだが、この遺伝子が消失して体内時計が狂うと、開花時期が遅れる、乾燥や温度変化などのストレスに強くなって最終収穫量が増える、などの変化があるという。

植物工場に関する研究は、世界の食糧問題や農業が難しい地域での収穫に役に立つと考えられている。安定的に食糧を確保できるようになると期待は大きい。





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