2019年08月26日
鼻毛脱毛は危険?「抜くor切る」医師が教える正しい鼻毛処理
人と話をしている時に、ふと目が行き気になるのが鼻毛問題…。特に人と接する機会が多い接客業などの方は、念入りにお手入れをされているはず。
中にはブラジリアンワックスで鼻毛脱毛をしている人もいるかと思いますが、そもそも鼻毛は抜いて良いものなのでしょうか?
気になる鼻毛脱毛に関する疑問や正しい鼻毛処理方法を、耳鼻咽喉科の岡田先生にお話を伺いました。
鼻毛の役割
鼻の穴から異物が侵入する鼻毛は人体、特に気道を守るために生えています。主な役割としては2つあります。
体内への異物の侵入を防ぐ
外からの異物が体内の深部に入らないようにするため、その毛によって異物をひっかけます。蜘蛛の巣のようなイメージです。
鼻毛がないと、外からの異物が直接、鼻、喉、気管へと侵入してきます。この気道のルートにおいて、鼻毛のような役割を担うものは後にも先にもありません。
保湿
多くの鼻粘液と皮脂をまとった太く短い硬毛である鼻毛は、外からの乾燥した空気が直接気管を刺激することを防ぎ、さらに鼻腔の粘液の湿度を保つことによって鼻の防御機構を助けます。
鼻毛がないと風邪を引きやすい?
前述の鼻毛の役割の説明の通り、鼻毛は体の防御機構の役割を担っているので、感冒にかかりやすくなる可能性があると想像することができます。
しかし、実際には、鼻毛の存在がどのぐらい感染症を予防できるかどうかは、はっきりとした報告が乏しいのが現状です。
鼻毛が伸びやすいタイプ
埃が多い場所に長い間いる人
より異物を体に入れないように、鼻毛が伸びやすい傾向があるかもしれません。
男性
男性は壮年〜老年で鼻毛の硬毛化(太く短くなること)が起こります。性差があることからも鼻毛の成長と性質にはホルモンによる影響が考えられます。
鼻毛脱毛の効果
脱毛という行為にのみに着眼すると、鼻毛を毛根から抜くことが出来るため、脱毛の効果は高く、また効率的ともいえることが出来ます。
鼻毛脱毛のリスク
ブラジリアンワックス脱毛
ブラジリアンワックスで行う場合、鼻毛のみではなく、鼻の皮膚や粘膜ごと剥がしてしまいます。そのため、剥がした部分は炎症を起こす可能性があります。
医師のほとんどがブラジリアンワックスで行う鼻毛脱毛に関しては、反対の立場を取るでしょう。
皮膚と違い、鼻の粘膜は弱く、ブラジリアンワックスによる鼻毛脱毛は体を傷つける過剰な行為だからです。
毛抜き
安全ですが、その行為が刺激になって、くしゃみなどが出るようになります。
レーザー脱毛
鼻の粘膜も傷つくので、鼻にとっては良くありません。
鼻毛カットの注意点
鼻毛カッター
比較的安全な方法と言えますが、鼻粘膜に刃を押し付けると粘膜が傷つくので注意が必要です。
最も安全な方法と言えます。清潔な鼻毛切りハサミで無理のないように手入れをしてください。
正しい鼻毛処理方法
鼻毛切りはさみで鼻毛をカット
鼻毛を手入れする際には、見た目上、問題になる鼻毛の部分のみを、鼻毛切りハサミで手入れするようにしてください。
鼻毛刺激によるくしゃみの誘発は人体にとって大切な防御反応です。
鼻の粘膜を傷つけるような手入れは、そのような防御反射を減らし、寝ている間に鼻毛のない鼻腔に虫が侵入することを容易に許してしまうかもしれません。
タグ: 健康
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