ラムについて 0
全133件 (133件中 1-50件目)
【ケーンアイランド キューバ】ケーンアイランド キューバもちろんキューバのラムです。ケーンアイランドはオランダのインフィニティスピリッツ社のブランドです。ここのやつは「オーストラリア」や「バルバドス」など幾つか飲んでどれも美味しかったのですが、それらは「シングルエステート」というシリーズで、オーストラリアならビーンリー蒸留所、バルバドスならフォースクエア蒸留所というように単一の蒸留所のラムでしたが、今回の「キューバ」は「シングルアイランド」というシリーズで、キューバの幾つかの蒸留所のラムをブレンドしたやつだそうです。インフィニティスピリッツ社の人は、巨大ラムブローカー・EAシーア社のブレンダーだそうなので、ブレンド技術もハイレベルだと思われます。度数は40%、アメリカンオークカスクで3~5年熟成させたラムのブレンドだそうです。キューバといえば「ハバナクラブ」が一番メジャーなブランドですが、僕が一番好きなのは「サンチアゴ・デ・クーバ11年」、2番は「ロン・キューベイ レゼルヴァ・エスペシャル」。今回のやつはどれ系統でしょうか。香りも味わいもとても優しく、バニラ、キャラメルにグレープかプラム系のフルーツ、それに強すぎないオークの風味があります。とても滑らかで、ネガティブな要素が無く、たちまち減っていくタイプのラムです。系統としてはロン・キューベイに最も近い感じで、お値段も手ごろなので普段飲みラムとして最適。と言っても僕は全てのラムを普段飲むので、普段飲みというカテゴリー自体が存在しないのですが、とにかくそのような雰囲気のラムだと思います。【僕の評価】5段階中4P3倍ケーンアイランド ジャマイカ 700ml 40度 ラム RUM ラム酒 スピリッツ 長S誰でもP3倍は 8/4 20:00 〜 8/11 1:59まで価格:4,378円(税込、送料別) (2023/8/4時点)
2023.08.05
コメント(2)
【サンチアゴ デ クーバ11年】サンティアゴ デ キューバ11年キューバのラムです。以前飲んで素晴らしく美味しかったサンチアゴ デ クーバ11年とラベルのデザインが違うやつが国内販売されはじめました。これまで国内ではアネホ(7年)、12年は流通していましたが、なぜか11年はこれまで見かけませんでした。僕的には12年よりも11年が好みなので嬉しい限りです。さて、中身は一緒でしょうか。嬉しいことに同じでした!もしかしたら違うのかもしれませんが、僕レベルでは全く同じに思えます。キューバンラムの特徴であるコラムスティルによる滑らかさと、しっかりした味わい、風味の複雑さが素晴らしい、世界有数のラムだと思います。この香りや味わいのフルーティーさ、柔らかなブドウ、プラム、ネクタリン系の感じは、12年のキャラメル優勢の風味より僕の好みです。キャラメル系の風味は他のラムでもよくあるから、ということもありますが、この滑らかさと爽やかさのバランスは際立っていると思います。素晴らしいラムを輸入してくださった株式会社ウィックさん、ありがとうございます!【僕の評価】5段階中5+
2023.02.10
コメント(0)
【ロン バルセロ インペリアル 40周年】ロン バルセロ インペリアル40周年ドミニカのラムです。久しぶりのバルセロです。今回のやつはバルセロ・インペリアルが誕生して40周年を記念してのプレミアムブレンドです。30周年のプレミアムブレンドから早くも10年、時の流れは早いものですね。海外の様々なサイトによると(サイトごとの違いがあって正確には不明)、熟成に使用されたカスクなどはノーマルのバルセロインペリアルと違いはなく、熟成年数が大幅にアップされているバージョン、ということのようです。スペイン系ラムとしては珍しく度数43%と今風。ボトルや外箱は高級感あふれるデザインですが、僕としてはどちらでもいいところです。香りはいつものバルセロインペリアルに似た、チョコレートとカラメル、バニラなど。味わいもやはりバルセロインペリアルそっくりで、柔らかくて濃い系のスパニッシュスタイル。キャラメルとチョコレート、ヨーロッパ的な深煎りコーヒー、ハニーバターなどの風味。とても飲みやすく、クセがなく、それでいて丸みを帯びた濃い口の味わいです。はっきり言って風味・味わいはノーマルのバルセロインペリアルとの差は大きくありませんが、それだけバルセロインペリアルの完成度が高いということで、僕的には前回のシャトーデュケーム(というワインらしいです)カスク使用バージョンより却って印象深い一本です。ノーマルとの価格差をどう捉えるか、ということが焦点、という感じです。最後に、加糖量が少し気になりました。表示は無いので、どれだけ加糖されているかは不明ですが、まあまあな量が加糖されているのではないかと思います。これだけ美味しいければ、加糖しなくても充分美味しいと思うのですが、メインの商圏(スペインが主な輸出先だそうです)では、こういう感じがウケるのでしょう。【僕の評価】5段階中の4ロン バルセロ インペリアル プレミアム ブレンド 40周年記念ボトル 43度 700ml価格:21980円(税込、送料別) (2023/1/11時点)
2023.01.28
コメント(0)
【ディクタドール エピソディオ 1 1996】ディクタドール エピソディオ1996コロンビアのラムです。ディクタドールのレギュラーラインナップとは別に、マスターブレンダーのエルナン パーラさんが熟成させた限定品とのことです。このエピソディオというシリーズだけでも熟成年数や使用カスク違いのバリエーションが幾つかあって、今回のはその中の一つ。1996年に蒸留、アメリカンオークカスクで25年熟成されたようです。度数は44%です。先ず、こんな感じになっていて、もうとにかく開けにくい。前にカルヴァドスの何だったかがで物凄く開けにくくてイヤになったことがありましたが、それよりは柔らかい材質なので幾分マシです。でもコルクキャップ上部のギザギザ樹脂部分は表面積が大きいからか、材質的に親和性が良いのか、その部分は剥がれにくく、途中で全部剥がすのは諦めました。普通にしてほしいです・・・香りの第一印象はデメララチック。濃いキャラメルと黒糖が支配的ですが、チョコレートやコーヒーの感じもにじみ出てきて、とても美味しそう。飲んでみると、口当たりは優しくて味は濃厚系。キャラメル、知らない花の蜂蜜、無糖チョコレート、飲んだことがない産地のコーヒー、守口漬けなどの風味が感じられます。それに何かフルーツの感じもあるのですが、それだけを抽出して感じることが難しく、フルーツの種類は不明。あとスパイスというか古い家具的な風味も若干あり、風味の要素が多くて複雑です。ディクタドールは、このエピソディオ以外にも色々な限定品がいっぱいあって、かなり積極的に展開しているようです。ディクタドールのサイトを見てみたら、以前飲んだ「インソレント」や「パーペチュアル」がそれぞれ「プラティナム」「オーラム」に名称変更されていました。名前が変わっただけなのか中身も変わったのかは不明ですが、12年、20年もボトルデザインが変更されていました。その新しい12年とかはもう日本でも出回っていて、中身が以前と違うのか気になります。どなたか飲まれたら教えてくださいね。【僕の評価】5段階中4.5【国内正規30本★当店6本のみ★クルミ、ダークココア、オーク、深みのあるバニラ、シナモンを添えたコーヒー】ディクタドール エピソディオ 1996 25年 アメリカンオーク 44% 700ml価格:17490円(税込、送料別) (2022/8/4時点)
2022.08.06
コメント(0)
【サマローリ カリビアンソウル ブレンデットラム 2021】サマローリ カリビアンソウル 2021複数国のラムをブレンドしたブレンデットラムです。販売店さんの説明書きでは、2012年のパナマと2004年のデメララのブレンドだそうです。それ以上詳しいことは不明ですが、なかなか珍しいブレンドだと思います。サマローリはサマローリさんという方が創業されたイタリアの会社で、ウイスキーの世界では著名なインディペンデントボトラーです。ラムもいっぱい出していて、近年ではウイスキーと同じくらいの出荷量なのだそうです。ラベルなどのデザインなどはイタリアで、ウイスキーやラムはスコットランドで保管・熟成・ボトリングしているそうです。今回のカリビアンソウルは2回目のリリースだそうです。アルコール度数は嬉しい45%。香りはレーズンや干しプルーン、ミキプルーン、オーブンで焼いた黄桃などの果物感、黒糖、キャラメルなどが感じられ、比較的軽めな印象です。でも飲んでみたらかなりの濃い口で、まさしくデメララとパナマの感じがします。それがまた上手い具合に調和していて、丸くて濃厚なパナマというか、フルーツ感がアップしたデメララというか、実に違和感なくブレンドされている感じです。限界までよく焦がしたキャラメル、オーブンで焼いて焦げる寸前の桃、煮詰めミキプルーン、ミルクチョコレート、少しだけのナツメグなどの風味が溶け合って、もはやブレンドではなく、こういうラムとして在る、という感じです。僕的にはブレンドラムとしてはロン・イザルコ以来のシームレス感。ブレンドだとか産地だとかを超えて美味しいラムだと思います。正直言ってサマローリのラムは高いので、これまで手を出していなかったのですが、今回飲んでみて高いだけのことはある見事な出来映えだと思いました。しかもこのカリビアンソウルは、それほど高くありませんでした。買ってよかった。【僕の評価】5段階中5【ひよこ豆のディップ、ピーナッツバター、ヘーゼルナッツ】カリビアンソウル ブレンデッドラム 2021エディション サマローリ 45% 700ml価格:8140円(税込、送料別) (2022/7/22時点)
2022.07.23
コメント(0)
【ウルティマタム セレクテッド ラム 8年】ウルティマタム セレクテッド ラム 8年ボトラーズブランドのブレンドラムです。ウルティマタムはオランダのヴァンウィーズ社というインディペンデントボトラーのブランドです。以前、ここのニカラグアンラムを飲んだことがありますが印象が希薄です。凄く美味しかったわけでも、飲めないほどマズかったわけでもない、ということですが、今回そこのラムが国内販売されたので買ってみました。8つのラムをブレンドしていて、50%ポットスティル、8年もののラムだそうです。度数は46%。色はつけてなくて、低温濾過もしてなくて、加糖もしてないスパニッシュスタイルのラム、とのこと。スパニッシュスタイルでポットスティルって珍しいですね。ヴェネズエラとかペルーのラムがブレンドされているのでしょうか。香りはポットスティル臭さがあって、バニラと悪くなった梨、シリアルに入ってる各種ドライフルーツやメロンクリームソーダ的な感じもあります。似てるラムが思いつかず、どことどこのラムをブレンドしたのかよくわかりません。飲んでみると、基本的には優しい口当たりですが、それなりの濃度が感じられ、でも特徴的な風味が強すぎることはないという、香り同様にすぐには似たものが思いつかない独特な味わいです。風味的には、リンゴ系発酵クリーム、レーズン、プラム、蜂蜜、薄めのカスタードなど、パナマっぽい感じはあるものの、やはり「どこのラム」かとは思いつかないオリジナリティー溢れる感じがします。これまでブレンドのラムはあまり飲んでいなかったということもありますが、なにか落ち着かない気持ちになりました。ありようとしては、僕が飲んだことのある数少ないブレンド・ラムであるロン・イザルコが連想されます。ロン・イザルコの方がはるかに濃い口で風味も強く、まとまりがあるというかブレンデッドラムとして生みだされた一つの完成形としての説得力に満ちていますが、こちらはそれと比べるとかなりあっさりした感じ。度数43%のロン・イザルコの10年より、味・風味ともにかなり淡いと思いました。スパニッシュスタイルというにはコシが強く、一般的なスパニッシュスタイルのラムから連想される軽さはないように思えます。ポット50%のおかげだと思いますが、それが功を奏しているかどうか微妙な感じ。僕にとっては掴みどころのない味と風味に感じられますが、コシがあるのに飲みやすい、新しいスパニッシュスタイルラムという立ち位置でしょうか。【僕の評価】5段階中の4ウルティマタム 8年 セレクテッド ラム ポットスティル 並行品 46度 700ml価格:3980円(税込、送料別) (2022/5/29時点)
2022.07.01
コメント(0)
【ケイデンヘッド ベネズエラ14年】ケイデンヘッズ ヴェネズエラ14年ボトラーズブランドのベネズエラのラムです。ケイデンヘッドはウイスキーのボトラーとして有名なようですが、ラムもいっぱいリリースしています。幾つか飲んだことがありますがどれも満足いく品質で、特に度数46%くらいのグリーンラベルシリーズは、飲みやすさと風味の強さのバランスが良いと感じました。今回のやつはカスクストレングスシリーズのやつです。ベネズエラのラムはかなり久しぶりです。ベネズエラといえばサンタテレサ、パンペロ、ディプロマティコで有名なラムの産地です。サンタテレサ1796はフルーティーで複雑さとコクが印象的、パンペロは美味しいのに不思議なほど安く、ベネズエラというと僕はこの2つがすぐに頭に浮かびます。それ以外にベネズエラに関する知識はほとんどありません。もちろん、ディプロマティコ・レゼルヴァエクスクルーシヴァは、ラム好きなら誰でも一度は飲んだことがあるだろうと言えるほどのド定番です。今回のやつはそれらとは別の蒸留所らしく、CACSA(Corporacion Alcholes del Caribe)という会社の製品だそうです。コラムスティル蒸留で、14年熟成(何年トロピカルエイジングなのかは不明です)、シングルカスクでカスクストレングル:58.3%です。香りは、ダークチョコレート、完熟プラム、バター、黒糖など。ベーシック系Ronといった印象ですが、さすがに高度数なので力強さが感じられます。飲んでみると、無糖ココア、黒糖バターキャラメル、コーヒー、プルーンペーストなどの風味があります。各風味の強さ、濃度の高さも香り同様に高度数によるものだと思いますが、度数が高くても非常に飲みやすく、総合的にいい感じになっています。開栓してすぐグラスに注いで即飲んだのと、開栓後一週間ほどしてからグラスに注いで5分くらい時間をおいたやつとでは、かなり違いがある印象です。どんなラムでもその違いはあると思いますが、これは特にそう感じました。一週間後のやつの方が圧倒的に美味しく、コーヒーとココアパウダー、チョコレート系風味と、プラムやプルーン、黄桃などフルーツ系風味のバランスが良く整う感じがします。想像だけですが、これが度数40%以下だったらやや辛口の評価になってしまうであろうところ、この高度数で良かったと思います。46%くらいでも美味しいかも、と思いました。【僕の評価】5段階中の4.5ベネズエラ ラム 14年 2005 カスクストレングス (ケイデンヘッド) 58.3度 700ml価格:8730円(税込、送料別) (2022/5/16時点)
2022.06.25
コメント(2)
【ウイングウォーカーラム】ウイングウォーカーラムイギリスのInnovatus Drinksという会社のブランドが出してるラムです。ベネズエラとドミニカの銅製ポットスティルのブレンドでオークカスク熟成、ということですが、それ以外には何もわかりません。ベネズエラはいいとして、ドミニカにポットを使ってるところがあるんでしょうか?輸出されてなくて、僕が知らないだけかもしれませんが・・・ウイングウォーカーというネーミングや、紙一重といった感じのラベルのデザインから、多少胡散臭い感じがしましたが、ベネズエラとドミニカ産ラムということで、ラムとしては悪くはないのではないかと思って買ってみました。グラスに注いで鼻を近づけた瞬間に、自分が愚かだったことを悟りました。これはラムではない・・物凄い香り!1970年代くらいに駄菓子屋で売られていた子供だましの粉末オレンジジュースの香りそのものです。なんだコレ?不思議なほどラムの香りがしません。飲んだらまさに駄菓子屋粉末オレンジジュースの凄く苦いやつ。ベネズエラとかドミニカとかポットスティルとか、もうそういうのは何万光年も彼方の出来事で、ここにあるのはスパイスラムどころの騒ぎではない、邪悪な液体だとしか言いようがありません。これを売る販売元に悪気はないのかもしれませんが、悪質なジョークに思えます。人を見下すようなドギツいジョークとスパイスラム天国の英国(膨大な量のスパイスラムが生産され、流通しています)では許されるのかもしれませんが、僕としては完全にアウト。どう頑張っても飲めません。これをプレミアムラムと称して売るなんて・・・罰ゲームが存在する何らかの集まりがある日まで、幽閉しておくしかありません。そういう集まりが無かったら捨てます。あーあ。【僕の評価】5段階中の-5
2022.05.07
コメント(0)
【プランテーション パナマ2008/ビンテージコレクション】プランテーション・パナマ2008パナマのラムです。パナマのラムはとても久しぶりです。パナマといえばアブエロですが、ラインナップのどれもが加糖されているようで、かなり甘いと思います。風味自体は美味しいので、加糖してないパナマのラムがあったら飲んでみたいと常々思っていましたが、なかなか発見できず、半ばあきらめていましたが、プランテーションの新しいやつが加糖無しだということだったので、さっそく買ってみました。さて、どんな感じなのでしょうか。発酵は2~3日、コラムスティルで2008年に蒸留され、バーボンカスクでのトロピカルエイジング12年、フレンチオークカスクでのコンチネンタルエイジングが1年、2021年ボトリング、アルコール度数45.7%です。最近のプランテーション・ラムのパッケージデザインは素敵だと思います。今回のやつは暖かい地方の海の中でザトウクジラが泳ぐ姿が描かれています。香りは特別強くはありませんが、ふくよかな果物感が印象的。プラムやプルーン、桃、リンゴ、バニラなどが感じられます。飲んでみると、プルーンやグレープ、柑橘、キャラメル、桃の種の近くみたいな風味もありながら、カスタードクリーム的なまったり感やスパイス、オークの風味も感じられます。コラムスティルのクリアさはありながら、度数なりの強さというか濃さがあるので、飲みごたえも充分。風味の要素としては、やはりアブエロなどパナマ産ラムのそれに近いのですが、圧倒的に明瞭です。僕が鈍いだけなのだと思いますが、プランテーション・オーストラリア2007で感じたフェランカスク効果の威力は、今回のパナマ2008ではあまり感じられませんでした。でも、総合的にはガブガブ飲んでしまうのが惜しいほどの美味しさなので、やはり買ってよかったと思います。【僕の評価】5段階中の5プランテーション パナマ 13年 2008 ラム 度 700ml価格:7040円(税込、送料別) (2022/4/14時点)
2022.04.29
コメント(0)
【ロン ボトラン 18年】ロン ボトラン ソレラ18年グアテマラのラムです。グアテマラのラムは久しぶりです。ラムの沼に深くハマればハマるほど単式蒸留偏重主義になってゆく傾向があるようで、僕もこのところジャマイカやバルバドス、ガイアナのラムを買ってくることが多かったように思います。確かにこれら旧英国領のポットスティル、ポットとコラムのブレンドのラムはコシが強く、飲みごたえがあって満足感が高いのですが、コラムスティルの滑らかさ、飲みやすさも捨てがたい方向性です。また、シェリーとか色んな樽を使ってのソレラシステム熟成による風味の複雑さ、華やかさは、バーボンカスクだけで熟成されたストレートなラムとは、また別の魅力があると思います。ラム愛好家ではない友人(ラム愛好家の友人なんていません)にラムを飲ませてみると、概ね以下のような反応が得られます。バルバドスのラム:ウイスキー好き友人「あ、美味い」、普段蒸留酒を飲まない友人「意外と美味い」ジャマイカのラム:ウイスキー好き友人「うっ・・」、普段蒸留酒を飲まない友人「うわっ!」ガイアナのラム:ウイスキー好き友人「あ、美味い」、普段蒸留酒を飲まない友人「飲める」ドミニカのラム:ウイスキー好き友人「甘くて飲みやすい」、普段蒸留酒を飲まない友人「美味い」キューバのラム:ウイスキー好き友人「飲みやすい」、普段蒸留酒を飲まない友人「飲みやすい」*「ウイスキー好きの友人」といってもマニアというほどではありません僕のラム遍歴も、先ず旧スペイン領のラム(サカパやパンペロ)にハマり、それからジャマイカ以外の旧英国領のラム(デメララ&バルバドス系)の美味しさに気付いて更にハマり、ジャマイカを克服してますますハマり、といった流れです。加糖量が多すぎるラムに関しては全般的に苦手になり、アグリコールラムは未だに苦手です。そんな筋金入りの万年初心者の僕は、今回はコラムスティル&ソレラ熟成のボトラン18を飲んでみます。以前飲んだロン ボトラン ソレラ1893は、「まあまあ」といったところでしたが、あれから数年を経て自分の中の変化もあるであろう中、どんな感じかワクワクします。ボトランの原料はシュガーケンハニー、コラム蒸留で熟成はバーボンカスク、その後シェリーカスクとポートカスクでのソレラ熟成(ボトランではダイナミックエイジングと呼称しています)、トータルで5~18年熟成になっているようです。サカパと同じところで作られ、作り方も似たような感じですが、ボトランは加糖していないことをウェブサイトで明言しています。香りはキャラメリゼしたフルーツ、シェリー、チョコレート、バニラなど。軽い感じでいい香りです。飲んでみると、とても口当たりがよく、コラムスティルらしいライトなボディに、黒糖キャラメル、ふくよかなレーズン、メープルシロップ、オレンジチョコレートなどの風味があります。シェリーっぽいコクも感じられ、それでいてさらりと飲みやすく、後味持続力も意外とあるように感じます。過剰な甘さが無く、今の僕にはサカパより美味しく感じられます。サンティアゴ・デ・クーバやロンキューベイに通ずる透明感がありながら、舌の上でのコク、カカオ感が程よく、とてもバランスのいい味わいだと思いました。【僕の評価】5段階中の5ロン ボトラン ソレラ 18年 40度 700ml価格:4780円(税込、送料別) (2022/4/4時点)
2022.04.23
コメント(0)
【ケイデンヘッド グリーンラベル サルバドール 11年】ケイデンヘッズ・エルサルバドル11年久しぶりにエルサルバドルのラムです。エルサルバドルといえばシワタン蒸留所のラムだろうと思います。かなり美味しかったのですが、残念ながらオフィシャルのシワタンは日本に入ってきていないようです。オフィシャルの流通が無い時は、インディペンデントボトラーズの出番です。インディペンデントボトラーズでも、エルサルバドルのラムはほとんどありません。今回のケイデンヘッドはスコットランドの会社で、ウイスキーだけでなくラムも扱ってる老舗です。インディペンデントボトラーらしく、砂糖や香料、着色、チルフィルタリング無し、とのことですが、トロピカルエイジング/コンチネンタルエイジングの比率などは不明です。ラインナップ的に今回の「グリーンラベル」シリーズはアルコール度数46%。グリーンラベルとは別に、カスクストレングスのシリーズもあり、そちらは以前ニカラグアバージョンを飲んだことがあり、好印象でした。香りをかいだ途端にシワタンのラムだと確信しました(証拠はありません)。特徴的な香りで、蜂蜜とカスタード、それに熟れた黄桃やマンゴなどのフルーツをミックスしたもののような感じです。味わいも濃厚カスタードフルーツ。濃いカスタードプリンとよく熟した黄桃、マンゴ、コンデンスミルク、古本、それにフェヌグリーク的なスパイスの風味もあります。コラムスティルだと思いますが、度数がやや高めということもあってコクがあります。オフィシャルのシワタンが美味しかったので(限定品も高度数で美味しかった)、たまたま見つけた今回のラムを買ってみましたが、僕的には大成功でした。ケイデンヘッズのグリーンラベルって初めて飲みましたが、シワタン・サルバドルをチョイスするところといい、味、度数46%という設定も含めて、とても気に入りました。さすが老舗という感じです。他のラインナップも飲んでみたくなりました。【僕の評価】5段階中の5
2021.12.03
コメント(0)
【サンチアゴ・デ・クーバ12年エクストラアネホ】サンチアゴ・デ・クーバ12年キューバのラムです。先日飲んで殊の外美味しかった、サンチアゴ・デ・クーバ11年の12年バージョンです。こちらは国内流通があり、普通に購入可能でした。なぜ、僅か1年違いの製品が存在しているのでしょう?そんなの他のブランドでは聞いたことがありませんが、理由は全然わかりません。ラベルデザインの違いも不明です。今回の12年は、ラベルのデザイン的には7年アネホと共通しています。海外で流通している12年は、前回の11年と同じデザインです。ラベルのデザイン変更による新旧なのか、輸出するエリアごとに違うのかなど全然わからないし、まあ別にどっちでもいいので、そこも詮索せずに済ませます。さて、このサンチアゴ・デ・クーバ12年、あのフィデル・カストロさんのお気に入りだったとか。カストロさんほどの地位にある人ならもっと上級の20年とか25年を飲めばいいのに、と思いますが、こちらもなぜ12年がお好きだったのか詳細は不明です。謎の多いサンチアゴ・デ・キューバですが、今回の12年は11年とどんな違いがあるのでしょうか。さすがに香りはよく似ていますが、直接比較すると、こちらの12年の方が濃縮されたような濃さがあり、11年の方が淡麗な感じがします。カラメル系は12年が、フルーティーさは11年の方が、それぞれ顕著に感じられます。しかしやはりよく似ていて、目隠しでどちらか一つを差し出されたら、僕は間違える可能性が高いと思います。飲んでみると、味わい的には香りだけより違いが感じられます。結論としては、僕は11年の方が好みです。でもカストロさんのように、12年の方が美味しいと感じる人も多いだろうと思いました。今回の12年の方が味わいが濃く、キューバのラムにしてはしっかりした感じで、11年は香り同様に味わいも端麗。サンティアゴ・デ・クーバの重要な風味の要素として、プラム・グレープ的なフルーティーさがありますが、それが11年の方が顕著で、それが11年の淡麗さに合っている気がして、僕は11年に軍配を上げます。しかし、ラムそのものの満足感は、明らかに12年の方が上だと思います。カストロさんが気に入っていたのも頷けます。ちなみにどちらも度数的には40%で同じ。もうどちらが美味しいと感じるかは、好みの問題だけだと思います。両方とも美味しい。なぜカストロさんが12年をお好きだったのかは、全ラインナップを飲んだわけではないし依然不明ですが、なぜ11年、12年という近接した熟成年数のラムがラインナップされているかは、僕の中では理解できました。11~12年くらいの熟成が「イイ」ところで、ブレンドだか使うカスクだかの加減で、それぞれ特徴を持つ、美味しさの点では甲乙つけがたい2つのラムができて、どっちを製品化するか迷った挙句、両方ともリリースすることにした、というような感じじゃないでしょうか。それくらい、それぞれ特徴が違っていて、しかも両方とも美味しいと思います。もちろん、僕がそう思っただけで何らの証拠もありません。違ってる可能性は大ですが、僕はそのように想像しました。【僕の評価】5段階中の5サンティアゴ デ クーバ 12年 エクストラアネホ 40度 700ml価格:7110円(税込、送料別) (2021/8/21時点)
2021.11.27
コメント(0)
【ドンQ・シグネチャーリリース・シングルバレル2009】ドンQシグネチャーリリース2009プエルトリコのラムです。日本に入ってきていないブランドなので馴染みがありませんが、世界的にはかなりメジャーなようです。会社としては1865年からラムを作りだし、ドンQブランド(ドン・キホーテにちなんだネーミングだそうです)は1934年にスタートし、現在ではプエルトリコで一番有名なラムとなっていて、一説では米国で消費されるラムの70%を生産しているのだそうです。ドンQのラインナップは、レギュラー的なトラディッショナル・レンジと、その上の「いいやつ」レンジ、セラーズ・コレクション、それとフレーバードラムの3つのカテゴリーに分かれています。今回のシグネチャーリリース2009はセラーズ・コレクションに属する、現在一番新しくリリースされたものです。2009年4月に蒸留され、2009年5月にバレル熟成開始、2019年6月にボトリングされた、と裏のラベルに記載されています。10年熟成のシングルバレルということですが、注目すべきは49.25%のカスクストレングスであるということでしょう。ロン、スペイン系ラムでオフィシャルからカスクストレングスがリリースされるのは、とても珍しいことです。カスクストレングスの方が好きというわけではありませんが、そう高価でもないし、カスクストレングスで49.25%という低めなところも興味深く、飲んでみたくなりました。香りはキャラメル、カカオ、バニラ、オーク、少しナツメグ的スパイスとオレンジの感じもあります。典型的なロンの香り要素満点ですが、それに加えて全体がブーストされているような力強さがあります。度数のおかげかもしれません。飲んでみると、やはり濃厚な味わいです。甘さの程度はそれほど強くありませんが、味自体は濃く、風味も複雑。チョコレートとリンゴ、ナツメグ、キャラメル、カカオパウダー、柑橘などが一気に感じられ、パワフルですが飲みやすい印象です。普通の人間がイヤがるクセ、不快要素がないので、それも飲みやすさの一助となっているという気がします。ニカラグアのフロール・デ・カーニャのカスクストレングス(ボトラーズものですが)と比べると、こちらの方が飲みやすいのですが、風味に大きな特徴が無いので、ハードなラムマニアには物足らないかもしれないと思いました。クセが無くて高品質、しかも低価格なので、これをダメとする人は少ないだろうと思いますが、これが最高だと評する人もまた少ないかもしれません。【僕の評価】5段階中の4
2021.11.19
コメント(0)
【サンチアゴ・デ・クーバ11年】サンチアゴ・デ・キューバ11年キューバのラムです。かなり前にサンチアゴ・デ・キューバのアネホ7年を飲んだことがありましたが、今回はそれの11年熟成バージョン。12年熟成品もあり、そちらは日本でも入手可能ですが、今回はあえて11年を飲んでみます。なぜ、11年と12年という、ほぼ同じようなやつがラインナップされているのか謎です。ラベルのデザインが7年アネホと全然違っていて、僕的には今回の11年の方がカッコイイと思います。いつものキューバ政府お墨付きラベルはちゃんとありました。香りは素晴らしくフルーティーで、ブランデー的な雰囲気があります。透明感のあるキャラメルと、プラム寄りのブドウのような感じで、爽やか系。飲んでみると、ライトボディながら味自体は濃く、風味も複雑で、いかにも上等な蒸留酒といった感じです。キャラメルと熟したプラム、ある種のブドウ、控えめなオーク等の風味がバランスよく溶け合っていて、凄く美味しい!後味もかなり長く、とても満足感があります。キューバのラムの特徴であるライトボディというと、あっさり薄味みたいなイメージがあるかと思いますが、全然違って濃口です。7年アネホと共通した風味はありますが、こちらが完成品という気がします。特にフルーティーさの点で、7年アネホはクセと感じるかもしれない風味要素として存在していましたが、こちら11年では非常に魅力的な要素に変貌している感じがしました。7年だけ飲んで、サンディエゴデクーバはそこまで美味しくない、と決めつけていた自分が恥ずかしくなりました。キューバのラムでは、ちょっと前に飲んだロンキューベイ10年と、ハバナクラブ・セレクションデマエストロが、自分の中で頂点だと位置付けていましたが、今回のサンティアゴデクーバ11年が、それと同等かちょっと上、に感じます。とにかく美味しいので、日本でも流通している12年も飲むべきだ、と強く思いました。近々、飲んでみます。【僕の評価】5段階中の5+
2021.11.06
コメント(0)
【フロール・デ・カーニャ エコ 15】フロール・デ・カーニャ15ニカラグアのラムです。僕の大好きなフロール・デ・カーニャの新作:エコ15です。カーボンニュートラルでフェアトレード認証、さらに100%再生可能エネルギーで蒸留され、とうとう外箱もラベルも、さらにボトルまでもリサイクル素材で作ったそうです。フロール・デ・カーニャは、過去に米国の意識高い系バーテンダーの呼びかけでボイコットを食らったことがあったようです。ニカラグア(だけではなかったようですが)のサトウキビ畑の労働者の多くが患った腎臓病は、過酷な労働条件(収穫作業時の暑さと水分摂取の欠如、休憩時間不足の長時間労働)によるもので、それは犠牲を伴う搾取であり看過できない、というものだったようです。そしてニカラグアのラムはフロール・デ・カーニャしかないので、フロール・デ・カーニャの不買運動になったようですが、フロール・デ・カーニャの会社やサトウキビプランテーション、地元の医師などの調査と協力で状況は改善されてゆき、いつしかその不買運動は下火になっていったようです。そうした経緯もあってか、フロール・デ・カーニャはフェアトレード認証や森林再生事業への関与など、サスティナビリティ・モデルの企業として積極的取り組んでいるようです。今回のフロール・デ・カーニャ/エコ15は、現状世界的にみてもその極致といえる製品のようです。さて、肝心の中身です。僕はフロール・デ・カーニャの基本的な香り、風味、味わいの傾向、方向性が好きなので、今回のやつもダメなわけがないとは思いますが・・・香りは間違えようもなくフロール・デ・カーニャ。カラメルとバニラクリーム、チョコレート、などが優しく香ります。飲んでみると、ちょうどフロール・デ・カーニャ12と18の間という感じです。バターのようなまったりしたオイリーさは12以上、18以下、マイルドさも同様、味そのものは18よりに感じられます。穏やかなキャラメルクリーム、チョコレートのコク深さ、バニラとコーヒーっぽい風味など、各要素は共通です。やっぱり美味しいフロール・デ・カーニャですが、正直言ってエコであること以外の、ラムとしてのインパクトは低めでした。ちなみに、フロール・デ・カーニャを12年とか18年として紹介していましたが、正確には12、18であって、年数ではありません。いわばノンエイジで、「XO」とかみたいな感じです。ブレンドで狙いのフレーバー・味わいにする際に年数に縛られず、ブレンドの自由度が増すという製造側の利点のためでしょうが、複数のラインナップがあるのに何も表記無しではあまりにもわかりにくいので、12年の風味・味わいを持つものを「12」としているらしいです。目安の表記と味、価格のバランスがとれていれば全然問題ない、と僕は思います。とにかく、このエコ15に関しては、階級的にも順当に18の方が美味しいし、18なら国内入手可能なので、わざわざ海外通販で買うこともなかったな、という印象です。【僕の評価】5段階中の4.5
2021.10.23
コメント(0)
【1731 ファイン&レア ベリーズ12年】1731ファイン&レア・ベリーズ12年。オランダのボトラーズ1731ファイン&レアによるベリーズのラムです。これまでいろんなラムを飲んできましたが、ベリーズのラムは初めてかもしれません。ベリーズにはトラベラーズ・リカーというラムメーカーがあって、時々ボトラーズブランドから出ているのを見かけます。トラベラーズオフィシャルのラムがあるのかどうかわかりませんが、少なくとも現在日本では流通していないようなので、ベリーズのラムを飲もうとするなら、ボトラーズブランドのものを飲むしかないようです。今回の1731ファイン&レアもボトラーズブランドですが、異例にリーズナブルな価格設定がなされています。しかも今回のベリーズ・ラムは、現地ベリーズでのトロピカルエイジング最低12年という比較的長熟モノで、度数も46%です。ベリーズはスペイン統治から英国統治に移り、その後独立したらしいのですが、今回のラムは連続式蒸留らしいので、スペイン系ラムに分類しました。香りは典型的な「ロン」、スペイン系ラムのそれで、甘いバニラと若干のスパイス、それにマンゴか何かそれっぽいフルーツの感じもあります。味わいもスペイン系ラムの特徴が顕著で、とてもスムースで飲みやすく、でも46%という度数から、それなりの濃度も感じられるバランスのいい感じです。キャラメルとバニラ、判別しがたいスパイスと、香り同様にマンゴのようなトロピカルフルーツ、プルーンか熟したプラムの感じもあります。原材料は糖蜜で、バーボンカスクでの熟成なので、ワインカスクを使ったソレラシステムのロンたちと比較すると、非常にシンプルでストレートな印象です。スペイン系のロンは度数が37~40%と比較的低めなものが多く、キューバのラムに代表されるように軽くてスムースであることが持ち味とされています(ペルーのカルタヴィオのように例外もあります)。でも、今回のこの1731ファイン&レアは46%という度数のおかげで、飲みやすさはそのままに濃度が高く、したがって風味も強めで、独特のポジションにあると思います。そういう意味でも貴重な存在だし、ベリーズのラムを飲んでみるには、現状最適なラムだといえるかもしれません。【僕の評価】5段階中の4.51731 ファイン&レア ベリーズ 12年 ラム 正規品 46度 700ml価格:6600円(税込、送料別) (2021/7/30時点)
2021.10.16
コメント(0)
【バルセロ オーガニック】バルセロ・オーガニック。ドミニカのラムです。オーガニックの名のとおり、専用の畑で有機栽培されたサトウキビジュースから作られ、ラベルはバガス(サトウキビの搾りかす)に有機インクで印刷されているそうです。この製品に限らず、バルセロは生産の90%がバイオマスなどクリーンエネルギーで稼働されていて、発酵時のCO2はソフトドリンクの泡に使うなどしてカーボンニュートラル認証を受けている、サステナブル企業だそうです。スゴイですね。僕はバルセロが好きなのですが、海外のシリアスなラムマニアからは軽んじられる存在です。もちろん、サステナブルだろうがカーボンニュートラルだろうが、そういった点はマニアの評価対象にはなりません。軽んじられる理由の一つがアルコール度数で、代表的なバルセロ・インペリアルやオニキスは38%、グランアネホは37.5%と、一般的な40%より低いという点でしょう(プレミアムブレンドは43%)。確かにインペリアルやオニキスが43%とかだったらもっと美味しいだろうとは思いますが、38%でも僕は美味しいと思うのですが・・・また砂糖が加えられている、という点も軽んじられる理由の一つです。しかし海外で公表されているテストによるとその加糖量はごく微量で、例えばラムマニア大絶賛の旧エルドラドの5分の1くらい、旧パッサーズ15年の4分の1ほどです。もちろん、飲んでも甘すぎるということはなく、いいバランスだと思います。フォースクエア蒸留所の製品など、数々のシュガーフリーの高品質ラムを飲んできましたが、それでも依然としてバルセロは僕のお気に入りのラムの一つで、インペリアルやオニキスは常に僕の棚に在ります。さて、今回のバルセロ・オーガニック、公式サイトによると、糖蜜ではなく有機栽培されたサトウキビジュースから作られ、バーボンのようにバージンオークカスクで熟成されているそうです(熟成年数は不明)。アルコール度数は37,5%。非常に安価で、バルセロ・グランアネホと同じくらい。オーガニックであることや、新樽を使うという製造コストを考えると、グランアネホ以下の熟成年数かもしれません。どんな感じでしょうか。香りはさほど強くなく、バルセロ・グランアネホ的な感じで、マイルドなキャラメルやバニラが感じられる落ち着いた印象です。しかし、味は一転してかなり特徴的。バターキャラメル、チョコレート、バニラ、スパイス、柑橘などが感じられますが、なんといっても甘酸っぱい焦げたオークの風味が非常に印象的です。明確な焦げオーク風味が味わい全体をブーストしていて、香りから受ける印象をはるかに凌駕する満足感があります。味、風味の各要素のバランスが良く、度数が37,5%でも僕的には全くOKです。美味しい。定番であるバルセロ・インペリアルと飲み比べてみました。インペリアルは香り、味共にココアパウダー、ダークチョコレートの風味が前に出た濃厚系。今回のオーガニックは、香りの淡さは否めないものの、味わいはバーボン的焦げオークの風味によって外骨格的強靭さが備わっていて、独特の強さ・豊かさが感じられます。味わい・風味にかなり違いがあるので、優劣を決めるのは難しいのですが、「美味しさ」という抽象的な観点からすると、僕的には「香りインペリアル、味オーガニック」といったところです。新樽を使って、しかもドミニカでのトロピカルエイジングということで、熟成はかなり早く進むのでしょう。年間気温からすると、熟成の進行速度はバーボン以上だろうと思います。数年早く出荷できるという有利さはあるものの、新樽とオーガニックであることのコストを考えると、このバルセロ・オーガニックの価格設定は驚異的ではないでしょうか。オーガニック&サステナブルということもすごいですが、製品の味:価格比からすると超スゴイと思います。【僕の評価】5段階中の5ロン バルセロ オーガニック 37.5度 700ml価格:2780円(税込、送料別) (2021/9/25時点)
2021.09.25
コメント(2)
【プランテーション・ヴィンテージ・ペルー2006】プランテーション・ペルー2006ペルーで生まれ、途中でフランスに引越ししたラムです。プランテーションのヴィンテージシリーズとして限定生産されたラムです。蒸留所はカルタヴィオ・ラム・カンパニー。ウニダス蒸留所(Unidas S.A. de Peru)、ロン・カルタヴィオのあそこです。糖蜜を原料に発酵3日、2006年にジョンドームポットスティルとマルチバキュームコラムで蒸留、熟成はペルーでのトロピカルエイジング(200リットル/バーボンカスク)11年、その後フランスのコンチネンタルエイジング(400リットル/フェラン・コニャックカスク)3年の合計14年。アルコール度数は47.9%、1リットル当たり8g加糖されています。プランテーション・ラムなので、こういった情報は全て裏ラベルに記載があります(エステル値など、もっといろいろ書いてあります)。さて、どんな感じでしょうか。とても華やかな香りで、透明感のあるフルーティーさが全体を優しく覆っています。バニラ、キャラメルクリーム、少しチョコレートも。飲んでみると、しっかりめのコシが感じられます。ポットとコラムの広津は不明ですが、例えばロン・カルタヴィオ12年よりも重量感に満ちています。旧スペイン領のいわゆるラテンラムは一律軽いと評されることが多いのですが、はっきり言って認識不足です。味わい・風味もとても魅力的で、バニラとキャラメルに柑橘、軽いオーク、マンゴかドライマンゴのような深いフルーツ感、それにそれらをフェラン・コニャックカスク効果と思われる、マンゴとは別の明るいフルーティーさに包まれています。僕の好みに合っているということもありますが、なんてセンスのいいバランスだろうと思いました。何年か前に飲んだプランテーション・ペルー2004よりも、はるかにグレードアップされているという気がします。なんでもかんでもコニャックカスクで追熟させればいいというものではないと思いますが、このカルタヴィオとの相性はとてもいいと思います。カルタヴィオ12年よりもポットスティル比率が高いのか、コク深くて重量感があり(2004よりコク深いと思います)、それにコニャックカスク効果と思われる華やかさが調和していて、満足感の高さと飲みやすさを両立させている、というように感じられます。美味しい。【僕の評価】5段階中の5+プランテーション ペルー 14年 2006 ラム 47.9度 700ml価格:8800円(税込、送料別) (2021/6/3時点)
2021.08.13
コメント(0)
【ロン・キューベイ 10年 レゼルバ エスペシアル】ロンキューベイ10年、キューバのラムです。キューバのラムは久しぶりです。キューバにおいて、ラムは伝統的な独自の製法で作られています。風味豊かで度数の低い「アグアルディエンテ」と称される蒸留原酒を最低2年間熟成させ、それと度数が高くてクリアなコラムスティル原酒をブレンドして、規定に準じた方法で濾過し、それからオーク樽で熟成カテゴリーごとに定めれた年数以上熟成させる、という工程を経るらしく、そうじゃないと「ラムじゃない」とされているのだそうです。キューバはラムを重要な輸出品として位置づけていて、ラムの製造は国の管理下にあり、規定がかなり細かく定められているそうです。驚くべきは、熟成期間中、熟成庫の気温が15度以下になった場合はその期間中は熟成年数にカウントされない、とか、発酵に使用する酵母が決められている、さらに熟成に使われる樽は、その過程ごとに定められている、などかなり厳格な規定が存在するということです。気合の入れ方が違いますね。そして我々が手にする(口にする)ラムのボトルには、必ず緑色の「キューバ政府お墨付き」表示があります。さて、ロン・キューベイ10年。色はごく薄めのアンバーカラー。香りはキューバのラムらしいライトな感じで、クリアなキャラメルとチョコレート、バニラ、それにプラムも感じられます。軽めだけど内容的には複雑な香りです。飲んでみると、口当たりはやはり軽めですが、味は香り同様に複雑で、プラム的なフルーティーさを伴ったチョコレート、明るいキャラメル、バニラ、程よいオークの風味などが感じられます。そして後味は意外なほど長く、ブランデー的なクリアな果実感が印象的。軽い=物足らないというわけではない、ということを改めて感じさせられます。口当たりが軽く、複雑なだけではなくて風味のバランスがいいので、どんどん飲めてしまうタイプのラムです。これまでキューバのラムで一番美味しいと思っていたハバナクラブ・セレクシオン・デ・マエストロスに匹敵するほど美味しいと思います。むしろ飲みやすさではこちらが上。比較的マイナーなラムだと思いますが、これは当たりでした。熟成年数や味わいの満足感からすると値段も高くないので、総合的にとてもいいラムだと思います。【僕の評価】5段階中の5ロン クバイ レゼルヴァ エスペシャル 10年 40度 700ml 箱付き RS【誕生日プレゼント お酒 洋酒 キューバ スピリッツ ラム 宅飲み お祝い お中元 ギフト お歳暮】価格:4320円(税込、送料別) (2021/4/26時点)ロン キューベイ (ロン クバイ) レゼルヴァ エスペシャル 10年 ラム 40度 700ml価格:4360円(税込、送料別) (2021/4/26時点)
2021.07.30
コメント(0)
【ロン イザルコ15年】ロン・イザルコ15年アメリカの会社による、中米各国のブレンドラムです。以前飲んでかなり美味しかったロン・イザルコ10年の15年熟成版、というだけでなく、今回のはさらに度数55.3%のカスクストレングス。また、イザルコ10年と同様に熟成はソレラシステムではなく、バーボンカスクによる普通の熟成方法で最低15年熟成、それに砂糖、添加物無しで、ラムの純粋主義者、熱狂的なファンを喜ばせますよ、みたいなことをサイト上で公言しています。砂糖やグリセリンなどの添加物が無く熟成年数に偽りのない「真のプレミアムロン」なのだそうです。かなり気合が入ってるようです。中米各国産ラムのブレンドとのことですが、どうやらニカラグアとグアテマラ、パナマ、コスタリカ、ガイアナのブレンドだそうです。どうしてそんなに色々混ぜるのかは分かりませんが、前のイザルコ10年はフルボディで非常にマイルド、とても美味しいラムで、特にブレンド技術が驚異的に巧みだと思いました。様々な特徴をもっているはずのそれぞれのラムが、あまりにもナチュラルに一体化していて、一つの新しいロン・イザルコとしてしか感じられませんでした。いわゆるネイビーラム(英国海軍で支給されていた、イギリスの旧植民地産ラムをブレンドしたやつ)は、ただ混ぜただけという感じで、ガイアナやジャマイカなどのそれぞれの特徴丸出しに感じられ、これならわざわざ混ぜずに別個に飲んだ方がいいんじゃないかと思えて、僕は全然好きではありません。たぶんこのロン・イザルコ15年はそんなことはないと思います。カスタードと熟したプラム、ミキプルーン、オーブンで焼いたパイナップル、レーズン、黒糖キャラメル、ナツメグなど、とても複雑で濃厚な風味です。一言でいうと、濃厚フルーツカスタードという感じです。イザルコ10年同様に、各国のラムが完全に溶け合って、イザルコ風味としか言いようのないオリジナルな風味です。しかも今回のやつはカスクストレングスなので風味がより強い。カスクストレングスの割には飲みやすく、後味は濃縮フルーツ感を伴った旨味が長く続きます。フェノメナル・スピリッツ社が豪語する「プレミアムRon」という謳い文句に違わぬ味わいです。けっこうスゴイ1本だと思います。【僕の評価】5段階中の5+
2021.07.16
コメント(0)
【プランテーション・シングルカスク ペルー マルチヴィンテージ】プランテーション・シングルカスク2018”ペルー”マルチヴィンテージ”ウィレット・ライウイスキーカスクマチュレーション”ペルーのウニダス蒸留所で2004年、2006年、2010年に蒸留されたラムで、ボトリングは2018年。最後のコンチネンタルエイジング1年は、ウィレット蒸留所のライウイスキーカスクで熟成されているそうです。プランテーション・ラムの特徴である「ダブルエイジング」、通常はフェラン社のコニャックカスクでコンチネンタルエイジングさせるところ、このラムはさらにライウイスキーカスクも使用されているというところが大きな特徴です。プランテーション・シングルカスクシリーズの2018年製品で、ポットとコラム蒸留のブレンド、ペルーでのトロピカルエイジングではバーボンカスクとスロベニアオークカスク(シェリーかブランデー)が使われています。アルコール度数は49.8%、1リットル当たり8gのシュガーが加えられて調整されています。ペルーのウニダス蒸留所といえば、ロン・カルタヴィオの会社です。カルタヴィオ、特に12年はベーシック系の味わいですがバランス、まとまりの良さが印象的で、僕の好きなラムのひとつです。それがライウイスキーカスクによる風味付加でどのようになっているのか、とても興味深いです。グラスに注いで香りをかいでみると、ライウイスキー効果満点。爽やかな青リンゴやメロン的なフルーティーさが溢れ、瑞々しさを感じます。キャラメルやバニラはもちろん、ココアや紅茶の感じもあり、かなり複雑ですがとてもバランスが良く、これまでにない素晴らしさです。飲んでみると太いコシがあり、風味はジューシー青りんご、カカオ含有率の高いチョコレート、ハチミツ、プラムなどなど、とても複雑。香りの印象よりも骨太な味わいで、度数の高さもありますが、カルタヴィオよりもポットスティルの比率が高いのではないかという印象です。大陸のラムはコラムスティルの大量生産品みたいに評されることが多いようですが、全然そんなことはなく(そういうのもありますが)、このプランテーション・シングルカスク/ペルー2018は、しっかりした重量感があり、それにライウイスキーカスク効果でみずみずしい爽やかなフルーティーさが備わっていて、なんとも素晴らしいラムに仕上がっています。これはプランテーションの名作だと思います。ウマい!!【僕の評価】5段階中の5++【特製パイナップル型ショットグラス2個付き】 プランテーション シングルカスク ラム ペルー マルチヴィンテージ ライ ウイスキー カスク フィニッシュ 49.8度 700ml価格:7280円(税込、送料別) (2021/4/26時点)
2021.06.25
コメント(0)
【サンタテレサ・セレクト】サンタ・テレサ・セレクトベネズエラのラムです。サンタテレサと言えば、サンタテレサ1796がメジャーな定番ラムですね。糖蜜から作られ、連続式蒸留を経て、アメリカンオークのバーボンカスク、リムーザンオークのコニャックカスクを使ったソレラシステムによる4~35年の熟成物。滑らかでありながら程よいコシもあり、フルーティーな香りとバニラ、オークの風味が溶け合った、とてもスムースで上品なラムです。今回のサンタテレサ・セレクトは、ソレラで3~10年熟成のエントリーレベルのラムです。カクテルのベースにもいいですよ的なアピールですが、1796があれだけ美味しいので、こちらも美味しいのではないかと思って飲んでみることにしました。サンタテレサ自体はバカルディ・ジャパンが日本輸入元ですが、このセレクトは日本には入ってきていないようです。かなり細長い形状のボトルで、キャップはプラスチックのスクリュー式。ドバッと出ないパーツ付きですが、あまり効果が無く、ドバッと出てきます。香り立ちは弱めですが、サンタテレサらしいフルーティーさのある円やかなカラメル系。クセが無く、透明感を感じるあっさりした感じです。飲んでみると、甘さ控えめのライトボディで、風味的にはカラメル、レーズン、超軽いワインといった感じ。飲んですぐは舌の上でカラメルの風味を強く感じますが、それは水が流れていくようにすぐに減退し、べたつきも無くさらりと消えてゆきます。後味というものが感じられないほど、全てがすぐに霧散します。複雑さや重厚さには欠けますが、あっさり・さっぱり度はピカイチ。ボディも味わいも「薄い」と言ってしまえばそうなのですが、イヤなクセが全く無いので、ある種の食事中など、こういう飲み心地のラムが欲しい時が必ずあるものなので、そういう時に登場してもらいましょう。キューバのラムなど、あっさり軽い飲み心地のラムは他にもありますが、このサンタテレサ・セレクトは風味の特徴までもが強くないという点で秀逸だと思います。【僕の評価】5段階中の4
2021.04.02
コメント(0)
【フロール・デ・カーニャ130周年記念】フロール・デ・カーニャ130周年記念バージョンニカラグアのラムです。フロール・デ・カーニャの創業130周年を記念して、2020年に数量限定で販売されたラムです。フロール・デ・カーニャは、砂糖やその他の添加物なし、再生可能エネルギーだけで生産され、膨大な植樹をすることによって蒸留時に発生する二酸化炭素を相殺、しかもフェアトレード認定もされている優良な会社です。フロール・デ・カーニャは穏やかで優しい味わいが特徴で、他のスペイン系・ラテンスタイルのラムとは一線を画した風味の特徴を持っています。今回のこの130周年記念バージョンは20年熟成物らしいのですが、それよりも注目すべきは45%というその度数です。フロール・デ・カーニャを生産するカンパニラ・リコレラ・デ・ニカラグア社のオフィシャル・ラムとしては、これまでで最も高度数。フロール・デ・カーニャ・シリーズは全部40%だし、過去にイタリアのF&G社からリリースされていた、モンバッチョやサパテラも最高43%だったので、今回の45%は異例のことです。もちろんボトラーズブランドからはもっと高度数、カスクストレングスの製品も出ていて、これまでに幾つか飲んできましたが、それらとの違いも興味深いところです。グラスに注いでみると、香り立ち自体はそれほど強くはないものの、フロール・デ・カーニャ25年よりも濃厚で、「身の詰まった」感じの香りです。バタークリームに覆われたバニラとカカオ、ナッツ、それにレギュラーラインナップではこれまであまり感じられなかったプルーンや、奥底にはデメララ的な黒糖キャラメルの感じもあります。飲んでみると、それら香りの要素は味わいの風味とも一致していて、滑らかでありながらとても濃厚です。5コラムスティル(連続式)による蒸留ですが、ライトとは言い難く、しっかりめのミディアムボディ。コクの深さ・強さから、軽いという感じは全くしません。味の濃厚さ、風味の強さはフロール・デ・カーニャ25年以上だと思います。こんなに美味しいので、限定なんて言わずに、例えばフロール・デ・カーニャ18年の45%バージョンを出せばいいのに、と思いました。ボトラーズブランドのニカラグアンラムは、核心部分にニカラグア=フロール・デ・カーニャ的要素はありながら、風味の強調と減退の度合い・割合の差が大きく、その結果、それぞれ固有の風味が形成されているという感じがします。ニカラグアとヨーロッパ(主に英国かオランダでしょうか?)とでは、平均気温や湿度が全然違うので、熟成過程で風味プロファイルに差が出てくるのは避けられず、でも、そのトロピカルエイジングとコンチネンタルエイジングの差が、それぞれのボトラーズ・ラムに特徴を付与しているわけなので、その差を楽しむことができるという点で、辛うじてボトラーズブランドの存在意義が成立しているのだと思います。なので、こちらも今回のフロール・デ・カーニャ130周年とは全然似ていませんでした。圧倒的にこちらの方がウマい。【僕の評価】5段階中の5
2021.03.12
コメント(2)
【ロン・アレグロXO】ロン・アレグロXOドミニカのラムです。ドミニカはラム製造が盛んで、バルセロやブルガル、ベルムデズ、マツサレムなどが有名ですが、その他にもいろんなブランドがあるようで、今回のアレグロもその一つ。ドミニカのラムは全てスペイン系、いわゆるラテンスタイルのラムで、おかしなクセが無く、連続式蒸留によるスムースな飲みやすさが特徴です。もちろんそれぞれのブランドごとに味・風味の特徴があって、バルセロやブルガルのフラッグシップモデルなどは、連続式蒸留器使用ながら、程よいコクと深みが備わっていて、とても味わい深いラムだと思います。逆に、キューバ革命でドミニカに移動したマツサレムなどは、スペイン系の中でもキューバ系の特徴である、もっと軽めのボディが印象的です。同様にキューバからパナマに移っていったマレコンも軽めです。さて、今回のアレグロはどうんな感じなのでしょうか。久しぶりに見た、重くてゴツいスクエア形状のボトルで、ラベルに「オランダのインフィニティ・スピリッツの製品」という記載があります。インフィニティ・スピリッツといえば、前に飲んだ「ケーンアイランド・ニカラグア12年」の会社です。公式サイトによると、アレグロは連続式蒸留器で蒸留され、アメリカンオークのバーボンカスクで8年熟成させている、とあります。ソレラシステム熟成という記述は見当たらないので、昨今の状況(みんなが文句を言うのでソレラの年数表記はなされなくなってきています)からして、普通に8年間の熟成である可能性が高いと思います。日本には入ってきていないラムだし、公式サイトでもその他これといった情報は見当たりません。飲んでみるしかありません。色は薄くも濃くもない普通な感じです。グラスに顔を近づけると、やや濃さが感じられるカラメル、バニラ、チョコレートといった定番要素の香りが届きます。ラテンラムらしい、いい香りです。飲んでみると、味わいは香りの印象とほぼ一致していて、バニラやカラメルがメインで、オークの風味も感じられます。滑らかな口当たりで、複雑さや重厚さといった点にはやや欠けますが、連続式蒸留の上限程度のコク、濃度が感じられ、「薄い」という感じはありません。連続式蒸留というと、それだけで1ランク下に見る傾向がありますが、僕はそうは思いません。単式蒸留で、重量感はあるけどヘンな臭いまである飲みにくいやつもあるし、連続式蒸留でも充分な濃度のやつもあるので、一概には言えないと思います。全体的に、典型的なドミニカ産ラムの上等なやつといった感じです。近い雰囲気なのは、やはりバルセロ・インペリアル、それにブルガル1888だと思います。ドミニカでもベルムデズやオリバー&オリバー、カーク&スイ―ニーなどは日本酒でいう淡麗甘口、バルセロやブルガルは濃醇甘口、だと僕は自分なりにカテゴライズしています。今回のアレグロXOは濃醇甘口サイドで、風味としてはシェリーカスクも使われるブルガルよりも、バーボンカスク熟成のバルセロにより近いと思います。価格的にはバルセロ・インペリアルとブルガル1888の間。だったらバルセロ・インペリアルでいい、ということになりそうなアレグロXOでした。【僕の評価】5段階中の4.5
2020.12.13
コメント(2)
【ロン・アブエロ フィニッシュコレクション XVタウニー】アブエロ フィニッシュコレクション XVタウニーパナマのラムです。パナマの定番ラムアブエロには、通常のラインナップ以外に、フィニッシュコレクションなる別ラインナップがあります。これらはソレラシステムで14年熟成させたアブエロを、それぞれ異なるカスクで1年くらいフィニッシュしたもので、前回飲んでおいしかったナポレオンフィニッシュ、それにシェリー/オロロソフィニッシュ、それと今回のポート/タウニーフィニッシュの3種類です。イングリッシュハーバーのポートカスクフィニッシュがとても美味しかったので、今回アブエロもタウニー(ポート)フィニッシュを飲んでみることにしました。色は赤みがかった深いアンバーカラーです。香りはフルーティーなポートワインの印象が強くあり、さらにカラメルとドライフルーツ、チョコレートの感じもあります。飲んでみると、半干しのレーズンのようなフルーティーさと黒糖カラメルのコク、それに少しカカオとオレンジのような柑橘の風味も感じられます。全体としては、濃厚さと透明感、コクと滑らかな飲みやすさが共存しているという印象です。ナポレオンフィニッシュは全部飲んでしまったので直接比較することができないのが残念ですが、個人的にはナポレオンフィニッシュのほうがやや好みかなという感じです。もちろん、僕の好みというだけなので、こちらのタウニーフィニッシュの方が好きという人もおられるでしょう。甘さの度合いはやや高めだと思いますが、嫌な感じはしません。ナポレオンフィニッシュもそうでしたが、美味しいからとハイ・ピッチで飲むより、ごく少量をゆっくり飲むのに適している感じがします。【僕の評価】5段階中の4.5ラム ロン アブエロ フィニッシュ コレクション タウニー 700ml (76713) スピリッツ rum(73-9)価格:9218円(税込、送料別) (2020/8/3時点)
2020.10.10
コメント(0)
【ディクタドールXO パーペチュアル】ディクタドールXOパーペチュアルコロンビアのラムです。ディクタドールのラムはどれも美味しく、ハズレ無し。ディクタドール20年はとても美味しく、ディクタドールXOインソレントはメチャウマです。今回はそのメチャウマ、XOインソレントの兄弟的なもう一つのXO、パーペチュアル。もはや美味しいに決まってますが、どんな感じでしょうか。古い銅製のアランビック蒸留器で蒸留し、オークのバーボンカスクを使ったソレラシステムでの熟成だそうです。インソレントよりもストレートな作り方がなされているようですが、各年数(年数不明)のイイやつだけをブレンドしているそうです。これは素晴らしい!グラスからは、濃縮カラメルとオーク、それに少しコーヒーが感じられる、いかにも上等な香りが漂ってきます。味わいもまた極上で、澄みきったカラメルハニー、ダークチョコレート、バニラクリーム、コーヒー、オークの風味が濃厚。それらの各要素が実にバランスの良く溶け合っていることで、なんというか品格のようなものが感じられるほどです。インソレントよりも甘さ控えめでコシがあり、それでいてベルベットのように滑らかで飲みやすく、そして風味的にはストレートな印象です。インソレントの風味は様々な要素が豊富に感じられてとても複雑ですが、このパーペチュアルはそれとは逆にピュアなハイエンドラムという感じがします。うーん、これはウマい。インソレントとどっちが好き?と聞かれたら、僕は躊躇なく「両方」と答えます。どちらかを選ぶなんて無理です。【僕の評価】5段階中の5++ディクタドール XOパーペチャル ラム 700ml 43度 コロンビア 長S ソレラシステム Dictador ラム RUM ラム酒 スピリッツ 長S価格:12980円(税込、送料別) (2020/7/20時点)【限定割引クーポン配布中】ディクタドール XO インソレント [瓶] 40度 700ml 送料無料※(本州のみ) [TK/コロンビア/ラム/600879]価格:12628円(税込、送料無料) (2020/7/20時点)ディクタドール 20年 ラム 700ml 40度 コロンビア 長S ソレラシステム Dictador RUM価格:7590円(税込、送料別) (2020/7/20時点)
2020.09.24
コメント(2)
【マレコン25年】マレコン25年パナマのラムです。マレコンは熟成年数違いで多くのラインナップがあって、以前マレコン12年を飲んでから、より長熟物も飲んでみたいと思っていました。そこで今回シリーズ最長熟(と思われる)の25年を飲んでみることにしました。12年とどれくらい違うのか、同じパナマの激ウマラム:ザフラ21や、アブエロのハイ・エンドモデル:センチュリアと比べてどうなのかも楽しみなところです。色は濃いめ。クリーミーで濃厚さを感じるバニラキャラメル的な香りが漂ってきます。飲んでみると、マレコン12年で印象的だった紅茶の風味はやはりありますが、バニラや蜂蜜、レーズン、樽、それにチョコレートの風味が溶け合った複雑な要素の中に馴染んで存在しています。さすがに12年ものとは全然違い、複雑さと各要素の馴染みが顕著です。長熟の威力を改めて思い知りました。一方、ザフラやアブエロ・センチュリアとは、路線が違うという気がしました。マレコン25年は12年と比べると複雑ですが、ザフラやセンチュリアにはない紅茶風味によるさっぱり感があって、その分重厚感は控えめに感じられました。キューバ時代からのレシピと製造技術が使われているとのことなので、いわゆる「キューバ濃度」がマレコンの味わいを決定づけているのかもしれません。ザフラやアブエロ・センチュリアを飲んで濃すぎると感じる人や、軽めボディの長熟モノを飲みたい時には、このマレコン25年がちょうどいいと思います。 【僕の評価】5段階中の4.5マレコン レゼルヴァ 25年 40度 700ml 並行【RPC】【あす楽_土曜営業】【あす楽_日曜営業】【YOUNG zone】価格:8470円(税込、送料別) (2020/1/12時点)
2020.09.04
コメント(0)
【フロール・デ・カーニャ センテナリオ21】フロール・デ・カーニャ/センテナリオ21ニカラグアのラムです。21は21年物ということではなく、21世紀になった時に記念バージョンとして限定リリースされたということのようです。中身としては15年物らしく、裏にそう書いてありました。これまでこのラムの存在は知ってはいましたが、なにぶん発売がずいぶん前のことだし、限定品ということで流通量も少なく、国内では見つけることができずにいました。海外でも、もうほとんど見かけることはありません。フロール・デ・カーニャは大好きなラムなので、ぜひ飲んでみたいと思っていたところ、今回運良く入手することができました。貴重な1本です。ブルーのボトルにゴールドの文字が印字されていて、カッコいい外観です。ボトルは陶器のようで、他にベルベット調の袋付きでした。キャップのラベルに通し番号があり、僕のは39713番でした。香りは現行のフロール・デ・カーニャと違って、旧フロール・デ・カーニャ系統。糖蜜カラメルにカカオの雰囲気も感じられる濃厚な香りです。飲んでみると味も同様で、カラメル、カカオ、コーヒー、それに蜂蜜の風味もあり、かなり濃厚・フルボディです。とてもコク深く、後味も長くて、現行フロール・デ・カーニャや旧フロール・デ・カーニャよりも強めのしっかりした味わいです。しかしアルコール刺激は無く、とてもマイルド。ボトルの裏に熟成年数15年と書いてあるので間違いないと思いますが、現行や旧フロール・デ・カーニャの18年と比べても、このマイルドさ、まとまり感は際立っているように感じます。同じニカラグアのモンバッチョやボルケーノシリーズ、サパテラとも違う風味・味わいだし、フロール・デ・カーニャ25年の濃厚マイルドさとも別種であるように感じました。同じサトウキビ、同じ蒸留所生まれなのに、こんなに違いがあるのが興味深いですね。発酵、蒸留、ブレンドの奥深さを感じます。【僕の評価】5段階中の5+【あす楽】フロール デ カーニャ 12年 センテナリオ (ニカラグア) 40度 750ml価格:3240円(税込、送料別) (2020/4/10時点)【あす楽】フロール デ カーニャ 18年 センテナリオ (ニカラグア) 40度 750ml価格:4560円(税込、送料別) (2020/4/10時点)
2020.08.28
コメント(0)
【バクー11年】バクー11年ドミニカのラムです。比較的新しいブランドのようで、北米向けには5年、8年、12年を、ヨーロッパ向けには4年、7年、11年を出しているようです。どうしてそんなふうに分けているのかは不明ですが、いずれも比較的安価なラインナップです。ハイ・エンドのブランドというわけではなく、バルセロやマツサレム、パンペロみたいなポジションかと思います。とにかくこのバクーはドミニカ共和国のラムで、僕の大好きなロン・バルセロと同じく糖蜜ではなくサトウキビ絞りジュースから作られ、バーボンカスクで熟成させているそうです。キャップは全体がコルクのタイプです。色はちょっと赤みがあるような深いアンバーカラー。香りは強くはないものの、カラメルやバニラ、オークなどが感じられるオーソドックスな良い香りです。味わいも奇をてらったところのないベーシック系でとても飲みやすく、でも程よいオイリーさ、まったり感もあるいいバランスです。カラメルやバニラ、オークの風味がメインですが、少しフルーティーさもあり、それらがお行儀よくまとまっている感じ。おそらく連続式蒸留機使用と思われるスムースで滑らかな口当たりですが、キューバ系のような軽さが際立っているというわけではありません。程よいコクが備わったミディアムボディといったところです。試しにバルセロ・インペリアルと飲み比べてみました。味わいの違いとしては、今回のバクーはフルーティーさと透明感が感じられて、よりスムース。バルセロの方がカカオ、チョコレート的なコクが強く、やや濃厚系だと思います。どちらも美味しく、大きくカテゴライズすれば仲間のようなものかもしれませんが、僕的にはタイプが違うので、気分によって飲み分けていこうと思います。味わい、価格的に優れていたラムだと思うので、どこかが輸入して国内流通させてほしいです。【僕の評価】5段階中の5
2020.08.19
コメント(0)
【ロン アレウーカス 12年 レゼルヴァ・エスペシアル】ロン・アレウーカス12年スペインのラムです。カリブ海とかあっちの方ではなく、アフリカ北西にあるスペイン領のカナリア諸島で作られています。アレウーカス社は1884年からラムを作り続けている老舗のようで、1892年からスペイン王室御用達のラムになったそうです。なかなか由緒あるラムのようですね。昔々、カナリア諸島のサトウキビがカリブ海に持ち込まれ、周辺の島々や大陸で砂糖が作られるようなり、結晶化しない糖蜜を原料にラムの生産もスタートしたそうです。ラムの蒸留技術者もカナリア諸島からそちらに渡っていったらしいので、スペイン系ラムの出どころはアレウーカス社のあるカナリア諸島であると言えそうです。ボトルは滑り止め効果もありそうな、装飾的凹凸のあるデザインです。注ぎ口には「ドバッと出ないプラスチックパーツ」付きです。ラムの色はやや薄目で、澄んだ綺麗な色合いです。香りはベーシックなスペイン系ラムの香りですが、フルーティーさがかなりあって、ハバナクラブ・セレクシオン・マエストロにちょっと似ている気がしました。ライトボディの飲みやすい口当たりですが、舌の上では蜂蜜的な厚みのあるまろやかさも感じられます。そのハチミツに加え、オークとシェリー、バニラ、それに柑橘系の風味もあります。後味は、味そのものの減退はかなり早めですが、旨味の余韻はそれなりに長く感じられ、この旨味部分の要素にシェリー、シェリーブランデーとの共通性を感じました。あまりメジャーではないこのロン・アレウーカスですが、とてもライト&スムースで飲みやすく、多少の味わいの複雑さもあり、しかしヘンなクセはない、悪くないラムだと思います。【僕の評価】5段階中の4.5【あす楽】アレウーカス 7年 シエテ 40度 700ml価格:2460円(税込、送料別) (2020/4/10時点)
2020.08.16
コメント(0)
【アルティメイタム・ニカラグア18年】アルティメイタム・ニカラグア18年オランダのアルティメットウイスキーカンパニーという、主にシングルモルトウイスキーを扱うボトラーズブランドからリリースされているラムです。ラインナップには今回のニカラグアの他にも、トリニダートやパナマ、ジャマイカのラムなどがあるようです。蒸留所は秘密、ということになっていますが、ニカラグアにはフロール・デ・カーニャのCLN社しかラムの蒸留所はないらしいので、このラムの出所はCLN社のものだと思います。それにしても、なぜ秘密にするんでしょう?ミステリアスっぽくする演出でしょうか。1999年蒸留、バーボンカスクで熟成されて2017年瓶詰、度数46%、とのことです。色はやや薄めです。香りはオイリーさのある、何かお花のような香りです。飲んでみると、味はカラメルとバニラアイスクリーム、それにダークチョコレートのミルキーな風味があって、まろやかな甘さによく調和しています。飲んでいるうちに香りにも変化を感じるようになり、なんというかお花の香りが溶解して、奥から本来のカラメルやバニラの甘い香りが出てきたような感じがしました。そうなると味もひときわまろやかになり、コク深いハチミツやカカオの風味も感じられるようになりました。グラスに注いでから少し待った方がいいやつのようですね。待たなくても大丈夫なやつも多いし、開栓してすぐは早く飲みたいので、なかなか待つことができません・・・【僕の評価」5段階中の4
2020.08.07
コメント(0)
【ロン・カルタビオ ソレラ 12年】ロン・カルタビオ12年ペルーのラムです。前のカルタビオ12年は飲み切ってしまい、もう1回買おうとしたらデザインの違うボトルになっていました。旧ボトルもまだ流通しているようですが、もしかしたら中身も新しく違うものになっているかもしれないと思い、新デザインの方を買ってみました。以前のカルタビオ12年はこんなデザイン。かなり雰囲気が変わりました。ラベルのデザインはいかにも新・旧といった感じ。ボトルはかなり違っていて、旧ボトルは底がとても分厚くて重厚でしたが、今回の新ボトルはかなり普通な感じです。飲もうとしたら、キャップが物凄く固くて困りました。回るだけで引っ張っても開けることができず、何か仕掛けがあるのではないかと思ったほどです。最終的には僅かな隙間にコインを差し込んでこじり、なんとか抜けました。キャップはコルクじゃない素材のやつでした。無事開栓してグラスに注いぐと、香りは以前のカルタビオ12年と同じ感じ。ラムらしい安心できるベーシックな香りです。味もたぶん以前と同じだと思います。以前のカルタビオ12年を飲み切ってからしばらく経っているので定かではありませんが、クセのないまとまった味わいで、記憶の中で「これだ、これだ」という一致感がありました。バニラとカラメル、それにカカオやナッツ、バナナなどの風味があり、濃すぎず、甘すぎず、軽めながら上品に整ったシルキーさが特徴です。このベーシックな味わいは、ラムというお酒の魅力を具現化しているようだとさえ思えます。カルタビオ・ラム・カンパニー(旧名ユニダス蒸留所)では、銅製の単式蒸留器とバキューム連続式蒸留機で蒸留された原酒を、100リットル~500リットルのアメリカンオークやスロベニアオークのバーボン・シェリーカスクによるソレラシステムで熟成、ブレンドしているそうです。現在のところカルタビオはこの12年の他に「XO:18年」、約7年熟成の「ブラック」が入ってきているようです。また、今回の12年新ボトルはまだ一部でしか出回っていないようで、旧ボトルの流通が主流のようです。カルタビオではこれらの他に未輸入ですが5年や8年物、それに内側を強く焦がしたカスクを使った「ブラックバレル」がラインナップされているようです。マウントゲイのブラックバレルは価格に比してとても美味しかったので、カルタビオのブラックバレルも飲んでみたいです。【僕の評価】5段階中の5ロン・カルタビオ ソレラ 12年 RON CARTAVIO SOLERA 12Years価格:3768円(税込、送料別) (2020/3/20時点)
2020.07.10
コメント(0)
【ディクタドール XO インソレント】ディクタドールXOインソレントコロンビアのラムです。最もメジャーなラムロン・サカパと同じく、ディクタドールは糖蜜からではなくシュガーケインハニー(サトウキビジュースを煮詰めてシロップ化したもの、ハイテストモラセスとも言うそうです)から作られています。それをステンレス製アランビック蒸留器で蒸留後、内側をよく焼いてカラメリゼしたシェリーカスク、ポートカスクを使ったソレラシステムで熟成しているそうです。もう美味しそうなことは全てやっている、という感じですね。これまでにディクタドール12年、ディクタドール20年を飲んできましたが、さすがに定番ラムとされているだけあって、コク深いミディアムボディに、コーヒー、メイプルなどの風味がバランスよく備わった素晴らしいラムだと思います。特に20年の方は風味の各要素がよく馴染んでいて、マイルドかつ滑らか、しっかりした味わいで、とても気に入っています。今回のXOインソレントは単に更なる長熟バージョンというわけでなく(熟成年数は不明)、12年や20年とは蒸留もソレラシステムで使われるカスクも別ということで、どんな感じなのかずっと気になっていました。XOシリーズは比較的高価だし、20年の美味しさに満足しきっていた、ということもありますが、今回ガマンできなくなって、とうとう購入することにしました。グラスに注いで顔を近づけると、素晴らしい香りが漂ってきます。濃厚なカラメルクリームと、オーブンでよく焼いたフルーツ、カスタードなどが溶け合ったような「すっごく美味しそうな香り」です。飲んでみると、味わいも極上。カラメリゼしたハチミツ、バニラ、コーヒー、カスタードクリーム、それにシェリーブランデーを焼いたような熟れたフルーツのような風味もあり、それらが混然一体になった、複雑かつスムースな素晴らしい味です。後味、鼻に抜ける香りも永遠に続くサスティーンのよう。フロール・デ・カーニャ25年やアブエロ・センチュリア、ミロナリオXOなどと同様に、スペイン系オフィシャルラムのハイエンドモデルが辿り着いた「正統的・絶対的・圧倒的な美味しさ」を感じます。僕にとっては、ですが、これはラムらしいラムの頂点、こんなのを飲んでいたら自分もとろけて廃人になってしまうのではないかと思うほどの退廃的美味しさ。もっと早く買えばよかった。【僕の評価】5段階中5++ディクタドール XO インソレント [瓶] 40度 700ml 送料無料※(本州のみ) [TK/コロンビア/ラム/600879]価格:12628円(税込、送料無料) (2020/5/3時点)ディクタドール20年 700ml化粧箱入り_あす楽平日正午迄_[リカーズベスト]_[全品ヤマト宅急便配送]【キャッシュレス・消費者還元事業対象店舗(5%還元事業者)】価格:5808円(税込、送料別) (2020/5/3時点)ディクタドール 12年 ラム 700ml 40度 コロンビア 長S ソレラシステム Dictador ラム RUM ラム酒 スピリッツ 長S価格:4301円(税込、送料別) (2020/5/3時点)
2020.05.29
コメント(0)
【コンデ・デ・キューバ7年】コンデ・デ・キューバ7年ドミニカのラムです。ドミニカ産のラムを、スペインのリーベス・ピットマンという社がボトリングしているそうです。ドミニカといえばラムブランドの3Bと言われる、バルセロ、ブルガル、ベルムデズのどこかの原酒かもしれませんが、そこまではわかりませんでした。どれも良いラムをリリースしているところなのでどれでもOK。ソレラシステムでの7年熟成物で、アメリカンオークカスクとオロロソ(シェリー)カスクが使われているそうです。ベーシックなスペイン系ラムの香りで、バニラとオークがメインの丸みを帯びた雰囲気です。飲んでみると、予想以上のマイルドさ。バニラクリームと蜂蜜がメインの風味で、それにオークとココアやフルーツの要素もあります。各要素はよく溶け合っていて、イマイチなラムにありがちな要素の分離感が全く感じられません。7年ものとしては異例にまろやか、完熟感のあるラムだと思います。アルコール刺激が無く、スパイシーな風味も無いので、まろやかさと相まって甘さが印象的ですが、それほど強い甘みがあるわけではありません。このバランスがオロロソカスクの効果かなと思います。とにかく、この味わいでこの価格なら言うこと無しです。が、一つだけ不満があります。ラベルです。輸入元の大きなラベルが本来のラベルを隠すように張られていて、全く読めません・・・【僕の評価】5段階中の4【あす楽】コンデ デ キューバ 7年 700ml価格:2420円(税込、送料別) (2020/1/12時点)
2020.05.06
コメント(0)
【ロン・マツサレム グラン・レゼルバ 18年】マツサレム・グランレゼルバ18年ドミニカのラムです。マツサレムはキューバで創業し、プエルオリコを経て現在はドミニカでラムを生産しています。「コニャックのようなラム」と評され、世界中で人気があるようです。僕も好きなラムの一つです。以前飲んだマツサレム15年はかなりメジャーなラムで、日本でも定番ラムの一つになっていると思います。同様に23年も評価の高いラムですが、今回の18年は以前から存在は知りながら、国内で売ってないので飲めずにいました。ようやく国内流通が再開したようなので入手しました。僕の好みですが、マツサレムの15年と23年とでは、バニラ風味の特徴が際立っている15年の方が好きです。23年も美味しいのですが、まろやかすぎてマツサレム感が薄まっているように思えます。さて、今回のマツサレム18年、グラスに注ぐとマツサレムらしい軽いバニラの香りが漂ってきます。15年よりも濃く、23年より輪郭がはっきりしています。飲んでみてもその感じで、ライト~ミディアムボディにバニラとオークの風味がやさしく、とてもスムースな口当たりです。今回の18年は、風味的には15年に近く、でも15年よりも濃さというか濃度が増していますが、風味の特徴は23年よりもやはりしっかりしていて、僕的にはラインナップ中、一番バランスがいいと思います。典型的なスペイン系ラムですが、味わいの特徴は黒糖カラメル風味よりも、バニラとオークの風味がメインというところで、それが軽めのボディと絶妙にマッチしているところだと思います。また、甘さは香りの印象よりも控えめなので飲みやすく、ソレラシステムによるマイルドさがそれに拍車をかけている感じです。この特徴によって「コニャックのようなラム」と評されるのだと思います。今回の18年もそうですが、マツサレムはどれもかなりリーズナブルな価格設定なので、比較的手を出しやすく、飲んでみるとそのスムースさとクセの無さから、誰もが気に入ることになるラムだと思います。そのマツサレムのラインナップの中で、どれが一番のお気に入りになるかは個々人の好みによるところでしょう。【僕の評価】5段階中の5ロンマツサレム グランレゼルバ15年 700ml_あす楽平日正午迄_[リカーズベスト]_[全品ヤマト宅急便配送]【キャッシュレス・消費者還元事業対象店舗(5%還元事業者)】価格:2618円(税込、送料別) (2020/4/10時点)ロンマツサレム グランレゼルヴァ18年 700ml_あす楽平日正午迄_[リカーズベスト]_[全品ヤマト宅急便配送]【キャッシュレス・消費者還元事業対象店舗(5%還元事業者)】価格:3718円(税込、送料別) (2020/4/10時点)ロン マツサレム ラム グラン レゼルバ 23年 40度 箱付 700ml 正規価格:4048円(税込、送料別) (2020/4/10時点)
2020.04.23
コメント(0)
【ウエストインディーズ・セントラルアメリカXO】ウエストインディーズ・セントラルアメリカXOグアテマラとニカラグアのラムをブレンドしたものだそうです。シングルカスクで43%、とのことです。ウエストインディーズというボトラーズブランドは、ニカラグアXO、ガイアナXOを飲んでみましたが、どちらもすごく美味しく、すっかり気に入りました。今回のセントラルアメリカXOはブレンドですが、僕はグアテマラのラムもニカラグアのラムも好きなので、さぞ美味しいだろうと期待して購入しました。色は淡い方です。グラスに顔を近づけると、少しフルーティーさのあるベーシック系の香りが漂ってきます。飲んでみると、香りの印象よりもはるかにマイルドで、バナナ多めのミルクシェイクにカラメルフレイバーが加わったような感じですが、甘さは控えめで、ボディは軽め。最初はグアテマラ感がわかりませんでしたが、飲んでいるうちに、ふとシェリーっぽい風味が感じられ、その背後の味わいと共に、「ボトラン・ソレラ」だと、ようやく気付きました。グアテマラといえばサカパ23、という先入観が認識を阻害していたをようです、自分の感覚の鈍さを痛感しました。総合的には、ボトランの(ボトランじゃないかもしれませんが・・)シェリー感と軽さ、ニカラグアのコクによるミディアム~フルボディが溶け合っていて、全体的にはやはり軽めの部類に感じられます。ヘンなクセは全く感じられず、飲みやすいラムだと思いますが、ニカラグアXOやガイアナXOと比べると、少し濃厚さ、重量感に欠けるところはあります。また、小さな氷を一つ入れると風味激変、蜂蜜フルーツキャンディみたいな、まとまりのある明るい味わいが楽しめます。【僕の評価】5段階中の3.5【あす楽】ウエスト インディーズ セントラル アメリカ XO ラム 43度 700ml価格:5980円(税込、送料別) (2019/8/22時点)
2020.04.06
コメント(0)
【ベルムデス・アニヴェルサリオ12】ベルムデス・アニヴェルサリオ12ドミニカのラムです。ベルムデス社は1852年創業ということで、かなり老舗のようです。同じドミニカのブルガル、バルセロと共に「スリーB」とされているブランドです。他にも数種類のラインナップがあるようで、ちょっと前までは通販サイトなどで見かけたのですが、現在は日本ではどれも流通がないようです。外箱のブラック&ゴールドのデザイン、ボトルは昔のブランデーのように半透明グリーン、そしてゴールドのラベルというビンテージっぽいデザイン。どうみてもそれなりに高価なラムに見えますが、12年物としては非常に安価でした。オークカスクで12年ほど熟成され、ボトリングは年一回だけとのことです。金属製スクリューキャップを開けてグラスに注ぐと、バニラとミルクチョコレートが溶け合わさったようないい香りがしてきます。飲んでみると、まろやかで適度な甘さがあり、程よいコクも感じられ、想像以上の味わいです。オークやバターキャラメルの風味があって、ごく奥底に僅かなスパイスの風味が隠し味的に感じられ、ミディアムボディを構成する層に寄与している感じです。驚くほどクセがなく、ミディアムボディ具合が絶妙なので、どんどん飲んでしまう系の素晴らしいラムだと思います。この値段でこの味は驚異的ですが、値段を抜きにしても美味しいラムだと思います。安価でベーシック系の美味しさなので、もし国内流通があれば「おすすめのラム」にランクインすること間違いなしです。そもそもラムはマイナースピリッツなので、輸入業者のみなさんにとってはさほど良い商材ではないだろうし、何でもかんでも輸入すればいいというものではないとは思いますが、このベルムデスが流通していなくて、たいして(全然)美味しくもないラムが正規輸入されているのは、とても不思議な気がします。並行輸入ででも、また国内流通があるといいですね。【僕の評価】5段階中の5
2020.03.27
コメント(0)
【チワタン ナワル レガシーブレンド リミテッドエディション】チワタンのレガシーブレンド・リミテッドエディションエルサルバドルのラムです。以前飲んでとても美味しかった、チワタン・レゼルヴァ・エスペシアル12年の会社から出ている限定版です。チワタン12年同様、残念ながら今のところ国内流通は無いようです。円筒形の外箱とラベルには伝統的な文様がデザインされていて、南米の雰囲気が濃厚です。マスターブレンダーのガブリエラ・アヤラさんによって監修された、ごく小ロットの限定生産品とのことです。ラベルによると6336本生産されたようで、僕のボトルナンバーは2516でした。軽く滑らかな14年物と、とてもヘビーな12年物、それに11年物のシングルカスクラムで構成された、47.5%とやや高い度数のラムです。色はやや赤みがかったアンバーカラー。香り立ちがとても良く、グラスに注いでいる間から、バニラやカカオ、カスタードやハチミツなどが溶け合った、特徴ある香りが立ち上ってきます。飲んでみるとかなり濃厚で、ハチミツとカラメル、カスタードの風味が非常に強く感じられます。甘さはしっかりとありますが、どちらかというと味全体が濃いという感じで、甘さだけが際立っているわけではありません。じっくりと味わうと、かなり重層的・複雑な味わいで、バニラやホワイトチョコレート、ナッツペースト、南国フルーツ、ココナッツなど様々な要素が感じられます。それらの中から、ハチミツとカラメル、カスタード風味が後味として、ダメ押しのようにとても長く続きます。国内流通が無く、チワタン12年と比べるとかなり高価で、しかも限定品ということで、なかなか入手のハードルが高いのですが、12年や8年だけでも、誰か輸入してくれないものかと思います。どちらかというとレギュラーラインの12年の方がバランスがとれていて飲みやすいと思います。今回のレガシーブレンドは、やりすぎと思えるほど濃厚です。【僕の評価】5段階中の5
2020.03.15
コメント(0)
【ロン・コンパネロ・パナマ エクストラアネホ】ロンコンパネロ・パナマ エクストラアネホパナマのラムです。近所の大型リカーストアで購入しました。ここはラムの品揃えがけっこう充実してるので、よく利用させてもらっています。蒸留はコラムスティル(連続式蒸留器)、バーボンカスクで12年熟成、とのことです。54%と度数高めですが、どんな感じなのでしょうか。ボトルは黒くて中身が判別できませんが、開栓してグラスに注いでみると色は薄めということがわかります。薄めというか、不安になるほど薄い色合いです。カラメル色素を添加していないのかもしれません。ほとんどのラムは(ウイスキーもブランデーもですが)美味しそうに見えるよう、カラメル色素で色を付けているらしく、でもそれは味に影響しないとのことで反則でも何でもないそうです。基準の厳しいコニャックでも認められているごく普通の措置らしいのですが、無添加のものはわざわざ無添加を謳って自慢しているようです。僕はどっちでもいいというスタンスですが、色が薄いと、熟成期間が短くてアルコール刺激がキツイのではないかと不安になります。でも今回のコンパネロ・パナマは12年熟成とのことなので大丈夫でしょう。香りをかいでみると、たぶん誰に聞いても「チョコレートの香りがする」と言うであろう、チョコレート感満点の香りです。パナマと言えばロン・アブエロなので、それ系の香りを想像していましたが、全然違いました。深みのあるいい香りです。飲んでみると、先ず非常にコク深くてフルボディという印象です。味的にはチョコレート、ココア、わずかに柑橘系といった風味で、チョコレートの香りから連想される甘さはそれほどでもありません。それよりもコクの強さが顕著ですが、さらに54%という強さを感じさせないほどスムースさを併せ持っています。後味もかなり長く続き、総合的にとても味わい深いラムだと思いました。かなり断定的なチョコレート風味ですが、チョコレートが嫌いな人以外は美味しいと感じると思います。僕はとても気に入りました。【僕の評価】5段階中の4ロン コンパネロ パナマ エクストラアネホ 700ml 40度 COMPANERO RON ラム RUM ラム酒 スピリッツ 虎S価格:4950円(税込、送料別) (2019/12/19時点)
2020.03.10
コメント(0)
【ドス マデラスPX5+5】ドス・マデラスPX5+5バルバドスとガイアナのラムですが、ウィリアムズ&ハンバートというスペインの会社の製品です。ウイリアムズ&ハンバート社はシェリー酒を主に製造している会社で、スペイン・アンダルシア地方のへレスにあります。*コニャック地方で作られるブランデーをコニャックというように、へレス周辺で作られる酒精強化ワインのことをシェリーというのだそうです。バルバドスとガイアナの5年熟成物をスペインへ運んで、ウイリアムス&ハンバート社ご自慢の20年以上使われたというパロ・コルタド(シェリー酒)の古樽で3年、さらにその後ペドロヒメネス(これもシェリー酒)の古樽でさらに2年熟成させたそうです。ラムの産地的にも僕としては理想的なのですが、これだけ手間のかかったソレラシステム熟成ということで、とても期待が高まります。深く澄んだアンバーカラー。そして物凄く複雑ないい香りです。濃厚さ、華やかさ、軽さが同時に感じられます。飲んでみてもそのとおりで、ガイアナの濃厚カラメル風味がシェリーのフルーティーさと溶け合い、そこにバルバドスのバナナ、ナッツ風味が加わって、見事に調和した深い味わいです。華やかな風味にしっかりとしたコシのある「飲みやすいフルボディ」という感じです。コクのある甘さといい、素晴らしいバランスだと思います。トリプルエイジングプロセスという面倒な工程が、見事に実を結んだ素晴らしいラムだと思います。ちょっと前までは通販サイトでよく見かけたのですが、今回はほとんど発見できませんでした。確か明治屋さんが輸入販売元だったと思いますので、また出回るようになるかもしれませんね。【僕の評価】5段階中の5【スペイン:ラム酒】ドス マデラス 5+5PX 40度 700ml (専用BOX入)価格:11980円(税込、送料別) (2020/1/17時点)
2020.02.10
コメント(0)
【プランテーション グランアネホ グアテマラ&ベリーズ】プランテーション・グランアネホ/グアテマラ&ベリーズ1:トロピカルエイジング(カリブ海エリアの暖かい気候での熟成):グアテマラ3年、ベリーズ4~6年2:コンチネンタルエイジング(ヨーロッパ=フランスでの熟成):フェラン社の樽でさらに1年熟成という、プランテーションブランドの得意技、ダブルエイジング製法で作られています。プランテーションのラムはこれまでに幾つも飲んできましたが、ダブルエイジングなんて面倒なことをやってる割には、どれも比較的お手頃な価格であることが多く、品質の割に手を出しやすいのが特徴です。今回のは生産国がグアテマラとベリーズの二つだというのに一番安価。たぶん熟成年数が短いからでしょうね。色はやや薄めのアンバーカラー。グラスに顔を近づけると、バニラとわずかにクローブ、さらにシェリーっぽいフルーティーさも感じられ、典型的なスペイン系ラムの良い香りが漂ってきます。飲んでみると、想像していたよりもコクが深く、シェリー風味に包まれた明るい感じの甘さのおかげで口当たりも良好。うっすらとあるオークの風味もいい感じです。あくまで僕のイメージですが、ロン・ボトランの進化系といった感じで、ボトランの過剰部分を削除し、欠落部分を補って上手く整えた、という気がします。ベリーズ部分はどうなんだということは正直分かりません・・・とにかく、総合的には価格から想像していた以上に美味しいラムでした。プランテーションのマスターセラーさんの腕前は確かですね。【僕の評価】5段階中の3,5
2020.02.05
コメント(2)
【ロン ムラータ 15年】ロン・ムラータ15年キューバのラムです。以前飲んだムラータ7年の上位版で、15年という熟成年数の割には非常に低価格。同じキューバのハバナクラブ15年なんて2万円くらいなのに、こちらはその1/3以下です。どうしてそうなるのかはわかりません。キャップの上部分はウッド、ラベルはブラック&ゴールドでなかなかカッコいいデザインです。香り立ちがとても良く、グラスに注いでいる時から濃厚さと爽やかさが同居するキューバ的芳香が漂ってきます。味はちょっと特徴的です。ミディアムフルボディくらいのベースに、熟したプラムとコクのある黒糖カラメルの風味が溶け合っていて、後味は深い甘さの次にフルーティーな酸味がうっすらと残ります。そのフルーティーさのおかげで、しっかりした味わいがありながら、飲み終わるとさっぱりしている、というところが、キューバ的。前に飲んだハバナクラブ・セレクシオン・マエストロもそんな感じがしました。ただ、そういう全体的なデザイン構成に似たところがあるというだけで、味わいは全然違います。とにかくこのムラータ15年、かなり美味しいラムだと思います。ロン・ムラータ7年の雰囲気は確かにありますが、かなり隔たりが大きいと思います。この15年が完成形で、7年は道半ばという感じでしょうか。【僕の評価】5段階中の4,5ラム ロン ムラータ 15年 アネホ 700ml (73-9)(73859) スピリッツ rum価格:5038円(税込、送料別) (2019/10/5時点)
2020.01.31
コメント(0)
【XXX/スリー アルコールス・フィノス・ドミニカノス2010】XXX/スリー・AFD2010ドミニカのラムです。AFD(アルコールス・フィノス・ドミニカノス)社は、あの稀代の名ラム「ロン・バルセロ」の蒸留所です。2010年にサトウキビジュースから蒸留、2015年までバーボンカスクで熟成され、その後スティールタンクと英国でのラムカスクを経て、2019年に240本がボトリングされた、とのことです。多くのラム愛好家などによるブラインド試飲投票を勝ち抜いたものを製品化したという珍しい形態のラムです。キャップを覆う赤いシールが3層にもなっていてとても開け辛いです・・そんなに厳重にしなくてもいいのに、というほどです。度数は62.4%で、ノンチルフィルター・無着色。そのまま飲むにはキツイだろうと思いましたが、先ずは何も加えずにそのまま飲んでみます。色はそれほど濃くはなくて普通な感じ。グラスに注いで香りをかいでみても普通の良い香りです。でも飲んでみると衝撃的な味の濃さ。アルコールの強さもあるのかもしれませんが、もう粉っぽいほど濃厚です。カラメルやハチミツ、バニラやチョコレートなどが溶け合った、ブライトで濃厚な風味です。そして62.4°にしては比較的飲みやすい方だと思います。輪郭のはっきりした明瞭な味という特徴は、やはりバルセロ・インペリアルを思わせます。半端ではないコクと、不思議にもバランスのとれた甘さが印象的です。ちょっと薄めたらいつものバルセロになるかと思いきや、氷や少し水を入れてみても、あまり変化が感じられません。入れすぎるとただ薄くなるだけだし、適正量を見つけることができず、今のところストレートで飲むのがベストだと思っています。さすがにすぐ酔ってきますが・・・バルセロはバルセロでいつも棚にあるんだし、薄めてバルセロにしようなどという愚かな試みはやめて、これは当分ストレートで少しづつ飲んでいこうと思います。【僕の評価】5段階中の5
2020.01.11
コメント(0)
【ロン アブエロ フィニッシュコレクションXVナポレオン】アブエロ・ナポレオンフィニッシュパナマのラムです。オークカスクで14年熟成、その後ナポレオン/コニャックカスクで1年熟成させているそうです。フィニッシュコレクションということで、このナポレオンフィニッシュ以外にも、オロロソ(シェリー)、タウニー(ポートワイン)フィニッシュの各バージョンがあるようです。アブエロといえばパナマの代表選手。最初に飲んだベーシックモデルのアブエロ12年は、僕としては「まあまあ」といったところでしたが、ハイ・エンドモデルのアブエロ・センチュリアは素晴らしい味わいのラムでした。今回のは熟成年数もさることながら、コニャック・フィニッシュというところが大きな違いです。グラスに注いで顔を近づけると、コニャックのフルーティーさが優勢で、その奥にアブエロがあるという感じです。とてもいい香りです。一方、飲んでみると今度はアブエロが優勢。12年とは差が大きく、ハチミツやカカオなど複雑で重層的です。 アブエロの濃厚さはコニャックを跳ね返し、ナントカフィニッシュにありがちなそのラム本来の風味が失われるということがなく、しっかりアブエロが存在しています。アブエロのディープさを、コニャック風味が華やかな香りで包み込んでいて、その効果は後味まで均一です。味としてはアブエロらしく甘めですが、コニャックカスク効果で全体のバランスが取れていて、飲みやすいラムに仕上がっていると思います。【僕の評価】5段階中の5ロンアブエロ フィニッシュコレクション ナポレオン 40度 700ml15年熟成 ナポレオンコニャック樽 パナマ ダークラム RUM ラム酒 スピリッツ 長S価格:9218円(税込、送料別) (2019/10/5時点)
2020.01.04
コメント(0)
【キングスバリー ニカラグア17年】キングスバリー・ニカラグア17年ニカラグアのラムです。このキングスバリー社はスコットランドのボトラーで、主にシングルモルトウイスキーを扱っている会社です。ウイスキーのボトラーがラムも扱うのは普通のことのようで、ケイデンヘッドやブラックアダー、それにハンターレインも、キルデビルという別ブランドでラムをリリースしています。ボトラーズの方針というか存在意義は、自分たちが良いと思ったラムを蒸留所から樽買いして、できる限りそのラムに備わっている特徴をそのまま販売する、というところです。しかし、ただ選んだだけでブレンドも何もしてなくて、カスクストレングスとかもっともらしい謳い文句で、ただ瓶詰めするだけなのに、オフィシャルのラムよりも値段が高いのはなぜだ、と当然の疑問を抱くことになるので、そう思ってしまった人は買わないのが一番だと思います。さて、今回のキングスバリー・ニカラグア。ニカラグアでラムを作ってるのはフロール・デ・カーニャの、カンパニラ・リコレラ・デ・ニカラグア社しかないので、言ってみればフロール・デ・カーニャの元ネタ、ということです。僕はフロール・デ・カーニャの=ニカラグアの=CLDN社のラムが好きなので、これまで飲んだボトラーズラムの多くがニカラグアのラムです。特に美味しかったのは、ブラックアダー・ニカラグア12年ウエストインディース・ニカラグアXOキルデビル・ニカラグア17年どれもフロール・デ・カーニャとはかなり違った味わいですが、ニカラグア要素が存分に味わえます。この3社以外の他のボトラーズニカラグアンラムも幾つか飲んできましたが、全部同じCLDN社が作ったラムなのに、それぞれかなり違った味わいだというところが興味深いです。度数46%で、これはウエストインディーズ・ニカラグアXOと同じです。ウエストインディーズはXOと書いてあるだけで、何年物なのかはわかりませんが、違和感なく濃厚さが味わえる絶妙なところだと思いました。今回はどうでしょうか。色はかなり薄めです。香りは、これまでのニカラグアにはなかった、何かお花のような芳香を感じます。それはアルコール刺激と一体化していて、核心部の香りを覆い隠しているかのようです。味も特徴的で、まるでニカラグアンラムの要素を「反転」させたような感じ。ニカラグアンラム全般に存在する、オイリーなコクが甘さと共に最後部へ後退していて、従ってコクが浅く、それを埋めるかのように、謎のお花風味とアルコール刺激が支配的に広がっています。なんというか、隠されていた負の側面が露呈してしまったような、憧れていたあの人の知りたくなかった非人道的なふるまいを見てしまった、というような気持ちになりました。グラスに注いだまま、30分待ってもさほど変化はありません。こういうのが好きな人がいるのかもしれませんが、僕の好みからは大きく外れています。好みに合わなかったニカラグアンラムは初めてです。開栓して2週間とか1か月すると変化が現れることもあるので、しばらく待ってみることにします。【僕の評価】5段階中の2.5Kingsbury Rum Nicaragua 17 yo [2000] / キングスバリー ラム ニカラグア 17年 [RM]価格:10044円(税込、送料別) (2019/9/24時点)
2019.12.20
コメント(0)
【ロン・バルセロ・インペリアル プレミアムブレンド21アニヴェルサリオ】バルセロのプレミアムブレンド、21アニヴェルサリオ。ドミニカのラムです。先日飲んだのは30周年記念モデルで、それは現在流通していますが、今回のは21周年記念モデル。かなり前のもののようで、現在はネット上でも販売されているのを見つけることができません。なぜ20年ではなく21年という半端な時に記念モデルを出したのかなど、知りたいことはいろいろあるのですが、詳細は不明です。ティンケース入りでボトルデザインは普通っぽく、注ぎ口には安価なラムに時々ある、透明プラスチックの「少しづつしか出てこないパーツ」がついています。30周年記念モデルと比べると、外観のゴージャスさはさほどではありません。グラスに注いでみると、色は特別濃いというわけでもなく、普通っぽい感じ。やや濃い目くらいです。香りは素晴らしく、ダークチョコレートとバニラ、香ばしいコーヒーなどが溶け合ったニュアンス。ニカラグアのラム、モンバッチョに驚くほど似ています。飲んでみると、とても複雑で重層的。バニラ、濃厚ダークチョコレート、バター、そしてコーヒーや樽の風味もバランスよく一体化していて、とてもマイルド。コク深くてアルコール感皆無、驚きのおいしさです。味的にもモンバッチョと似ていますが、オイリーなコクがより深く、甘さはバルセロらしく表面近くに明確に感じられます。ノーマルのバルセロ・インペリアルや、バルセロ30周年より、ニカラグアのラムに似ているということに驚きました。業務提携・技術交換していたのではないかと思うほど似ています。大袈裟な、と思われるかもしれませんが、ここまで似ていると、たぶん誰が飲んでもそう思うと思います。どちらにしても、僕にとっては両方とも大好きな味なので、とてもハッピーです。【僕の評価】5段階中の5++
2019.12.08
コメント(0)
【ケーンアイランド・ニカラグア】ボトラーズブランド、「ケーンアイランド」のニカラグアバージョンです。熟成年数は12年。ケーンアイランドはインフィニティ・スピリッツというオランダの会社がやってるボトラーズブランドです。カリブ海と中央アメリカ産のラムを幾つかラインナップしているようで、大きくカテゴリー分けすると、とある島の複数の蒸留所のラムをブレンドした「シングル・アイランド・ブレンド」シリーズと、単一蒸留所のラムの「シングル・エステート」の2つに分類できます。今回はシングルエステートの「ニカラグア」を飲んでみます。僕はニカラグアのラムが好きなので、ラインナップにニカラグアがあると、先ずそれを飲んで美味しかったら次に行くかどうかを検討することにしています。ボトルの裏ラベルには、「ちゃんと熟成させてます、樽に再充填してないし、ソレラでもない正真正銘の12年熟成ラムです」みたいなことが書かれています。僕としてはソレラでも最高熟成年数表記であっても、美味しければなんでもいいのですが、そういうところへのこだわりが強いようです。度数43%で、色はフロール・デ・カーニャより少し濃く感じます。大まかな香りや味の系統はやはりフロール・デ・カーニャ的ですが、旧フロール・デ・カーニャや、同じニカラグアのモンバッチョシリーズにより近い風味を感じます。穏やかなバニラの風味に加えて、力強さを感じるダークチョコレート的なニュアンスがあって、比較的濃厚系。味そのものがはっきりと濃く感じられ、もともと甘さはさほど強くはないニカラグアンラムですが、相対的にさらに甘さ控えめに感じられます。そういった個々のバランスが良く、全体的にはとても美味しいラムだと思いました。これだけ美味しければ、ケーンアイランドブランドのセンスは信用できる気がします。他のラインナップも飲んでみたいと思いました。珍しいオーストラリアのラムや鉄板バルバドス:フォースクエアのバージョンもあるし、それに日本には入ってきていないようですがドミニカ:ロン・バルセロの蒸留所のやつも興味深いですね。【僕の評価】5段階中の5ケーンアイランド ニカラグア シングルエステート 12年 熟成 700ml 43度 ラム RUM ラム酒 スピリッツ 長S価格:4950円(税込、送料別) (2019/10/31時点)
2019.11.22
コメント(0)
【ロン・アブエロ センチュリア】アブエロ・センチュリア。パナマのラムです。以前飲んだのは、アブエロ12年。強めの干しプルーン風味が印象的な甘口ラムでした。今回のセンチュリアはアブエロのハイ・エンドモデル。アブエロ創立100周年を記念して、ソレラシステムによる30年熟成物がブレンドされている限定品なんだそうです。立派なウッドのボックスに入っていて、お値段も立派でした。グラスに注いでみると、色はかなりの濃さです。香り立ちはそこそこですが、いかにも長熟らしい様々な要素が溶け合った、複雑で濃厚な香りです。飲んでみても、とても濃厚でしかもマイルド。オイリーなコクに包まれた、バニラ、蜂蜜、イチジク、チョコレートなどの風味が滑らかに溶け合った重厚な味わいです。アブエロらしく甘いのですが、全体がとてもリッチなので、甘さだけを抽出して感じるのが難しく、ちょうど良い甘さとしか感じられません。全ての要素がバランスよく落ち着いていて、さすがハイ・エンドモデルという感じです。アブエロ12年とは全然違う、というかボトルを見ずに飲んだらアブエロとは到底思えないほどの素晴らしいラムだと思います。ミロナリオXOやフロール・デ・カーニャ25年などと同様、高くても納得の味わいです。オフィシャルのハイ・エンドモデルはさすがですね。【僕の評価】5段階中の5ラム ロン アブエロ センチュリア 700ml (91-0)(73738) 取寄 スピリッツ rum価格:14580円(税込、送料別) (2019/9/13時点)
2019.11.11
コメント(0)
【フロール・デ・カーニャ7年】フロール・デ・カーニャ7年ニカラグアのラムです。僕の好きなフロール・デ・カーニャの7年物です。現在、国内流通はないようです。フロール・デ・カーニャのオフィシャルサイトでは、ラインナップのカテゴリー分けがなされています。25年は「ラグジュアリーコレクション」12年と18年は「ウルトラプレミアムコレクション」今回の7年は「スーパープレミアムコレクション」前回飲んだ5年は「プレミアムコレクション」となっています。どれも凄そうなカテゴリー名称ですが、7年は「カクテルにもどうぞ」、5年は「カクテルにどうぞ」的な話しになっています。僕はカクテルは好みではないので、いつものようにストレートで飲みます。結論から言うと、美味しいラムだと思いました。前回の5年は物足らないほどライトでしたが、今回の7年は香り・味ともにちゃんとした濃度があり、かなり12年寄りになっています。もちろん12年との差はありますが、12年と比較せず、これ単体でみると一定の満足基準を満たしていると思います。メチャウマの25年からすると、18年は凄く美味しく、12年はとても美味しく、この7年は美味しく、5年までいくと軽すぎて物足らない、という感じです。フロール・デ・カーニャの特徴である、オイリーなコクと柔らかなバニラ風味、適度な甘さ、クセのない飲みやすさは、この7年で充分に感じられます。僕の中では、このフロール・デ・カーニャ7年は、バルセロ・グランアネホと同じくらい美味しいと思います。しかし、バルセロ・グランアネホは熟成年数4年くらいらしいので、本来はフロール・デ・カーニャ5年が同等であるべきですが、実際に匹敵するのはこの7年です。そう考えるとバルセロはエライですね。【僕の評価】5段階中の4
2019.10.26
コメント(0)
【レジェンダリオ7年】レジェンダリオ7年。キューバのラムです。このレジェンダリオ、アグアルディエンテという古式純正ラム酒なんだそうです。なんでもキューバではラムは4回蒸留して作るという規定になっているらしく、このレジェンダリオは蒸留1回ということで、キューバ的にはそのように区分されているそうです。僕としては定義どちらでもいいのですが、度数34%と異例に低めだし、1回だけ蒸留ということで、普通のラムとの風味の違いが気になるところです。色はやや濃い感じ。グラスからはフルーティーさのある黒糖の香りが漂ってきて、思ったより普通っぽいです。ハバナクラブやロン・ムラータとかに似た香りだと思います。でも飲んでびっくり。どんなラムにも似ていません。もう、とろみがあるほどの濃い甘さで、飲んだことはないけど糖蜜シロップのような感じ。あまりにも直球な糖蜜風味の甘さが濃厚で、それが全体を圧倒的に支配しているのでアルコール感が全く感じられず、これは本当に蒸留酒なのだろうかと疑問を抱くほどです。アグアルディエンテというものをこれまで飲んだことがないのですが、確かにラムとは違うものだと思いました。凄く甘いのですが、これはこれでアリだと思います。不快な要素が全くないストレートな糖蜜風味で、アルコール感皆無。あまりにも甘さが強いので飲むシーンを選ぶだろうとは思いますが、ヘンな風味のラムよりはるかに飲みやすいと思います。レジェンダリオには今回の7年の他に9年物もあるようで、そちらも気になってきました。【僕の評価】5段階中の3.5レジェンダリオ ラム 7年 34度 700ml_[リカーズベスト]_[全品ヤマト宅急便配送]価格:2570円(税込、送料別) (2019/8/29時点)
2019.10.21
コメント(0)
全133件 (133件中 1-50件目)