2014年09月09日
主婦は必読!「夫が病気で働けなくなった時」に備えておくべきポイント
もし、会社勤めをしている夫が病気になり、出社できなくなる状況が発生したら、どうなると思いますか?
風邪や胃腸炎など数日で治る病気でしたら、「有休でしょ!」と思われる方は多いかと思いますが、重篤な病気となり長期に休むことになったら、一体どうなってしまうのでしょうか。また、万一、夫が“障害”を抱える状態になってしまった時の経済的なリスクに備えはありますか?
今回は、社会保険労務士事務所ステラコンサルティング代表の特定社会保険労務士・坂田新悟さんに、“会社勤めの夫が具合悪くなった時”のリスクと対応策についてお話をうかがってきました。
■1:病気がすぐ治りそうな場合
「風邪や盲腸など、比較的すぐに治る病気にかかった場合は、“年次有給休暇”を使うのが一般的でしょう。普段、有休を使わない方で社歴が長い人ですと、2年分(年20日×2年分=40日)を持っているので、仮に病気で休まないといけないことが発生した場合、営業日換算で約2か月程度は有休でなんとかなります」
■2:“約2か月”経っても就労できない場合
「有休がまるまる残っている方は約2か月を有休で過ごし、それでも就労できない事情の場合、会社によっては休職扱いになります。ここからが会社によって大きく違うんです。休職期間は、会社の体力(規模)によって設定されているところが多いですね」
休職制度の有無や休職期間、その間の賃金の取扱いなどは会社によって異なり、就業規則等で定められているものです。ほとんどの中小企業は休職期間中は賃金が無給で、社員としてはその間の生活費を健康保険の“傷病手当金”で賄うことになります。
「そもそも休職制度は、労働基準法に定められているものではないんです。中小零細企業は、休職を定めるような就業規則自体がそもそも存在しないこともあります。私傷病で長期間労務提供できないことが明らかであれば法律上では解雇も可能になります」
休職制度って大切なんですね。ぜひ夫の会社に休職制度があるかどうか確認してみてください。
「社員が働けずに休んでいる間、給与の支払いはなくても在籍しているだけで、会社は“社会保険料の半分を負担している”ことになります。そういう意味で、企業の規模によってはあんまり長い期間を設定するのが会社にとって厳しいんです。休職制度は社員が安心して就労できる環境の1つであって、ある意味“福利厚生”とも言えるんですよね」と、坂田さん。
■3:1年6か月以上病気が続き、傷病手当金の受給が終わってしまった場合
「傷病手当金は支給開始から“1年6か月”受け取ることができますが、それでも会社に復帰をすることができない場合、多くの方が職を失っている現実があります。症状によっては“障害年金”を請求できるかもしれません」とのこと。一度、請求方法などを調べておくといいですね。
■4:夫が働けない場合の住宅ローンは?
「住宅ローンは“健康”だから組むことができるものですが、多くの方は上記のような状況になった時を考慮せず、何十年も続く住宅ローンを組んでしまいます」
「“団体信用生命保険(団信)”があるから平気、と考えがちですが、死亡はともかく、団信でいう“高度障害状態”はその基準がかなり厳しいです。障害年金よりもはるかに範囲が狭く、身体障害に偏っています。うつ病などの精神障害ではまず出ません。つまり“働けない=高度障害状態”にはならないわけです。
そうなると住宅ローンはそのまま残り、かつ医療費もかかる、収入が減る、子供の学費がかかる、そういった悪循環に陥ってしまいます」
対策としては、疾病保障付団信、収入保障保険や学資保険に入ることが重要とのことでした。なお、一般的に、保険は障害を抱えている状態になってしまってからでは入れませんのでご注意ください。
以上、会社勤めの夫が具合悪くなった時に備えて、知っておきたいリスクと対策についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
家族が健康であるということが一番ですが、いつ何が起こるかはわかりません。一家の大黒柱である夫が具合悪くなった時のことを考えて、必要な保険に入ったり、配偶者である自身も働く能力やスキルを身につけておいたりするなど、備えておく必要はあるでしょう。
【気になった話題・ニュースの最新記事】
この記事へのコメント