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火山灰って、どんな灰?

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突然の噴火で惨事となった御嶽山。宮崎県の霧島も再噴火の可能性が高まっているというから、しばらく火山に悩まされそうだ。

もし大量の火山灰が降ってきたら、どうすれば良いのか? 「灰」の名がつけられているもののガラスや鉱石が主成分なので雪と同様に排水溝に流せば下水が詰まってしまうし、そのまま放置しておけば目や肺に入れば健康被害の原因となる。

現在は産業廃棄物的に処理されているが、江戸時代は「天地返し」と呼ばれる方法で地中深く埋めていたのだ。



■ガラスの破片が降り注ぐ!

現在も活動しているか、将来噴火する可能性のある火山を活(かつ)火山と呼び、日本には110の活火山が存在する。もっとも多いのは東京都で、伊豆七島や硫黄島、海底火山が含まれ21もある。続いて北海道には20、桜島や霧島山で知られる鹿児島県にも11が存在し、単純に計算すれば、1都道府県あたりに2つの活火山があることになるので、どこに住んでいても火山と無縁ではいられない。

世界文化遺産に登録された富士山も活火山で、最後の大規模活動は300年前の宝永(ほうえい)噴火だ。噴火は16日間も続き、江戸にまで爆音と火山灰が届いたと記されており、再度噴火した場合、関東地方には年間10cm程度の降灰が起きると予測されている。

普段接する機会のない火山灰に対処できず、大混乱が生じるのは必至だ。

もし大量の火山灰が降ってきたら、どう処理すれば良いのか? 火山灰はガラスのような鉱石なので、割れたコップの破片が降ってくるようなものだから、まずはゴーグルとマスクでからだを守り、かき集めた灰は「不燃ゴミ」として処理するしかない。

クルマの運転にも注意が必要で、ワイパーを作動させればフロントガラスが傷だらけになるし、路面を覆った灰でスリップしやすくなる。雪かきの要領で積もった火山灰を側溝に流すと、下水が詰まってかえって大ごとになってしまう。

桜島の噴火の続く鹿児島県では降灰ステーションと呼ばれる専用の集積場があるように、処理方法をまちがえると都市の機能をマヒさせる原因になりかねないのだ。

■水に濡れると粘土状に

科学が発達していないころは、火山灰をどのように処理していたのか? 1707年の宝永噴火では「天地返し」と呼ばれる方法で、農地の深くに埋めてしまったのだ。

宝永噴火によって吹き出された火山灰や火山礫(れき)は推定18億トンといわれ、家屋はおろか川も埋めてしまい、氾濫(はんらん)によって田畑が流される二次被害も発生した。対応に時間がかかった原因は幕府の放漫経営で、充分な予算が得られず「とりあえず」的な工事しかなされなかったからだ。

そんな窮状を打破したのが「天地返し」だ。これは農地に深い溝を掘り上下の土を入れ替える方法で、本来は土質改善のための「耕す」行為なのだが、川にも流せず置き場所に困る火山礫を処理し、なおかつ火山灰に埋め尽くされた農地を復活させるための苦肉の策として講じられたのだ。

軽石やスコリア(黒い軽石)は水はけが良く、空気が抜ける穴が多いため土質改善になるが、火山灰には水を含むと粘土状になるものがある。川が氾濫したのも、流されずに川底で固まってしまった火山灰が原因なので、農地に埋めると田んぼができあがってしまう可能性もある。

富士山周辺では4mも積もったため、多大な労力を要する天地返しは限られた範囲でしかおこなわれなかった。もし全面的におこなえば広大な沼ができあがる可能性もあったので、結果オーライと考えるべきかもしれない。

■まとめ

・「灰」と呼ばれているが、火山灰はガラスのような鉱石

・目や肺に入ると、健康被害の原因になる

・路面に積もるとスリップしやすい

・水を含むと粘土状になるものもある

御嶽山の被害者のご冥福と、一日も早い復旧を祈る。












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