2016年03月06日
ゆで卵の殻がむきにくいのは新鮮な証拠! では簡単にむくコツは?
もっともカンタンな調理のひとつ「ゆで卵」。自炊とまでは呼べないながらも、食費を安くしようと活用しているひとも多いでしょう。
殻が上手にむけず白身も取れちゃった!なんて局面では「卵が古かった」と言われがちですが、じつはまったくのウソ。新鮮な卵ほどむきにくく、2週間経った卵のほうが早くきれいにむけるというデータもあります。冷蔵もむきにくさの原因なので、室温で2〜3日置けばキレイにむけるゆで卵がカンタンに作れるのです。
■ゆで卵にするなら2週間待て?
目玉焼きからお菓子作りまで幅広く使える「卵」は、ひとり暮らしでも重宝する食材で、毎朝作るのはメンドウだからまとめてゆでちゃえ!なんてひとも少なくないでしょう。いざ食べようとしたら殻がキレイにむけず悪戦苦闘、白身もくっついて月のクレーターのようになってしまった経験は誰でもあるはず。「きっと卵が古かったんだ」なんて言われがちですが、原因はその正反対。鮮度の良い卵ほど殻がむきにくいのです。
産卵からの経過時間、むくのに必要な時間、身が減ってしまう歩留(ぶど)まり率を比較すると、
・0週 … 109秒 : 79.5%
・1週 … 38秒 : 89.8%
・2週 … 22秒 : 89.1%
・4週 … 27秒 : 90.1%
で、新鮮な卵は圧倒的にむきにくいことがわかります。歩留まりとは、むく前後の重さを比較した数値なので、殻の分だけ軽くなるのは当然ですが、0週は4週よりもおよそ10%も少なく、つまり白身も取れてしまっているのです。かかる時間と歩留まりのバランスを考えると、新鮮どころか「2週間目の卵」がベストなのです。
これは、卵白のpH(ペーハー)が時間とともに変化するためで、
・新鮮な卵 … pH値が低い
・時間が経った卵 … pH値が高い
pHは酸/アルカリ性を表し、新鮮なものは酸性が強いのに対し、古くなるとアルカリ性に傾くからです。
■意外とデリケートな「ハードボイルド」
新鮮なうちに「キレイにむけるゆで卵」は作れないのでしょうか? 答えはYes、ゆでる2〜3日前に冷蔵庫から出しておくだけでOKです。
生卵はもともと長期保存できる食材で、保存温度と生食できる期間の目安は、
・10℃ … 57日
・20℃ … 30日
・29℃ … 15日
期間さえ守れば夏でも「室温」保存できる耐久性を持っています。本来は冷蔵庫に入れる必要もありませんし、低温が時間の経過を遅くし「むきにくさ」の原因にもなっています。そこで使う2〜3日前に冷蔵庫から出し、正しい時間軸に戻しておくと、キレイに向けるようになるのです。
夏場でも2週間ぐらいは室温保存できるのですから、室温で2〜3日過ごしたからと極端に傷むことはありません。それよりも、ゆでた後のほうが注意すべきで、硬ゆで卵を保存できる期間は、
・10℃ … 21日
・25℃ … 3〜7日
と、生より短くなってしまいます。これは卵が生きている証拠で、生のうちは菌に対抗する力を持っているのに対し、ゆでてしまうと抵抗力がなくなってしまい傷みやすくなります。そのため、
・生卵 … 常温保存が可能
・ゆで卵 … 冷蔵庫で保存すべき
と、硬ゆで卵は「ハード・ボイルド」の語源なのに、イメージとは逆ですね。ゆでてあるから大丈夫!はまったく根拠がありませんので、一度に大量にゆでず、なるべく早めに食べるようにしてください。
・新鮮なゆで卵ほど、殻がむきにくい
・2週間経った卵は、むく時間が5分の1に短縮、食べられる量が1割ほどアップする
・白身のpHが変化するのが原因
・ゆでる2〜3日前に冷蔵庫から出しておくだけで「むきやすいゆで卵」が作れる
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