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大流行の風疹 43%は「加害者」になる恐れあり



厚生労働省の5/8の発表によると、風疹の患者報告数は、今年初めから4月28日までの累計で昨年1年間の2倍を超え、5442人となったことが分かりました。特に、4月28日までの1週間に新たに報告された患者数は526人に上り、東京を中心に全国で風疹の流行が広がっています。

感染症といえば、インフルエンザのように寒い時期に流行するイメージがあるかもしれませんが、実は風疹のピークは「春から夏」にかけて。また、今回の風疹の流行は法律の変わり目で予防接種を受けていない可能性のある20代〜30代という大人世代のものであるため、多くの大人が移動したゴールデンウィーク後、まさに今からの時期に、感染が拡大するのではないかと見られています。

風疹という病気は、大人が罹患することよりも、妊娠中の女性、とくに妊娠初期に感染することで胎内の赤ちゃんに重い障害が出る可能性が危険視されています。これは、白内障や心疾患、聴力障害など「先天性風疹症候群」と呼ばれています。国立感染症研究所からは、「風疹が流行すると人工妊娠中絶が増える」というデータも発表されており、妊婦に風疹を移してしまった人は、間接的に「殺人者」になってしまうと言っても過言ではないのです。

さて、この「赤ちゃんに障害が出るおそれがある「風疹」の危険性を知っていましたか?」という国民投票の結果は、以下のようになりました。

・知っていた:75%
・知らなかった:25%

(ゼゼヒヒ インターネット国民投票調べ、193回答、2013年5月8日0:00現在)

コメントを拾ってみると、まず挙がってくるのが
「最近のニュースで知った」「NHKで何回か放送されているので」というもの。最近の流行によって、各社ニュースでも取り上げられる件数が増えているため、それによってある程度、認知は広がっているようです。

知っていた人の中では、「去年、嫁が授かったので知りました」といった、実体験に基づく人や(妊娠すると、初期の検診で必ず風疹の抗体検査を受けます)、「48歳の私の世代で沖縄に親戚がいる人なら当然知っていると思います。『遥かなる甲子園』参照」と、「沖縄人なら当然」を挙げる方も。

実は、1964年にアメリカで大流行した風疹が軍用地のある沖縄で広がったため、翌年以降に多くの聴覚障害児が生まれたことがあり、彼らのための教育施設として1978年 – 1983年の6年間限定で『北城ろう学校(中等部・高等部)』が設立されたほどでした。コメント内にある『遙かなる甲子園』はそのろう学校を舞台にした野球もののノンフィクション及び漫画作品です。

また、知らなかった方は、
「こんなに危険なこととは!」
「おたふくを大人になってやるとよくないという事しか知らなかった」
と驚いている方が多く、

この結果に対して、
「常識であり知らない人が1/4もいることが問題。義務教育で今は教えてないのかな?」
「この問題って妊娠発覚して産婦人科に行けば説明される常識レベル」

と唖然としているコメントも多く見られました。

その一方で、「風疹の大流行がニュースになっていますが、あなたはかかったことや予防接種の経験はありますか?」という調査の結果は、以下のようになっています。

・風疹にかかったことがあり、予防接種も受けた:15.7%
・風疹にかかったことがあるが、予防接種は受けていない:19.9%
・風疹にかかったことはないが、予防接種は受けた:21.7%
・風疹にかかったことも、予防接種を受けたこともない:16.8%
・わからない:25.9%

(リサーチパネル調べ、13万6205人が対象)

13万人を超えるネット調査で、「風疹にかかったことも予防接種を受けたこともない」「わからない」が42.7%にのぼります。今年全国で発生した風疹患者のうち、ワクチン接種歴が「不明」「なし」の割合が全患者の9割を占める(徳島県保健製薬環境センター発表)ことを考えると、これは恐るべきデータだと思いませんか?

前述の通り、風疹の中心となる流行が起きているのは20代〜30代という、まさに妊娠・出産ピークが起きる世代。患者の多くは、子どもの頃に予防接種を受けた人がとくに少ないといわれる男性です。これは逆の見方をすれば、「被害者よりも『加害者』になってしまうリスクが圧倒的に高い」とも言えます。また、男性が多いとはいえ、女性の感染者数も今年に入って既に1229人にものぼっています。

妊娠初期は会社の同僚にも妊娠の事実を知らせていないケースも多く、また見た目では分かりません。そう、あなたのすぐ隣にも、妊娠中の女性が座っているかもしれないのです。風疹にかかったことも予防接種を受けたこともない、もしくはわからないという男性も、自分の奥さんや家族の女性が、妊娠中に風疹を移されたとしたら、どう思うでしょう。

「子どもの障害」は、一生かけて担っていくにしてもとても重い問題です。それも、よく知っている他人からうつされたとしたら、きっと恨んでも恨みきれないでしょう。予防接種は、自分のためであると同時に、誰かのためでもあるのです。

風疹の予防接種は、特別な場所で行われているものではなく、最寄りの一般的な内科で接種することができます。まずは、ワクチンの在庫を問い合わせてみるところからはじめてみてはいかがでしょうか?





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