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嫌なことは寝て忘れろ、は間違い?強烈なストレスには睡眠不足も薬に

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睡眠不足が健康に悪影響を与えるのは事実だが、オックスフォード大学で行われた研究によると、トラウマなどの嫌な記憶を残さないためには、あえて睡眠を取らない方がよい可能性があるという。


□「嫌なことは寝て忘れる」は睡眠・快眠に良い?
仕事や学校でのストレスや嫌なことがあったとき、あなたはどのように解決するだろうか?

スポーツで体を動かしたり、家族や友人とおしゃべりをしたり、好きな映画を見たり、趣味に打ち込んだりと、ストレス発散の方法はいろいろある。

また、嫌なことはとにかく寝て忘れるという人もいるだろう。寝て起きれば頭もスッキリして、今まで自分が考えていた問題も実は大したことではなかったと気付くこともある。「嫌なことは寝て忘れる」というのは、睡眠の有効な活用法の一つといってもいい。


□睡眠にストレスを持ち込むのはNG 不眠・睡眠障害のもと
しかし、これには注意も必要だ。ストレスを抱えながら眠ると睡眠が浅くなることがあるからだ。

朝起きてしっかりと疲れが取れているようであればよいが、そうでない場合は、ストレスを睡眠に持ち込むべきではない。

入浴、アロマ、音楽など、自分に合ったリラックス習慣を見付け、夜眠る前に実践し、ストレスを解消してから眠るのが理想的な睡眠だ。



□うつ病などの精神疾患には良質な睡眠が不可欠
うつ病や統合失調症などの精神疾患では睡眠に異常があるケースが多く、睡眠と精神疾患の間には切っても切れない関係があるのは事実だ。

睡眠の改善が精神疾患の治療にとって有効である可能性はいくつもの研究によって示されており、心の健康にとって良質な睡眠が不可欠だということは事実とされてきた。


□トラウマなど精神疾患には睡眠不足が効果を示す?
しかし、話はそう単純ではないようだ。オックスフォード大学の研究によると、精神疾患の種類によってはあまり眠らない方がよい場合もあるという。

衝撃的な光景を見るなど強い衝撃を受けた後に、何かのきっかけでその光景が脳裏によみがえったり夢に見たりする現象を「フラッシュバック」というが、よく眠ったときよりもあまり眠れなかったときの方が、フラッシュバックの回数が少ないことが分かったのだ。

トラウマを抱えた人にとってフラッシュバックは耐え難い。これまでトラウマの治療では、他の精神疾患と同様によく眠ることがよいとされてきたが、必ずしもそうとは言えないことになる。

□「ストレスで眠れない・不眠」には人間の防衛本能が働いている?
あまり眠らない方がトラウマのフラッシュバックが減るのであれば、睡眠と精神疾患の間には現状考えられる以上に複雑な関係がありそうだ。

睡眠中の脳には記憶を定着させる働きがあると考えられている。それならば、ストレスやトラウマを抱えたときによく眠れなくなってしまうのは、脳が緊急防衛本能を働かせて睡眠中に「嫌なことを記憶しない」ようにしているのかもしれない。睡眠を犠牲にしてでも、脳に記憶が定着するのを防いでいるのかもしれない。

真相解明には、今後のさらなる研究結果が待たれるが、トラウマの新たな治療アプローチが発見される可能性もある。





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