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バスの揺れや拍手でじんましん!?「振動性蕁麻疹」の症状と原因とは

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食べ物、薬、植物などさまざまな原因で発生する「蕁麻疹(じんましん)」。その中でも、体が感じ取った振動に対してアレルギー反応を起こしてしまう「振動性蕁麻疹」をご存知だろうか?



□「振動性蕁麻疹」とは? どんな症状が見られ、原因は何なのか
症状は皮膚の赤みやかゆみ・頭痛・疲労・目のかすみなどで、多くの場合は1時間以内に治まる。しかし、拍手をしたりバスに乗ったりする程度の揺れでも起こる可能性があるというので厄介だ。

2月に発表されたある調査で、このじんましんの原因が遺伝子の突然変異だということが判明した。今後の治療薬の開発に期待が寄せられている。



□じんましんの原因は? 悪さをするのはヒスタミン
じんましんは食べ物・薬剤・植物や昆虫などが原因のアレルギー性、振動など物理的な刺激や汗をかくことで発生する非アレルギー性に分けられるが、体内で起こる現象はどちらも同じだ。

体が特定の刺激を受けると、全身に分布している免疫細胞のマスト細胞が「ヒスタミン」を分泌する。ヒスタミンは皮膚に赤みやかゆみを起こす物質で、主なアレルギー治療薬は、この物質が炎症を起こすのを抑える作用により、アレルギー反応を軽減させる。



□家族3組のアレルギー反応を分析調査
米国立衛生研究所の研究チームは、数世代にわたって振動性蕁麻疹を経験している3組の家族、合計36名を対象に、調査を行った。症状のあるなしにかかわらず血液検査を行い、振動でアレルギー反応が起こった際のヒスタミン量とDNAを分析した。



□「振動性蕁麻疹」の原因は遺伝子の変異!
調査の結果、振動性蕁麻疹をもつ参加者のヒスタミン量は、振動を受けた直後、急激に上昇したが、そうでない参加者は若干の上昇が確認されただけだった。また、じんましんを持つ参加者にのみ、「ADGRE2」と呼ばれる遺伝子が変異していることが分かった。



□変異遺伝子が振動を「刺激」にする
ADGRE2遺伝子の変異は、じんましんの発生とどのような関係があるのだろうか。研究チームは、「ADGRE2遺伝子のはたらきが、マスト細胞を含む免疫細胞と深く関わりを持つ」という仮説を立てた。

この遺伝子から生産されるADGRE2タンパク質は、2つのタンパク質分子「αサブユニット」と「βサブユニット」で構成されている。通常、お互いが密着し合うことで正常に作用しているのだが、変異した遺伝子から生み出されたタンパク質は、このサブユニットが不安定だ。すると、本来なら接していなければならない2つの分子が、振動を受けることで離れてしまい、その際に発疹などのアレルギー反応が出てしまうのだ。

振動性蕁麻疹に隠された原因の一部を発見できたことは、治療薬の開発など、今後さらに医療が進む重要なきっかけになった。研究チームは、ADGRE2を含めてこの病気の背景にあるそのほかの遺伝子についても引き続き理解を深めていくとのことだ。




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