2016年10月10日
ドバイの次なる超高層タワーが(多分そこまでは)燃えない理由
万一燃えたって、ジェットパックという奥の手も。
ドバイで、「ブルジュ・ハリファやエッフェル塔と並ぶ建築の驚異」を標榜する新たな展望タワーの計画が発表されました。景気が良さそうで大変結構ですが、心配なのはまた燃えるんじゃないかってことです。
この新たなタワーのデザインは伝統的なイスラム建築を現代風にアレンジしたもので、UAE政府がコンペによって6社の中から選抜しました。デベロッパーはブルジュ・ハリファと同じ政府系のエマール・プロパティーズ社です。ちなみに彼らは、この前の大晦日に火事になったビルも手がけてるんです。
新しいタワーの細かい仕様は公開されておらず、気になる高さもわかりません。ただイメージ図では、絵だからだいぶ盛ってるとは思いますが、他の30階建てタワーの3倍はありそうです。それから、外装に安くて燃えやすいアルミ複合材が使われるのかどうかも不明です。大晦日に燃えたタワーでも、2012年以来火事になった3つの大きなビルでも、アルミ複合材が使われていたんです。
でもこの展望タワーを手掛ける建築家はサンティアゴ・カラトラバ氏なので、いろいろな意味で大丈夫かもしれません。彼の建築は白い骨を思わせるようなデザインで知られていて、そこにはアルミ複合材は使われていません。それに彼は、なかなか完成しなくてコストばかりかかるプロジェクトでも有名です。たとえば彼がデザインしたワールドトレードセンターの交通ハブはまだオープンしておらず、すでに「世界で最も高価な駅」「世界で最も高価な通路」という悪名を付けられてしまいました。
なので万一この展望塔が火事になっても、今までのドバイのビル火災みたいに派手には燃えなさそうですし、そもそもタワーがいつできるかもわかりません。それにこのタワーが完成する頃には、きっとジェットパックを背負った救助隊が飛んできてくれるでしょうから。