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生きている人から肝臓を移植する「生体肝移植」ってどういうもの?

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生体肝移植後、患者が亡くなるということが続いてる病院がある…とニュースで報道されました。

ところで生体肝移植とはいったいどのようなもので、どんなときにする移植なのでしょうか?

今回は生体肝移植について医師に聞きました。


肝臓のはたらきってどんなもの?
肝臓は、とても大切な臓器です。

1.栄養の構築
・糖や蛋白質、脂肪の形を変え、エネルギー源として貯蔵する。
・脂肪の消化吸収を行う胆汁をつくる。

2.有害物質の分解
・アルコールや老廃物など体にとって有害な物質を分解し、無毒化する。

肝臓に疾患があって、うまく働かなくなってしまうと黄疸が起きたり肝硬変や肝不全になります。

生体肝移植ってどういうこと?
生体肝移植とは、生きている健康な人から、肝臓の一部分を手術によって切り取り、移植用臓器とします。肝臓の一部を提供する人(ドナー)と、肝臓をもらう人(レシピエント)が同時に手術します。

≪移植する肝臓の大きさ≫
移植される肝臓の大きさは、レシピエントの体重の0.7パーセント以上です。
一方でドナーに残される肝臓は、摘出前の大きさの3割以上となるように移植が行われます。

≪移植後の反応≫
レシピエントには移植後、拒絶反応を抑えるための「免疫抑制療法」を行います。さらにこの療法に対する副作用や感染などさまざまな反応が起こることもあり、場合によっては命に関わります。
ドナーにも、感染や胆汁漏などの合併症が起こることがあります。ドナーは移植によって肝臓の一部を失いますが、残された部分から徐々に再生します。

生体肝移植が必要になるのはどんなとき?
肝移植が必要になる人は、疾患によって肝臓が働かなくなってしまう末期の肝不全の状態で、他に治療法のない人です。

また、肝不全になっていなくても、治療不可のがんがある場合に根本的な治療をするためにに有用とされています。

移植の原因となる具体的な疾患は、子どもでは胆道閉鎖症、大人では肝がんや肝硬変が多いです。

ドナーになる条件も知りたい!
生体肝移植のドナーになるは、いくつかの条件があります。
・自発的意志があること
・全身状態がいいこと
・健康な肝臓で肝機能も正常なこと
・HIVやB型肝炎などの感染や、近年、悪性腫瘍の既往がないこと
・基本的には成人〜65歳程度
・必要な肝臓の大きさがある人(CTを用いて推定することができます)

肝臓の一部を提供する人(ドナー)と、肝臓をもらう人(レシピエント)は原則として、6親等以内の血族、3親等以内の姻族である民法における親族であることも条件と定められています。


生体肝移植はかなり難しい手術といわれていて、慎重に行うべき手術です。リスクも高い生体肝移植ですが、この治療がどうしても必要な人もいます。

肝臓の提供は、親族間であり、さらに提供可否の条件があります。何が起こるかわからない人生、自分がドナー候補となる場合があるかもしれません。知識として覚えておくといいですね。





地上最強にタフな生物「クマムシ」は別の生物が2割も混ざっているってほんと?

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血縁の判定や病気の診断にも使われる「遺伝子」。将来かかりそうな病気がわかるだけでもショッキングなのに、別の生き物の遺伝子が2割も混ざっているムシがいるのはご存じでしょうか?

体長1ミリほどのクマムシは、ゆるキャラのような風貌からは想像できないタフな生き物で、高温、乾燥、真空も大丈夫、レンジでチンしても生きているため、最強の生物とも呼ばれています。紫外線や放射線でDNAが損傷しても自力で修復可能、最近の研究によってほかの生物のDNAをおよそ2割も持っていることが判明、自分にないDNAを取り込むことが強さのひけつと考えられているのです。

■レンジでチンしても生きているクマムシ

ずんぐりとしたからだに4対8本の足を持つクマムシは、イモムシを小型にしたようなかわいらしい姿で、歩く姿が熊に似ているのが名前の由来。体長1ミリ程度、地球上のどこにでもいる至ってフツウのムシですが、ギネス世界記録にも登録された「最強生物」。地球上には存在しない過酷な環境でも生き延びる、ほぼ不死身な生き物なのです。

クマムシは、温度や湿度だけでなく、x線などの放射線にも耐え、

 ・絶対零度(約マイナス273℃)から150℃

 ・真空から6,000気圧

 ・乾燥

 ・人間が耐えられる量の1,000倍のx線

もOK、電子レンジで3分間チンしても死にません。理由は、

 ・乾燥 … 樽(たる)状に丸まって乾眠(かんみん)

 ・無酸素 … 仮死状態

と、活動を止めて状況が良くなるのを待っているからです。9年間も乾眠していたクマムシに水分を与えたところ活動を再開したとの記録もありますので、最強よりもリアル・ゾンビと呼ぶべき生物なのです。

■他種のDNAを「食事」する?

クマムシはなぜ「タフ」なのでしょうか? 最大の特徴はDNAを修復できること、さらに最近の研究では、ほかの生物のDNAを取り込むことで強くなった、と考えられています。

DNAは紫外線や放射線を浴びると損傷し、日常的な要素では「乾燥」でもダメージを受けることもあります。クマムシも例外ではなく、水分が減ると乾眠で対抗しますが、DNAが断片化してしまうためダメージを受けないわけではありません。そこで、ふたたび水分を得て動き回れるようになるとDNAを修復、このとき水分を失った細胞は外部から「もの」が通り抜けやすくなるため、この際にほかの生物のDNAを取り込んでいるのでは、と考えられているのです。

クマムシのDNAを解析したところ、

 ・細菌 … 16%

 ・植物 … 0.5%

 ・ウイルス … 0.1%

などが見つかり、およそ2割はクマムシ「以外」であることがわかりました。通常、遺伝子は「先代」から受け継ぐものであり、クマムシの親が細菌や植物であるはずもありません。そこで、エサから栄養を摂るように、ほかの種からDNAをもらってくる水平伝播(すいへいでんぱ)では? と考えられ、自分以外の「特徴」を取り入れることが強さのひけつ、と推測されているのです。

宇宙空間でも生き延びられそうなクマムシの研究が進めば、病気の治療にも大きく貢献しそうですね。あったかいんだから、な結果が出ることに期待しましょう。

 ・クマムシは、高温、乾燥、真空、高圧でも生き延びるタフな生物

 ・ダメージを受けたDNAを、自分で修復できる

 ・クマムシのDNAを調べたところ、およそ2割は「ほかの生物」のものだった

 ・DNAを修復する際に、ほかの生き物のものを取り入れている、と考えられている





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