2016年10月22日
えっ?カラーコンタクトレンズが、MRI検査では禁止?!
MRI検査はさまざまな診断に役立つ検査です。一方で検査をするときにはいくつか注意事項があります。
その1つが、カラーコンタクトレンズ類の使用禁止です。先日、とある病院職員さんからMRI検査時には「カラコン」をつけないようにお願いするツイートが話題になりました。
どうしてカラーコンタクトレンズやサークルレンズをつけたままの検査はいけないのでしょうか?
今回は、MRI検査とカラーコンタクトレンズの関係について、医師からに聞きました。
MRI検査ってどんなもの?
MRI検査は、磁気の力を利用して体の臓器や血管を映し出す検査です。強力な磁石がうめ込まれたトンネル状の筒の中に仰向けで入ります。
脳梗塞や脳腫瘍、前立腺がん、子宮がん、卵巣がん、椎間板ヘルニアなど、さまざまな部位の体の異変を発見するために使われます。
MRIには、強力な磁石が使われています。
そのため、うっかり金属のものを持ってMRIの部屋に入ったりすると、すごい力で機械に引き寄せられて飛んで行ってしまい、事故になることもあります。
どうしてカラコンしたままのMRIはダメなの?
カラーコンタクトレンズ(瞳を大きく見せるサークルレンズも含みます)には色がついています。
ほとんどのレンズの着色部分に酸化鉄や酸化チタンといった金属が含まれています。そのため、カラーコンタクトレンズをつけたままMRIを受けると、その金属が反応し、レンズが熱を帯びてしまうのです。
もしカラコンをしたままMRI検査を受けてしまった場合、角膜や眼球、目の粘膜の障害が起こる可能性があります。
これを避けるため、MRI検査を受ける時には必ずカラコンを外す必要があります。
多くの場合はMRI検査を受ける前の注意書きなどで、カラーコンタクトレンズは外すように書いてあると思います。普段からカラーコンタクトレンズを使用している人は、MRI検査のときにコンタクトレンズを必ず外して入室することを覚えておくといいですね。
※メイクも注意※
マスカラやアイライン、つけまつげ、アイブロウ、アイシャドウなどのアイメイクの化粧品にも磁性体が入っていることがあります。
撮影された画像がはっきり見えなくなってしまうことがあったり、やけどをしてしまうことがあるのでメイクもすべて落としてから検査するのが原則です。
カラーコンタクトレンズ、他の検査への影響は?
MRI検査のほかに、CT検査もカラーコンタクトレンズ使用時に注意する検査です。
CT検査では撮影する場所に金属があると、画像にアーチファクトと呼ばれる障害陰影が出て、検査の目的となる場所がはっきり見えないことがあります。コンタクトをつけていても撮影はできますが、特に頭部のCTを撮る際には、カラーコンタクトを外す必要があるか、事前に確認するといいでしょう。
余談ですが、自動車免許用の写真撮影や視力検査時にもカラーコンタクトレンズを外すよう、公安委員より指導されることもあります。
カラーコンタクトレンズを使用するときは、着用に注意が必要な場面があることを知っておきたいですね。事故などが起こってしまう前に自分でも気をつけられるといいですね。