2017年12月04日
超シンプル体内時計リセット方法とは 体内時計の無視ががんの原因に
近年、日本人の2人に1人がかかるといわれているがん。
がんの原因としては、遺伝や食事などの生活習慣が影響しているといわれていた。しかし、最近の研究によって、体内時計が狂うことも、発がんにかかわるのではないかとされている。
□がん細胞とはどんなものか? 正体は自分の細胞そのもの
がん細胞の正体は、自分の体にある細胞そのものだ。
髪が伸びたり、肌から垢が出たりするように、体の細胞は一定期間経つと生まれ変わる。正常な細胞では、生まれ変わりが規則正しく行われるが、老化や外部環境による刺激により細胞のDNAが傷つくと、制御を失って異常増殖する。これががんである。
□体内時計とは? そのメカニズムはどんなもの?
体内時計は、太陽の動きに合わせて体が機能するようになるために、進化の過程で作られたとされている。
体内時計によって、体温や睡眠だけでなく、ホルモンの分泌なども日内リズムで変動する。高血圧や喘息などの病気が、一日のある特定の時間に悪化するのも、体内時計が影響しているそうだ。体内時計は全細胞にある「時計遺伝子」によって作り出されるリズムによるものだという。
□体内時計に関わる時計遺伝子が壊れるとがんになりやすくなる
体内時計にかかわる時計遺伝子が壊れると、体内時計が乱れるだけでなく、細胞が異常増殖することが明らかになっている。
現代では1日24時間を無視して、自ら体内時計に従わない生活を送っている人が増えている。もちろん、警察、消防、看護師、警備員など、職業上、不規則な勤務をせざるをえない人もいるだろう。
体内時計に従わずに生活を送ることが、がんの原因の一つになると唱えている研究者のうちの一人が、東京医科歯科大学名誉教授の藤田 紘一郎氏だ。体内時計に従って生活することは、体の細胞が効率よく機能するのに役立つとされている。自然の流れである体内時計を無視した生活は、体や細胞のリズムを乱して、がんの原因にもなるというのだ。
□体内時計を正常にし、がんを予防するための生活は?
藤田氏が提唱する体内時計を正常にする生活は次の通りだ。
・起きた時に太陽の光を浴びる
体内時計は太陽の周期に合わせて作られたものなので、毎朝太陽の光を浴びるのは、体内時計をリセットするのに役立つそうだ。
・1日3回の食事を取る
食事を取ることも、体内時計のリセットに役立つ。実際に、国際線の飛行機に乗ると時差ボケを防ぐために、現地の到着時間に合わせて食事が出される。
体内時計をきちんと働かせるために重要なのは、基本的な生活習慣を整えることに他ならない。しかし、昼夜逆転の生活や忙しさを理由に、これを難しいとするのが現代人の悲しいところだ。