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カフェインに強い遺伝子? 寝る前にコーヒーを飲んでも眠れる人がいるのはなぜか

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先日、旅行先で夜遅くにホテルに到着。「疲れたなあ。コーヒー1杯飲みたいなあ」と思ったが、シャワーを浴びたらすぐ寝なくてはならない時間で諦めた。もし、眠れなくなると翌日に響いて困るからだ。


一般的に、寝る前にコーヒーや緑茶などカフェインを多く含む飲み物を飲むと眠れなくなることは知っている人も多いだろう。しかし、コーヒーや緑茶を飲んでも、特に睡眠に影響はないという人もいる。いったい、この差は何によるものなのだろうか。


□カフェインは覚醒作用が強い 医薬品にも
コーヒーや緑茶を飲むとなぜ眠れなくなるのだろうか。コーヒーや緑茶に含まれているカフェインはアルカロイドという化合物の仲間で覚醒作用がある。また、カフェインは眠気や倦怠(けんたい)感を除去するための医薬品として使われているほど効果があるものだ。寝る前のコーヒーは眠気覚ましの薬を飲んでいるようなものと言っても過言ではないのだ。


□カフェインに強い遺伝子
カフェインを多く含む飲み物は眠れなくなるから、寝る前は飲まないようにしているという人もいる一方で、飲んでも全く睡眠に影響しないという人もいる。アメリカのノースウェスタン大学の予防医学が専門の研究チームは、カフェインに強い人と弱い人がいるのは遺伝子が関係していると考えていて、ヨーロッパ系人種の約1万人の遺伝子の変異とカフェインを摂取した後に血中に現れる化学物質の関係について調べた。その結果、「CYP2A6」という遺伝子の変異体がカフェインの代謝に関係していることを発見したのだ。


□代謝のスピードと消費量の関係
「CYP2A6」の変異体を持っている人は、カフェインの代謝のスピードが速いという。つまり、「CYP2A6」の変異体を持っている人は、寝る前にコーヒーを飲んでも、すぐにカフェインが分解されてしまうので睡眠に影響しないのだ。また、この遺伝子変異体は、カフェインの代謝が速いことだけでなく、同時に、カフェインを大量に消費することにも関係していると研究チームは考えている。寝る前にコーヒーを飲んでも平気、しかもたくさんコーヒーを飲むという場合、この遺伝子変異体による可能性は高い。


□医療にも役立つ可能性
「CYP2A6」以外にもカフェインの代謝に関わる遺伝子が多数見つかっている。研究チームによると、これらの遺伝子はカフェインの代謝だけでなく、ニコチンの代謝にも関係していたり、不眠症、パーキンソン病、高血圧などの治療に使われる薬の代謝にも関係していたりすることが分かったという。ある特定の薬が効きにくい人、効きやすい人という違いにも遺伝子が関わっているのだ。

さて、話をコーヒーに戻そう。コーヒーを寝る前に飲むと眠れなくなるという経験がある人は、遺伝子が関係している以上、その性質が変わる可能性は低いので、やはり寝る前に飲むのは避けた方がいいし、問題なしという人はおそらくずっと問題なく眠れるだろう。自分の代謝の特徴を見極めながら、寝る前のコーヒーを楽しむかどうか判断していただけたらと思う。





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