2018年05月21日
眠りの質を最大限に改善するには? 寝室環境見直しのすすめ
夜ぐっすりと眠り、睡眠の効果を最大限に引き出すためには、寝室環境がとても大切だ。寝室の内装や照明を変えることによって、睡眠の質が改善して疲れがとれることは医学的にも証明されている。日々の眠りに影響を与える寝室だからこそ、ぜひとも気をかけていただきたい。たった少し工夫するだけでも、寝室を心地よい睡眠のスペースにすることができるのだ。
□科学的にも証明 快眠に最適な部屋とは?
大阪市立大学の研究グループは、寝室環境と睡眠の関係を明らかにするため、木を使った内装と間接照明を組み合わせた寝室と、同じく内装に木を使い直接照明を合わせた寝室で、睡眠の質を調査した。
その結果、木を使った内装と間接照明を組み合わせた寝室では、被験者は朝起きたときに、眠気や疲労感が少なくよく眠れたと感じ、日中の作業効率が上がることも示された。また、夜間の交感神経から副交感神経への神経の切り替えもスムーズに行われていた。木を使った内装と間接照明は、就寝前のリラックス効果を生み出し、良質な睡眠に適した就寝環境を作り出すことが示されたのだ。
一般的に、暖色系の色よりも寒色系の色は覚醒度を上げて睡眠を妨害する働きが強いとされている。したがって、室内の照明は、蛍光灯やLEDの場合は電球色か暖色系の照明、もしくは白熱灯を使うようにするとよい。また、パソコンやスマートフォンなどのディスプレーが発するブルーライトも覚醒度を上げるため、就寝前の使用には注意が必要である。
□「眠る部屋=寝室」の図式が理想的
寝室は、そこに入ったら、ほっとリラックスできるような「眠るだけの部屋」という設定が理想的である。可能であれば、寝室と仕事をする部屋は区別したほうががよい。
また、大阪市立大学の研究でも示されたように、寝室の壁紙、カーテン、インテリアの色合いなども、ベージュやブラウンといったリラックスしやすい落ち着いた雰囲気のものがよい。また、ブルー系やグリーン系の色にもリラックス作用があるとされる。
色の好みには個人差もあるが、あまりカラフルな色合いの部屋では神経を刺激してしまい、睡眠を妨害する可能性がある。寝室の照明の色も、白色系統の寒色系よりオレンジ系統の暖色系を選ぶのがよいだろう。
□眠る前から準備をする
眠る1時間前、部屋の照明はどのようにしているだろうか? 眠る直前まで明るくしていると、一般的な室内光程度でも覚醒作用があり、寝付きが悪くなる。最低でも眠る30分くらい前からは、ダウンライトやスタンドの光を壁に向けるなどして、部屋全体を暗めにすることが、快眠に適している。もっと言えば、眠る3時間くらい前、つまり、夕食前後の時間帯から部屋全体を少し暗めに設定しておくことで、睡眠ホルモンのメラトニンがたくさん分泌され、より睡眠に適した体内環境を整えられる。
□眠るときは真っ暗か豆電球程度
眠るときの照明はどうしているだろうか? 真っ暗な中で眠るのは睡眠に最適だが、真っ暗だと不安だという人は室内に豆電球をつけておくとよい。豆電球程度の照度であれば、明るさが睡眠に影響することはない。
□寝室環境見直しのすすめ
私たちの体に備わっている体内時計は、光にとても敏感である。そのため、寝室の色合いや照明は睡眠にとても大きな影響を与えるのである。しかし、少し工夫をするだけで、快眠をサポートする最適な寝室環境を作れるのである。朝起きてスッキリとしないなど、よく眠れていないと感じる方がいたら、ぜひ一度、寝室環境を見直してみることをおすすめする。