2018年07月11日
子どもの誤飲事故 ボタン電池には特に注意
幼い子どもは何でも口に入れてしまう。特に生後5〜6カ月を過ぎた頃から、周りにあるいろいろなものに興味を持ち始め、なめてみることで「これは何かな」と確認しているのだ。その時期は特に、それが食べ物なのかどうかが区別できない年齢でもある。だから、誤飲事故が起きる。子どもの誤飲事故と注意すべき点についてお伝えする。
□タバコが誤飲事故のトップ
幼い子どもはどのようなものを誤って飲み込んでしまうことが多いのだろうか。厚生労働省の調べによると、最も多いのがタバコで誤飲事故の5分の1を占める。次いで薬、磁石やねじなどの金属類、ビニール袋やシールなどのプラスチック製品、おもちゃ、電池と続く。
最も誤飲事故が多いのが6〜11カ月の赤ちゃんで3割を占めている。周りにあるものに興味を持ち始める時期、ハイハイやつかまり立ちを始める時期、これらの条件が重なって事故が多くなるのだ。
□特に危険!もし、ボタン電池を飲み込んだら……
誤飲事故の中で、最も多いタバコよりも注意しなければならないのが電池の事故だ。日本で報告されている電池の誤飲事故の全てが実は「ボタン電池」だ。
なぜボタン電池が危険なのか。ボタン電池は、体の中で消化管などに張り付いて、穴を開けてしまう可能性があるのだ。飲み込んでからたったの15分でそういった損傷が始まる。しかも、誤飲してから時間がたつと、張り付いたまま取り出せなくなってしまうこともある。
ボタン電池を誤飲したことが分かったら、直ちに医療機関を受診しなければならない緊急事態だと判断していただきたい。
□イギリスでボタン電池の誤飲事故が急増
日本の調査結果ではボタン電池の誤飲事故は数としてはそれほど多いわけではないが、イギリスでは急増しているという。ボタン電池を使った電化製品が年々増えていることによるものだ。ボタン電池を使った電化製品は子どもの手の届かない場所に保管しておくよう、医師らが注意を呼び掛けている。
□5センチのものでも誤飲する
こんなに大きなものが幼い子どもの口に入るのかと思われるかもしれないが、3歳の子どもが口を開けたときの最大口径は約4センチ、のどの奥までは約5センチもある。その大きさの範囲内のものなら、飲み込む可能性があるといってよい。
□周りの大人が日頃から誤飲防止を
子どもの口の大きさを想定した誤飲チェッカーなども出ているので、「このおもちゃは本当に大丈夫か」と、日頃から周りの大人が1つ1つ丁寧に確認作業をしていくことが、子どもの誤飲事故の防止につながる。