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子どもの歯ぎしり、寝言、夢遊病…危険なのはどれ?

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寝ている子どもが歯ぎしりをしている。もしくは、何かに夢中になっているときなどに無意識にキリキリと歯ぎしりをする。小学校に通う年ごろの子どもが歯ぎしりをしていると、集団生活のストレスではないか、友達と仲良くできているのだろうか、などと親は心配になる。

寝言をよく言う子ども、夜中に起き上がって部屋を歩き回る夢遊病のような症状なども、繰り返されれば何か重大な問題があるのでは、と親は不安になるだろう。


□赤ちゃんは「歯のかゆみ」と「バランス調整」で歯ぎしり
子供が乳児の頃、ぶーぶーと吹くようなしぐさで、乳歯が生えかけた歯茎をこすり合わせていたことがあるはずだ。「歯がかゆいんだね」と、ほほ笑ましく見守った覚えがあると思う。

これは、かゆいだけでなく、生えかけの歯で離乳食をかむことが難しいので、歯ぎしりをしてあごの筋肉のバランスとかみ合わせを整えているのだ。


□子どもの歯ぎしりの原因は「噛みあわせの修正」
同じように、乳歯が永久歯に生え変わるときにも、歯のかみ合わせが一時的にアンバランスになる。永久歯への生え変わりは、6歳〜17歳頃にかけて完成する。その間、歯は上顎(じょうがく)と下顎(かがく)から別々に生えてくるため方向が定まらず、食べ物をかむことが難しい。

そこで、歯ぎしりをして歯のかむ面の凸凹を合わせ、かむのに適した30度の斜面に落ち着かせる。同時に、歯ぎしりで歯をすり減らしたり、歯をくいしばって飛び出した歯を沈下させたりして、かみ合わせを修正する。子供が成長して歯が完全に生え変わり、かみ合わせが落ち着くと、歯ぎしりは自然になくなる。


□子どもが睡眠中にしゃべる、歩き回る。目覚めても覚えていない!?
睡眠中のさまざまな好ましくない行動のことを、睡眠時随伴症「パラソムニア」という。

睡眠時随伴症には、歯ぎしりや寝言、悪夢など軽度なものから、歩き回る夢遊病や、泣き叫ぶ夜驚症などもある。また、眠っている間に冷蔵庫を開けて、無意識に食べたり、飲んだりする症状もある。

睡眠時随伴症の原因は1つではないが、遺伝の影響が最も大きいことが分かっている。遺伝に加えて発達障害や家庭環境が影響し、子どもがストレスを感じる養育環境があると症状がひどくなると言われる。

また、自分の寝室にテレビがある子どもは、持っていない子に比べて睡眠の質が悪く、怖い夢を見たり、寝言を言ったり、目覚めたときに疲れているといった症状が明確に出ることが分かった。

大部分の場合は特別な治療ではなく、子どもがストレスを抱える原因を取り去ったり、養育環境を改善することで治っていく。重度の場合には専門医による睡眠剤などの薬物治療が効果的な場合もある。


□子どもの夢遊病の原因は?
夢遊病の原因として、子どもの場合、脳の一部(睡眠覚醒を制御する機能)が未発達であることに関連するといわれる。そのため、大体の症状は成長するに従い収まっていくと考えられている。

夢遊病や、睡眠中に突然悲鳴を上げたり泣き出す「夜驚症(やきょうしょう)」が見られる子どもは、その両親も小児期に同じ経験があるという研究報告が発表された。両親のうちの1人でも経験があると、子どもの47.4%に夢遊病が見られる。さらに、両親のどちらも経験がある場合は61.5%に上がった。

このように、歯ぎしり、寝言、夢遊病は、成長過程でよくあることだったり、遺伝的な問題であったりすることがほとんどだ。しかし、油断は禁物。ストレスにより引き起こされている場合もあるからだ。何かストレスのかかる時に限ってこれらの症状が出る、などがないか、親は子どもの寝ている様子もしっかり把握しておきたいところだ。






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