2014年11月10日
あなたの子供の頃の記憶は、本当に起こった事ではないかもしれない
あなたが覚えていると思っている3歳のバースデーパーティーの記憶が、実は写真から得た情報だったり、小学生の時の思い出だと信じている事が、実は自分に起こった事ではなく、あなたの兄弟の話だったということが、割と起こります。
最近では、作家のエリザベス・マクラッケンが、自分の幼稚園時代の87%の記憶が『Ramona the Pest(日本語版:ラモーナは豆台風 )』という子供向けの物語そのままだった(本で読んだ事を自分に起きた事と勘違いしていた)というツイートをしています。
どうして、こんなことになるのでしょうか?『New York Magazine』が、記憶の順応性、特に子供達の記憶と、幼少時代の偽の記憶について広範囲な研究をしている、カリフォルニア大学アーバイン校の認知科学者エリザベス・ロフタス氏にインタビューをしました。
その中で、「私達は、情報を色々な場所や時間から拾い集め、私達の記憶を『創る』ために使います」とロフタス氏は答えています。
ロフタス氏は、1990年代の半ば、大学生に「子供の頃、ショッピングセンターで迷子になった。」という偽の記憶(家族からの聞き取り調査で実際には起こっていない記憶)を植えつける事に成功しています。実験では、誘導尋問によって想定された記憶について尋ねるだけで、数人の学生がそれが本当に起こった事であると研究者に伝えました。
しかも、その偽の記憶は、現実的である必要がありません。後日の研究では、ロフタス氏と研究チームは、大学生に「子供の頃、ディズニーランドでバックスバニーに会った」という偽の記憶を植えつける事に成功しています−バックスバニーが、ディズニーキャラクターではないのにも関わらず。
偽の記憶が、なぜこんなに簡単に植えつけられてしまうのか、科学者達にもよく分かっていません。しかし、脳スキャンの実験では、大人の場合、偽の記憶に対する神経活動と、本物の記憶に対する神経活動は「ほぼ同じ」であることが分かっています。
神経科学者のブロック・カーワン氏は、
「記憶の原型が失われていると、不完全な偽の記憶でも、本物の記憶とほとんど区別がつきません。そのことが、古い記憶−言い換えれば、子供の頃の記憶−に、偽の記憶を植えつける事を簡単にしているのかもしれない」と述べています。
Your Fondest Childhood Memory May Not Have Really Happened
http://nymag.com/scienceofus/2014/09/your-fondest-childhood-memory-may-not-be-real.html