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残念な継承…「早寝早起き朝ごはん」親ができないと子もできない

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子どものころに「早寝早起き朝ごはん」を実行していた親の子どもは、実行できていなかった親の子どもよりも、夜更かしをせず、朝食を食べている事が判明した。生活習慣は確実に親から子へ伝わっているという。



□幼児期からの家庭教育に関する調査
ベネッセ教育総合研究所は2016年3月に、「幼児期から小学1年生の家庭教育調査・縦断調査」の結果を発表した。この調査は同一の子どもの年少児(3歳)から小1までの4年間、継続して子どもの様子や母親の意識の変化を追跡調査したものだ。

幼児期から小1まで家庭教育に重点を置き、同一の親子について継続して行った調査は希少性が高い(※1)。



□年長児期の親子のかかわりがその後の成長に大きな影響
調査によって、年長児期の親子のかかわりがその後の成長に大きな影響を与えていることが明らかとなった。

1:年長児期に「生活習慣」全般、「学びに向かう力」の「がんばる力」、「文字・数・思考」の「言葉」が身に付いている子ほど、小1で「大人に言われなくても自分から進んで勉強する」傾向が強い

2:年長児期に、親が子どものやりたい気持ちや考える行動を支えるほど、子どもの「がんばる力」や「言葉」の力は高まる

3:家庭での子どもの成長プロセスは、「生活習慣」をベースに、「学びに向かう力」「文字・数・思考」への成長へとつながっていく



□早寝早起き朝ごはんの習慣が作る「数字で見えない差」
小1の子どもの調査では、「学校から出された宿題をやる」99.1%、「自分で翌日の学校の準備をする」90.9%と、学校から指示される項目に関しては9割以上の子どもができている。

だが、「勉強が終わるまで集中して取り組む」67.3%、「大人に言われなくても自分から進んで勉強する」66.3%、「勉強をしていて分からないとき、自分で考え解決しようとする」は50.9%と、途端に数値の下がる項目がある。

これらは「集中」や「自ら進んで取り組む」など、自主性が要求される事柄だ。つまり、幼児期の家庭教育で最も差が出るのが「子どもの自主性」だった(※1)。



□高校中退者が後悔するのも「規則正しい生活ができなかったこと」
幼児期の生活習慣の良し悪しが、その後の子どもの将来に大きな影響を与える調査結果は他にもある。

東京都教育委員会が2013年に発表した「都立高校中途退学者追跡調査」の中で、「どのようなことがあれば中途退学しなかったと思うか」という質問が行われた。

すると、回答者の現在の状況(学生、フリーター、家事・育児など)にかかわらず、「規則正しい生活ができること」が上位に入ったのだ。意外な事だが、「規則正しい生活ができれば中退しなくて済んだ」と考える人が全体の3分の1近くもいたのだ



□「遅寝遅起き朝食抜き」の反省から生まれた「早寝早起き朝ごはん」運動
「早寝早起き朝ごはん運動」は、その名の通りの呼びかけだが、文部科学省なども含めてスローガン化して全国の教育現場に広がった。これは2000年に行われた日本小児保健協会の調査で、夜10時以降に寝る2歳・3歳児の多さに保育士が危機感を抱いた事に始まる。

当時2歳・3歳だった子どもたちが現在高校生になって生活リズムを整えるのに苦労している実態を踏まえ、文部科学省は中高生の生活リズム改善に力を入れたのだ。

□早寝早起き朝ごはんの習慣の先にあるのは、「子どもの健やかに成長した姿」
子どもの将来まで左右しかねない「早寝早起き朝ごはん」の習慣。まず手始めは「起きる時間のリセット」から。

春から夏は朝の日差しが強くなるので生活リズムを整えるのにはもってこいだ。起きる時間の目安は、登園の1時間前だ。早起きができた日にはカレンダーにシールを貼るのはどうだろう?





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