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2024.11.28

源氏物語〔12帖須磨 8〕

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テーマ：フォトライフ(4902)

カテゴリ：紫式部と源氏物語

源氏物語〔12帖須磨 8〕

「Dog photography and Essay」では、
「愛犬もも」と「源氏物語12帖須磨の研鑽」を公開してます。

源氏も御息所への返事を書きながら、もし運命が予測できたなら、彼女と共に旅に出るべきだったと考え、心細さを歌に込めて伝えた。そのように各人へ愛情に満ちた手紙を送り、それに返事が来ることを慰めにしていた源氏は、日々物思いにふけって過ごしていた。京に残っている花散里もまた、自分の寂しい生活について手紙を書き送り、源氏を思う悲しみを歌にして伝えた。その歌を見て、源氏は彼女の孤独な暮らしに心を痛め、花散里の邸宅の修理を命じた。尚侍は、源氏が須磨に追放される直接の原因となった女性であり、世間からは冷ややかな目で見られていた。しかし、尚侍の父である大臣は娘を哀れに思い、太后や帝に取り成して赦免を得るように努めた。

その結果、尚侍は宮中に復帰することが許され、再び帝の寵愛を受ける身となった。帝は、源氏がいないことを嘆きながらも、尚侍を温かく慰めた。音楽を合奏させる場で帝は尚侍に、「光が失われたようだ」と寂しさを語り、「来世に行っても愛し合いたい」と深い愛を込めて話しかけた。その愛情のこもった言葉に、尚侍は涙が止まらなかった。そんな彼女に帝は「涙は誰のために流れているのか」と問い、尚侍は胸に溢れる想いを抱えながらも、答えることなく静かに涙をこぼした。源氏は、自分に男子がいない寂しさを述べつつも、院の意向に沿って東宮を自分の子のように考えていたが、周囲の人々が介在するため愛情が十分に届かず、もどかしく思っていた。

一方で、政治が自分の意図しない方向に進んでいく現状を、若く無力な自分ではどうにもできない苦悩として抱えていた。須磨に流された源氏は秋風が吹くころ、離れた海から響く波音により一層の寂しさを感じていた。眠れぬ夜に一人で四方から聞こえる風の音を聴き、心の寂しさに涙が枕を濡らした。少し琴を弾いてみるものの、かえって寂しさが増すばかりだったため、「恋しさに泣く声と波音が重なるようだ」と歌を詠んだ。その歌声に宿直していた従者たちが目を覚まし、彼らもまた訳もなくすすり泣いた。源氏は、自分のために彼らが故郷を離れて同行していることを思い、悲しさと共に心苦しさを抱いた。

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Last updated 2024.11.28 10:20:10
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■コメント

Re:源氏物語〔12帖須磨 8〕(11/28)

クレオパトラ２２世さん

散歩をしている時私があいさつをする人には、コロも緊張を緩めるようです。
愛想を振りまきますね。
すれ違うだけの人には、軽快していることを感じます。
(2024.11.28 13:08:16)