山川浩の笛太鼓獅子舞入城No.1,笛吹き男は死ぬ気だった！少年達の決死獅子舞隊の秘密,影の尽力者「弥太」達,高遠藩近郊と伝承ルーツ,幕末,会津藩

カテゴリ：幕末会津藩

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山川浩の笛太鼓獅子舞入城＿No.1

笛吹き男「 高野茂吉（隊長） 」は死ぬ気だった！！

笛吹き男「高野茂吉（隊長）」は死ぬ気だった！！

時は慶応4年（1868）8月26日。場所は会津戦争。

戦の真っ最中、重装備で銃を
構えた官軍は唖然！
突如、我が目を疑う！！
砲煙たなびく戦場の中、なぜか、
面白楽しい笛太鼓のお囃子。

目の前を、童を先頭に、独特の舞いを演じて、獅子舞の隊列が通過してゆく。

まさか？！なんだこりゃ！
・・先頭を行く小さな童は、身の丈、大人の半分！

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No.1
No.2 ：■山川浩の笛太鼓獅子舞入城劇、■無名の英雄達
No.3 ：■小松集落の人々と、彼岸獅子カモフラージュ軍団、■史実の裏側
No.4 ：■会津末期の奥の手各所：＿命の報恩の訳を考察（その1）
No.5 ：■命の報恩の訳を考察（その2）＿山川浩家と、小松集落の民、「心的繋がり」
No.6 ：■忠誠なら日本一の「弥太之進」達の素顔と涙、■弥太の祭り好き気質（その1）
No.7 ：■弥太の祭り好き気質（その2）、■今生の別れ、生まれ初めて公認された「決死の弥太が踊る獅子舞」
No.8 ：■会津の小松彼岸獅子舞のルーツ等考察おまとめ表
No.9 ＆ No.10 ：■「御用提灯事件」：偉いこっちゃ！会津崩壊！打ち首寸前！村長の災難と救済者
No.11 ：■【特別付録編】日本の伝統芸術。素晴らしい！「◆獅子舞、◆祭り笛太鼓イメージ日本人形各種」

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会津戦争、唯一、空前のドラマ！！童達の獅子舞隊列

玩具同然の小さい少年が、舞いの先陣。「伝統の弓持ち」を健気に演じる。舞いの厚化粧を施し、
顔は真っ白け。舞いの衣装に身を包み、美しい飾りのついた弓を高らかに抱えて、
リズムにあわせ、難しいステップを巧に踏みながら、静々と進む。
天に差し向けられた長い弓は、この童の身長より、遥かに高い。

あれよ、あれよという間に、その行列が、目の前を通過してゆく。
官軍は口がポカン！開いた口が、二度と閉まらない。なんだこりゃ？？

先頭の子に限らず、チビ達は、皆、巧な舞いを演じる。
笛吹き男、太鼓打ち童、それに加えて、舞いの者。なんといっても目を引くのは、雄獅子と雌獅子。
それは、思わず、戦場を忘れて見入ってしまいそうな見事な演出。
官軍兵の一人は、思わず、自分で自分の頬を打ってみた。夢か現か？一匹の狐に摘まれてしまったか？

＿＿

特に、雄獅子と雌獅子の演技の絶妙なこと。しかも、この獅子は、雌雄共に、猛烈に小さい。
面を被っているものの、一目瞭然、童と解る。
ミニチュアサイズの可愛い雌雄の獅子が、見事な舞いにて、無言の物語を展開してゆく。
我を忘れて、独特な物語の世界に釣り込まれてしまいそうだ。

そして、ポーカーフィエスで淡々と笛を吹く男。この男の奏でるメロディーが、これまた絶妙。
官軍兵は、魔法にかかったように、このまま現世を離れ、魂が浮遊してしまいそうだ。
その音色は極めて神聖。別世界。面白楽しいようでいて、とてつもなく、
もの悲しい独特の音色。リズムは軽快で、その一方、旋律は、この上なく、 もの悲しい。
不思議なアンバランスが逆にマッチしているから不思議だ。
背筋に悪寒が走る。その不思議な笛の音は、天上の神々の存在さえ感じさせる。

他に比べれば、笛吹き男だけは、小さいとはいえない。さりとて、斬り捨てるには惜しすぎる。
なぜなれば、この音色は、神の声を、聴かせてくれる。心鬼にして斬りかかろうとすれば、

世にも不思議。突如、その音色がデュエットに化ける。
もう一方から、別の笛の音色が、天から降り注いでくる。

素晴らしいハーモニーだ。隊列の中に、その存在を探すと、
こちらは、明らかに小さい。身の丈のみならず、肩が細すぎる。やはり童だ。

引き続き、太鼓手の長と見受けられる少々大きめの少年が、壮烈な打音を放つ。
それは、清国のドラのごとく、脳天に響く。忽ち、雨嵐のごとく。玩具のように小さい童達の
太鼓が激しく打ち鳴らされる。舞い手が、足を高らかに踏み挙げて乱舞する。
今度は、もう一方の笛の音が、金切り声のように、高い音色に化けて、壮烈に乱れ揺れて、
高く低く交互に高速回転。あらゆる多種の音色が一気に鳴り響く。たった一人の吹き手の音とは、
とても思えない。小さい童ながら、かなりの熟練工。眩暈がしそうだ。

されど、主旋律だけは、なんら動じない。
蝋人形のように無表情の男。その音色は静々と鳴り響く。

官軍は、魔法に縛られて、殺戮の行動に走れない。金縛り。なんと美しい音色だろうか。

よく見れば、舞の者の中には、大きめの影も混じる。少年なのやら、大人なのやら、中途半端な
サイズの者も居ないでもないが、みんな顔は真っ白けか、面を被っている。
もしや曲者！と疑う兵も、どうにも拍子が抜ける。どの者を見ても見事な舞いなのだった。

これは素人ではない。ちょっとやそっとの俄仕込みじゃ、こんな見事な舞いを踊るは不可能である。

官軍の兵は、暫し魔法にやられた！
ポカンと口を開けたままに、舞いの隊列は前方の丘の向こうへ。

彼らが通り過ぎた道端には、どんよりと不思議な光。
舞い手の演じた激しい独特の踊り。身を屈して、前のめりの不思議な姿勢。リズムにあわせて、
足を高く踏み挙げる。ドーンと地を付く度に、砂埃。それが、皆の舞いで、ゆらゆらと、揺れて
不思議な煙に化して、そこに日の光が、降り注いでいた。

これは奇跡か幻か？もしや、天上の神到来か！！

まさか、この隊列の中に、敵の猛将、山川浩が舞い手の一人に化けて、
紛れ込んでいたとは、官軍の誰一人、予測できなかった。

★会津戦争、唯一、空前のドラマ！！

主旋律を奏でる笛吹き男は、何が起きようが、
蝋人形のごとく、表情ひとつ変えない。
彼は、死ぬ気だった！！

山川浩の笛太鼓獅子舞入城劇