戦国侍「荒木村重」について,荒木村重の戦功,謀反の経緯と動機,その背景,絡みの人物,概略MEMO資料編,荒木村重の巻No.5

カテゴリ：戦国から江戸初・中期人物談話

戦国侍「荒木村重」について,荒木村重の戦功,謀反の経緯と動機,その背景,絡みの人物,概略MEMO資料編

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戦国侍「荒木村重」と織田信長と「饅頭」＿No.5

織田信長に叛いた男達シリーズ：「荒木村重」版

暴君「織田信長」についにキレた男「荒木村重」の宿命

ところで、「荒木村重」の■戦功、■謀反の経緯と動機＿概略MEMO

前のページから読む＝ No.1 ＜前頁から読む＝ No.4

【1】【織田に仕える前の「荒木村重」の状態】
父の代から仕えた「池田氏」の臣にありながら、実質権限を乗っ取り寸前。
池田氏は摂津の三守護の一人。摂津の三守護＝（池田氏、和田氏、伊丹氏）

【2】天正元年(1573)：織田信長の臣にトラバーユ。この時、饅頭事件。とりあえず臣に認められ、
将軍足利義昭が立て篭もる「槇島」を攻め落とす手柄を。これにて、織田信長から、摂津一国の主を
認可される。その為、堂々、主家の「池田氏」を追放して、完全に下克上完成。

【3】他に、本願寺攻め、播州上月城攻め。
神吉城（中国三木城の支城）攻め。この時、中国全体の総司令官は羽柴（豊臣）秀吉。荒木はその配下。
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【4】なぜか突然の謀反開始＝天正6（1578）年10月
・・・謀反の原因、動機について：諸説あるが、その一例にて、その経緯を以下に

（当時流布された説＝噂）
中川清秀の家臣が、敵の本願寺に米を売っていた。中川清秀（茨木城）は、荒木の麾下。
これは、単に、一人の臣の末端侍による私欲。暴利を得る私的行為だったが、荒木が疑われた。
荒木なれば、かつても下克上やってる男だから、敵と結んで、織田に謀反か？の噂立つ。

荒木の誤算その実
（実際は、「巨大勢力＿毛利を味方にできるぞ！」のお誘いに腰が浮いた。）
・・当時、播州地方の小城主達の間、織田に毛利が勝つのでは？の説が有力だった背景有り。
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そこで、荒木は、「織田信長を倒すのは今がチャンス！」と判断＝イコール＝★誤算！！。

＜経緯1＞

この頃、秀吉が中国攻めをやっているが、毛利は強い。しかも、石山本願寺と提携した。
そこで、播州方面に於ける皆の判断は、毛利が立つなら、織田が敗れるだろう・・噂立つ。
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■さっそく、 三木城の別所長治 が、毛利と連携して三木城に篭った。彼は織田勢に居たが、
度々の屈辱的扱いについにキレた。この別所から、荒木にもお誘いが。毛利がついてるぞ！
■御着城の小寺政職（まさもと）も、多分毛利ではないかと考え、支城の役目を為す「姫路城の
黒田孝高（後の如水）」と意見が割れていた。黒田は織田と言う為。【下のA項目に影響】
▼
丁度、荒木も、疑惑の人状態。上記の「中川清秀家臣事件」の釈明に来い！と信長に責められていた。
うかうか馬鹿正直に釈明に行くなれば、信長のことだから、いきなり殺されても不思議はない。
危険度が高く、二の足踏んでいた。その矢先の誘惑。
▼
そこで、荒木は意を決す。自分の親族による支城もあれば、右腕左腕的存在の高山右近
＆中川清秀がいる。されば、いけるぞ！と判断して、謀反に踏み切る。

荒木ブレーンの城
■高山右近（高槻城）、■中川清秀（茨木城）
＜親族＆身内系＞
■有岡城（本人居城）、■尼崎城（嫡子の村次の城）、■花隅城（荒木元清が守る城）

＜経緯2＞＝織田信長による説得

信長にしてみると、突然謀反の訳がピンと来ない。釈明に来い！と散々脅してはきたが、殺すつもり
はなかった。そこで、謀反の理由を聞き出しに家来を派遣。
そのメンバー＝（松井友閑、明智光秀、萬（万）見重元）の三人。この三人は、人質として、母だけを、
差し出したら、その上で従来どおり仕官できる旨を伝達。しかし、本人は拒否。

＜経緯3＞＝羽柴秀吉による説得【下のA項目ご参照】＝黒田如水の派遣
荒木は拒否。それどころか、黒田を檻に入れる。
（後日、別編にて、この時の黒田如水の事ご案内します。おかげで足が生涯不自由になった！！）

【A項目＝この段階に於ける黒田の存在補足】

厳密に言うと、黒田が派遣された段階、黒田が羽柴の臣というのは超おおざっぱな表現。
＜厳密には：黒田の主従関係は派遣前と、派遣後で微妙に異なる＞
■黒田を、派遣したのは、小寺。
■しかし、抑留後救出された後、黒田が追従する直属の上司は、羽柴秀吉に転じる。
＜上下関係の構図＞
■織田＞羽柴＞御着城の小寺政職（まさもと）＞姫路城の黒田孝高（後の如水）
■姫路城（黒田孝高）は、御着城（小寺政職）の支城的存在。
この段階、小寺は、形式、織田に派遣された羽柴に追従しているが、内心、噂を信じ、毛利に
つきたい。しかし、支城の黒田がNO！という。意見が割れて、次第に邪魔になる。そこで、
小寺が黒田に「荒木を説得して来い。」と命じつつ、内心、荒木に黒田が殺されるだろうから、
手を汚さずに、黒田を始末できて、そのまま毛利に走ることができるだろうと思っていた。
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途中で、状況が織田優勢となる。既に、小寺は毛利に靡いていた為、立場を失い出奔。
▼
そこで、救出後の黒田は、初に、直接、羽柴の臣となった。

＜経緯4＞＝織田信長による徹底討伐

→【1】有岡城（1579/9/2に本人は脱走）
→【2】尼崎城（嫡子の村次の城：また脱走）
→【3】花隅城（荒木元清が守る城：天正8（1580）年7月2日に落城。但し、本人は、脱走。）

＜この間、順次、見せしめ脅迫！＝ No.3 の 「親族＆家来らの惨殺＝犠牲者＝（762人＋X？人）」
▼
＜経緯5＞＝その前後から本人逃走潜伏
それでも、本人は逃走
■安芸の毛利氏に逃げ込む。剃髪してカモフラージュ。
■尾道界隈に匿われ潜伏。（この段階、自称、「筆庵道薫」の様子。）

＜経緯6＞＝織田信長死亡後、堺に出没＝恵まれた茶人人生
・・（前述のとおり、多少、恨み晴らしに、高山右近らの誅殺未遂などもあるが、
まあまあ生きた。天正14/5/4（1586）：享年52才。死亡時場所は「堺」。

謀反の時、最後の砦が、花隅城だが、ここが落城したのは、天正8（1580）年7月2日に落城。
即ち、本人は脱走後、6年は生きた。自然死なのか、やはりなんらかの由縁か？それは不明ながら。

というわけで、現代人の感覚では、この荒木村重という人物の生き様に対して、深く感銘したり、
共感を覚えたり・・・し難い！のだが、当時の「大志を抱く男達」の間、惜しまれた有名人だった。

親族や家来が何百人も殺されて、それでも、己の志を曲げなかった姿が、戦国侍達にとっては、
寧ろ、あっぱれ！だったのだろうか？はて？

目を瞠る大物要素を多大に持ちつつ、普通の男のままに終わってしまった・・と大層嘆かれたそうだ。
センセーショナルな男。